バッファロー銀伝説

四十一手目

うしつかい

「新戦法、ずっと考えちぇたからな」かみながらたもる2015が目を輝かせた。

「たしかに考えてますね。それは完全にオリジナル戦法なんですか？」

「完全にだ。まだこの世にバッファロー銀戦法などという戦法はない。」

「バッファロー銀戦法。ど、どんな戦法なんですか？」

「でもな、まだ弱い。何というか、特定の局面でしか力を発揮しないんだ。」

「そうなんですか。てかあなた、自分なんですよね？敬語やめますね。」

「そだね。バッファロー銀は、銀が2六と8六の位置にそびえたち、
飛車が縦横無尽に暴れまわる戦法なんだ。」

「み、見えねぇ。」

「だ、よな。」

「なんでバッファロー銀なんて戦法思いついたんだよ、、」

「俺、うしつかいなんだ。」

「うしつかい？」

「あっ、そうだ、お前まだ経験ないのか？泥を体に浴びるとな、すげぇ血圧上がったような気持ちになって、雄叫びあげちゃう現象、まだおきてないか。あれ、お前西暦何年から来たんだ？おい、なんか思い出せないか？」

「うーん、、、西暦は2007年、新社会人だから。」

「あっ、てことは、、、うーん、、、」たもる2015が考え込む。

「な、なに？」たもる2015をのぞきこむたもる2007。

「ちなみに2007年の何月くらいだ？」

「4月だよ。まだ社会人生活1週間目だよ。てか、こういうこと聞いたら未来変わったりするのかな、、、？あのー。。」口ごもるたもる2007。

「なんだよ、言ってみなって。」

「あの、今なに仕事してるの？もしかして、会社何回か辞めてる
？」

「会社かー。。それはたしかに質問が悪いね、答え聞かないほうがいいよ。」

「、、、辞めたんだね。」

「、、、ごめんな、まじバッファローだろ。」

「意味ワカンねぇ。。俺やべぇ。。」