バッファロー銀伝説

なつめたもる

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四十手目

たもる2007.たもる2015

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「お前だっ、誰だぁあ!!!!」

「うるせぇえええ!!!」

「ひゃんっっ、、」

「頼むから、静かに話してくれ!鼓膜潰れるから!」

「ごごめんなさい、あ、あれ?」

たもる同士の会話が続く。

「君、なんか、知ってる。」

2007年から来たたもるを指差して2015年のたもるがそう発する。

以下、たもる2007、たもる2015と表記。

「え?なんて?」たもる2007、鼓膜がバグる。

「キミ、シッテル」たもる2015、
ゆっくりと、何故かカタコトで
たもる2007に話しかける。

「キミ、ボクダ」

「ボク?」

頷くたもる2015。

「あの、、なんでそんなに声デカイすか?てかなんで僕が目の前にいるんですか?これドッペルゲンガーか?」

「いや、すみません、それはわたしのセリフでもあるので。」

「あ、普通のボリュームでも話せるのですね。」安堵の表情を浮かべるたもる2007。

「君、目の下にホクロが2つある。僕も、ほら。」たもる2015が自身の左目の下の二つのホクロを左人差し指で示す。

「あ、てことは、、、今2015年なんですよね?」たもる2007が日めくりカレンダーを指差す。

「うん。なんでここに来た。」
たもる2015がたもる2007に問う。

「知らないよそんなの。来たくてこれるもんじゃないでしょ。」

「そうだよな、ごめん。」

「これ夢だ、夢かドッペルゲンガーかどっちかしかない。」

「でも俺、死んでないぞ。」たもる2015、自身の腕や膝をペチペチと叩き、透けてないアピールをする。

「ということは、た、タイムトラベル、なのか?というか、これ声で壁に亀裂入ってるよ、やばいって。あんたバケモンかよ。あんたってか俺なのか?」

「バッファロー銀」

「へ?」

「将棋の新戦法、あみだした。バッファロー銀戦法」

「新戦法?」

「あみだしたんだ、俺が。」

「バッファロー銀?」

「バッファロー銀だ。」

「あ、これ夢だわ、俺頭おかしくなったんだな、新戦法のこと考え
すぎたから頭おかしくなったのか。」

「夢じゃ、無いと思う。」

「いいや、夢だね。現実だったら、この壁の亀裂の修理に何十万円もかかるよ、それでも現実だっていうの?」

「ゆ、ゆめでいいか。寝るとするか。いや、寝るってことはやっぱり現実やないか。」

「声で壁、壊すなや。」
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