異世界配信惑星ファンタジーライブマスター衆神環視惑星

中級中破微小提督

文字の大きさ
20 / 25
第三章 ナンバーワンギルド

第20話 惑星ナンバーワンギルドの根城

しおりを挟む
 俺達が072に着くとそこはお祭り状態だった。
 なんでも惑星ナンバーワンギルドの根城となったとかで瀕死の状態から蘇り、超強化されて安泰だとか。
 街並みは復興し、市民も使徒も大騒ぎだ。そのナンバーワンギルドがGPを使いまくったおかげで復興は速攻で終わったらしい。どうやらGPの消費でこの街自体のレベルが上がって色々と良くなっているらしい。
 そして功労者としてギルドマスターのゼロスよりもでかでかと表示されているのが『シコル・ギウス』という文字だ。
 ヤベェ。顔写真が無くて良かったぜ。

ーーー

 俺達が072に着いたときにお出迎えしてくれたのは全高30mの巨大ロボだった。
 ホバー型の重量級二脚に巨大な球のような胴体。そこから武器が召喚されて装備する形の用だ。俺が見たのは砲撃タイプ。腕の代わりに砲台が胴体に張り付いている。
 これがゴッドゴーギャンか。
 いやいやいや、これが撃破されたのか? 俺達が総出になっても倒せなさそうなこの巨大ロボットが何機倒された? しかも三体連なったトリプルゴッドゴーギャンにダメージを与えていた。敵の神が殴り込みに来たとしても納得の戦力だったんだろうな。
 だが残った2機と補充の1機は無事だ。まったく損傷が無い。取り合えず近辺は安全だな。

 俺達は警戒しながら門を避け、壁から侵入したが危険はない。
 冒頭の状態だったというわけだ。
 そしていつもの食堂では見知った顔がいくつも見られた。
 だが稼ぎで来た使徒はほとんどいない。どうも聞いてみると魔物堕ちが多いようだ。絶体絶命で同士討ちに責任のなすりつけ合い。ザマァ展開が繰り広げられていたのだろう。ゼロスがこの街を出ようとしたのはこのせいらしい。アレスとギンガも同様の様だ。見知った顔の072の古参も退避していたらしい。
 知らなかったのは俺だけだな。まさかのイベントでザマァ展開なんて事はないだろうな。そんな事を話していた。

 目下の問題は7つの魔物側拠点だ。
 072を中心に反時計回りで
 左下に1th地下ダンジョン。
 東側に2~5の4つの未確認拠点。
 右上に6thキャッスル。
 真上に7thパレス。
 
 上にあるキャッスルとパレスはゴッドゴーギャン3機が交代で砲撃を行っている。これは目視が出来る魔物拠点だ。俺達が離れる前は確認できなかった事から後から生えてきた奴だろう。072のような神が作った拠点なのか、魔物ギルドの作ったものかは今の所不明。ゴッドゴーギャンの砲撃でGPが入っていることから魔物は発生しているようだ。ただ拠点の破壊までは至っていない。魔物側の神の拠点である可能性は高いな。

 問題は左下の地下ダンジョンだ。こればかりはゴッドゴーギャンの砲撃も効かない。何よりも072に近い。森の中だから目視は出来ないが、前からあったと見るのが正しいだろう。いつも072を攻めてくるファンタジー魔物達だ。
 何よりの問題は俺達ソルジャーの銃器と相性が悪い。屋内で銃器は勿論だが銃声含む音がヤバイ。下手に爆発させると地下ダンジョン内の敵が全員やってくる。
 ここはゲームのダンジョンではなく、盗賊の根城というのが俺達の感覚で正しいという事もわかってきた。ゲームの様に規則正しく冒険者を待っているのではなく、攻め込まれれば即座に反撃してくる人間の砦。PvEではなくPvPという訳だ。
 なによりもこの魔物拠点はMPが回復する。つまり魔物がフルの状態で火力を出せるという事だ。いつもは迎撃でMPがカツカツの魔物を相手にしてきたがここでは違う。そして俺達使徒にたいしてMP回復妨害が働いている。この地下ダンジョンのどこかにそういう施設があるんだろうな。
 ここの攻略は相当に骨が折れるだろう。そもそも潰せるのかどうかも不明だ。

 そして東側は完全に手付かずだ。拠点が4つというのも憶測の状態だ。もしかしたらまだあるのかもしれないが今ある情報ではそうだ。
 こちらもスタンピードレベルではないが襲撃が来る。072の東側は比較的安全な狩場のような状態だ。そこそこに稼ぎたい連中はここだな。

 西側はアレグシオンのような船が係留できる港になっている。現在は増設されて3隻分。4、5隻分の港が現在建設中。いつでも追加GPで即建設出来る状態だ。
 西は街の確認ができる分、敵はほぼ来ない。
 アレグシオンのような特例が無ければ安全だろう。

ーーー

 俺達は今072の東側に居た。ここでの散発的な襲撃は武器の試し打ちには丁度いい。
 サイボーグ腕の多連装ホーミングレーザー。
 いわゆる照射ではないレーザーだ。弾速と反動があり、ENという謎エネルギーのレーザーだ。熱量でもなく運動エネルギーでもなく、質量がある謎エネルギー。俺はENという名の魔法物質という認識で使おうとしている。
 形はわかっている。右腕全体を使い、肘から先がレーザーの発射装置になっている。無機質な金属で出来た代物だ。ただの無害な金属塊だ。
 だが俺の感覚はそうは捉えていない。
 右腕に目のたくさんついた巨大芋虫がへばりついている感覚だ。
 サイボーグと繋ぐ呑まれる感覚には慣れた。
 だが腕がこの巨大芋虫に食われる感覚は如何ともしがたい。ただの金属だ、と自分に言い聞かせて耐えてはいるが、アリアとの一件が無ければここで発狂していただろう。
 俺が恐怖で自分の腕を見つめると、その目玉が全て俺に向く。
 この巨大芋虫が俺自身を襲いに来る。
 その恐怖のイメージがそのまま伝わりその銃口が俺に向けられる。
 駄目だ! 怖がるな!
 こいつは俺を襲わない。俺が俺を襲えと命令しているだけだ。
 お前たちの敵は向こうだ。
 俺は標的となる魔物に意識を向ける。するとその目が全て敵に向く。血に飢えた眼差しが涎を垂らしながら俺に獲物を捕らえたと報告してくる。
 なるほどな。さっきの俺に向けられた眼差しと比べれば敵意が無かったのがわかる。
 俺がその手綱を離すと血に飢えた眼差しが光となって魔物を襲う。
 そして奪われる俺のMP。こいつらの餌は俺のMPだ。
 MPを食わせてこの腕から生えた猟犬芋虫を従える。
 こいつらの視界が俺の視界に重なって目の前が暗くなる。俺自身がこの猟犬芋虫になっているかのようだ。
「シコル!」
 俺を呼ぶ声で俺の視界が戻ってくる。
「ゼロス」
 そうだ。ゼロスだ。俺に付き合ってくれている。味方だ。食うなよ。
 俺は次の得物を探して暴れ狂おうとする猟犬芋虫を宥めるとサイボーグを解除する。
 俺は自分の腕を確かめながら、あの自称金属塊のサイボーグ腕とかウッソだろと心の中で反芻する。
「ウッソだろ。こんなもん全身に這わせたら気が狂うわ!!!」
 おっと、言葉に出ちまった。
「なんだそんなにヤバいのか?」
「腕から多眼の巨大芋虫がすり寄ってくる感覚だぜ! 喰われてんのに痛くねぇのが逆に怖いわ!」
「だが威力は折り紙付きだろう。俺もあの光線がオモチャでないのを初めて知ったぜ」
「ああ。あれは銃じゃ撃てねぇわ。ENレーザーは魔法攻撃と見ていいだろうな。MPを直接攻撃に転換してる。マガジンに変換してたら効率が悪すぎるんだろうな」
「それでか。MP直結なんてやろうとしても無理だろうしな」
「ああ。それをやるためのサイボーグだろうな。コイツもストレージが一点もので共有する部分が無いもんな」
「確かにな。・・・・これは部品じゃないのか。あれで一つなのか」
 ゼロスが自身のストレージから召喚できるサイボーグを見ているようだ。
「一つというか、あれはもう生き物だぜ。改造した魔物、召喚魔法としては銃よりも向いているのかもな。ただおすすめはしないぜ。・・・さっきもだけどな。視界が腕に持っていかれたからな。意識とかも上書きされそうに感じた。これは油断すると魔物堕ちするかもしれねぇ」
「アリアもか」
「ああ。もしかしたら俺達が見ていたアリアはもう魔物に堕ちていたのかもしれねぇな。こっちが私の姿。その言葉はアリアに繋がれたサイボーグ達の言葉だったのかもしれねぇな」
「・・・またヤバい仕様を見つけてくれたなシコシコスルスル先生は」
「知らねぇよりはいいだろうが! もしまた次のアリアが来たら、今度は、ああ、うん、ああ、なんだ、ああ」
「助けたいか?」
「それだな。次に来るとは思えねぇけど、同じような奴が来たときにな」
 それを聞いてゼロスが苦笑する。
「本当にお前は強欲な奴だな。シコル・ギウス。いいぜ。付き合ってやるよ相棒。お前といると退屈だけはしそうにねぇ」
「隠さなくたっていいんだぜ相棒のゼロス先生。お前だって同じだろうが」
「俺は隠してもいいんだよ。お前が居るからな」
 俺とゼロスの視線が絡む。
 まあ、持ちつ持たれつ適材適所か。相棒との腐れ縁も長くなりそうだな。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

極限効率の掃除屋 ――レベル15、物理だけで理を解体する――

銀雪 華音
ファンタジー
「レベル15か? ゴミだな」 世界は男を笑い、男は世界を「解体」した。 魔力も才能も持たず、万年レベル15で停滞する掃除屋、トワ。 彼が十年の歳月を費やして辿り着いたのは、魔法という神秘を物理現象へと引きずり下ろす、狂気的なまでの**『極限効率』**だった。 一万回の反復が生み出す、予備動作ゼロの打撃。 構造の隙間を分子レベルで突く、不可視の解体。 彼にとって、レベル100超えの魔物も、神の加護を受けた聖騎士も、ただの「非効率な肉の塊」に過ぎない。 「レベルは恩恵じゃない……。人類を飼い慣らすための『制限(リミッター)』だ」 暴かれる世界の嘘。動き出すシステムの簒奪者。 管理者が定めた数値(レベル)という鎖を、たった一振りのナイフで叩き切る。 これは、最弱の掃除屋が「論理」という名の剣で、世界の理(バグ)を修正する物語。気になる方は読んでみてください。 ※アルファポリスで先行で公開されます。

英雄の番が名乗るまで

長野 雪
恋愛
突然発生した魔物の大侵攻。西の果てから始まったそれは、いくつもの集落どころか国すら飲みこみ、世界中の国々が人種・宗教を越えて協力し、とうとう終息を迎えた。魔物の駆逐・殲滅に目覚ましい活躍を見せた5人は吟遊詩人によって「五英傑」と謳われ、これから彼らの活躍は英雄譚として広く知られていくのであろう。 大侵攻の終息を祝う宴の最中、己の番《つがい》の気配を感じた五英傑の一人、竜人フィルは見つけ出した途端、気を失ってしまった彼女に対し、番の誓約を行おうとするが失敗に終わる。番と己の寿命を等しくするため、何より番を手元に置き続けるためにフィルにとっては重要な誓約がどうして失敗したのか分からないものの、とにかく庇護したいフィルと、ぐいぐい溺愛モードに入ろうとする彼に一歩距離を置いてしまう番の女性との一進一退のおはなし。 ※小説家になろうにも投稿

35年ローンと共に異世界転生! スキル『マイホーム』で快適5LDK引きこもり生活 ~数学教師、合気道と三節根で異世界を論破する~

月神世一
ファンタジー
紹介文 「結婚しよう。白い壁の素敵なお家が欲しいな♡」 そう言われて35年ローンで新築一戸建て(5LDK)を買った直後、俺、加藤真守(25歳)は婚約者に捨てられた。 失意の中、猫を助けてトラックに轢かれ、気づけばジャージ姿の女神ルチアナに異世界へと放り出されていた。 ​「あげるのは『言語理解』と『マイホーム』でーす」 ​手に入れたのは、ローン残高ごと召喚できる最強の現代住宅。 電気・ガス・水道完備。お風呂は全自動、リビングは床暖房。 さらには貯めたポイントで、地球の「赤マル」から「最新家電」までお取り寄せ!? ​森で拾った純情な狩人の美少女に胃袋を掴まれ、 罠にかかったポンコツ天使(自称聖騎士)が居候し、 競馬好きの魔族公爵がビールを飲みにやってくる。 ​これは、借金まみれの数学教師が、三節根と計算能力を武器に、快適なマイホームを守り抜く物語。 ……頼むから、家の壁で爪を研ぐのはやめてくれ!

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

もしもゲーム通りになってたら?

クラッベ
恋愛
よくある転生もので悪役令嬢はいい子に、ヒロインが逆ハーレム狙いの悪女だったりしますが もし、転生者がヒロインだけで、悪役令嬢がゲーム通りの悪人だったなら? 全てがゲーム通りに進んだとしたら? 果たしてヒロインは幸せになれるのか ※3/15 思いついたのが出来たので、おまけとして追加しました。 ※9/28 また新しく思いつきましたので掲載します。今後も何か思いつきましたら更新しますが、基本的には「完結」とさせていただいてます。9/29も一話更新する予定です。 ※2/8 「パターンその6・おまけ」を更新しました。 ※4/14「パターンその7・おまけ」を更新しました。

敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています

藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。 結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。 聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。 侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。 ※全11話 2万字程度の話です。

異世界スローライフ希望なのに、女神の過保護が止まらない

葉泪秋
ファンタジー
「小説家になろう」日間ランキング最高11位!(ハイファンタジー) ブラック企業で過労死した俺、佐久間遼。 神様に願ったのは、ただ「異世界で、畑でも耕しながらのんびり暮らしたい」ということだけ。 そうして手に入れた、辺境の村での穏やかな日々。現状に満足し、今度こそは平穏なスローライフを……と思っていたのだが、俺の妙なスキルと前世の社畜根性が、そうはさせない。 ふとした善意で枯れた井戸を直したことから、堅物の騎士団長やら、過保護な女神やらに目をつけられることになる。 早く穏やかに暮らしたい。 俺は今日も、規格外に育った野菜を手、皆の姿を眺めている。 【毎日18:00更新】 ※表紙画像はAIを使用しています

クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?

青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。 最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。 普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた? しかも弱いからと森に捨てられた。 いやちょっとまてよ? 皆さん勘違いしてません? これはあいの不思議な日常を書いた物語である。 本編完結しました! 相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです! 1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…

処理中です...