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5年生 3学期 2月
精算 オランダ 彩歌
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『アヤカのポイントは次のとおりだ』
悪魔を殺害 60pt
賞賛 12pt
解雇 5pt
外来種と和解 73pt
救世主との出会い 150pt
名工神との出会い 150pt
解毒 11pt
怪人Bと戦闘 88pt
旅 30pt
外国語会話 15pt
誘惑 120pt
手紙複製 38pt
尾行 5pt
手紙のすり替え 120pt
未知の敵を攻撃 101pt
負傷 204pt
自己修復 200pt
救星の成功 1000pt
合計 2382pt
「誘惑……」
赤くなって下を向いている彩歌。
『アヤカ、ドンマイ! タツヤも喜んでいたし、結果、良いポイントになった』
ちょ、ブルー、言い方……
「うーーー」
ほらみろ、睨んでる。
「あ……彩歌さん、やったね! 大幅パワーアップだよ!」
「……」
「彩歌……さん?」
「……達也さん」
「は、はいっ」
「……誰にも言わないでね?」
「言いません! 誓って!」
というか、言えねぇ。
「と、ところで ブルー! 彩歌さんには、ポイントで手に入れられる〝特別な能力〟ってあるのか?」
僕は、火・水・風を操る力が用意されていた。
もしかしたら彩歌も、同じような能力が使えるようになるかも知れない。
『そうだね、調べてみよう。アヤカの〝精算〟は完全にイレギュラーな物だから、私にも想像がつかない。少し待って欲しい』
ブルーは、そう言うと黙り込んだ。
そして、意外と早く、何かを見つけたようだ。
『喜んでほしい。見つけたよ。アヤカにも〝能力〟が用意されたようだ』
「良かった。火・水・風の操作も身につけられるんだな」
『いや、タツヤ、それはキミだけの能力だ』
ありゃ、違うの?
「じゃあ、どんな能力なんだ?」
『それがね、詳しい情報が無いんだ。用意された能力は、どれも開放してみないとわからない』
へぇ、妙にギャンブルチックだな。
……でもその分、ワクワクする!
『私が見つけた〝能力の扉〟は、タツヤと同じで3つ。消費するポイントはそれぞれ、1000、3000、20000だ』
……全然ギャンブルじゃなかった。今回の分岐では、1000の能力しか選べない。
「うーん。どうしよう、達也さん」
「堅実にステータスを上げるか、新しい能力を身につけるか、確かに悩むなぁ」
『アヤカ、私が見たところ、キミの能力の扉の中には、かなり有用な能力が眠っていそうだ』
「なんで分かるんだ? ブルー」
『扉の中から〝何か〟が体当たりをしている。出せ、出せ、という声も聞こえるよ』
「怖いな! っていうか、その能力、眠ってないぞ。起きて暴れてるじゃんか!」
「確かにちょっと怖いけど、なんだか早く出してあげたい気持ちになってきたわ……」
マジで? 大丈夫かな。
……でも、本人がそう言うなら、きっと必要な能力なんだろう。こういうのって案外、フィーリングだもんな。
「いいんじゃない? 1000ポイント使っても、まだ随分残ってるし」
「うん! じゃ、ブルーお願い!」
『了解した。アヤカの秘めたる力を開放するよ?』
「……どう? 彩歌さん」
「体の中のどこかで、扉が開いたみたい……!」
分かる分かる。僕もそんな感じだった。
「でも、今のところ開いただけかも」
あら? 扉に体当たりして〝出せ出せ〟と言ってたのに?
『アヤカ、能力の発現には時間が掛る事も多い。先にステータスを上げておくかい?』
「そうね。お願いします!」
『残りは1382ポイントだ。どういう風に割り振る? ちなみにキミのHPと守備力は、欠片との融合が進めば自動的に上がっていく。他のものを上げるほうが良いだろう』
「僕と同じ理由だな」
不死身の僕の守備力を上げる意味はない。
ブルー曰く〝海にコップの水を注いで水位を上げようとするようなもの〟らしい。
『そうだね。彩歌の場合は〝プールにコップの水を足して、水位を上げようとするようなもの〟だ』
相変わらず、うまい例えだなあ。
「えーっと……攻撃力200、体力100、素早さ500、賢さ200。残りを全部魔力で、どうかしら?」
なるほどね。やはり彩歌も〝素早さ〟の重要性は分かっているようだ。
「うん。良いと思うよ」
『よし、では、いくよ?』
「あ、待って、達也さんちょっとあっち向いてて!」
え? なんで?
……あ、そうか!
「あっ! あああ! いや! ああああっ!」
急に、悶え始める彩歌。
ヤバい……! なんか、見ちゃ駄目なヤツだ。というか、誰かに見られたくない!
僕は上着を脱いで彩歌に被せた。
背を向けてしゃがみ、通りからの視界を遮るようにして、警戒する。
「ああああ! ダメ! いやあああっ!」
「頑張って、彩歌さん!」
「もうダメ! やめて! ああああっ!」
クネクネと動く彩歌。幸い、周囲には誰も居ない。
「おいブルー、あとどれ位だ?」
『キミの時より数値が少ない。もう終わるよ。あと3、2、1』
静かになる彩歌。
……あと、ちょっと変な気分になってる僕。
「大丈夫? 彩歌さん」
「……ありがとう、達也さん」
「ううん。ごめんよ、すっかり忘れてた……」
次からは、それぞれ個室でパワーアップしよう。絶対。
「でも……すごい。力があふれてくる!」
『アヤカ、おめでとう。キミも大幅にパワーアップした」
「ありがとうブルー!」
と言ったあと、急にハッとした表情で動きを止める彩歌。
「どうしたの? 彩歌さん」
「何か出てきた……扉から」
「ああ、そうだった。やっと出てきたのか! 自分の中の扉から、力が溢れる感じでしょ?」
「え? ううん。なにか小さな生き物が……」
「え? 何? 生き物?!」
「こっちに来る!」
彩歌がそう言い終わると、いつの間にか彩歌の肩の上に、見た事もない黄色い生き物が、ちょこんと座っていた。
「……ウサギ?」
耳が長く、目は赤い。でも、体を覆う毛は金色に近い黄色だ。彩歌の肩からピョンと飛び降りると、僕と彩歌を見上げている。
絶対にウサギじゃない。ウサギにしては目が大きくて体型がコロンと丸い。可愛……いや、あざとすぎる。
『あざといって……ひどいなあ』
「しゃべった?!」
僕と彩歌、同時に叫んでしまった。
『面白いね。これは見た事のない能力だ』
ブルーはいつものように、面白がっている。
『はじめまして、僕はルナ。彩歌の中に住んでいたんだ』
ペコリとお辞儀をする〝ルナ〟。どことなく仕草が彩歌に似ている。
『だって僕、彩歌の中で育ったからね。一心同体なのさ!』
「あれ? もしかして僕の思考、読んでない?」
ニッと笑うルナ。やっぱり彩歌に似てる。
『〝精神感応〟だよ……あ、知ってるの? それなら話は早い』
知ってる。って思った瞬間、読まれてた。栗っちと同じ感じだ。
「あなた、私の中に住んでたの?」
『そうさ! 彩歌が生まれた時、お父さんとお母さんが僕を彩歌の中に閉じ込めたんだ』
〝魔界の軸石〟 魔界創生の鍵となった秘宝。偶然それを手に入れた彩歌の両親が、悪魔にも人間にも見つからない所に隠すため、秘術を使って彩歌に埋め込んだらしい。
『魔界の軸石は、使い方によっては魔界の全てを自在に操ることが出来る。溶けて魔界の土に還るのが一番安全なんだ。だから、いずれ彩歌が死んだ時に、一緒に土に還るように術をかけて彩歌の中に埋めた。普通は誰も、絶対に取り出すことは出来ない』
ルナは、腕組みをしたまま右へ左へと、テクテク歩きながら話を続ける。
『ところが、思わぬアクシデントが起きた』
『私の欠片だね?』
『そうだよ! なんなの、あれ! 凄かったよ。魔界の軸石は未知のエネルギーの影響で自我を持ったんだ。きっと、彩歌が自在に魔界の軸石の力を使えるよう、調整されたんだよ』
「それがルナ?」
『うん。僕は、彩歌の能力として生まれ変わった、魔界を自在に操れる究極の秘宝だよ』
悪魔を殺害 60pt
賞賛 12pt
解雇 5pt
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誘惑 120pt
手紙複製 38pt
尾行 5pt
手紙のすり替え 120pt
未知の敵を攻撃 101pt
負傷 204pt
自己修復 200pt
救星の成功 1000pt
合計 2382pt
「誘惑……」
赤くなって下を向いている彩歌。
『アヤカ、ドンマイ! タツヤも喜んでいたし、結果、良いポイントになった』
ちょ、ブルー、言い方……
「うーーー」
ほらみろ、睨んでる。
「あ……彩歌さん、やったね! 大幅パワーアップだよ!」
「……」
「彩歌……さん?」
「……達也さん」
「は、はいっ」
「……誰にも言わないでね?」
「言いません! 誓って!」
というか、言えねぇ。
「と、ところで ブルー! 彩歌さんには、ポイントで手に入れられる〝特別な能力〟ってあるのか?」
僕は、火・水・風を操る力が用意されていた。
もしかしたら彩歌も、同じような能力が使えるようになるかも知れない。
『そうだね、調べてみよう。アヤカの〝精算〟は完全にイレギュラーな物だから、私にも想像がつかない。少し待って欲しい』
ブルーは、そう言うと黙り込んだ。
そして、意外と早く、何かを見つけたようだ。
『喜んでほしい。見つけたよ。アヤカにも〝能力〟が用意されたようだ』
「良かった。火・水・風の操作も身につけられるんだな」
『いや、タツヤ、それはキミだけの能力だ』
ありゃ、違うの?
「じゃあ、どんな能力なんだ?」
『それがね、詳しい情報が無いんだ。用意された能力は、どれも開放してみないとわからない』
へぇ、妙にギャンブルチックだな。
……でもその分、ワクワクする!
『私が見つけた〝能力の扉〟は、タツヤと同じで3つ。消費するポイントはそれぞれ、1000、3000、20000だ』
……全然ギャンブルじゃなかった。今回の分岐では、1000の能力しか選べない。
「うーん。どうしよう、達也さん」
「堅実にステータスを上げるか、新しい能力を身につけるか、確かに悩むなぁ」
『アヤカ、私が見たところ、キミの能力の扉の中には、かなり有用な能力が眠っていそうだ』
「なんで分かるんだ? ブルー」
『扉の中から〝何か〟が体当たりをしている。出せ、出せ、という声も聞こえるよ』
「怖いな! っていうか、その能力、眠ってないぞ。起きて暴れてるじゃんか!」
「確かにちょっと怖いけど、なんだか早く出してあげたい気持ちになってきたわ……」
マジで? 大丈夫かな。
……でも、本人がそう言うなら、きっと必要な能力なんだろう。こういうのって案外、フィーリングだもんな。
「いいんじゃない? 1000ポイント使っても、まだ随分残ってるし」
「うん! じゃ、ブルーお願い!」
『了解した。アヤカの秘めたる力を開放するよ?』
「……どう? 彩歌さん」
「体の中のどこかで、扉が開いたみたい……!」
分かる分かる。僕もそんな感じだった。
「でも、今のところ開いただけかも」
あら? 扉に体当たりして〝出せ出せ〟と言ってたのに?
『アヤカ、能力の発現には時間が掛る事も多い。先にステータスを上げておくかい?』
「そうね。お願いします!」
『残りは1382ポイントだ。どういう風に割り振る? ちなみにキミのHPと守備力は、欠片との融合が進めば自動的に上がっていく。他のものを上げるほうが良いだろう』
「僕と同じ理由だな」
不死身の僕の守備力を上げる意味はない。
ブルー曰く〝海にコップの水を注いで水位を上げようとするようなもの〟らしい。
『そうだね。彩歌の場合は〝プールにコップの水を足して、水位を上げようとするようなもの〟だ』
相変わらず、うまい例えだなあ。
「えーっと……攻撃力200、体力100、素早さ500、賢さ200。残りを全部魔力で、どうかしら?」
なるほどね。やはり彩歌も〝素早さ〟の重要性は分かっているようだ。
「うん。良いと思うよ」
『よし、では、いくよ?』
「あ、待って、達也さんちょっとあっち向いてて!」
え? なんで?
……あ、そうか!
「あっ! あああ! いや! ああああっ!」
急に、悶え始める彩歌。
ヤバい……! なんか、見ちゃ駄目なヤツだ。というか、誰かに見られたくない!
僕は上着を脱いで彩歌に被せた。
背を向けてしゃがみ、通りからの視界を遮るようにして、警戒する。
「ああああ! ダメ! いやあああっ!」
「頑張って、彩歌さん!」
「もうダメ! やめて! ああああっ!」
クネクネと動く彩歌。幸い、周囲には誰も居ない。
「おいブルー、あとどれ位だ?」
『キミの時より数値が少ない。もう終わるよ。あと3、2、1』
静かになる彩歌。
……あと、ちょっと変な気分になってる僕。
「大丈夫? 彩歌さん」
「……ありがとう、達也さん」
「ううん。ごめんよ、すっかり忘れてた……」
次からは、それぞれ個室でパワーアップしよう。絶対。
「でも……すごい。力があふれてくる!」
『アヤカ、おめでとう。キミも大幅にパワーアップした」
「ありがとうブルー!」
と言ったあと、急にハッとした表情で動きを止める彩歌。
「どうしたの? 彩歌さん」
「何か出てきた……扉から」
「ああ、そうだった。やっと出てきたのか! 自分の中の扉から、力が溢れる感じでしょ?」
「え? ううん。なにか小さな生き物が……」
「え? 何? 生き物?!」
「こっちに来る!」
彩歌がそう言い終わると、いつの間にか彩歌の肩の上に、見た事もない黄色い生き物が、ちょこんと座っていた。
「……ウサギ?」
耳が長く、目は赤い。でも、体を覆う毛は金色に近い黄色だ。彩歌の肩からピョンと飛び降りると、僕と彩歌を見上げている。
絶対にウサギじゃない。ウサギにしては目が大きくて体型がコロンと丸い。可愛……いや、あざとすぎる。
『あざといって……ひどいなあ』
「しゃべった?!」
僕と彩歌、同時に叫んでしまった。
『面白いね。これは見た事のない能力だ』
ブルーはいつものように、面白がっている。
『はじめまして、僕はルナ。彩歌の中に住んでいたんだ』
ペコリとお辞儀をする〝ルナ〟。どことなく仕草が彩歌に似ている。
『だって僕、彩歌の中で育ったからね。一心同体なのさ!』
「あれ? もしかして僕の思考、読んでない?」
ニッと笑うルナ。やっぱり彩歌に似てる。
『〝精神感応〟だよ……あ、知ってるの? それなら話は早い』
知ってる。って思った瞬間、読まれてた。栗っちと同じ感じだ。
「あなた、私の中に住んでたの?」
『そうさ! 彩歌が生まれた時、お父さんとお母さんが僕を彩歌の中に閉じ込めたんだ』
〝魔界の軸石〟 魔界創生の鍵となった秘宝。偶然それを手に入れた彩歌の両親が、悪魔にも人間にも見つからない所に隠すため、秘術を使って彩歌に埋め込んだらしい。
『魔界の軸石は、使い方によっては魔界の全てを自在に操ることが出来る。溶けて魔界の土に還るのが一番安全なんだ。だから、いずれ彩歌が死んだ時に、一緒に土に還るように術をかけて彩歌の中に埋めた。普通は誰も、絶対に取り出すことは出来ない』
ルナは、腕組みをしたまま右へ左へと、テクテク歩きながら話を続ける。
『ところが、思わぬアクシデントが起きた』
『私の欠片だね?』
『そうだよ! なんなの、あれ! 凄かったよ。魔界の軸石は未知のエネルギーの影響で自我を持ったんだ。きっと、彩歌が自在に魔界の軸石の力を使えるよう、調整されたんだよ』
「それがルナ?」
『うん。僕は、彩歌の能力として生まれ変わった、魔界を自在に操れる究極の秘宝だよ』
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