プラネット・アース 〜地球を守るために小学生に巻き戻った僕と、その仲間たちの記録〜

ガトー

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5年生 冬休み

持ち出し禁止

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「地球が壊れる?」

 大ちゃんは、いつになく真剣な表情で考え込んでいる。

「で、たっちゃんは15年後の未来から帰ってきた……」

 何かを照合するように、頭と視線を、左右上下に行ったり来たりさせる。

「地球の強度と不老。そうかそうか……」

 納得したように、うなずきながらニヤッと笑う大ちゃん。
 ちょっと怖い。

「わかった。これで全部、辻褄つじつまが合った。俺の予想とは少し違ったけどなー」

「この説明を聞いて、何も聞き返さなかったのは、大ちゃんが初めてだ。スゴいな」

 ツッコミどころ満載なのに。
 やっぱり、大ちゃんも色々と人間離れしている。

「で、改めてだけど、助けてくれてありがとな。たっちゃんが来てくれなかったら、俺、誘拐されて、大変な事になってたはずだ」

「僕もそう思う。襲ってきた奴ら〝人間がベース〟の機械人形だった。って事は、元・人間だろ?」

「そうだよな。挙動が〝機械〟だったから、俺も一体いったい倒しちまったけど、一瞬、躊躇ちゅうちょしたもんなー。どういう風にどうなって機械にされたのか考えると怖いぜ?」

 そのベースとなった人間も、犠牲者だよなきっと。
 それにしても〝動き〟だけで機械だと見抜いたのか。さすがだ。

「で、俺の予想では、栗っちが言ってた〝手に何か刺さってる〟っていう予言と、この青くて材質の分からない石のような物が、関係してるんだな?」

 ブルーの欠片かけらを取り出して、その正体まで言い当てる。
 栗っちの予言とか、よく覚えてるよな。
 ……あ、そうか、忘れられないんだった。

「それ、僕の右手に刺さった物の欠片なんだ。本体は、今も僕の右手にある。普通の人には見ることは出来ないけど」

「今もあるのか……そこら辺から、ちょっと理解できない所なんだよなー。もう一回見せてくれるか?」

 僕が右手を差し出すと、彩歌の時のように、両手で掴まれてじっくり観察された。
 裏返し、表返し、撫でたり突付いたりされる。

「普通の手なんだけどなあ」

「そうなんだよねー。僕も意識が向くまでは、全然普通の手に見えてたんだ」

 と、笑顔で僕等のやりとりを見ていた栗っちが言う。

「だまし絵とか、トリックアートみたいな感じか? うー! わかんねえなー!」

 大ちゃんは頭を抱えてしまった。

『タツヤ。こればかりはどうしようもない。何らかのきっかけが必要なんだ』

「らしいよ……あ、じゃなかった。何かきっかけが必要だって」

「らしいよって、そのアドバイスの声も、二人には聞こえてるんだろ? ふっしぎだなぁ!!」

 かなり不満そうな大ちゃん。

「まあいいか。もう、その〝きっかけ〟を待つしか無いな! 次いこうぜ、次!」

 無理やり吹っ切ったようなので、次に行くことにする。

「で、さっきも言ったように、僕は〝地球の導き手〟なんだ。で、栗っちは〝救世主〟。人を導く存在なんだって。まだ完全には覚醒していないんだけどね」

「なるほど。しかし二人とも、スゴい肩書きだな」

『タツヤ、三人の今の〝詳細表示〟を、紙に書いて見せれば説明しやすい』

 ナイスアイデアだブルー。
 早速、大ちゃんにノートとペンを借りる。

『じゃ、表示するよ、タツヤからで良いかな?』



***********************************************
内海 逹也 Utsumi Tatsuya

AGE 11
H P 8888888888888888888888888
M P 3
攻撃力 78
守備力 8888888888888888888888888
体 力 26
素早さ 42
賢 さ 26

<特記事項> 
救星特異点
不老
星の強度
摂食不要
呼吸不要
超回復
真空耐性
熱耐性
電撃無効
不眠不休
光合成
詳細表示 
病毒無効 ← NEW!
***********************************************



 自分のステータスを、借りたノートに書き写した。

「こんなのが見れるのか。面白いなー!」

 大ちゃんがノートを見て叫ぶ。

「たっちゃん、すっごく不死身! って感じだね」

 栗っちの言うとおり、HPと守備力が表記し切れていない。

「摂食と呼吸が不要って!」

「たっちゃんはね、睡眠も不要なんだよー!」

「それじゃ、仕事も不要じゃん!」

 そうでも無いんだけどな。
 大人になったら分かるよ、大ちゃん。

『うまい事を言うね! ダイサクは面白いな!』

「ウチの右手が大ちゃんを褒めてるよ」

「おー! 直接聞きたかったなー!」

 大ちゃんが嬉しそうに言った。

「攻撃力が凄いペースで上がってる。いっぱい殴ったり蹴ったりしたもんなー」

『タツヤ、しばらくすると、攻撃側の特性も得るはずだ』

「ああ、最終的には地球をぶつけるぐらいの威力だっけ」

 スゴ過ぎて、イメージが湧かないんだよなあ。

『……では、次にカズヤのを表示するよ?』



***********************************************
栗栖 和也 Chris Kazuya

AGE 11
H P 18
M P 0
攻撃力 224
守備力 149 × 2
体 力 14
素早さ 13
賢 さ 15

<特記事項>
救世主
未来予知
念動力
確率操作
千里眼
精神感応
星の守護 ← NEW!
随行者ずいこうしゃの右手 ← NEW!
***********************************************



「栗っち、なんか増えてるよ!」

「わぁ、僕の詳細ってこんななんだ。星の守護っていうのが増えてるね、何だろう」

「守備力が2倍になってるのがそうかな? この前見たときは無かったよ」

『正式にタツヤの協力者となった証だ。カズヤがタツヤの近くに居る時、防御力に補正が掛かる』

「友情パワーってことだね! なんか嬉しいなー!」

「おおー! 面と向かって言われると、照れるけど正直嬉しいよ!」

「お~い、俺を置いてけぼりにしないでくれよなー。お、念動力とかあるけど、栗っちの不思議な技ってこれだったんだな」

「ん? ブルー、一番下の、随行者ずいこうしゃの右手って何だ?」

『これはね、救世主に永遠の愛を誓う者が現れた時、取得する能力なんだ。相手側は〝随行者ずいこうしゃの左手〟を取得する。救世主と同じ時を生きる能力を得るんだ』

「つまり、死んでも復活したり出来るってこと?」

『そうだよ。それ以外は普通の人間と変わらないけどね』

「うわわ、そっかー、やっぱり。昨日のあれかなぁ……」

 栗っちがモジモジして赤くなっている。

「栗っち、どういう事?! 何があったの?」

「あ! ううん、なんでもないよ、お義兄さん……じゃなかった、たっちゃん!」

 何か、また言い間違えてるし、嫌な胸騒ぎがするけど、きっと気のせいだろう。気のせい。

『さて、いよいよ、ダイサクの詳細を表示する』



***********************************************
九条 大作 Kujoh Daisaku

AGE 11
H P 17
M P 0
攻撃力 11
守備力 3 × 2
体 力 14
素早さ 10
賢 さ 5882

<特記事項>
名工神ヘパイストス
瞬間記憶
思考加速
過集中
バベルの司書 ← Proved!
星の守護 ← NEW!
***********************************************



「あ、そっか、変身してないから、補正表示が無いんだ。賢さは、やっぱり圧巻だけど」

「俺のステータス、ショボいなー! あれ? けど、守備力が✕2になってんのなー」

「大ちゃんにも、星の守護がついてる! なかま! 仲間ー!」

 栗っちが大ちゃんの手を握って嬉しそうに飛び跳ねている。

「あはは、そうだな栗っち、俺も世のため人のために、頑張るぜ!」

『おや? 今、ダイサクのステータスに変化があったよ? もう一度表示させるね』



***********************************************
九条 大作 Kujoh Daisaku

AGE 11
H P 17
M P 0
攻撃力 11
守備力 3 × 2 × 2
体 力 14
素早さ 10
賢 さ 5882

<特記事項>
名工神ヘパイストス
瞬間記憶
思考加速
過集中
バベルの司書
星の守護
神の加護 ← NEW!
***********************************************



『タツヤ、神の加護は、救世主が神の使徒と認めた者に付与されるものだ』

「大ちゃん、栗っちからの補正もついたみたい」

「スゲー! ラッキー!!」

「栗っち、僕には無いの? 神の加護」

『タツヤ、何度も言っているが、キミの存在は、救世主より上位の物だ』

「えっと、僕からの守護は、平社員が、社長に給料を出すみたいな感じ?」

『それだ、カズヤ』

 ちょっと違わないか? なんとなく、わかったけどさ。

『あと〝司書〟の真意が判明したので表記が変わっている』

 バベルの司書は〝バベルの図書館〟の情報を見ることが出来る者だ。

「大ちゃん、僕の言った司書って〝バベルの図書館〟っていう、全ての知識が収められている図書館の司書だったみたい」

「俺がいつも情報をもらう扉の向こうが、バベルの図書館?」

「大ちゃんスゴイね、知りたい時に何でも知れるんだ! 今度僕も色々教えてよー!」

 栗っちがキラキラした目で大ちゃんを見る。

「いや、実はな、あの図書館の知識、持ち出し禁止みたいなんだ」

「え? そうなの? どういう事?」

 キラキラしたままの目で聞く栗っち。小学生か……あ、そっか、小学生だ。

「俺自身が、本の知識を使うときは、全く問題ないんだ。いつもの改造とか発明も、それを使ってやってるんだけど……」

「それで、あんなスゴイのが作れちゃうんだね!」

「でも、直接、人に言ったり、紙に書いたりしようとすると、頭からスッと消えちゃうんだ。あの感覚が、〝忘れる〟って事なのかもな」

「へぇ! バベルの図書館の本の内容は、自分のためにしか使えないんだ! 不思議だなぁ」

「誰かのために、本の知識を使って、僕自身が何かをしてあげたり、作った物で何かをする事は出来るんだよなー」

「ふうん。名工神ヘパイストスとセットで、更に生きる能力なんだね。でも、ちょっと残念」

「とにかく、大ちゃんも、特別な能力を持っている事がわかったんだ。きっと、地下室にも行けるようになるさ!」

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