プラネット・アース 〜地球を守るために小学生に巻き戻った僕と、その仲間たちの記録〜

ガトー

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5年生 3学期 2月

報告・連絡・雑談

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「……おまえらなー! さすがに、それは駄目だめだろー」

「たっちゃん、いけないよ! まだ僕たち、小学生だよ!」

「やー、たっちゃん、スミに置けないなあ」

「見損なったわ、お兄ちゃん……」

『タツヤ、アヤカ。破廉恥はれんちにも程がある。反省したほうがいい』

「待て待て待て! 僕、まだ何も言ってないぞ?! なんで〝ちょっとエッチなエピソードを報告した〟みたいになってるんだよ!?」

 大体、ブルーは僕と一心同体だろ?
 どうして〝はじめて聞いた〟みたいになってるの?!

「達也さん……」

 なんで彩歌あやかまで、ちょっと赤くなって伏目ふしめがちになってるんだよ?!

『うん。いいね! 初参加のメンバーも、グッジョブだ。次回もよろしくお願いしたい』

 初参加って何だよ? 次回なんか無いぞ!?

『タツヤ。それはある』

 あるんだ!
 ……お願いだからヤメてくれ。

「それにしても見事に作戦どおりに、うまく行ったよなー!」

 〝作戦〟まで立てて、僕を破廉恥ヤローに仕立て上げたのか?!

「えへへ~! そうだね。今回は彩歌さんの、演技力の勝利だよね!」

 確かに、先程見せた、彩歌の恥ずかしそうな仕草は秀逸だった。

「ううん。栗栖くんと九条くんの指示のおかげよ。ありがとう」

 2人が指示したの?! 僕はてっきり、ブルーの差し金かと思ったぞ。

「やー! 私も、次からは積極的に参加するから、色々と教えてよね!」

 どういう事?! なんで積極的に僕をはずかしめようとするんだユーリ!

『今回は、私も見事にだまされた。キミ達3人の、作戦勝ちだ。感服したよ』

 ……騙された? 何を言ってるんだブルー。いつもお前が主犯だろう。

「…………たっちゃんさあ。俺が思うに、さっきから勘違いしてるよなー?」

 え? 何が?

「えっとね、今話してるのって〝分岐点〟の話だよ? たっちゃん」

 …………は?!
 マジで?! 全然気付かなかった!

『タツヤ、いつまでも〝お遊び気分〟では困る。切り替えてもらえると嬉しい』

 その〝お遊び〟を始めたの、お前だろ、ブルー。
 ……っていうか、いつの間に会議に戻ってたんだ?
 クスクスと笑っている彩歌。
 ユーリは、イマイチわかっていない感じで首をかしげている。

「えっと……まあ、そんなこんなで、分岐は無事、成功した。ただ、問題は……」

「〝敵〟の存在だよね? 一体、何者なんだろうね」

 栗っちの言う通り〝敵〟が現れた。
 明らかに、地球を破滅の方向に導こうとしている。

『〝敵〟は〝星の強度〟を発動させずに、無敵であるはずのキミにダメージを与えた。これは、普通では有り得ない』

 痛みを感じたり、血を流したりするのは、小学生に巻き戻ってからは、初めてのことだった。あいつの攻撃は、僕を殺すことが出来るかもしれない。

「魔法も使っていたわ。しかも〝煉獄れんごく〟と〝火球かきゅう〟を同時に」

「魔界から来た、魔道士なんじゃないのかー? 〝星の強度〟を無効化するような、魔法とか魔界のアイテムとかが、あったりしてな?」

「可能性としてはゼロではないわ。でも、私はあの人を知らない。少なくとも、城塞都市の魔道士ではない……気がするわ。〝勘〟だけど」

 ちなみに〝城塞都市〟以外にも、人は住んでいるらしい。が、極めて少数だそうだ。

「特に〝城塞都市〟の外に〝子ども〟はいないわ。だって、すぐに殺されてしまうもの」

 〝敵〟は、子どもの姿をしていた。
 多分、同い年ぐらい。彩歌いわく、子どもが都市の外で生活するのは、極めて困難なのだとか。

『そして、不可解な点がひとつ。タツヤ、キミは聞いただろう。最後の言葉だ』

「うん。あいつは〝次の分岐点で会おう〟と言って消えた」

 ……そういえば〝今回は僕の勝ち〟とも言っていたな。ゲーム感覚なのか?

「気味悪いよなー! そいつ、色々と知りすぎてるぜー?」

 大ちゃんも、難しい顔をして、いつものように、視線を上上下下右左右左と動かしている。

「やー! 早く準備して、次はちゃんと、5人で行こうよ!」

 真面目な顔でユーリが言う。さすが、何千年も地球を守って来た戦士だ。

「次は、どこに行くのかなー! 私、外国は初めてだよー!」

 前言撤回。お前、海外旅行したいだけじゃないか!

「うーん。次の分岐点と、ユーリちゃんの〝予約〟が、一緒の日だと困るよね」

 今回は運悪く、同じタイミングだった。こういう事は集中してしまうとブルーも言っていたし、もしかしたら次回も?

「えっと、私の次の〝予約〟は……忘れちまったよー! いつだっけ??」

「6月13日だぜ。ユーリ、一応、命がけの戦いをする日だ。忘れんなよなー?」

 ユーリらしいな。僕なら忘れようとしても忘れられないぞ。
 〝ゴメンにゃ〟って言いながら招き猫のようなポーズで舌を出し、ウインクしているユーリの頭を、大ちゃんが両手でワシャワシャと撫でる。

『次の分岐点は7月13日だ。幸いな事に、今回は両方とも5人で挑めるかもしれないね』

「良かったぜー! それじゃ、それまでに解決しなきゃならない問題は、2つだな」

 うん? 2つ? えっと……??

「えへへー。そうだね! なんとかしなくちゃ!」

 〝精神感応〟か、栗っち。ズルいぞ。

「やー! なんか問題ある? 大丈夫だよー!」

 ユーリがヘラヘラと笑う。
 いかん。このままでは、僕もユーリと同じレベルという事になってしまう。

「いや、ユーリ。その2つ、急がないとマズいぞ!」

 ……と言っておけば、バレないだろう。

「えへへー」

 と言って、こっちを見ている栗っち。やめて! 心を覗かないで!

「おいおい、たっちゃんもかー?」

 やれやれと言った表情の大ちゃん。やめて! 心を解析しないで!

「たっちゃん、わかるんだ! やっぱりスゴイよー!」

 キラキラとした眼差しのユーリ。やめて! 心が痛い!

「ユーリ、お前さ、平日に分岐点まで行ったら、学校どうするんだよ?」

「達也さん。私の時券チケットを、何とかしなくちゃ」

 なるほど。その2つか。

「へっへー! 私の身代わりは、ちょっと考えてあるんだ! だいじょーぶだよー!」

 今度紹介するね! と言うユーリ。
 身代わり? 紹介? どういう事だろう。

「じゃあ、彩歌さんの時券チケットについては、魔界へ行って、情報収集から始めようか」

 えっと、後は、魔界の門の話と、デトレフ・バウムガルテンの存在、次元断層を作っていた、異世界の剣の事、そして、魔王パズズの件か。色々と盛りだくさん過ぎるぞ……他に忘れてないよな?

「えへへ。たっちゃん。忘れてるよ?」

「マジで? 他に何か……」

『達也氏! なんで僕を忘れるんだよ! プンスカ!』

「ああ。そうだった。相変わらず、あざといな」

 ……黄色くて丸い、ウサギさんを紹介しなきゃ。

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