【完結】キミのホントはどこにある?

間宮実呂

文字の大きさ
8 / 26

第8話 嵐の前触れ

しおりを挟む


 どうやって帰ったのか頭の中に残ってなかった。
 記憶が曖昧だけどどうでもよかった。
 腹が空かねぇ、全身重くてだりぃんだ。脳が鉛になって外から延々叩かれてキンキン耳鳴りが治まらない。

「テオ、起きてるんだろう? 開けてくれないかい?」

 夕飯どきに呼びにきたステフに『いらねえ』って追い返したのは何時間前だ。めげずにまたドアをノックする同級生に視界が揺らいでシーツが歪む。
 一日になんもかんもありすぎた。詰まりすぎてて頭が痛てぇ。
 このままオレはあの子の顔も名前も消費して魔術を使っていくんだろうか。

 ──めんどくせぇなあ!

 ベッドの上で胡座を掻いた。
 習慣で掛けている鍵はお客を中にいれようと勝手に外れて扉も開く。

「不貞腐れて寝てたの? 君は体が大きな子どもだね」
「……なに」
「寮母さんが夜食を作ってくれたんだ。ここに置いとくよ。少しでも食べたほうがいい。ただでさえ君は食欲に鈍感なんだから」

 困ったときに頼りにされる友達はフードカバーを被せたトレーを置いた。机のスペース足りてねえ。夜食の量じゃない気がすんな。
 寮母さんは学園の教師を兼任してる寮長先生とは違って、より身近な気のいいおばちゃん。荷物の受け取りとか弁当とかを頼んだりするのもこの人でしょっちゅう世話になっている。
 弁当が足りてなかったって晩餐革命のあと謝ったら大慌てされちまったんだよな──あぁ、クソっ、負のグルグルが連鎖でズルズル胃を絞めてきやがる。

「今度は落ち込んでるの? 忙しいね」
「ちげーし」
「今夜は僕と話せて安心しただろう? 食欲も戻るさ」
「おまえ……なんだよソレ。どっから来るんだ」
「君への友情からだよ」

 次期寮監督生のステファン・グレグリーはさすがだな。そんじょそこらの野郎が言ったら総スカン食らう台詞を至極当然って面で言いやがる。
 嫌味のベースだって思いやりだから棘が丸いよなぁ、こういうヤツだから新入生のオレはカンメーを受けて覚えようとしたんだな。

 ──ステフにしませんか。クードよりお勧めだよ、いいヤツだし。

 罪悪感をテーマに彫刻でも掘るのかてめぇ、頭ハンマーでぶん殴るぞ。
 オレは先週まで飯のことしか考えてねぇ生活送ってきたんですー! かわいい女の子が住むには掃除が足りてないんですぅー!
 クソッタレ。やっちまったモンは取り消せねえ。
 最後までオレに話しかけてくれたシェレアティアさんになんてことしちまったんだ。

「テオ、今は明日に備えてよく食べてよく寝るんだ。話は明日聞いてあげるから」
「おう……」
「君の取り柄は単純なところだよ。朝になったら直ってる」

 末っ子のステフを兄貴分にさせる幼稚さは爪の先くらいに潰して窓から捨ててぇ。
 謝る機会が訪れるかもわかんねえ人を悲しませた。たぶん泣かせた。
 単細胞で複雑な思考を読み取れねえから、あの子がいったいなにを言いたくてなにを覚えておいてほしかったのかオレにはちっともわかんねぇ。
 けど、激昂してたキミの教えはオレを導くんだ。オレは腹空かしちゃなんねーんだ。
 次会えたらなんて言おうか──会えるかな、会っても避けられるに決まってるよなあ!

「テオ! 食べるんだよ!!」

 おまえやっぱこの数日で母親化してるよな。周りで親切が流行ってんのかね。
 口を衝いてあんなこと言っちまったけどオレのほうがベッタベタに甘やかされてる。
 初恋の女の子よりだらしねえのって一生の恥だよな。オレがコイツやアイツみてーになれるのはいつだろうな?

「質問は一個までね。なに?」
「おまえ、叶わない恋ってしたことあるか?」
「あるよ。僕の初恋は婚約者がいた女性だったから。三歳のときだったかな」
「ませてたんだな」
「だろう? でもいい思い出だ。じゃあ、また明日ね」

 ──いい思い出か。オレの記憶は、どこへ行く? 残るよな?

 喧嘩きっかけで記憶を弾き飛ばした失敗がある。あの子に嫌われたーって癇癪起こすのはガキなんだよ。
 考えるのはやめてとにかく食おう。
 スパイスが効いてる肉を頬張り煮た野菜を咀嚼して温かいスープをかっ込んだ。
 すげぇ、適量だ。感動する。
 こっから一時間で腹が減るのが魔力暴走。シェレアティアさんがひもじい思いをしない家の子でよかったんだよ。
 癇癪持ちじゃねーって癇癪起こしてた難解なキミにまた会いたい。
 まだ枯れてない薔薇。お花を枕の傍に置くといい夢見られるって聞いたが、なんか違くて一輪挿しごと元の位置に戻しておく。
 見た目妖精さんのかわいい子を好きになったけど、キラキラっつーかギラギラだ。可憐なのに逞しいが先に来る。

「謝りたいって思うのはいいのかな。明日聞くかあ……」

 腹が満たされ顔を洗ったテオ・ソトドラム色気より食い気一七歳の顔は帰って来たときよりはまともになってそうだった。
 とっととベッドに入ったが天上を見ながら寝つけない。
 ここは王立の学園、魔術大学校。
 生徒総数は校舎の規模に比べりゃ少ないが、一一歳から同じ年代のヤツらが学びたくて集まってる。
 比較対象をわざわざ捜したりしなかった。周りはみんなオレよりできるヤツ。貴族、金持ち、庶民を視界に入れたくなさそうなヤツら。
 一人一人を見る機会ができてきて、同い年のヤツらの生態も観察するようになってきた。
 寮の友達と恋の話をしたのは初めてだったな。
 ステフですら初恋は叶わなかったんだ。ならオレもしょうがねーのかなって納得したい。
 感傷的になるにはオレは見た目に難ありだった。
 でもよぉ、同じ気持ちなんです、摘み取りたくないんです。
 覚えておくって大事だぜ。人間関係基本のキ──。

「……朝どころか昼じゃねえかよ」

 いやぁ寝たーって清々しい朝を迎えるはずだったオレは、目を開けたときの部屋の明るさに跳ね起きた。
 カーテンは閉めてあったが太陽光は容赦なく通過する。規則正しい習慣は身についていたはずだぞ、イレギュラーにはとことん弱かったみてぇだけどな。

「授業……っ! 試験は、来週か、ハァ……」

 王太子殿下にテオ・ソトドラムくん今日はお休みって報告されて面倒見られるのがクソ悔しい。
 一回休んでも学期内に何度かある試験をパスしてりゃ単位は取れるし進級もできる。
 心機一転授業もちゃんと聞こうぜ優等生──は初回から予定倒れになっちまった。
 気張んなよ、てか?
 やる気は削がないでほしかったかな。

「あ~あ……」

 ここで『どうしてステフ起こしてくんなかったんだよ!』って八つ当たりしたらとことんお子ちゃまだかんな。
 しょうがねぇから顔洗って厨房に行くか。
 時計の針は午後の授業ニコマ目の途中。夕飯には早いが腹ペコなんだ。

 ──あんなに心配してくれた。オレは腹空かせないで生きてくんだ。

「ソトドラム、起きているか?」
「はーい? 誰ですー?」
「マルキュリウス・ミランドだ」
「監督生!? ちょーっと待っててください……!!」

 寮生の中でいっちばん偉い人にえれぇ態度取っちまったなあ!
 シャツのボタンを一番上まで留めてネクタイを締める。髪が短えと触る手間がないのはいいよな。
 休日はともかく平日は制服でしか移動禁止だし着崩したら評価が下がる。周りを不快にさせないのが大事なのよって寮母さんも言ってた。
 オレ、覚えてることもある。よかったな!

「なんでしょう!」
「礼状はまだ書いていないようだな」
「あっ……スイマセン」
「書いたら渡してくれ」
「はい!!」
「室内に入るぞ」
「はあ」

 会話は談話室で行い原則個人の部屋への立ち入り禁止。
 そう習ったのにしれーっと寮監督生入って来て困ってるんですけど。

「トラブルを防ぐ目的で個人間の行き来は禁止としているが、暗黙の了解がある。他の六年生に聞いていないのか?」
「はい……」
「そうか。疑問が浮かんだら積極的に質問しなさい。君だけで抱え込んでも解は出ないからな」
「そうっすね──それ、なんすか?」

 監督生が小脇に抱えているのはラブリーにラッピングされた包みだった。ファンから貰ったのかな。置いてこいよオイオイ。
 クリスティアーナ様を華やかで麗しい美貌って言うなら、この人は鋭利な刃物みたいで中身も厳格派だ。
 送り元の子には悪いけど超似合わねぇ。

「君に渡してほしいと預かった」
「オレ──? 誰からです?」
「言ってくれるなと頼まれている」
「はあ」

 匿名希望サンからの贈りものを、この人がわざわざ持ってきたと。
 えぇ~寮監督生をパシリに使える人って誰だよソイツ。

「不審物の可能性もある。私が開封するぞ」
「どうぞ……」

 律儀だな。勝手に開けてしまうのは託した相手に悪いけど、中身が問題になるなら自分の責任にするってことだよな。
 ひぇ~ステフおまえ来年から大変じゃん、つーかそろそろ引き継ぎだっけ。
 薔薇だけ置いてある勉強した形跡まっさらな机に包み紙とかリボンとかが広げられた。
 表紙に絵が描いてある本って学園じゃ滅多に見ないな。
 監督生はパララとめくって内容を確認している。オレは部屋の主なのに手持ち無沙汰だ。

「なんの本ですかそれ?」
「贈り主は誤認しているようだ」
「は?」
「これは私から返却しておく。手間を取らせてしまったな」

 無表情で包装を集めて潰して本を脇に抱え直す寮監督生、マジでこの人なにしに来たの?
 え、てか、誤認ってなんだよ。
 この人の性格からしてさー、贈り主が嫌がらせしてるとかはなさそうなんだよな。たぶん下級生に押しつけられてしょうがなくのパターンだろ。
 一年とか二年のときって高等部の先輩は体もでけぇし雰囲気あるしで、自分から話しかけたり頼み事したりって無理だったよな~。
 大変なんだな寮生の代表って。
 けど貰う権利はオレにある。内容教えてくれたっていいじゃないっすかね。

「ソトドラム。君はしばし苦難に苛まれるだろう」
「苦難、ですか?」
「一人で悩まず信頼の置ける者に相談しなさい。私が在学している期間は残り半年もないが、遠慮せずに声をかけていい。卒業するまでは座を退いても寮監督生だ」
「はいっ」
「すまなかったな」
「いえ、そんな! 服貸してくれた人への礼状、晩飯後に渡しに行きますんで!!」

 含みを持たせる言い方ってよぉ、オレには解読できねぇの。
 モヤモヤ抱えさせて一番聞きたいこと遮って帰ってったな寮監督生。こっちの疑問解消させないで優位に立ち続けていなくなるの、顔のいい人の特権かよ。
 クリスティアーナ様のお優しさが身に沁みるぜ。
 クリスティアーナ様は丁寧に順序立てて教えてくれるし躓いたら確認してくれるし、案じてくれるんだよ、それがオレでもよくわかる。

「飯──果物くらい貰えるかな?」

 本を届けてくれるなら、書き込みがある子ども用の教本が欲しかった。
 一個ずつなんとかしてくしかない。お兄様はともかく、お姉様に事情を話してもう一回、話せる機会を作ってもらう──勝ち取るんだ。
 オレはオレができることを積み重ねてキミに会うよ。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

王宮地味女官、只者じゃねぇ

宵森みなと
恋愛
地味で目立たず、ただ真面目に働く王宮の女官・エミリア。 しかし彼女の正体は――剣術・魔法・語学すべてに長けた首席卒業の才女にして、実はとんでもない美貌と魔性を秘めた、“自覚なしギャップ系”最強女官だった!? 王女付き女官に任命されたその日から、運命が少しずつ動き出す。 訛りだらけのマーレン語で王女に爆笑を起こし、夜会では仮面を外した瞬間、貴族たちを騒然とさせ―― さらには北方マーレン国から訪れた黒髪の第二王子をも、一瞬で虜にしてしまう。 「おら、案内させてもらいますけんの」 その一言が、国を揺らすとは、誰が想像しただろうか。 王女リリアは言う。「エミリアがいなければ、私は生きていけぬ」 副長カイルは焦る。「このまま、他国に連れて行かれてたまるか」 ジークは葛藤する。「自分だけを見てほしいのに、届かない」 そしてレオンハルト王子は心を決める。「妻に望むなら、彼女以外はいない」 けれど――当の本人は今日も地味眼鏡で事務作業中。 王族たちの心を翻弄するのは、無自覚最強の“訛り女官”。 訛って笑いを取り、仮面で魅了し、剣で守る―― これは、彼女の“本当の顔”が王宮を変えていく、壮麗な恋と成長の物語。 ★この物語は、「枯れ専モブ令嬢」の5年前のお話です。クラリスが活躍する前で、少し若いイザークとライナルトがちょっと出ます。

完結【強引な略奪婚】冷徹な次期帝は、婚姻間近の姫を夜ごと甘く溶かす

小木楓
恋愛
完結しました✨ タグ&あらすじ変更しました。 略奪された大納言家の香子を待っていたのは、冷徹な次期帝による「狂愛」という名の支配でした。 「泣け、香子。お前をこれほど乱せるのは、世界で私だけだ」 「お前はまだ誰のものでもないな? ならば、私のものだ」 大納言家の姫・香子には、心通わせる穏やかな婚約者がいた。 しかし、そのささやかな幸福は、冷徹と噂される次期帝・彰仁(あきひと)に見初められたことで一変する。 強引な勅命により略奪され、後宮という名の檻に閉じ込められた香子。 夜ごとの契りで身体を繋がれ、元婚約者への想いすら「不義」として塗り潰されていく。 恐怖に震える香子だったが、閉ざされた寝所で待っていたのは、想像を絶するほど重く、激しい寵愛で……? 「痛くはしない。……お前が私のことしか考えられなくなるまで、何度でも教え込もう」 逃げ場のない愛に心が絡め取られていく中、彰仁は香子を守るため、「ある残酷な嘘」を用いて彼女を試す。 それは、愛するがゆえに彼女を嫉妬と絶望で壊し、「帝なしでは息もできない」状態へ作り変えるための、狂気じみた遊戯だった。 「一生、私の腕の中で溺れていろ」 守るために壊し、愛するために縛る。 冷酷な仮面の下に隠された、 一途で異常な執着を知った時、香子の心もまた甘い猛毒に溶かされていく――。 ★最後は極上のハッピーエンドです。 ※AI画像を使用しています。

虚弱姫はコワモテ将軍の筋肉に触りたい

隙間ちほ
恋愛
◼︎無骨な英雄×病弱な筋肉フェチ姫 ◼︎辺境伯の末娘エルナは、領軍の英雄マテウスとの結婚が決まった。政略結婚――のはずが、実は姫は将軍の熱烈なファン。姫がノリノリで嫁ぐ一方、当のマテウスは「か弱い姫君に嫌われている」と思い込み、距離を取ってしまう……。 ◼︎筋肉と鼻血とすれ違いラブコメ。 ◼︎超高速展開、サクッと読めます。

余命僅かな大富豪を看取って、円満に未亡人になるはずでした

ぜんだ 夕里
恋愛
傾きかけた家を救うため、私が結んだのはあまりにも不謹慎な契約――余命いくばくもない大富豪の辺境伯様と結婚し、彼の最期を穏やかに看取ることで莫大な遺産を相続する、というものだった。 しかし、人の死を利用して富を得るなど不正義! そう考えた私が立てたのは、前代未聞の計画。 「そうだ、遺産が残らないくらい贅沢の限りを尽くしてもらえば、すべて丸く収まるじゃない!」

【完結】ひとつだけ、ご褒美いただけますか?――没落令嬢、氷の王子にお願いしたら溺愛されました。

猫屋敷むぎ
恋愛
没落伯爵家の娘の私、ノエル・カスティーユにとっては少し眩しすぎる学院の舞踏会で―― 私の願いは一瞬にして踏みにじられました。 母が苦労して買ってくれた唯一の白いドレスは赤ワインに染められ、 婚約者ジルベールは私を見下ろしてこう言ったのです。 「君は、僕に恥をかかせたいのかい?」 まさか――あの優しい彼が? そんなはずはない。そう信じていた私に、現実は冷たく突きつけられました。 子爵令嬢カトリーヌの冷笑と取り巻きの嘲笑。 でも、私には、味方など誰もいませんでした。 ただ一人、“氷の王子”カスパル殿下だけが。 白いハンカチを差し出し――その瞬間、止まっていた時間が静かに動き出したのです。 「……ひとつだけ、ご褒美いただけますか?」 やがて、勇気を振り絞って願った、小さな言葉。 それは、水底に沈んでいた私の人生をすくい上げ、 冷たい王子の心をそっと溶かしていく――最初の奇跡でした。 没落令嬢ノエルと、孤独な氷の王子カスパル。 これは、そんなじれじれなふたりが“本当の幸せを掴むまで”のお話です。 ※全10話+番外編・約2.5万字の短編。一気読みもどうぞ ※わんこが繋ぐ恋物語です ※因果応報ざまぁ。最後は甘く、後味スッキリ

英雄の番が名乗るまで

長野 雪
恋愛
突然発生した魔物の大侵攻。西の果てから始まったそれは、いくつもの集落どころか国すら飲みこみ、世界中の国々が人種・宗教を越えて協力し、とうとう終息を迎えた。魔物の駆逐・殲滅に目覚ましい活躍を見せた5人は吟遊詩人によって「五英傑」と謳われ、これから彼らの活躍は英雄譚として広く知られていくのであろう。 大侵攻の終息を祝う宴の最中、己の番《つがい》の気配を感じた五英傑の一人、竜人フィルは見つけ出した途端、気を失ってしまった彼女に対し、番の誓約を行おうとするが失敗に終わる。番と己の寿命を等しくするため、何より番を手元に置き続けるためにフィルにとっては重要な誓約がどうして失敗したのか分からないものの、とにかく庇護したいフィルと、ぐいぐい溺愛モードに入ろうとする彼に一歩距離を置いてしまう番の女性との一進一退のおはなし。 ※小説家になろうにも投稿

夫と息子に邪険にされたので王太子妃の座を譲ります~死に戻ってから溺愛されても今更遅い

青の雀
恋愛
夫婦喧嘩の末に置き去りにされた妻は、旦那が若い愛人とイチャついている間に盗賊に襲われ、命を落とした。 神様の温情により、10日間だけこの世に戻った妻と護衛の騎士は、その10日間の間に心残りを処分する。それは、娘の行く末と……もし、来世があるならば、今度は政略といえども夫以外の人の妻になるということ。 もう二度と夫と出会いたくない彼女は、彼女を蔑ろにしてきた息子とも縁を切ることを決意する。 生まれかわった妻は、新しい人生を強く生きることを決意。 過去世と同じ轍を踏みたくない……

押しつけられた身代わり婚のはずが、最上級の溺愛生活が待っていました

cheeery
恋愛
名家・御堂家の次女・澪は、一卵性双生の双子の姉・零と常に比較され、冷遇されて育った。社交界で華やかに振る舞う姉とは対照的に、澪は人前に出されることもなく、ひっそりと生きてきた。 そんなある日、姉の零のもとに日本有数の財閥・凰条一真との縁談が舞い込む。しかし凰条一真の悪いウワサを聞きつけた零は、「ブサイクとの結婚なんて嫌」と当日に逃亡。 双子の妹、澪に縁談を押し付ける。 両親はこんな機会を逃すわけにはいかないと、顔が同じ澪に姉の代わりになるよう言って送り出す。 「はじめまして」 そうして出会った凰条一真は、冷徹で金に汚いという噂とは異なり、端正な顔立ちで品位のある落ち着いた物腰の男性だった。 なんてカッコイイ人なの……。 戸惑いながらも、澪は姉の零として振る舞うが……澪は一真を好きになってしまって──。 「澪、キミを探していたんだ」 「キミ以外はいらない」

処理中です...