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第二章 072防衛イベント戦
第14話 短期形態進化 ※挿絵あり
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そこは更に戦場と化していた。
始まりは停泊していた船。アレグシオンの異常から始まった。
そこから立ち上る黒煙。俺達が駆け付けた所には魔物が居た。
蝶のような外見の魔物。その細い手足には見覚えのある武器が装備されている。
それはアリアが使っていたあのガトリングガンだ。
それをこの蝶の魔物が使っている。
その動きは正にアリアそのものだ。
それをギンガが撃ち落す。
そこに落ちたのはただの魔物だった。そこに人間らしきものは居ない。
「アリア・・・」
俺が声を掛けようとする前にゼロスのライフルの斉射がそれに止めを刺した。
「おいシコル! 目を覚ませ! こいつらは敵だ! 乗組員が全員だ! 掃討するぞ!」
「どういう事だよコレは!!!」
「魔物堕ちだ。これもイベントだろうよ。感染はしねぇだろうが気を付けろ。使徒がこうなるのは敵の神の力だ。もう遅い。殲滅だ。加減もするな」
「待てよまだ生き残りが・・・」
俺の目には武器を持った魔物が船から出てくる姿が見える。
「シコルは駄目だ。アレス、付いていてくれ」
アレスの返事を聞くとゼロスは飛び出していく。
「シコルさん武器を出してください。僕もまだMP切れが続いています」
ああ。そうか。俺はいつもの左斧ブルパップライフルを出す。
アレスにスリングは、もう付けているか。
「シコルさんは撃てますか?」
俺は撃てると返そうとして、俺は自分の手に武器が無い事に気付いた。
「大丈夫。僕が撃ちます。マガジンをお願いします」
ああ。そうだ。マガジンか。
「まて、アレス。お前まで魔物にならないよな?」
「シコルさんなら止めてくれるでしょう?」
ああ。そうだな。アレス用のマガジンを用意する。
ああ。そうだ。俺の武器も。
アサルトを呼び出す。俺はこれで何を撃つんだ?
ーーー
「一度下がるぞ!」
ゼロスの声で俺達は下がる。
俺の目にはとんでもない怪物が写っていた。
あの船、アレグシオンと一体化した魔物。虫のようなものが張り付いてその足を蠢かせている。そして何かを叫ぶたびに死んだはずの魔物が蘇る。
あのアリアもだ。
「クソ! 奴らはMPも潤沢だな。そりゃここでたっぷり療養してたんだからな」
ゼロスが毒づく。それを尻目にギンガがこちらに来る。
「シコル。またバッテリーを頼める?」
ああ。そうだ。バッテリーか。
「それで何を撃つんだ?」
「シコル!!!」
流石に堪忍袋の緒が切れたゼロスが俺に詰め寄る。
「まって」
ギンガがゼロスを止めるとその目が俺を捉える。
「シコル。敵を撃つの。手伝って」
ああ。そうか。俺はギンガのバッテリーに大容量化の付与を掛ける。
「あれは敵なのか?」
「そう。ただの魔物。シコルが前に言ってたじゃない。あれは敵の使徒。向こう側の異世界転生者だって。ただそれだけ」
ああ。そうか。それだけか。
「アリアは向こう側に逝ってしまったのか」
「そんなに彼女の事を気にかけていたんですか?」
アレスが不思議そうに聞いてくる。
「ああ。後でサイボーグの事を聞こうと思ってたんだ。それが聞けなくなった。なんだかな。それがなんだか寂しくてな」
そんな俺にゼロスが声をかけてくる。
「シコル。お前人を撃った事はあるか?」
「まさか。ゲームだけだ。本気で人は撃てねぇよ」
それを聞いてゼロスは苦笑する。
「そうか。俺の勘違いか。だったら仕方ない。だが早めに復帰してくれよ。お前の力が必要になりそうだ」
ああ。そうか。俺が必要なのか。
・・・。
「っつかアレ倒せるのか?」
「ようやく戻ってきやがったかシコル。だから言ってるだろ。俺だけで倒せるかよ」
あん? 何をしてたんだ俺は?
俺は回転式グレネードを出すと初速を上げた空爆型にする。
「空爆グレネード! 撃つぜ!」
初速を上げた空爆が船の中央で炸裂する。
こいつは効果覿面だな。復活した魔物が木っ端みじんだ。
ーーー
俺が元に戻ったのは良いが、回復型ボスとかありえねぇだろ。
「これは使い処みたいですね」
アレスが自分で俺のスリングを外す。
「シコルさん。巨人になります。人が離れるまでフォローしてもらえませんか?」
俺は二つ返事でアレスのそばを離れる。
「短期形態進化!!! セラフィム・カリバーンを使います!!! 全員離れてください!!!」
それはどう説明すればいいか。
アレスが光の巨人になった。白い布を纏う大天使。50m級の翼を生やした巨人だ。それが剣を携えている。
その手が剣を空にかざすと辺り一面が燃え広がる。それは一瞬で072を覆い尽くす。
その炎は敵も味方も焼き尽くす。
だが敵にはダメージを。俺達にはバフがかかる。
セラフィムの加護。ダメージの回復に加えフィジカルアップもかかっているようだ。
そしてそれは武器にも。俺達の呼び出した銃器にもセラフィムの加護が付与される。その燃え盛る銃身は温度が一定でヒートアップしない。そしてその弾丸は蓄積効果を持つ。一定量が超えると爆発炎上する効果だ。
俺達はセラフィムの加護を受けて敵を押しのける。
復活と回復の効果を持つ敵には覿面だ。
「これなら俺も出しても良さそうだな」
ゼロスが武器をしまう。
「いいかシコル。間違っても俺を撃つんじゃねぇぞ」
そう言って不敵な笑みを浮かべるゼロス。
「短期形態進化!!! オーガを出すぞ!!! 間違えて撃つんじゃねぇぞ!!!」
ゼロスの体が膨れ上がると赤い体のオーガが姿を現す。
「制裁者よ! ここに在れ!」
ゼロスの言葉と共に超大型の対地対戦車ガトリングが姿を現す。それも二丁だ。
「見たかシコル! 俺が何にGをつぎ込んだってこういう事だ!」
そういうとゼロスオーガは走りながら銃弾を叩きつけていく。
そのガトリングからは薬莢が出てこない。
いかにもゼロスが好みそうな武器だ。
俺にも何かないのか。
俺は自分を探っていく。その奥にある言葉は、
「ヘカトンケイル」
俺がそれを呼び出すと俺の背後に無数の腕が現れる。
その機械的な腕にセンサーが付き、俺の感覚とリンクする。
だがその腕は太いが人間サイズで特に何かあるわけじゃない。
ショボい。
アレスの50m巨大天使とゼロスのオーガと比べてショボすぎる。
仕方がないのでそいつらにアサルトを握らせる。マガジン交換は宙に浮いたマガジンを叩き込む形だ。今のセラフィムの加護状態なら蓄積爆発で効果も出るだろう。
俺達は完全に押していく。
そして虫ボスの第二段階が来る。羽化して羽が生える。だがそれは空から来た光によって撃ち落された。
あれは銀の竜? 遥か上空からレーザーを放っている。
あれも誰かの短期形態進化か。
再生する羽を次々と落としていく。
そしてトドメだ。
アレスの天使がその剣を構えるとセラフィムの加護が消える。そして振り下ろした剣から炎の斬撃が伸びると船と虫ボスの両方を捉える。それが072の外に追い出されるとアレスの天使が飛翔。その巨体を乗せた一撃が船とボスとを串刺しにする。
そして完全に息絶えたボスと船を剣ごと振り上げるとそのまま遠くに投げ飛ばす。
これでようやく終わりか。
俺はそんなに活躍してないけどな。
ただ、そうか。
アリアとはもう会えないのか。
ただ、もう一度だけでも話したかったな。
ただ、それだけしか感じない戦いだったな。
始まりは停泊していた船。アレグシオンの異常から始まった。
そこから立ち上る黒煙。俺達が駆け付けた所には魔物が居た。
蝶のような外見の魔物。その細い手足には見覚えのある武器が装備されている。
それはアリアが使っていたあのガトリングガンだ。
それをこの蝶の魔物が使っている。
その動きは正にアリアそのものだ。
それをギンガが撃ち落す。
そこに落ちたのはただの魔物だった。そこに人間らしきものは居ない。
「アリア・・・」
俺が声を掛けようとする前にゼロスのライフルの斉射がそれに止めを刺した。
「おいシコル! 目を覚ませ! こいつらは敵だ! 乗組員が全員だ! 掃討するぞ!」
「どういう事だよコレは!!!」
「魔物堕ちだ。これもイベントだろうよ。感染はしねぇだろうが気を付けろ。使徒がこうなるのは敵の神の力だ。もう遅い。殲滅だ。加減もするな」
「待てよまだ生き残りが・・・」
俺の目には武器を持った魔物が船から出てくる姿が見える。
「シコルは駄目だ。アレス、付いていてくれ」
アレスの返事を聞くとゼロスは飛び出していく。
「シコルさん武器を出してください。僕もまだMP切れが続いています」
ああ。そうか。俺はいつもの左斧ブルパップライフルを出す。
アレスにスリングは、もう付けているか。
「シコルさんは撃てますか?」
俺は撃てると返そうとして、俺は自分の手に武器が無い事に気付いた。
「大丈夫。僕が撃ちます。マガジンをお願いします」
ああ。そうだ。マガジンか。
「まて、アレス。お前まで魔物にならないよな?」
「シコルさんなら止めてくれるでしょう?」
ああ。そうだな。アレス用のマガジンを用意する。
ああ。そうだ。俺の武器も。
アサルトを呼び出す。俺はこれで何を撃つんだ?
ーーー
「一度下がるぞ!」
ゼロスの声で俺達は下がる。
俺の目にはとんでもない怪物が写っていた。
あの船、アレグシオンと一体化した魔物。虫のようなものが張り付いてその足を蠢かせている。そして何かを叫ぶたびに死んだはずの魔物が蘇る。
あのアリアもだ。
「クソ! 奴らはMPも潤沢だな。そりゃここでたっぷり療養してたんだからな」
ゼロスが毒づく。それを尻目にギンガがこちらに来る。
「シコル。またバッテリーを頼める?」
ああ。そうだ。バッテリーか。
「それで何を撃つんだ?」
「シコル!!!」
流石に堪忍袋の緒が切れたゼロスが俺に詰め寄る。
「まって」
ギンガがゼロスを止めるとその目が俺を捉える。
「シコル。敵を撃つの。手伝って」
ああ。そうか。俺はギンガのバッテリーに大容量化の付与を掛ける。
「あれは敵なのか?」
「そう。ただの魔物。シコルが前に言ってたじゃない。あれは敵の使徒。向こう側の異世界転生者だって。ただそれだけ」
ああ。そうか。それだけか。
「アリアは向こう側に逝ってしまったのか」
「そんなに彼女の事を気にかけていたんですか?」
アレスが不思議そうに聞いてくる。
「ああ。後でサイボーグの事を聞こうと思ってたんだ。それが聞けなくなった。なんだかな。それがなんだか寂しくてな」
そんな俺にゼロスが声をかけてくる。
「シコル。お前人を撃った事はあるか?」
「まさか。ゲームだけだ。本気で人は撃てねぇよ」
それを聞いてゼロスは苦笑する。
「そうか。俺の勘違いか。だったら仕方ない。だが早めに復帰してくれよ。お前の力が必要になりそうだ」
ああ。そうか。俺が必要なのか。
・・・。
「っつかアレ倒せるのか?」
「ようやく戻ってきやがったかシコル。だから言ってるだろ。俺だけで倒せるかよ」
あん? 何をしてたんだ俺は?
俺は回転式グレネードを出すと初速を上げた空爆型にする。
「空爆グレネード! 撃つぜ!」
初速を上げた空爆が船の中央で炸裂する。
こいつは効果覿面だな。復活した魔物が木っ端みじんだ。
ーーー
俺が元に戻ったのは良いが、回復型ボスとかありえねぇだろ。
「これは使い処みたいですね」
アレスが自分で俺のスリングを外す。
「シコルさん。巨人になります。人が離れるまでフォローしてもらえませんか?」
俺は二つ返事でアレスのそばを離れる。
「短期形態進化!!! セラフィム・カリバーンを使います!!! 全員離れてください!!!」
それはどう説明すればいいか。
アレスが光の巨人になった。白い布を纏う大天使。50m級の翼を生やした巨人だ。それが剣を携えている。
その手が剣を空にかざすと辺り一面が燃え広がる。それは一瞬で072を覆い尽くす。
その炎は敵も味方も焼き尽くす。
だが敵にはダメージを。俺達にはバフがかかる。
セラフィムの加護。ダメージの回復に加えフィジカルアップもかかっているようだ。
そしてそれは武器にも。俺達の呼び出した銃器にもセラフィムの加護が付与される。その燃え盛る銃身は温度が一定でヒートアップしない。そしてその弾丸は蓄積効果を持つ。一定量が超えると爆発炎上する効果だ。
俺達はセラフィムの加護を受けて敵を押しのける。
復活と回復の効果を持つ敵には覿面だ。
「これなら俺も出しても良さそうだな」
ゼロスが武器をしまう。
「いいかシコル。間違っても俺を撃つんじゃねぇぞ」
そう言って不敵な笑みを浮かべるゼロス。
「短期形態進化!!! オーガを出すぞ!!! 間違えて撃つんじゃねぇぞ!!!」
ゼロスの体が膨れ上がると赤い体のオーガが姿を現す。
「制裁者よ! ここに在れ!」
ゼロスの言葉と共に超大型の対地対戦車ガトリングが姿を現す。それも二丁だ。
「見たかシコル! 俺が何にGをつぎ込んだってこういう事だ!」
そういうとゼロスオーガは走りながら銃弾を叩きつけていく。
そのガトリングからは薬莢が出てこない。
いかにもゼロスが好みそうな武器だ。
俺にも何かないのか。
俺は自分を探っていく。その奥にある言葉は、
「ヘカトンケイル」
俺がそれを呼び出すと俺の背後に無数の腕が現れる。
その機械的な腕にセンサーが付き、俺の感覚とリンクする。
だがその腕は太いが人間サイズで特に何かあるわけじゃない。
ショボい。
アレスの50m巨大天使とゼロスのオーガと比べてショボすぎる。
仕方がないのでそいつらにアサルトを握らせる。マガジン交換は宙に浮いたマガジンを叩き込む形だ。今のセラフィムの加護状態なら蓄積爆発で効果も出るだろう。
俺達は完全に押していく。
そして虫ボスの第二段階が来る。羽化して羽が生える。だがそれは空から来た光によって撃ち落された。
あれは銀の竜? 遥か上空からレーザーを放っている。
あれも誰かの短期形態進化か。
再生する羽を次々と落としていく。
そしてトドメだ。
アレスの天使がその剣を構えるとセラフィムの加護が消える。そして振り下ろした剣から炎の斬撃が伸びると船と虫ボスの両方を捉える。それが072の外に追い出されるとアレスの天使が飛翔。その巨体を乗せた一撃が船とボスとを串刺しにする。
そして完全に息絶えたボスと船を剣ごと振り上げるとそのまま遠くに投げ飛ばす。
これでようやく終わりか。
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