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第3話
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サーシャが傘を差しだすと、男は優しく笑みを浮かべてそれを受け取った。
「やあ、どこかで見た傘だと思っていました」
「あ、あの、ありがとうございました。おかげで――」
彼女が礼の言葉を述べて頭を下げると、ほぼ同時に店の扉が開いた。
「店長、また勝手に売場変えた?」
言葉と共に扉から顔を出したのは、先頃サーシャに傘を貸してくれた女性店員だった。彼女はサーシャの姿を認めると、目を細めて声を上げた。
「あ、さっきの傘の人」
「どうも。傘、ありがとうございました。こちらの方にお渡ししておきましたので……」
男が傘を持った手を軽く上げると、その店員は興味なさげにそれを一瞥して、「うーい」と気だるそうに答えた。
「で、面接どうだった? うまくいった?」
「……ダメでした」
サーシャが力なく笑い、頭を掻く。店員は「あらら」と一言発すると、バツが悪そうに頬をぽりぽりと掻いた。
「まあ、また次があるさ。プロミネンスの最終面接まで行くくらいなんだから、どこか受かるよ、うん」
苦笑いを浮かべ、なぐさめの言葉を掛ける店員。それは決して心のこもったものではない、場当たり的なものだったが、それでも今のサーシャにとっては有難いものだった。彼女は微笑み、「ありがとうございます……」と答えると、そのまま俯いてしまった。
サーシャは涙を堪えるのに必死だった。第一志望だった企業の面接に失敗したこともあったが、それ以上に見ず知らずの自分によくしてくれた、この店員の人情に胸が詰まされたのである。
「どしたん?」
突然俯いて押し黙ってしまったサーシャを心配し、店員が彼女の顔を覗き込んだ。それに気づいたサーシャが、慌てて顔を上げた。眼尻から涙が零れそうになったので、それを指先でそっと払い、努めて笑顔で振るまった。
「い、いえ、すいません。魔法開発職を何社か受けたんですけど、全部ダメで。実は、今日の面接が最後のチャンスだったんで……」
それを聞くと、店員はまた「あらら」と声を出した。
「まあ、人生長いんだからさ、そういうこともあるよ。がんばれ」
そう述べると、その自分で言った言葉に納得したように、一人でうんうんと頷いた。その様子がどことなく滑稽で、サーシャは目に涙を浮かべながらも、つい微笑んだ。
「あはは、ありがとうございます。……あ、そうだ。傘のお礼に何か買っていきますね」
「んあ? いいよ、別に気にしなくて。どうせ店長の傘なんだし」
すると、サーシャの後ろで男が口を開いた。
「そうですよ。僕は別に構いませんよ」
「あ、店長さんだったんですね」
サーシャがそう言うと、その男――ロッシュ商店の店主は、また驚いた顔をして彼女の顔を見た。
「言ってませんでしたっけ?」
「いえ……。でも、それならなおさらですよ。お買い物させてください」
「でも、うち、品揃え良くないですよ~~」
と、店主の男が冗談めかして言うと、店員の女性がそれに相槌を打った。
「そうそう。……って、自分で言うか、それ」
「い、いえ、せっかくですし」
サーシャはそう言うと、店員の傍らをすり抜けて店内へと入っていった。その背中を見つめ、店員が呆れた顔で口を開く。
「……物好きだねえ」
すると、店主の男もまた口を開いた。
「本当に、物好きですねえ」
店員の女性が、目を丸くして店主の顔をじっと見た。己の店に入る客を“物好き”と形容した店主に驚いたのだ。その視線に気づき、店主が彼女の顔を見た。
「……何でしょう?」
「別にー」
そう答えると、彼女もまたサーシャの背中を追って店の中へと戻っていった。
* * *
夕刻が迫ってきているからか、店内にはすでに灯りが点されていた。先刻訪れたときの薄暗さとは打って変わり、この狭い店内には不必要なほどの大きなランプの灯りが、室内の隅々までをくまなく照らし出している。その様子に、彼女は前回とはまるで異なる店であるかのような錯覚を覚えた。
だが、商品が雑然と積まれているのは相変わらずだ。やはり売場と言うよりは倉庫であると言った方が正しいのかもしれない。棚の商品を見ていくうちに、サーシャはそんな感想を抱いた。というのも、商品の陳列があまりにも「雑」なのだ。
ひとつ例を挙げるなら、今彼女が見ているこの調理用品の棚である。鍋、包丁、皿といった調理器具類が並んでいるかと思いきや、その皿の横には何故か万年筆が二本だけ置いてある。さらには、その下の棚には何故か金魚鉢とブックエンドが。さらに下の棚には植木鉢やら、よく分からない液体の入った小瓶やらが置いてあり、どうにも売るための置き方ではないのだ。“今あるものを、とりあえず並べてみました”といった雰囲気で、これが彼女の感じた“倉庫っぽさ”の元凶である気がした。また、ホコリまみれの棚もいくつか見られた。清掃が行き届いているとは思えない。これまた売り場ではなく、倉庫であると感じられた理由のひとつだ。
彼女はその棚から、フライパンをひとつ手に取ってみた。どうにも違和感を感じて見ると、それは楕円形のフライパンである。気付くと、棚に置いてある商品のほとんどが、通常の店にあるありふれた商品とは若干デザインの異なるものばかりだった。皿は星型。包丁はやたら丸みを帯び、万年筆には謎の突起が三つずつ付いている。彼女は手に取ったフライパンをしげしげと眺めて、口を開いた。
「なんか、見たことないものばっかりですね……」
「変わってるっしょ?」
店員の女性が、カウンターの横の椅子に腰かけながら笑う。
「ええ。商標が無いんですけど……。どこ製ですか、これ?」
「うちの商品、ほとんど店長のお手製だから」
「ええっ!? あ、本当だ。『ロッシュ商店』って書いてる……」
フライパンの柄の側面をよく見ると、手彫りの文字が小さく刻まれていた。感心した彼女は、フライパンをひっくり返して、さらに細部をよく確認してみる。
すると、突然彼女の掌に冷たいものが当たった。
「あ、あれ……?」
見ると、左手がびっしょりと濡れている。驚いて手を見ると、今度は彼女の顔に冷水が浴びせられた。
「わ、わあああ!? 何? 何これ!?」
サーシャが驚いていると、店員がそれに気づいて慌てた様子で立ち上がった。
「ちょ!? それ! そのフライパンのボタン、押して!!」
「え、えええ!? フライパンのボタン!?」
見ると、冷水はフライパンの表面から噴水のように湧き出していた。サーシャがどうしてよいものかオタオタしていると、店員が素早く彼女の元へ駆けつけて、そのフライパンの柄に付いていた黒い突起を素早く押した。
すると、途端に冷水の噴出が収まった。店員が「ふう」と一息ついてサーシャの顔を見る。彼女は冷水の噴射を直接受け、全身水浸しだ。
「またびしょ濡れになっちゃったねえ」
「な、何なんですか……? このフライパン……?」
「ちょっと待ってね。どこかにタオルがあったような……」
そう言って、店員はカウンター横の備品棚を漁りだした。そして、タオルを一つ引っ張り出すと、それをサーシャに手渡しながら言った。
「水が出るフライパン、なんだってさ」
「はあ」
顔を拭きながら、サーシャは思った。一体どういう原理でフライパンから水が噴き出したのだろうか、と。だが、それ以上に疑問に感じたことがあったので、まずはそれを口に出した。
「こんなの、何に使うんですか?」
「知らないわよ。店長に聞いてよ」
「店長さんに……?」
「うちの店長、こういう変な物作るのが趣味なのよね。うちの商品、八割以上がこういう訳わかんないものばっかよ」
「趣味……?」
サーシャは一度店内を見渡してみた。あまりに雑然と置かれているために、一体いくつのアイテムがあるのか皆目見当も付かないが、低く見積もっても百、いや二百種類はあるだろう。
「趣味で、これだけのアイテムを……?」
「もう、勝手に作っては勝手に並べてくんで、困ってるんだよねー」
そう言って笑うと、店員はモップを持ち出した。件のフライパンから出た水で、床も濡れてしまっていたのだ。店員が床の水をモップに含ませていると、その傍らの棚の最下段にある商品が、サーシャの目に留まった。
「てか、そこにあるのって、何ですか……?」
「ん?」
見ると、小さな白い箱が置いてある。30cm四方の陶器製の箱で、表面にはいくつかの文字とボタンが取り付けられていた。
店員がしゃがみ込み、その箱の前で首を傾げた。
「こんなんあったっけ?」
「え?」
まったく見覚えのない商品の前で、店員が数回首を捻ると、ようやく彼女はその答えを導き出した。
「あー! 分かった! それ、さっきまで作ってたやつだ!」
すると、彼女は立ち上がり、興奮した様子で声を荒げた。
「もう! 勝手に売場に置いてくんだから! 整理するあたしの身にもなれっての!!」
「つ、作った? これを? 本当に?」
店員は興奮した様子で、小走りで店の外へと出て行った。恐らくはまだ店の庇を眺めているであろう店主に一言物を申しに行くのだろう。
一方で、そんな彼女の様子など目もくれず、サーシャはその白い箱をそっと取り出した。それを、あらゆる方向からじっくりと眺めてみる。上部はフタになっており、中に何かを入れる構造のようだ。またどこからともなく水が噴き出してこないかと注意してみたものの、今度はそんなことはなかった。
触っているうちに、彼女はそれが何であるかを把握した。彼女の唇が小さく震えた。
「やあ、どこかで見た傘だと思っていました」
「あ、あの、ありがとうございました。おかげで――」
彼女が礼の言葉を述べて頭を下げると、ほぼ同時に店の扉が開いた。
「店長、また勝手に売場変えた?」
言葉と共に扉から顔を出したのは、先頃サーシャに傘を貸してくれた女性店員だった。彼女はサーシャの姿を認めると、目を細めて声を上げた。
「あ、さっきの傘の人」
「どうも。傘、ありがとうございました。こちらの方にお渡ししておきましたので……」
男が傘を持った手を軽く上げると、その店員は興味なさげにそれを一瞥して、「うーい」と気だるそうに答えた。
「で、面接どうだった? うまくいった?」
「……ダメでした」
サーシャが力なく笑い、頭を掻く。店員は「あらら」と一言発すると、バツが悪そうに頬をぽりぽりと掻いた。
「まあ、また次があるさ。プロミネンスの最終面接まで行くくらいなんだから、どこか受かるよ、うん」
苦笑いを浮かべ、なぐさめの言葉を掛ける店員。それは決して心のこもったものではない、場当たり的なものだったが、それでも今のサーシャにとっては有難いものだった。彼女は微笑み、「ありがとうございます……」と答えると、そのまま俯いてしまった。
サーシャは涙を堪えるのに必死だった。第一志望だった企業の面接に失敗したこともあったが、それ以上に見ず知らずの自分によくしてくれた、この店員の人情に胸が詰まされたのである。
「どしたん?」
突然俯いて押し黙ってしまったサーシャを心配し、店員が彼女の顔を覗き込んだ。それに気づいたサーシャが、慌てて顔を上げた。眼尻から涙が零れそうになったので、それを指先でそっと払い、努めて笑顔で振るまった。
「い、いえ、すいません。魔法開発職を何社か受けたんですけど、全部ダメで。実は、今日の面接が最後のチャンスだったんで……」
それを聞くと、店員はまた「あらら」と声を出した。
「まあ、人生長いんだからさ、そういうこともあるよ。がんばれ」
そう述べると、その自分で言った言葉に納得したように、一人でうんうんと頷いた。その様子がどことなく滑稽で、サーシャは目に涙を浮かべながらも、つい微笑んだ。
「あはは、ありがとうございます。……あ、そうだ。傘のお礼に何か買っていきますね」
「んあ? いいよ、別に気にしなくて。どうせ店長の傘なんだし」
すると、サーシャの後ろで男が口を開いた。
「そうですよ。僕は別に構いませんよ」
「あ、店長さんだったんですね」
サーシャがそう言うと、その男――ロッシュ商店の店主は、また驚いた顔をして彼女の顔を見た。
「言ってませんでしたっけ?」
「いえ……。でも、それならなおさらですよ。お買い物させてください」
「でも、うち、品揃え良くないですよ~~」
と、店主の男が冗談めかして言うと、店員の女性がそれに相槌を打った。
「そうそう。……って、自分で言うか、それ」
「い、いえ、せっかくですし」
サーシャはそう言うと、店員の傍らをすり抜けて店内へと入っていった。その背中を見つめ、店員が呆れた顔で口を開く。
「……物好きだねえ」
すると、店主の男もまた口を開いた。
「本当に、物好きですねえ」
店員の女性が、目を丸くして店主の顔をじっと見た。己の店に入る客を“物好き”と形容した店主に驚いたのだ。その視線に気づき、店主が彼女の顔を見た。
「……何でしょう?」
「別にー」
そう答えると、彼女もまたサーシャの背中を追って店の中へと戻っていった。
* * *
夕刻が迫ってきているからか、店内にはすでに灯りが点されていた。先刻訪れたときの薄暗さとは打って変わり、この狭い店内には不必要なほどの大きなランプの灯りが、室内の隅々までをくまなく照らし出している。その様子に、彼女は前回とはまるで異なる店であるかのような錯覚を覚えた。
だが、商品が雑然と積まれているのは相変わらずだ。やはり売場と言うよりは倉庫であると言った方が正しいのかもしれない。棚の商品を見ていくうちに、サーシャはそんな感想を抱いた。というのも、商品の陳列があまりにも「雑」なのだ。
ひとつ例を挙げるなら、今彼女が見ているこの調理用品の棚である。鍋、包丁、皿といった調理器具類が並んでいるかと思いきや、その皿の横には何故か万年筆が二本だけ置いてある。さらには、その下の棚には何故か金魚鉢とブックエンドが。さらに下の棚には植木鉢やら、よく分からない液体の入った小瓶やらが置いてあり、どうにも売るための置き方ではないのだ。“今あるものを、とりあえず並べてみました”といった雰囲気で、これが彼女の感じた“倉庫っぽさ”の元凶である気がした。また、ホコリまみれの棚もいくつか見られた。清掃が行き届いているとは思えない。これまた売り場ではなく、倉庫であると感じられた理由のひとつだ。
彼女はその棚から、フライパンをひとつ手に取ってみた。どうにも違和感を感じて見ると、それは楕円形のフライパンである。気付くと、棚に置いてある商品のほとんどが、通常の店にあるありふれた商品とは若干デザインの異なるものばかりだった。皿は星型。包丁はやたら丸みを帯び、万年筆には謎の突起が三つずつ付いている。彼女は手に取ったフライパンをしげしげと眺めて、口を開いた。
「なんか、見たことないものばっかりですね……」
「変わってるっしょ?」
店員の女性が、カウンターの横の椅子に腰かけながら笑う。
「ええ。商標が無いんですけど……。どこ製ですか、これ?」
「うちの商品、ほとんど店長のお手製だから」
「ええっ!? あ、本当だ。『ロッシュ商店』って書いてる……」
フライパンの柄の側面をよく見ると、手彫りの文字が小さく刻まれていた。感心した彼女は、フライパンをひっくり返して、さらに細部をよく確認してみる。
すると、突然彼女の掌に冷たいものが当たった。
「あ、あれ……?」
見ると、左手がびっしょりと濡れている。驚いて手を見ると、今度は彼女の顔に冷水が浴びせられた。
「わ、わあああ!? 何? 何これ!?」
サーシャが驚いていると、店員がそれに気づいて慌てた様子で立ち上がった。
「ちょ!? それ! そのフライパンのボタン、押して!!」
「え、えええ!? フライパンのボタン!?」
見ると、冷水はフライパンの表面から噴水のように湧き出していた。サーシャがどうしてよいものかオタオタしていると、店員が素早く彼女の元へ駆けつけて、そのフライパンの柄に付いていた黒い突起を素早く押した。
すると、途端に冷水の噴出が収まった。店員が「ふう」と一息ついてサーシャの顔を見る。彼女は冷水の噴射を直接受け、全身水浸しだ。
「またびしょ濡れになっちゃったねえ」
「な、何なんですか……? このフライパン……?」
「ちょっと待ってね。どこかにタオルがあったような……」
そう言って、店員はカウンター横の備品棚を漁りだした。そして、タオルを一つ引っ張り出すと、それをサーシャに手渡しながら言った。
「水が出るフライパン、なんだってさ」
「はあ」
顔を拭きながら、サーシャは思った。一体どういう原理でフライパンから水が噴き出したのだろうか、と。だが、それ以上に疑問に感じたことがあったので、まずはそれを口に出した。
「こんなの、何に使うんですか?」
「知らないわよ。店長に聞いてよ」
「店長さんに……?」
「うちの店長、こういう変な物作るのが趣味なのよね。うちの商品、八割以上がこういう訳わかんないものばっかよ」
「趣味……?」
サーシャは一度店内を見渡してみた。あまりに雑然と置かれているために、一体いくつのアイテムがあるのか皆目見当も付かないが、低く見積もっても百、いや二百種類はあるだろう。
「趣味で、これだけのアイテムを……?」
「もう、勝手に作っては勝手に並べてくんで、困ってるんだよねー」
そう言って笑うと、店員はモップを持ち出した。件のフライパンから出た水で、床も濡れてしまっていたのだ。店員が床の水をモップに含ませていると、その傍らの棚の最下段にある商品が、サーシャの目に留まった。
「てか、そこにあるのって、何ですか……?」
「ん?」
見ると、小さな白い箱が置いてある。30cm四方の陶器製の箱で、表面にはいくつかの文字とボタンが取り付けられていた。
店員がしゃがみ込み、その箱の前で首を傾げた。
「こんなんあったっけ?」
「え?」
まったく見覚えのない商品の前で、店員が数回首を捻ると、ようやく彼女はその答えを導き出した。
「あー! 分かった! それ、さっきまで作ってたやつだ!」
すると、彼女は立ち上がり、興奮した様子で声を荒げた。
「もう! 勝手に売場に置いてくんだから! 整理するあたしの身にもなれっての!!」
「つ、作った? これを? 本当に?」
店員は興奮した様子で、小走りで店の外へと出て行った。恐らくはまだ店の庇を眺めているであろう店主に一言物を申しに行くのだろう。
一方で、そんな彼女の様子など目もくれず、サーシャはその白い箱をそっと取り出した。それを、あらゆる方向からじっくりと眺めてみる。上部はフタになっており、中に何かを入れる構造のようだ。またどこからともなく水が噴き出してこないかと注意してみたものの、今度はそんなことはなかった。
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