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ファイエット学園編
33.モブ令嬢とドレス
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この箱を開けるべきか。見なかったことにするか。シルヴィはルノーから贈られたプレゼントを見つめて、頭を抱えた。
嫌な予感しかしない。こんな舞踏会前日に贈ってくるモノなんて大体決まっている。舞踏会で身に付けるモノだろう。
しかし、量がおかしい。パッと見た感じでも分かる。これは、一式そろっているなと。
「まぁ、凄いわね」
「開けないのですか? お嬢様」
「ううーん……」
ルームメイトのクラリスと、舞踏会の支度のために本邸から来てくれたメイドのモニクが興味津々に見つめてくる。
シルヴィが用意したドレスなどをモニクと確認していたのだが、まさかこんなモノが届くとは。せめて事前に言って欲しい。これが世に聞くサプライズというものか。
一番大きい箱に巻かれた飾りのリボンを指で撫でる。もしかしたら、勘違いかもしれない。ドレスじゃない可能性も捨てきれない。シルヴィは自分を落ち着かせながら、リボンの端を引っ張った。
シュルッとリボンがほどける。可愛いラッピングの先にあった箱の蓋を深呼吸のあとに持ち上げた。そして、閉じた。
「シルヴィ?」
「こわい……」
「あらあら、トリスタン様のような顔になっているわよ」
シルヴィは見間違いであってくれと顔を両手で覆う。見えたのは、やはり間違いなく舞踏会用のドレスだった。問題はその色。ルノーの瞳を思わせるような深い紺色に見えた。
乙女ゲームでは、攻略対象者から贈られたドレスや装飾品などを身に付けて舞踏会に参加する。こんな風に、相手を思わせるような色味のモノを。
何がどうなって、幼馴染みにこんなモノを贈ることになったのか。もしかしたら……。そんな考えが過って、シルヴィは首を左右に振る。
そんなことは有り得なかった。シルヴィにとって自分はただのモブ令嬢だったのだから。
「困ったな……」
「あら、どうして?」
「ドレスはもう用意してあるもの」
「シルヴィ、まさかとは思うけれど……。そのドレスを着ないなんて選択肢が存在するの?」
部屋に静寂が落ちた。やっぱり無いよね。そんな選択肢。とシルヴィは諦めた。パートナーから贈られたドレスを着ないなんてそんな失礼なこと出来るわけがないのだ。
シルヴィは涙を飲んで急に顔を上げる。そのままの勢いで、残りの箱も開けていった。半ばやけくそだ。
「本気で一式じゃないか!!」
「あらあら、熱烈だこと」
「そういうのじゃないから……」
「あらまぁ……」
ルノーの気持ちがいまいち分からない。だって今まで、そういう類いの言葉は言われたことがないのだから。ここにきて、どうしてこんな事をするのか。
「明日のドレスはこちらに変更でよろしいですか?」
「うん。ごめんね、モニク」
「滅相もございません。髪飾りもございますね。これに合わせて髪型も変更致しましょう。お化粧も」
「お願い」
「お任せください」
モニクが箱からドレスを出して、広げた。裾にあしらわれた白金色のフリルレースが揺れて煌めく。
秋の舞踏会の主役はヒロインであるロラだ。いや、全てはヒロインのためにある。何故ならセイヒカはヒロインが愛されるための物語なのだから。それが必然だ。
たしか、フレデリクがヒロインに贈るモノはドレスだった。白を基調としたもので、それに華やかな金刺繍が施されていたはずだ。瞳と同じオレンジのレースも使われていた。
逆ハーレムエンドでは、贈られたモノを全て身に付けるので統一感も何もなかったな。と、シルヴィは綺麗に並べられていくルノーからの贈り物を眺めた。見事にルノーカラーで統一されている。
「でも、紺色を基調としたドレスなんて珍しいわね」
「そうだね。この国では白が好かれるから。クラリスのドレスも白を使ってたよね?」
「えぇ、そうよ」
シルヴィはクラリスのドレスへと視線を遣る。白を基調として灰銀や栗色で彩られているそのドレスは、アレクシが用意したらしい。
ゲームでは、アレクシが用意してくれるのは髪飾りだった。その髪飾りもクラリスが貰ったようだ。アレクシの瞳を思わせる色味の宝石が使われた可愛らしい髪飾りを。
「あの方らしいけれど」
「まぁ……。そうだねぇ」
シルヴィはクラリスに苦笑を返す。この国で白が好かれているのは、言わずもがな。光の乙女の色だからだ。それをこの国では、魔法の象徴としても使っている。魔法科の制服が白なのが良い例だ。
逆に黒はあまり好かれていない。漆黒の髪が魔力なしの証なのもあるのだろう。それに、闇のイメージもあるのかもしれない。
なので皆、明るい色味のドレスを選ぶのだ。シルヴィだって、当初着る予定だったドレスはクリームイエローを基調としたドレスだったのだから。
シルヴィは深い紺色のドレスを見遣る。前世では寧ろ人気の色味だろう。しかし、この世界では確実に悪目立ちする色味なのだ。
まさに、魔王カラー。
「目立ちそう……」
「あら、今更よ」
「……それはどういう意味でしょう」
「髪色が白金に戻ってから、ご令嬢達のアプローチが凄いのは知っているわね?」
「うん」
「一緒に参加するだけで、既に目立ってるわ。たぶん一番よ」
「それは流石にないよ」
「ふふっ、そうかしら?」
だって一番はヒロインだから。そうであるはず。いや、そうであって欲しい。モブ令嬢が一番目立つ舞踏会って何だ。そんなのヒロインから苦情がきてしまう。
しかし、クラリスの言うことも理解出来る。ルノーが漆黒になってからは、ルノーの性格も相まって近づいてくる人達は大幅に減っていた。それが、白金色に戻った瞬間に手の平返しで元通りだ。分かりやすいことこの上無い。
ルノーのパートナーになりたい令嬢達はそれこそ大勢いるのだ。その中で、伯爵の中でも真ん中の位で魔力なしのシルヴィが選ばれるなど納得する者の方が少ない。
「やっぱり断るんだったかな……」
「それだけは駄目よ」
「何で?」
「何でも」
「えぇ……」
にっこりとクラリスに微笑まれて、シルヴィはそれはそれは深い溜息を吐き出す。ガーランドにもディディエにもそう言われた。ついでに言うと、ジャスミーヌからもフレデリクからも、くれぐれもルノーをよろしくとの圧を掛けられたのだ。勘弁して欲しい。
そこにきてのこのドレスだ。皆で私の胃に穴をあけるつもりなのかもしれない。シルヴィは早く舞踏会よ終われと祈った。
まぁ、ヒロインがフレデリクと一緒に目立ってくれるはずである。ジャスミーヌも何とかトリスタンを舞踏会に誘えたと聞いた。その二人も目立つだろう。
今回の舞踏会の目玉は、その二組。皇太子殿下の新しいお相手と、ガイラン公爵令嬢の意中の人。シルヴィは大人しくしていればいいのだ。会場の隅で甘いものを食べよう。甘いものがあれば、ルノーもご機嫌なのだから。
「はやく……」
シルヴィはドレスから目を逸らす。
「婚約者を見つけるべきね」
そうすれば、きっと平和に暮らせる筈なのだ。ルノーにとってもその方がいいに決まっている。なんてシルヴィは目を伏せた。
そんなシルヴィを見つめて、クラリスはバレないように溜息を吐く。あんなに分かりやすくシルヴィを特別扱いしているのに、どうして早々と手に入れてしまわないのか、と。
シルヴィに婚約者など出来る筈もない。ルノーが尽く邪魔しているのだから。クラリスは知っている。アミファンス伯爵家の婿養子になりたい者が多くいるのだということを。
アミファンス伯爵家はシルヴィが思っているよりも価値のある家門なのだ。現アミファンス伯爵が目立たないだけで。シルヴィと結婚すればその後を継げるのだから。政略結婚の話が出ない筈がない。
とは言ってもアミファンス伯爵家は家族仲が良いことで有名。シルヴィは魔力なしであるが、両親から溺愛されている。政略結婚が簡単に成立しない理由は、そこにもあるのだろうが……。
ルノーは何を考えているのか。シルヴィの与り知らない所で牽制を繰り返しては、下心を持った令息を近付けさせない癖に。自分はアプローチらしいアプローチをしていないらしい。
まぁ、傍から見ていれば一目瞭然で分かりやすいのだが。本人に伝わっていないならそれらに意味はないだろう。
クラリスは今日も頭を悩ませる。どこまで言って良いのやら。シルヴィとルノーの今の関係を壊してしまえば、クラリスの命が危ないと本能が警鐘を鳴らす。それに従いクラリスは、友の身を案じつつも結局は口を噤むのだった。
嫌な予感しかしない。こんな舞踏会前日に贈ってくるモノなんて大体決まっている。舞踏会で身に付けるモノだろう。
しかし、量がおかしい。パッと見た感じでも分かる。これは、一式そろっているなと。
「まぁ、凄いわね」
「開けないのですか? お嬢様」
「ううーん……」
ルームメイトのクラリスと、舞踏会の支度のために本邸から来てくれたメイドのモニクが興味津々に見つめてくる。
シルヴィが用意したドレスなどをモニクと確認していたのだが、まさかこんなモノが届くとは。せめて事前に言って欲しい。これが世に聞くサプライズというものか。
一番大きい箱に巻かれた飾りのリボンを指で撫でる。もしかしたら、勘違いかもしれない。ドレスじゃない可能性も捨てきれない。シルヴィは自分を落ち着かせながら、リボンの端を引っ張った。
シュルッとリボンがほどける。可愛いラッピングの先にあった箱の蓋を深呼吸のあとに持ち上げた。そして、閉じた。
「シルヴィ?」
「こわい……」
「あらあら、トリスタン様のような顔になっているわよ」
シルヴィは見間違いであってくれと顔を両手で覆う。見えたのは、やはり間違いなく舞踏会用のドレスだった。問題はその色。ルノーの瞳を思わせるような深い紺色に見えた。
乙女ゲームでは、攻略対象者から贈られたドレスや装飾品などを身に付けて舞踏会に参加する。こんな風に、相手を思わせるような色味のモノを。
何がどうなって、幼馴染みにこんなモノを贈ることになったのか。もしかしたら……。そんな考えが過って、シルヴィは首を左右に振る。
そんなことは有り得なかった。シルヴィにとって自分はただのモブ令嬢だったのだから。
「困ったな……」
「あら、どうして?」
「ドレスはもう用意してあるもの」
「シルヴィ、まさかとは思うけれど……。そのドレスを着ないなんて選択肢が存在するの?」
部屋に静寂が落ちた。やっぱり無いよね。そんな選択肢。とシルヴィは諦めた。パートナーから贈られたドレスを着ないなんてそんな失礼なこと出来るわけがないのだ。
シルヴィは涙を飲んで急に顔を上げる。そのままの勢いで、残りの箱も開けていった。半ばやけくそだ。
「本気で一式じゃないか!!」
「あらあら、熱烈だこと」
「そういうのじゃないから……」
「あらまぁ……」
ルノーの気持ちがいまいち分からない。だって今まで、そういう類いの言葉は言われたことがないのだから。ここにきて、どうしてこんな事をするのか。
「明日のドレスはこちらに変更でよろしいですか?」
「うん。ごめんね、モニク」
「滅相もございません。髪飾りもございますね。これに合わせて髪型も変更致しましょう。お化粧も」
「お願い」
「お任せください」
モニクが箱からドレスを出して、広げた。裾にあしらわれた白金色のフリルレースが揺れて煌めく。
秋の舞踏会の主役はヒロインであるロラだ。いや、全てはヒロインのためにある。何故ならセイヒカはヒロインが愛されるための物語なのだから。それが必然だ。
たしか、フレデリクがヒロインに贈るモノはドレスだった。白を基調としたもので、それに華やかな金刺繍が施されていたはずだ。瞳と同じオレンジのレースも使われていた。
逆ハーレムエンドでは、贈られたモノを全て身に付けるので統一感も何もなかったな。と、シルヴィは綺麗に並べられていくルノーからの贈り物を眺めた。見事にルノーカラーで統一されている。
「でも、紺色を基調としたドレスなんて珍しいわね」
「そうだね。この国では白が好かれるから。クラリスのドレスも白を使ってたよね?」
「えぇ、そうよ」
シルヴィはクラリスのドレスへと視線を遣る。白を基調として灰銀や栗色で彩られているそのドレスは、アレクシが用意したらしい。
ゲームでは、アレクシが用意してくれるのは髪飾りだった。その髪飾りもクラリスが貰ったようだ。アレクシの瞳を思わせる色味の宝石が使われた可愛らしい髪飾りを。
「あの方らしいけれど」
「まぁ……。そうだねぇ」
シルヴィはクラリスに苦笑を返す。この国で白が好かれているのは、言わずもがな。光の乙女の色だからだ。それをこの国では、魔法の象徴としても使っている。魔法科の制服が白なのが良い例だ。
逆に黒はあまり好かれていない。漆黒の髪が魔力なしの証なのもあるのだろう。それに、闇のイメージもあるのかもしれない。
なので皆、明るい色味のドレスを選ぶのだ。シルヴィだって、当初着る予定だったドレスはクリームイエローを基調としたドレスだったのだから。
シルヴィは深い紺色のドレスを見遣る。前世では寧ろ人気の色味だろう。しかし、この世界では確実に悪目立ちする色味なのだ。
まさに、魔王カラー。
「目立ちそう……」
「あら、今更よ」
「……それはどういう意味でしょう」
「髪色が白金に戻ってから、ご令嬢達のアプローチが凄いのは知っているわね?」
「うん」
「一緒に参加するだけで、既に目立ってるわ。たぶん一番よ」
「それは流石にないよ」
「ふふっ、そうかしら?」
だって一番はヒロインだから。そうであるはず。いや、そうであって欲しい。モブ令嬢が一番目立つ舞踏会って何だ。そんなのヒロインから苦情がきてしまう。
しかし、クラリスの言うことも理解出来る。ルノーが漆黒になってからは、ルノーの性格も相まって近づいてくる人達は大幅に減っていた。それが、白金色に戻った瞬間に手の平返しで元通りだ。分かりやすいことこの上無い。
ルノーのパートナーになりたい令嬢達はそれこそ大勢いるのだ。その中で、伯爵の中でも真ん中の位で魔力なしのシルヴィが選ばれるなど納得する者の方が少ない。
「やっぱり断るんだったかな……」
「それだけは駄目よ」
「何で?」
「何でも」
「えぇ……」
にっこりとクラリスに微笑まれて、シルヴィはそれはそれは深い溜息を吐き出す。ガーランドにもディディエにもそう言われた。ついでに言うと、ジャスミーヌからもフレデリクからも、くれぐれもルノーをよろしくとの圧を掛けられたのだ。勘弁して欲しい。
そこにきてのこのドレスだ。皆で私の胃に穴をあけるつもりなのかもしれない。シルヴィは早く舞踏会よ終われと祈った。
まぁ、ヒロインがフレデリクと一緒に目立ってくれるはずである。ジャスミーヌも何とかトリスタンを舞踏会に誘えたと聞いた。その二人も目立つだろう。
今回の舞踏会の目玉は、その二組。皇太子殿下の新しいお相手と、ガイラン公爵令嬢の意中の人。シルヴィは大人しくしていればいいのだ。会場の隅で甘いものを食べよう。甘いものがあれば、ルノーもご機嫌なのだから。
「はやく……」
シルヴィはドレスから目を逸らす。
「婚約者を見つけるべきね」
そうすれば、きっと平和に暮らせる筈なのだ。ルノーにとってもその方がいいに決まっている。なんてシルヴィは目を伏せた。
そんなシルヴィを見つめて、クラリスはバレないように溜息を吐く。あんなに分かりやすくシルヴィを特別扱いしているのに、どうして早々と手に入れてしまわないのか、と。
シルヴィに婚約者など出来る筈もない。ルノーが尽く邪魔しているのだから。クラリスは知っている。アミファンス伯爵家の婿養子になりたい者が多くいるのだということを。
アミファンス伯爵家はシルヴィが思っているよりも価値のある家門なのだ。現アミファンス伯爵が目立たないだけで。シルヴィと結婚すればその後を継げるのだから。政略結婚の話が出ない筈がない。
とは言ってもアミファンス伯爵家は家族仲が良いことで有名。シルヴィは魔力なしであるが、両親から溺愛されている。政略結婚が簡単に成立しない理由は、そこにもあるのだろうが……。
ルノーは何を考えているのか。シルヴィの与り知らない所で牽制を繰り返しては、下心を持った令息を近付けさせない癖に。自分はアプローチらしいアプローチをしていないらしい。
まぁ、傍から見ていれば一目瞭然で分かりやすいのだが。本人に伝わっていないならそれらに意味はないだろう。
クラリスは今日も頭を悩ませる。どこまで言って良いのやら。シルヴィとルノーの今の関係を壊してしまえば、クラリスの命が危ないと本能が警鐘を鳴らす。それに従いクラリスは、友の身を案じつつも結局は口を噤むのだった。
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