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ファイエット学園編
32.ヒロインと悪役令嬢の密談
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あと、もう少し。ロラは深い溜息を吐いて、ベッドに沈んだ。
ここは、ジャスミーヌの一人部屋。作戦会議をするために、今日も今日とてロラはジャスミーヌの部屋に訪れていた。
「それで? ジャスミーヌ様はトリスタン様を誘えたんですか~?」
「もう少しお待ちになって……」
「トリスタン様の攻略って、一番難しいのよね~」
ロラは上体を起き上がらせて、ベッドの縁にちゃんと腰掛ける。隣にいるジャスミーヌの顔を覗き込んだ。
「やだ~。そんな顔しないで? 大丈夫よ~」
心底不安そうな顔をするジャスミーヌに、ロラはなるべく明るく聞こえるようにそう言う。しかし、ロラもジャスミーヌの不安な気持ちがよく分かった。
「トリスタン様を止めるためにも、頑張らなくちゃでしょう?」
「えぇ、分かっておりますわ」
「まぁ……。トリスタン様を止めても魔王は復活するんだけど~」
ロラはあの時の衝撃を忘れられない。トリスタンルートをハッピーエンドで攻略すれば、魔王の復活はないのだと思い込んでいた前世の自分。
しかし、魔物達が命を掛けて封印を解いてしまうので、魔王は結局復活してしまうのだ。思わずゲーム画面に向かって「復活するのね!?」と叫んだ記憶がある。
「ロラさんはどうなのかしら。殿下の攻略は順調ですの?」
「まぁね~。ロラちゃんに任せなさい! やり込みが違うのよ」
「それは本当に尊敬しますわ」
ジャスミーヌでも細々としたイベントまでは覚えていない。しかし、ロラは違った。ヒロインの選択肢の台詞、一言一句違わずに覚えている猛者であった。
「私、セイヒカシリーズ大好きなの~。特にフレデリク様が最推し!」
「そこだけは理解できませんわ」
「どうしてよ~」
「今でこそ、立派な皇太子ですけど……。昔の殿下はそれはそれはゲームそのままでしたのよ」
「ゲームそのままのフレデリク様が最推しの私にそんなこと言う?」
「それは……」
最初、フレデリクがゲームとは違っていてロラは戸惑っていた。それはそうだ。ゲームのフレデリクは俺様何様フレデリク様なのだから。
ヒロインとの関わりによって人の気持ちを理解し、大事に出来るようになっていく。そして、最後は立派な国王へとなるのだ。
「ゲームのフレデリク様は、ちょっとお馬鹿な所が可愛いんだから。憎めなくって」
「皇太子がお馬鹿でどうするのですか。国が滅びますわ」
「そこは、愛の力で立派にしていくんでしょう」
「まぁ、乙女ゲームですものね」
「でも、今のフレデリク様もとっても好きよ」
ロラが本当に愛しそうに目を細めるものだから、ジャスミーヌの方が照れてしまった。誤魔化すように咳払いをして、仕切り直す。
「兎に角、舞踏会に一緒に参加さえ出来れば、攻略したも同然ですわ」
「あとは、ダンジョン攻略と魔王討伐よね~。ダンジョン攻略は問題ないわ。自信があるの。でも、魔王が……」
そこが、一番の問題であった。ゲームでは、出てくるターゲットボタンを順番通りに、そして制限時間内に全て間違えずに押せば良いだけだった。しかし、現実では違う。
食堂でのイベント。学園祭でのイベント。どちらも何も出てはこなかったのだから。せめてターゲットマーカーでも出てくれば、そこに魔法を当てるのだなと分かるというのに。
「ハードモードすぎる~……」
「ロラさん、それなのですけれど。わたくし、考えましたの。ルノー様を味方に引き入れてはいかがかしら」
ジャスミーヌの提案に、ロラは目を瞬く。それは勿論、ロラも考えた。
「ルノー様が協力してくれるかしら」
「そこは、事情を説明してなんとか」
「ならないと思うわ~」
最初ジャスミーヌからルノーの話を聞いた時は、それはそれは驚いた。亡くなる筈のガーランドの兄が生きているというのだから。
攻略対象者達の性格が違うのも、シナリオが狂うのも、全てルノーが生きているからだとロラも考えた。だって、魔物撃退イベントを横取りしてしまったのもルノーだったから。
「私、何したのかしら。ルノー様に嫌われてるみたいなのよね~。悪役令嬢みたいなこと言われちゃったもの」
「ルノー様は基本あんな感じですわよ。シルヴィ様以外には」
「シルヴィ様も謎よね。私はシルヴィ様も絶対に転生者だと思ったのにな~」
「違うかったのでしょう?」
「マジで何言ってんだこいつみたいな顔で首を傾げられちゃった」
何の力も持たないことを意味する焦げ茶色の髪色を持つ少女。ただのモブ令嬢。しかし、その少女が転生者なのだとしたら、ルノーが生きている原因が分かりそうだったのに。
少女はそれを否定した。となれば、ルノーが生きているからゲームに巻き込まれた可哀想なモブ令嬢ということになる。
「ルノー様を引き入れたいなら、シルヴィ様を巻き込むしかないわ~」
「でも、シルヴィ様は魔法を使えないのですよ? 魔王討伐に巻き込むのは酷ではなくて?」
「そうよね~。だから、ゲーム通りにするしかないの」
「ロラさん……」
「大丈夫よ~。私はヒロインなんだから、ゲームの通りに演じきってみせるわ。誰も死なないように。目指せハッピーエンド!」
ロラは努めて明るい声を出した。このままいけば、大丈夫。きっとハッピーエンドに辿り着ける。そのために、ゲーム通りのヒロインを演じてきたのだから。
「ゲームと違う行動をしたら、どうなるか分からないから頑張ってるのにな」
「フレデリクルート以外はむちゃくちゃになってしまっていますものね」
「そうよ~! 困っちゃう。試しに好感度を上げる台詞を言ってみたけど、フレデリク様以外はまるでダメ!」
「殿下だけでも大丈夫で良かったですわ」
「とは言っても、返ってくる言葉とか全然違ってたりする時もあってハラハラするのよ!」
「どうしてこんな事に……」
「魔王がどれだけヤバイのか理解して欲しい。ヒロインの重圧も~」
ロラが再び、ベッドへと沈む。バタバタと手足を暴れさせた。そしてふいに、ピタリと動きを止める。
「私、ちゃんと出来るのかしら」
ヒロインの重圧。選ぶ選択肢によって、大勢の命が消えてしまうかもしれないのだ。そして、自分の命さえも。
「セイヒカは大好きよ? 大好きだけど、もっと平和な世界のヒロインが良かった」
「まぁ、分かりますわ」
「シルヴィ様が羨ましい」
「はい? シルヴィ様?」
何故ここで、シルヴィが出てくるのかとジャスミーヌは目を瞬いた。
「ゲームのシナリオに出てこないから、私は関われないけど……。シルヴィ様って見掛けるたびに、いっつも誰かと一緒なの」
「別におかしい話ではないでしょう」
「そうだけど! 仲良し女子三人組できゃっきゃっしてるし。ルノー様とイチャイチャしてるし。ディディエ様とガーランド様とも楽しそうだし。それに、トリスタン様と花壇のお世話もしてるんでしょう?」
「それは……」
「クラスにも馴染んでるのか、輪の中で笑ってるのも見たし。良いな~。青春謳歌してるじゃない。普通に学園生活楽しんでるじゃない。私も楽しみたいよ~!!」
「も、もう少しですわ! 魔王さえ倒せば、平和で楽しい学園生活が待ってます!」
「そうよね! きっとそうよ! 最推しフレデリク様とのイチャイチャ楽しい学園生活! そして女子の友達沢山作って遊ぶんだから!!」
「その意気ですわ!!」
ヒロインは魔法科の中でも浮いていた。それはそうだ。白金持ちで光魔法を使えるとなれば、嫉妬の対象になるか。遠巻きにされるか。しかも、ヒロインは男爵令嬢。ルノーの言い分は正しかった。とかく貴族社会においては。
ゲームでもヒロインは孤立していた。だから、ロラもゲームが終わるまではと友達作りは諦めた。ジャスミーヌがいてくれたのが唯一の救いだった。
クラスにはディディエとガーランドがいる。二人はよくしてくれるし、守ってもくれた。しかし、ゲームとどこか違うのだ。妙な距離感を感じる。何故なのだろう。
しかし、全てはゲームクリアの時までだ。魔王を倒してハッピーエンドさえ迎えれば、全ては上手くいくはずなのだから。
「打倒! 魔王ー!」
「消し炭にしてやりましょう!」
「おー!!」
二人は握った拳を上に突き上げる。
そのためにもまずは、秋の舞踏会イベントを問題なく終わらせなければならない。婚約解消のためにも。何としてでもトリスタンをパートナーにするための作戦会議は、夜遅くまで続いたのだった。
ここは、ジャスミーヌの一人部屋。作戦会議をするために、今日も今日とてロラはジャスミーヌの部屋に訪れていた。
「それで? ジャスミーヌ様はトリスタン様を誘えたんですか~?」
「もう少しお待ちになって……」
「トリスタン様の攻略って、一番難しいのよね~」
ロラは上体を起き上がらせて、ベッドの縁にちゃんと腰掛ける。隣にいるジャスミーヌの顔を覗き込んだ。
「やだ~。そんな顔しないで? 大丈夫よ~」
心底不安そうな顔をするジャスミーヌに、ロラはなるべく明るく聞こえるようにそう言う。しかし、ロラもジャスミーヌの不安な気持ちがよく分かった。
「トリスタン様を止めるためにも、頑張らなくちゃでしょう?」
「えぇ、分かっておりますわ」
「まぁ……。トリスタン様を止めても魔王は復活するんだけど~」
ロラはあの時の衝撃を忘れられない。トリスタンルートをハッピーエンドで攻略すれば、魔王の復活はないのだと思い込んでいた前世の自分。
しかし、魔物達が命を掛けて封印を解いてしまうので、魔王は結局復活してしまうのだ。思わずゲーム画面に向かって「復活するのね!?」と叫んだ記憶がある。
「ロラさんはどうなのかしら。殿下の攻略は順調ですの?」
「まぁね~。ロラちゃんに任せなさい! やり込みが違うのよ」
「それは本当に尊敬しますわ」
ジャスミーヌでも細々としたイベントまでは覚えていない。しかし、ロラは違った。ヒロインの選択肢の台詞、一言一句違わずに覚えている猛者であった。
「私、セイヒカシリーズ大好きなの~。特にフレデリク様が最推し!」
「そこだけは理解できませんわ」
「どうしてよ~」
「今でこそ、立派な皇太子ですけど……。昔の殿下はそれはそれはゲームそのままでしたのよ」
「ゲームそのままのフレデリク様が最推しの私にそんなこと言う?」
「それは……」
最初、フレデリクがゲームとは違っていてロラは戸惑っていた。それはそうだ。ゲームのフレデリクは俺様何様フレデリク様なのだから。
ヒロインとの関わりによって人の気持ちを理解し、大事に出来るようになっていく。そして、最後は立派な国王へとなるのだ。
「ゲームのフレデリク様は、ちょっとお馬鹿な所が可愛いんだから。憎めなくって」
「皇太子がお馬鹿でどうするのですか。国が滅びますわ」
「そこは、愛の力で立派にしていくんでしょう」
「まぁ、乙女ゲームですものね」
「でも、今のフレデリク様もとっても好きよ」
ロラが本当に愛しそうに目を細めるものだから、ジャスミーヌの方が照れてしまった。誤魔化すように咳払いをして、仕切り直す。
「兎に角、舞踏会に一緒に参加さえ出来れば、攻略したも同然ですわ」
「あとは、ダンジョン攻略と魔王討伐よね~。ダンジョン攻略は問題ないわ。自信があるの。でも、魔王が……」
そこが、一番の問題であった。ゲームでは、出てくるターゲットボタンを順番通りに、そして制限時間内に全て間違えずに押せば良いだけだった。しかし、現実では違う。
食堂でのイベント。学園祭でのイベント。どちらも何も出てはこなかったのだから。せめてターゲットマーカーでも出てくれば、そこに魔法を当てるのだなと分かるというのに。
「ハードモードすぎる~……」
「ロラさん、それなのですけれど。わたくし、考えましたの。ルノー様を味方に引き入れてはいかがかしら」
ジャスミーヌの提案に、ロラは目を瞬く。それは勿論、ロラも考えた。
「ルノー様が協力してくれるかしら」
「そこは、事情を説明してなんとか」
「ならないと思うわ~」
最初ジャスミーヌからルノーの話を聞いた時は、それはそれは驚いた。亡くなる筈のガーランドの兄が生きているというのだから。
攻略対象者達の性格が違うのも、シナリオが狂うのも、全てルノーが生きているからだとロラも考えた。だって、魔物撃退イベントを横取りしてしまったのもルノーだったから。
「私、何したのかしら。ルノー様に嫌われてるみたいなのよね~。悪役令嬢みたいなこと言われちゃったもの」
「ルノー様は基本あんな感じですわよ。シルヴィ様以外には」
「シルヴィ様も謎よね。私はシルヴィ様も絶対に転生者だと思ったのにな~」
「違うかったのでしょう?」
「マジで何言ってんだこいつみたいな顔で首を傾げられちゃった」
何の力も持たないことを意味する焦げ茶色の髪色を持つ少女。ただのモブ令嬢。しかし、その少女が転生者なのだとしたら、ルノーが生きている原因が分かりそうだったのに。
少女はそれを否定した。となれば、ルノーが生きているからゲームに巻き込まれた可哀想なモブ令嬢ということになる。
「ルノー様を引き入れたいなら、シルヴィ様を巻き込むしかないわ~」
「でも、シルヴィ様は魔法を使えないのですよ? 魔王討伐に巻き込むのは酷ではなくて?」
「そうよね~。だから、ゲーム通りにするしかないの」
「ロラさん……」
「大丈夫よ~。私はヒロインなんだから、ゲームの通りに演じきってみせるわ。誰も死なないように。目指せハッピーエンド!」
ロラは努めて明るい声を出した。このままいけば、大丈夫。きっとハッピーエンドに辿り着ける。そのために、ゲーム通りのヒロインを演じてきたのだから。
「ゲームと違う行動をしたら、どうなるか分からないから頑張ってるのにな」
「フレデリクルート以外はむちゃくちゃになってしまっていますものね」
「そうよ~! 困っちゃう。試しに好感度を上げる台詞を言ってみたけど、フレデリク様以外はまるでダメ!」
「殿下だけでも大丈夫で良かったですわ」
「とは言っても、返ってくる言葉とか全然違ってたりする時もあってハラハラするのよ!」
「どうしてこんな事に……」
「魔王がどれだけヤバイのか理解して欲しい。ヒロインの重圧も~」
ロラが再び、ベッドへと沈む。バタバタと手足を暴れさせた。そしてふいに、ピタリと動きを止める。
「私、ちゃんと出来るのかしら」
ヒロインの重圧。選ぶ選択肢によって、大勢の命が消えてしまうかもしれないのだ。そして、自分の命さえも。
「セイヒカは大好きよ? 大好きだけど、もっと平和な世界のヒロインが良かった」
「まぁ、分かりますわ」
「シルヴィ様が羨ましい」
「はい? シルヴィ様?」
何故ここで、シルヴィが出てくるのかとジャスミーヌは目を瞬いた。
「ゲームのシナリオに出てこないから、私は関われないけど……。シルヴィ様って見掛けるたびに、いっつも誰かと一緒なの」
「別におかしい話ではないでしょう」
「そうだけど! 仲良し女子三人組できゃっきゃっしてるし。ルノー様とイチャイチャしてるし。ディディエ様とガーランド様とも楽しそうだし。それに、トリスタン様と花壇のお世話もしてるんでしょう?」
「それは……」
「クラスにも馴染んでるのか、輪の中で笑ってるのも見たし。良いな~。青春謳歌してるじゃない。普通に学園生活楽しんでるじゃない。私も楽しみたいよ~!!」
「も、もう少しですわ! 魔王さえ倒せば、平和で楽しい学園生活が待ってます!」
「そうよね! きっとそうよ! 最推しフレデリク様とのイチャイチャ楽しい学園生活! そして女子の友達沢山作って遊ぶんだから!!」
「その意気ですわ!!」
ヒロインは魔法科の中でも浮いていた。それはそうだ。白金持ちで光魔法を使えるとなれば、嫉妬の対象になるか。遠巻きにされるか。しかも、ヒロインは男爵令嬢。ルノーの言い分は正しかった。とかく貴族社会においては。
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クラスにはディディエとガーランドがいる。二人はよくしてくれるし、守ってもくれた。しかし、ゲームとどこか違うのだ。妙な距離感を感じる。何故なのだろう。
しかし、全てはゲームクリアの時までだ。魔王を倒してハッピーエンドさえ迎えれば、全ては上手くいくはずなのだから。
「打倒! 魔王ー!」
「消し炭にしてやりましょう!」
「おー!!」
二人は握った拳を上に突き上げる。
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