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5年生 冬休み明け
部屋の隅の何か
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「栗っち、話し方を変えないとバレちゃうよ。ご近所だし」
「えへへ、だいじょうぶ!」
本当に大丈夫かな……?
そう思いつつ、人目につかない場所を探す。
僕も口調を変えよう。
やっぱ〝俺様系〟かな。
「まあ、ここが一番安全だよね」
結局、ウチまで帰ってきてしまった。地下室の入り口を開けて、階段で変身する。
「よし! 行くぜグリーン!」
……ということで、変身した時は、ちょっと乱暴な口調でいってみよう。
「了解しました! 行きましょうアース」
栗っちは、丁寧で大人な喋り方にしたようだ。〝救世主〟っぽくて良いな。
>>>
燃え盛る炎。その前に立つヒーローと、足元に横たわる3匹の番犬たち。
消防隊も庭に入ってこれるようになり、放水を始めている。
「犬たちをケージにお願いしたい。私は中にいる者を救助に向かう」
「どうなっているんだ? 君は……」
駐在さんは、目の前で繰り広げられる現実離れしたイロイロを、飲み込むのに必死だ。
「ああ、丁度、仲間たちも到着したようだ」
僕たちが到着すると、駐在さんは〝他にもまだ居るのか?!〟という表情を浮かべた。
「遅くなったな、レッド! 例の物は、無事に配置したぜ!」
〝大ちゃん人形〟の事だ。
僕と栗っちの人形の隣に立たせておいた。
「お待たせしました。中の人は、まだ無事のようです。急ぎましょう」
建物内の様子は、グリーンが千里眼で確認済みだ。鹿の首の剥製が壁に掛かっている部屋に、おじいさんが一人、倒れているらしい。
「何なんだ! 君たちは、いったい何者なんだ?!」
来たぞ! 駐在さん、ナイストス!
二人とも、合わせてくれよ……!
「俺たちは、地球を救うために選ばれた」
僕が右手の拳を握りしめ、胸を叩く。
「科学と超常と大いなる自然の戦士!」
レッドが人差し指を高く突き上げる。さすがだ。
「その名も!」
来たぞ来たぞ! ナイスじゃないかグリーン。せーの!
『救星戦隊 プラネット・アース!!』
即席にしては、バッチリ派手にキマった。
「きゅうせい……戦隊……?!」
駐在さんは、ただ呆然としている。というか、お遊びはここまでだな。早くしないと大変な事になる。
「二人とも、よく来てくれた。中の状況は?」
「要救助者は、入って二階、右の一番奥の部屋です。火はまだ回っていませんが、煙が心配ですね」
「よーし、行っくぜー!!」
「あ、少しお待ち下さい」
グリーンが、庭にある池の方に手をかざす。
「鯉が可哀想ですので、少し残して……」
ゴポッという音と共に、池の水が丸く持ち上げられる。かなりの水量だ。
「頂いていきますね。余裕がありましたら、水を足してあげて下さい」
口を開けたまま、呆然としている駐在さんに、犬と鯉を任せて玄関に向かう。
扉は施錠されていた。
「俺に任せろ! アース・インパクト!!」
ただのパンチで扉を粉砕して突入する。
中はかなりの高温になっていたが、3人とも耐熱仕様なので全く問題ない。
池の水は、いくつもに小分けされて浮遊しつつ、グリーンの後をついて来ている。
「グリーン、帰路の確保をお願いしたい。我々は大丈夫だが、要救助者を連れて、通ることになるだろう」
「わかりました。お任せ下さい」
階段までの通路に水のトンネルが出来る。このまま2階までトンネルを繋げば、安全に帰って来られるだろう。
「イザとなったら壁をぶち抜いて飛び降りようぜ!」
「アース。怪我をさせてはいけないので、それは最終手段だ」
レッドにたしなめられた。変身してから、思考まで乱暴な感じになってるな、僕。
……口調が変わると性格まで変わる?
いや、洞窟事件の時も大ちゃんに〝お前、無茶するよなー〟って言われたし、もともと、僕ってそうなのかもしれない。
「階段を上がって右奥だったな。急ぐぞ!」
「おうさ!」
「了解しました」
2階も、火の勢いは、かなりのものだ。奥の部屋の入口付近も、案の定、炎に包まれていた。
「このまま開けたら、炎が中に行くよな」
「私もそれを考えていた。さすがだな、アース」
「炎が部屋の中の空気に触れなければ良いのでしたら、こういうのはいかがでしょう」
グリーンは、部屋の前にもう一つ、水の壁で出来た小部屋を作った。
「ナイスだな! グリーン!」
「お褒めに預かり、光栄です。さあ、中へ!」
扉を開けると、まず鹿の首が目に入った。お金持ちを表現するにはわかり易い、超便利アイテムだ。
「居た! おじいさんだ!」
「急いで連れ出しましょう……あうっ?!」
グリーンが突然、頭を抱えてうずくまった。
「どうした、グリーン?!」
「頭が痛い……! な、何かが……」
突然、周囲が明るくなった。
……天から光が差し込み、グリーンを照らしている。〝建物の中〟なので有り得ないが、なんと天井がボヤけて青空が見えるのだ。
「何なのだ、この現象は?!」
どうやら、この不思議な光景は、レッドにも見えているようだ。
『タツヤ、カズヤは〝救世主〟としての、何かの能力に目覚めたようだ』
エフェクトが半端無いな、救世主!
……僕なんかいつもスゴイ地味なのに。
「何かが……」
グリーンは立ち上がり、何もない、部屋の隅を指差した。
「何かが、そこに居ます」
「えへへ、だいじょうぶ!」
本当に大丈夫かな……?
そう思いつつ、人目につかない場所を探す。
僕も口調を変えよう。
やっぱ〝俺様系〟かな。
「まあ、ここが一番安全だよね」
結局、ウチまで帰ってきてしまった。地下室の入り口を開けて、階段で変身する。
「よし! 行くぜグリーン!」
……ということで、変身した時は、ちょっと乱暴な口調でいってみよう。
「了解しました! 行きましょうアース」
栗っちは、丁寧で大人な喋り方にしたようだ。〝救世主〟っぽくて良いな。
>>>
燃え盛る炎。その前に立つヒーローと、足元に横たわる3匹の番犬たち。
消防隊も庭に入ってこれるようになり、放水を始めている。
「犬たちをケージにお願いしたい。私は中にいる者を救助に向かう」
「どうなっているんだ? 君は……」
駐在さんは、目の前で繰り広げられる現実離れしたイロイロを、飲み込むのに必死だ。
「ああ、丁度、仲間たちも到着したようだ」
僕たちが到着すると、駐在さんは〝他にもまだ居るのか?!〟という表情を浮かべた。
「遅くなったな、レッド! 例の物は、無事に配置したぜ!」
〝大ちゃん人形〟の事だ。
僕と栗っちの人形の隣に立たせておいた。
「お待たせしました。中の人は、まだ無事のようです。急ぎましょう」
建物内の様子は、グリーンが千里眼で確認済みだ。鹿の首の剥製が壁に掛かっている部屋に、おじいさんが一人、倒れているらしい。
「何なんだ! 君たちは、いったい何者なんだ?!」
来たぞ! 駐在さん、ナイストス!
二人とも、合わせてくれよ……!
「俺たちは、地球を救うために選ばれた」
僕が右手の拳を握りしめ、胸を叩く。
「科学と超常と大いなる自然の戦士!」
レッドが人差し指を高く突き上げる。さすがだ。
「その名も!」
来たぞ来たぞ! ナイスじゃないかグリーン。せーの!
『救星戦隊 プラネット・アース!!』
即席にしては、バッチリ派手にキマった。
「きゅうせい……戦隊……?!」
駐在さんは、ただ呆然としている。というか、お遊びはここまでだな。早くしないと大変な事になる。
「二人とも、よく来てくれた。中の状況は?」
「要救助者は、入って二階、右の一番奥の部屋です。火はまだ回っていませんが、煙が心配ですね」
「よーし、行っくぜー!!」
「あ、少しお待ち下さい」
グリーンが、庭にある池の方に手をかざす。
「鯉が可哀想ですので、少し残して……」
ゴポッという音と共に、池の水が丸く持ち上げられる。かなりの水量だ。
「頂いていきますね。余裕がありましたら、水を足してあげて下さい」
口を開けたまま、呆然としている駐在さんに、犬と鯉を任せて玄関に向かう。
扉は施錠されていた。
「俺に任せろ! アース・インパクト!!」
ただのパンチで扉を粉砕して突入する。
中はかなりの高温になっていたが、3人とも耐熱仕様なので全く問題ない。
池の水は、いくつもに小分けされて浮遊しつつ、グリーンの後をついて来ている。
「グリーン、帰路の確保をお願いしたい。我々は大丈夫だが、要救助者を連れて、通ることになるだろう」
「わかりました。お任せ下さい」
階段までの通路に水のトンネルが出来る。このまま2階までトンネルを繋げば、安全に帰って来られるだろう。
「イザとなったら壁をぶち抜いて飛び降りようぜ!」
「アース。怪我をさせてはいけないので、それは最終手段だ」
レッドにたしなめられた。変身してから、思考まで乱暴な感じになってるな、僕。
……口調が変わると性格まで変わる?
いや、洞窟事件の時も大ちゃんに〝お前、無茶するよなー〟って言われたし、もともと、僕ってそうなのかもしれない。
「階段を上がって右奥だったな。急ぐぞ!」
「おうさ!」
「了解しました」
2階も、火の勢いは、かなりのものだ。奥の部屋の入口付近も、案の定、炎に包まれていた。
「このまま開けたら、炎が中に行くよな」
「私もそれを考えていた。さすがだな、アース」
「炎が部屋の中の空気に触れなければ良いのでしたら、こういうのはいかがでしょう」
グリーンは、部屋の前にもう一つ、水の壁で出来た小部屋を作った。
「ナイスだな! グリーン!」
「お褒めに預かり、光栄です。さあ、中へ!」
扉を開けると、まず鹿の首が目に入った。お金持ちを表現するにはわかり易い、超便利アイテムだ。
「居た! おじいさんだ!」
「急いで連れ出しましょう……あうっ?!」
グリーンが突然、頭を抱えてうずくまった。
「どうした、グリーン?!」
「頭が痛い……! な、何かが……」
突然、周囲が明るくなった。
……天から光が差し込み、グリーンを照らしている。〝建物の中〟なので有り得ないが、なんと天井がボヤけて青空が見えるのだ。
「何なのだ、この現象は?!」
どうやら、この不思議な光景は、レッドにも見えているようだ。
『タツヤ、カズヤは〝救世主〟としての、何かの能力に目覚めたようだ』
エフェクトが半端無いな、救世主!
……僕なんかいつもスゴイ地味なのに。
「何かが……」
グリーンは立ち上がり、何もない、部屋の隅を指差した。
「何かが、そこに居ます」
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