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5年生 3学期 2月
伝染する呪い
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『絶対に聞いちゃダメよ?』
さっきから、念を押しまくっているハンナ。これで3回目だ。
『分かったから! 絶対聞かないよ』
両耳をおさえているダニロ。
……でもそれって、聞こえてるよな?
『だいたいさ、なんで教えちゃダメなんだよ?』
ライナルトの疑問はもっともだ。
おばあちゃんに〝誰にも言うな〟と言われても、ここまで厳重に聞かれないようにするかな?
『この合言葉を誰かに教えたら、悪魔が来るの』
ハンナが消え入りそうな声で言う。
『ハッ! 悪魔が来る?』
ちょっと馬鹿にした感じで、ライナルトが笑う。するとハンナが涙目で反論した。
『だって、私に合言葉を教えた日に、おばあちゃん、死んじゃったんだから!』
全員、絶句した。ダニロに至っては、両耳を抑えたまま震え上がっている。
……それって、やっぱり聞こえてるよな?
『おばあちゃん言ってたの。軍人さんが、目の前で死んじゃったって……!』
ひいおばあちゃんが〝合言葉〟を聞いたその軍人さんも、やはりその日、亡くなったらしい。
『私がいけなかったの……おばあちゃんの日記を勝手に見ちゃったから……』
ハンナのひいおばあちゃんが、それをハンナに伝えたのは、ハンナが幼い頃、おばあちゃんの日記を勝手に見てしまい、その〝危険な合言葉〟を知ってしまったからだそうだ。
『おばあちゃん、泣きながら私に言ったの。〝自分も死ぬかもしれない。だからハンナは絶対に、他の人に言わないで〟って……おばあちゃん、私のせいで!』
ポロポロと涙を流すハンナ。
誰かに〝合言葉〟を伝えたら、伝えた本人が死んでしまう……?
「……彩歌さん、悪魔ってそんな事、出来るの?」
「うん。悪魔の〝呪い〟は強力なの。自分を殺した者に、普通では考えられないような〝発動条件〟の呪いを残すわ」
だから、悪魔を殺した場合〝清めの儀式〟をするのだそうだ。正月に倒した悪魔も、やはり彩歌に呪いをかけていたらしい。
「……ちょっとまって? それじゃ、散々あいつをボコボコにした僕も、呪わてるんじゃない?」
「大丈夫。悪魔の呪いは、止めを刺した者にだけかかるから」
確かあの時、火球の魔法で悪魔に止めを差したのは彩歌だった。
「ちなみに、私があの時かけられた、呪いの発動条件は〝13回目の眠りについた時〟。
発動する呪いは〝死ぬまで目覚めない〟だったわ」
怖いな……!
『タツヤ、良かったな。キミがその呪いを受けていたとしても、絶対に発動しない』
え? ……あ、そっか。僕、寝ないんだった。
「そういえばそうね。やっぱり止めは、達也さんに刺してもらえばよかったかしら」
クスクスと笑う彩歌。
やだよ! 発動しない呪いをずっと持ってるなんて。
しかし、発動条件が指定できる呪いか。超絶に厄介だな。
「……という事は、もしかしてハンナのおばあちゃんも、何らかの呪いを?」
「そうね。しかも、ちょっと見過ごせない条件の付いた、呪いみたいよ?」
そうだよな。合言葉を教えてしまったら、死ぬって……
「彩歌さん、その呪いって、外せるの?」
「呪いの強さにも寄るけど、簡単なものなら私でも解呪出来るわ」
『僕が呪いを解くことも出来るよ? 熟練度が上がればだけど』
彩歌の頭の上で、ルナが自慢げに言う。
「そうなの? あなた、何でも出来るのね!」
『なんたって、僕は魔界の全てを司る、至高の宝石だからね!』
彩歌の特殊能力に変換されて、今は〝あざといウサギさん〟だけどな。
『もー! かわいいと言ってほしいな。プンスカ!』
そのプンスカの辺りなんだけど……
「しかし、どんな呪いなのか確認したいんだけどな。ほっとくのは危険だし、あのままじゃ、ダニロ辺りに聞かれて、ハンナが死んじゃうぞ?」
『タツヤ、詳細表示を見ればいい。ステータスの異常が載るはずだ』
「え? そうなの? 今まで載ってたっけ?」
『キミたちは、異常を来す事があまり無いからね。唯一、暴走していた時のユーリを詳細表示した時は、最初に私が〝トランス状態の時〟と宣言していたので、表記には載せなかったのだ』
「あ、そっか。〝毒〟状態とか、あんまりならないよな」
僕の場合、〝睡眠〟とか〝飢餓〟もない。
〝魅了〟はあるけど。
「じゃあブルー、ハンナの詳細を出してくれ」
『了解した。表示するよ?』
***********************************************
ハンナ グラネルト Hanna Glanert
AGE 12
H P 10
M P 0
攻撃力 8
守備力 2
体 力 7
素早さ 4
賢 さ 12
<特記事項>
舞踏Lv2
<状態異常>
呪詛
条件:語句「挽肉をください」を他者が認識
内容:数時間後、高所からの落下
注意:発動後、呪詛は上記の〝語句〟を伝えた全ての対象に移動
***********************************************
「やった! 呪いの内容を確認できたぞ! 語句、ひきに……おっと、これ言っちゃダメか。ゴニョゴニョを、他者が認識。だって」
「やっぱり……! 達也さん、呪いが発動するとどうなるか、わかる?」
「〝数時間後、高所からの落下〟だ。発動後に、呪いが移動するらしい。という事は、この病院内で、軍人さんとやらに、合言葉を聞いた時に、おばあちゃんに呪いが移ったんだな」
しかもハンナに至っては、日記を読んだだけだぞ?
なんて厄介な呪いだ。
「ちょっと待って……? 達也さん……いけない!」
突然、彩歌が焦った表情を浮かべる。え? どうしたの?
「今、達也さん、発動条件の〝語句〟を言いかけたわよね? それって、もしかしてもう、達也さんが〝合言葉〟を認識してしまってるんじゃ……」
「……ああっ! しまった!!」
さっきから、念を押しまくっているハンナ。これで3回目だ。
『分かったから! 絶対聞かないよ』
両耳をおさえているダニロ。
……でもそれって、聞こえてるよな?
『だいたいさ、なんで教えちゃダメなんだよ?』
ライナルトの疑問はもっともだ。
おばあちゃんに〝誰にも言うな〟と言われても、ここまで厳重に聞かれないようにするかな?
『この合言葉を誰かに教えたら、悪魔が来るの』
ハンナが消え入りそうな声で言う。
『ハッ! 悪魔が来る?』
ちょっと馬鹿にした感じで、ライナルトが笑う。するとハンナが涙目で反論した。
『だって、私に合言葉を教えた日に、おばあちゃん、死んじゃったんだから!』
全員、絶句した。ダニロに至っては、両耳を抑えたまま震え上がっている。
……それって、やっぱり聞こえてるよな?
『おばあちゃん言ってたの。軍人さんが、目の前で死んじゃったって……!』
ひいおばあちゃんが〝合言葉〟を聞いたその軍人さんも、やはりその日、亡くなったらしい。
『私がいけなかったの……おばあちゃんの日記を勝手に見ちゃったから……』
ハンナのひいおばあちゃんが、それをハンナに伝えたのは、ハンナが幼い頃、おばあちゃんの日記を勝手に見てしまい、その〝危険な合言葉〟を知ってしまったからだそうだ。
『おばあちゃん、泣きながら私に言ったの。〝自分も死ぬかもしれない。だからハンナは絶対に、他の人に言わないで〟って……おばあちゃん、私のせいで!』
ポロポロと涙を流すハンナ。
誰かに〝合言葉〟を伝えたら、伝えた本人が死んでしまう……?
「……彩歌さん、悪魔ってそんな事、出来るの?」
「うん。悪魔の〝呪い〟は強力なの。自分を殺した者に、普通では考えられないような〝発動条件〟の呪いを残すわ」
だから、悪魔を殺した場合〝清めの儀式〟をするのだそうだ。正月に倒した悪魔も、やはり彩歌に呪いをかけていたらしい。
「……ちょっとまって? それじゃ、散々あいつをボコボコにした僕も、呪わてるんじゃない?」
「大丈夫。悪魔の呪いは、止めを刺した者にだけかかるから」
確かあの時、火球の魔法で悪魔に止めを差したのは彩歌だった。
「ちなみに、私があの時かけられた、呪いの発動条件は〝13回目の眠りについた時〟。
発動する呪いは〝死ぬまで目覚めない〟だったわ」
怖いな……!
『タツヤ、良かったな。キミがその呪いを受けていたとしても、絶対に発動しない』
え? ……あ、そっか。僕、寝ないんだった。
「そういえばそうね。やっぱり止めは、達也さんに刺してもらえばよかったかしら」
クスクスと笑う彩歌。
やだよ! 発動しない呪いをずっと持ってるなんて。
しかし、発動条件が指定できる呪いか。超絶に厄介だな。
「……という事は、もしかしてハンナのおばあちゃんも、何らかの呪いを?」
「そうね。しかも、ちょっと見過ごせない条件の付いた、呪いみたいよ?」
そうだよな。合言葉を教えてしまったら、死ぬって……
「彩歌さん、その呪いって、外せるの?」
「呪いの強さにも寄るけど、簡単なものなら私でも解呪出来るわ」
『僕が呪いを解くことも出来るよ? 熟練度が上がればだけど』
彩歌の頭の上で、ルナが自慢げに言う。
「そうなの? あなた、何でも出来るのね!」
『なんたって、僕は魔界の全てを司る、至高の宝石だからね!』
彩歌の特殊能力に変換されて、今は〝あざといウサギさん〟だけどな。
『もー! かわいいと言ってほしいな。プンスカ!』
そのプンスカの辺りなんだけど……
「しかし、どんな呪いなのか確認したいんだけどな。ほっとくのは危険だし、あのままじゃ、ダニロ辺りに聞かれて、ハンナが死んじゃうぞ?」
『タツヤ、詳細表示を見ればいい。ステータスの異常が載るはずだ』
「え? そうなの? 今まで載ってたっけ?」
『キミたちは、異常を来す事があまり無いからね。唯一、暴走していた時のユーリを詳細表示した時は、最初に私が〝トランス状態の時〟と宣言していたので、表記には載せなかったのだ』
「あ、そっか。〝毒〟状態とか、あんまりならないよな」
僕の場合、〝睡眠〟とか〝飢餓〟もない。
〝魅了〟はあるけど。
「じゃあブルー、ハンナの詳細を出してくれ」
『了解した。表示するよ?』
***********************************************
ハンナ グラネルト Hanna Glanert
AGE 12
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M P 0
攻撃力 8
守備力 2
体 力 7
素早さ 4
賢 さ 12
<特記事項>
舞踏Lv2
<状態異常>
呪詛
条件:語句「挽肉をください」を他者が認識
内容:数時間後、高所からの落下
注意:発動後、呪詛は上記の〝語句〟を伝えた全ての対象に移動
***********************************************
「やった! 呪いの内容を確認できたぞ! 語句、ひきに……おっと、これ言っちゃダメか。ゴニョゴニョを、他者が認識。だって」
「やっぱり……! 達也さん、呪いが発動するとどうなるか、わかる?」
「〝数時間後、高所からの落下〟だ。発動後に、呪いが移動するらしい。という事は、この病院内で、軍人さんとやらに、合言葉を聞いた時に、おばあちゃんに呪いが移ったんだな」
しかもハンナに至っては、日記を読んだだけだぞ?
なんて厄介な呪いだ。
「ちょっと待って……? 達也さん……いけない!」
突然、彩歌が焦った表情を浮かべる。え? どうしたの?
「今、達也さん、発動条件の〝語句〟を言いかけたわよね? それって、もしかしてもう、達也さんが〝合言葉〟を認識してしまってるんじゃ……」
「……ああっ! しまった!!」
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