塵肉食い~鬼に堕ちた俺は望むままに人を食い散らかしていく~

中級中破微小提督

文字の大きさ
21 / 54
第一章 カナヅチ

第21話 お屋形

しおりを挟む
「お屋形様ァ!!!」

 今日も今日とて人食い生活。
 しかし、くれどもくれども鬼ばかり。
 出来損ないの鬼侍を、
 切って叩いて燃やして潰す。
 人食い鬼大餓。心の短歌。

 俺は雷で撃ちだした金棒を雷で絡めて振り回す。
 当たった個所に炎を敷き、そこに水をぶちまける。
 名付けて「雷射金棒雷振炎敷水らいしゃかなぼうらいしんえんじんすい!」
 ど派手にぶっ飛ぶが鬼侍の鬼武器を破壊するには至らない。
 
 そこで冒頭の台詞だ。この鬼侍たちは余程牧場主を崇拝しているらしい。
 不味そうだ。
 先の喚きに操られた食べられたき人間達を思い出す。
 これはもう鬼でも人でもない。

 俺は腕に巻いた雷を風の渦で増幅させる。
 舞い上がり吸着していく鬼武器を雷の一閃で切り裂く。
 名付けて「腕雷風渦鬼角雷閃刃わんらいふうかきかくらいじんは!」
 百か二百か。数えるのも馬鹿らしい。
 零れ落ちた力の本流を飲み込み、刀身を噛み砕く。

 ーーー

(クッ! ここまでとは! 何と詫びればよいのだ!)
 やはり俺の実力を見れば逃げ出すか。
(これでカナヅチを出し抜けたものを! あの鬼めぇ! このままでは済まさぬ!)
 これで確定だな。
(まずはこれを報告せねば。これほどの鬼。お屋形様でも危ういかもしれぬ)
 馬鹿を言うな。お屋形様が無頼の鬼に背を向けるとでも?
(その通りだ。我らが負けるはずがない)
 急ぎお屋形様の元へ行かなくては。寄り道する暇はないぞ。
「そうだ。急がなければ。即刻お屋形様の元へ!」

 ーーー

 それは一言で言えば地に沈んだ城であった。
 地下坑道の城と言ってもいい。
 これは見つからぬわけだ。
 牧場というよりも牢獄だな。

「開けよ! お屋形様に急用だ!」
「何を馬鹿な事を言っている! お屋形様に直に会うだと? 気でも触れたか!?」

 中腹の城門から男が門番と押し問答だ。
 本当に急用なのだがな。
 これ以上の近道は無しか。

 俺は影読みを解く。
 これは影に潜みその相手の思考を読み取り干渉する異能だ。
 
「やっと出られました! 狭すぎですよこれは!」
「あーしもこれは勘弁。人間の影は狭すぎ」
「文句の多い奴らだ。貴様らを抱える俺の労力を考えろ」

 俺は即座に人間を片付ける。駆け付け一杯だ。
 散々鬼ばかり送りおって。
 どれだけの人間を無駄に餌にしたのだコイツラは。

「大餓サマ! この門普通ではありませんよ!」

 面倒だ。
 俺は雷雲を発生させると雷を走らせる。
 そして城自体を炎で包む。
 名付けて「雷雲雷走城下炎包らいうんらいそうじょうかえんぽう!」
 これで解決だろう。あとは牧場主が出迎えるのを待つか。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

極甘独占欲持ち王子様は、優しくて甘すぎて。

猫菜こん
児童書・童話
 私は人より目立たずに、ひっそりと生きていたい。  だから大きな伊達眼鏡で、毎日を静かに過ごしていたのに――……。 「それじゃあこの子は、俺がもらうよ。」  優しく引き寄せられ、“王子様”の腕の中に閉じ込められ。  ……これは一体どういう状況なんですか!?  静かな場所が好きで大人しめな地味子ちゃん  できるだけ目立たないように過ごしたい  湖宮結衣(こみやゆい)  ×  文武両道な学園の王子様  実は、好きな子を誰よりも独り占めしたがり……?  氷堂秦斗(ひょうどうかなと)  最初は【仮】のはずだった。 「結衣さん……って呼んでもいい?  だから、俺のことも名前で呼んでほしいな。」 「さっきので嫉妬したから、ちょっとだけ抱きしめられてて。」 「俺は前から結衣さんのことが好きだったし、  今もどうしようもないくらい好きなんだ。」  ……でもいつの間にか、どうしようもないくらい溺れていた。

14歳で定年ってマジ!? 世界を変えた少年漫画家、再起のノート

谷川 雅
児童書・童話
この世界、子どもがエリート。 “スーパーチャイルド制度”によって、能力のピークは12歳。 そして14歳で、まさかの《定年》。 6歳の星野幸弘は、将来の夢「世界を笑顔にする漫画家」を目指して全力疾走する。 だけど、定年まで残された時間はわずか8年……! ――そして14歳。夢は叶わぬまま、制度に押し流されるように“退場”を迎える。 だが、そんな幸弘の前に現れたのは、 「まちがえた人間」のノートが集まる、不思議な図書室だった。 これは、間違えたままじゃ終われなかった少年たちの“再スタート”の物語。 描けなかった物語の“つづき”は、きっと君の手の中にある。

きたいの悪女は処刑されました

トネリコ
児童書・童話
 悪女は処刑されました。  国は益々栄えました。  おめでとう。おめでとう。  おしまい。

独占欲強めの最強な不良さん、溺愛は盲目なほど。

猫菜こん
児童書・童話
 小さな頃から、巻き込まれで絡まれ体質の私。  中学生になって、もう巻き込まれないようにひっそり暮らそう!  そう意気込んでいたのに……。 「可愛すぎる。もっと抱きしめさせてくれ。」  私、最強の不良さんに見初められちゃったみたいです。  巻き込まれ体質の不憫な中学生  ふわふわしているけど、しっかりした芯の持ち主  咲城和凜(さきしろかりん)  ×  圧倒的な力とセンスを持つ、負け知らずの最強不良  和凜以外に容赦がない  天狼絆那(てんろうきずな)  些細な事だったのに、どうしてか私にくっつくイケメンさん。  彼曰く、私に一目惚れしたらしく……? 「おい、俺の和凜に何しやがる。」 「お前が無事なら、もうそれでいい……っ。」 「この世に存在している言葉だけじゃ表せないくらい、愛している。」  王道で溺愛、甘すぎる恋物語。  最強不良さんの溺愛は、独占的で盲目的。

運よく生まれ変われたので、今度は思いっきり身体を動かします!

克全
児童書・童話
「第1回きずな児童書大賞」重度の心臓病のため、生まれてからずっと病院のベッドから動けなかった少年が12歳で亡くなりました。両親と両祖父母は毎日のように妾(氏神)に奇跡を願いましたが、叶えてあげられませんでした。神々の定めで、現世では奇跡を起こせなかったのです。ですが、記憶を残したまま転生させる事はできました。ほんの少しだけですが、運動が苦にならない健康な身体と神与スキルをおまけに付けてあげました。(氏神談)

『異世界庭付き一戸建て』を相続した仲良し兄妹は今までの不幸にサヨナラしてスローライフを満喫できる、はず?

釈 余白(しやく)
児童書・童話
 毒親の父が不慮の事故で死亡したことで最後の肉親を失い、残された高校生の小村雷人(こむら らいと)と小学生の真琴(まこと)の兄妹が聞かされたのは、父が家を担保に金を借りていたという絶望の事実だった。慣れ親しんだ自宅から早々の退去が必要となった二人は家の中で金目の物を探す。  その結果見つかったのは、僅かな現金に空の預金通帳といくつかの宝飾品、そして家の権利書と見知らぬ文字で書かれた書類くらいだった。謎の書類には祖父のサインが記されていたが内容は読めず、頼みの綱は挟まれていた弁護士の名刺だけだ。  最後の希望とも言える名刺の電話番号へ連絡した二人は、やってきた弁護士から契約書の内容を聞かされ唖然とする。それは祖父が遺産として残した『異世界トラス』にある土地と建物を孫へ渡すというものだった。もちろん現地へ行かなければ遺産は受け取れないが。兄妹には他に頼れるものがなく、思い切って異世界へと赴き新生活をスタートさせるのだった。 連載時、HOT 1位ありがとうございました! その他、多数投稿しています。 こちらもよろしくお願いします! https://www.alphapolis.co.jp/author/detail/398438394

星降る夜に落ちた子

千東風子
児童書・童話
 あたしは、いらなかった?  ねえ、お父さん、お母さん。  ずっと心で泣いている女の子がいました。  名前は世羅。  いつもいつも弟ばかり。  何か買うのも出かけるのも、弟の言うことを聞いて。  ハイキングなんて、来たくなかった!  世羅が怒りながら歩いていると、急に体が浮きました。足を滑らせたのです。その先は、とても急な坂。  世羅は滑るように落ち、気を失いました。  そして、目が覚めたらそこは。  住んでいた所とはまるで違う、見知らぬ世界だったのです。  気が強いけれど寂しがり屋の女の子と、ワケ有りでいつも諦めることに慣れてしまった綺麗な男の子。  二人がお互いの心に寄り添い、成長するお話です。  全年齢ですが、けがをしたり、命を狙われたりする描写と「死」の表現があります。  苦手な方は回れ右をお願いいたします。  よろしくお願いいたします。  私が子どもの頃から温めてきたお話のひとつで、小説家になろうの冬の童話際2022に参加した作品です。  石河 翠さまが開催されている個人アワード『石河翠プレゼンツ勝手に冬童話大賞2022』で大賞をいただきまして、イラストはその副賞に相内 充希さまよりいただいたファンアートです。ありがとうございます(^-^)!  こちらは他サイトにも掲載しています。

お姫様の願い事

月詠世理
児童書・童話
赤子が生まれた時に母親は亡くなってしまった。赤子は実の父親から嫌われてしまう。そのため、赤子は血の繋がらない女に育てられた。 決められた期限は十年。十歳になった女の子は母親代わりに連れられて城に行くことになった。女の子の実の父親のもとへ——。女の子はさいごに何を願うのだろうか。

処理中です...