149 / 264
5年生 3学期 2月
犬鑑札
しおりを挟む
「でっかい門だな!!」
城塞都市、北門。
木をベースに、大部分を鉄で補強された、巨大な門だ。
「高さは20メートル。幅は50メートルもあるわ」
ドイツで見た〝ブランデンブルク門〟の方が大きいのか。
……まあ、あっちは扉がついていないけど。
「昨日の講習で言ってたけど、あの赤いラインの1メートル先に、結界があるから、絶対に近づかないでね?」
「なるほど、あれが……触ったら大変な事になるな」
門の前には、2重の結界が張られているらしい。開門の時以外に近づけば、普通の人間なら即死だ。
「骨も残らないわ……普通の人間ならね?」
クスリと笑う彩歌。
……そう。だから大変な事になるんだ。
僕や彩歌が触ったら〝こいつ、結界に触っても何ともないぜ!〟って大騒ぎになるからな。
「それにしても、スゴい人数だな! こんなに外へ出るんだ」
魔界の太陽〝触れ得ぬ光〟が完全に点灯するのは5時。
ブルーの光があるとはいえ、周囲はまだ薄暗い。
はっきりと確認は出来ないけど、ざっと数えて30人ぐらいが、門の前に居るようだ。
「〝遠征〟じゃない人も多いのよ。城壁の近くに屋台を置いて、商売をする人も居るんだから」
「商魂たくましいな! それって、命がけだよね」
「そうだ! 達也さんと私なら、城塞都市の外でお店が開けるわ。きっと繁盛するわよ?」
なるほど! ゲームなんかでよくある〝何でこんな辺境に?〟って感じの店だ。
しかも僕は眠らないから24時間営業だ。便利さと話題性は最高だなあ。
「彩歌さんとお店を開く……か。楽しそうだな」
『タツヤ、アヤカ。キミ達の使命は地球を破壊から遠ざける事だ。ショップ店員ではないよ?』
「ふふ。冗談よ、ブルー」
クスクスと笑う彩歌。
まあ僕たちの人生、超長いし、暇つぶしにそういうのもアリなんじゃないか?
「……ん? 達也さん。今日、声がおかしくない? なんだか喋り辛そう……」
「いや、ちょっと練習をね……ふーっ! なかなか難しいな」
「……? 何の練習?」
首を傾げる彩歌。いや、実はね……
「……ええっ! そんな事が出来るの?!」
「はは。練習すれば意外と出来るんだよ、これが」
「でも達也さん、なんでそんな練習を?」
「いや、実はね、昨日の……」
と言いかけた所で、書類の束を持った、ローブ姿のお姉さんに声を掛けられた。
「キミ達、探検に行くの? お父さんかお母さんは……」
と言い掛けた所で、彩歌の顔を見てビクッとなるお姉さん。
「た、大変失礼致しましたっ! 探検申請書と、身分証をお預かり致します!」
彩歌の知名度には本当に驚かされるな。
僕と彩歌は〝探検申請書〟と、それにくっついていた〝遺書〟、そして自分の〝身分証〟をお姉さんに渡し、かわりに、銀色の金属で出来た、身分証の半分ぐらいのサイズの〝探検者票〟を受け取った。長めの鎖が付いている。
「達也さん、それに名前を書いて、首に掛けて」
「ああ。昨日の講習で言ってたヤツか。確か帰ってきた時、身分証と引き換えって」
探検者票を首に掛けるのは、死体を見て名前が分かるようにするため。
兵士がつける〝ドッグ・タグ〟みたいなものだ。
身分証を預けるのは、悪魔や野盗に奪われるのを防ぐためだそうだ。
「身分証を欲しがる人や悪魔は、いっぱい居るわ。持っていると狙われやすくなるのよ」
「人間は分かるけど、悪魔が身分証を欲しがるの?」
「あいつら、どこから入ってくるのか、たまに城塞都市内に現れるわ。魔法で姿を変えている事もあるから……」
魔法で姿を変えて、堂々と城塞都市を闊歩する悪魔。
そいつらがもし身分証を持っていたら……確かにゾッとしないな。
「名前を書くんだな?」
僕はバックパックから、大ちゃんが入れてくれたであろう〝サインペン〟を取り出した。
……いっしょに〝サイン色紙〟が入っているのは、魔王のサインでも貰って来いって事かな?
探検者票に名前を書いて、首に下げる。
まあ僕の場合〝死体から名前を知るため〟という本来の使い方は、絶対にしないんだけどね。死なないから。
「それにね? 死体が無事な場合なんてほとんど無いから、飾りみたいな物なのよ」
やはり、城塞都市の外は〝魔界〟が存分に味わえる仕様のようだな。ドキドキしてきた。
「彩歌さんも、これ使う?」
サインペンを差し出すと、彩歌がクスクスと笑う。
「達也さん、そんなので書いちゃったの? ごめんなさい、説明が遅れて。手に魔力を込めて……こうすれば書けるのよ」
彩歌が小指で探検者票の表面をなぞると、その通りに文字が浮かび上がる。
「ええ? 参ったなあ。もう書いちゃったよ……」
「大丈夫よ。本当にそれ、飾りみたいなものだから」
笑いながら自分の首にも探検者票を掛ける彩歌。
周囲は随分明るくなり、少し離れた人の顔も、判別出来る位になってきた。知った顔がチラホラ。
……いや、バカップルはいいんだ。近づかないでおこう。
それより、あのビキニアーマーは……
「エーコ! あなたも外に?」
やっぱりね。そうじゃないかなと思っていたんだ。
「アヤ! 達也くん! そうか、もう出発するのか。忙しいな、あんた等は!」
魔法剣士のエーコさんだ。町の外に何の用だろう。
「とりあえず、試し斬りだよ。グアレティンも暴れたいみたいだし、半周コースだ」
「そっか! 私たちはね、〝落日と轟雷の塔〟まで行くのよ」
「砦超えか! ……おっと、声がデカかったな。まあ、あんた等にしてみれば、お散歩みたいな物だろう。手続きのほうが面倒だったんじゃないか?」
本当にその通り。遺書なんか書けって言われても、全くイメージわかなかったし。一応書いたけどさ。
「ふふ。初心者講習なんて、久し振りに受けたわ」
「うわあ、懐かしいな! 達也くん、アヤはね、講習の時に寝入っちまって、講師に怒られたんだぞ?」
「ちょ、ちょっとやめてよエーコ! もー!」
ニシシと笑うエーコ。彩歌の昔話を、いずれゆっくり聞きたいものだ。
「おっと、今日は護衛のアルバイトも兼ねてるんだ。依頼主がどこかに居ると思うから探して来る。2人とも、実りある探検と命ある帰還を!」
「エーコも頑張ってね。実りある探検と命ある帰還を」
探検前の挨拶かな? 初心者講習では教えてくれなかったな。
「気をつけて、エーコさん! ……あ、そうだ、これ」
僕はバックパックから、催眠カプセルをひとつ取り出した。
「〝アガルタ〟の科学が生んだアイテムだよ。投げつければ煙が出て、10分間、相手を眠らせることが出来る。お守りに持って行って」
「おお! それは凄いな! 有り難く貰っていくよ」
エーコは、手を振りながら去っていった。
さて、と。バカップルに見つからないようにちょっと離れておこうかな。
彩歌も同じ事を考えていたらしい。ブルーを介して話せばいいのに、2人ともアイ・コンタクトで、その場を離れようとした……
「ああ! お早うございます! 昨日はどうも!!」
聞いたことのある、元気な体育会系の挨拶。
……織田啓太郎さんがこちらを見てニコニコしている。
やっぱこの人、絶対初心者じゃないな。
〝これから探検に出掛けるぞ〟っていう、熟練の雰囲気がそこはかとなく漂っている。
「織田さん、おはようございます」
「いやあ、初めて外に出るとなると、ドキドキしますね! なかなか寝付けませんでしたよ! ハハハ!」
彩歌の挨拶に、爽やかな白い歯を見せて笑う織田さん。僕だって、一睡もしてないぞ?
『達也氏は、それがデフォルトじゃないか!』
ルナの声だ。昨日は随分と静かだったな、お前。
『だって、彩歌のお父さんとお母さんは、僕を見つけて彩歌の中に隠した人達だよ? 万が一、気付かれたら、また何かされちゃうかもしれないからね!』
いやいや。それは無いと思うけど。お前ってもう、彩歌の力の一部になったんだろ?
……って、あれ? 織田さん、なんかキョロキョロしてるな。あ、まさか?!
「……お! 居た居た! お2人とも!」
ちょいちょいちょい! やめてくれ! 気付かれずに済むように避けてたのに!
「あ、織田っちじゃーん!」
だから織田っち言うなって! マブダチかって!
「おーおー! ガキンチョ達も一緒か! 待ってたぞ?」
待っててとか全然言ってないし!
「達也さん。やっぱり彼らも、一緒に行く運命みたいね?」
ちょっと苦笑いの彩歌。
どうやらしばらくは、遠藤翔と辻村富美のペアも、同行することになりそうだ。
城塞都市、北門。
木をベースに、大部分を鉄で補強された、巨大な門だ。
「高さは20メートル。幅は50メートルもあるわ」
ドイツで見た〝ブランデンブルク門〟の方が大きいのか。
……まあ、あっちは扉がついていないけど。
「昨日の講習で言ってたけど、あの赤いラインの1メートル先に、結界があるから、絶対に近づかないでね?」
「なるほど、あれが……触ったら大変な事になるな」
門の前には、2重の結界が張られているらしい。開門の時以外に近づけば、普通の人間なら即死だ。
「骨も残らないわ……普通の人間ならね?」
クスリと笑う彩歌。
……そう。だから大変な事になるんだ。
僕や彩歌が触ったら〝こいつ、結界に触っても何ともないぜ!〟って大騒ぎになるからな。
「それにしても、スゴい人数だな! こんなに外へ出るんだ」
魔界の太陽〝触れ得ぬ光〟が完全に点灯するのは5時。
ブルーの光があるとはいえ、周囲はまだ薄暗い。
はっきりと確認は出来ないけど、ざっと数えて30人ぐらいが、門の前に居るようだ。
「〝遠征〟じゃない人も多いのよ。城壁の近くに屋台を置いて、商売をする人も居るんだから」
「商魂たくましいな! それって、命がけだよね」
「そうだ! 達也さんと私なら、城塞都市の外でお店が開けるわ。きっと繁盛するわよ?」
なるほど! ゲームなんかでよくある〝何でこんな辺境に?〟って感じの店だ。
しかも僕は眠らないから24時間営業だ。便利さと話題性は最高だなあ。
「彩歌さんとお店を開く……か。楽しそうだな」
『タツヤ、アヤカ。キミ達の使命は地球を破壊から遠ざける事だ。ショップ店員ではないよ?』
「ふふ。冗談よ、ブルー」
クスクスと笑う彩歌。
まあ僕たちの人生、超長いし、暇つぶしにそういうのもアリなんじゃないか?
「……ん? 達也さん。今日、声がおかしくない? なんだか喋り辛そう……」
「いや、ちょっと練習をね……ふーっ! なかなか難しいな」
「……? 何の練習?」
首を傾げる彩歌。いや、実はね……
「……ええっ! そんな事が出来るの?!」
「はは。練習すれば意外と出来るんだよ、これが」
「でも達也さん、なんでそんな練習を?」
「いや、実はね、昨日の……」
と言いかけた所で、書類の束を持った、ローブ姿のお姉さんに声を掛けられた。
「キミ達、探検に行くの? お父さんかお母さんは……」
と言い掛けた所で、彩歌の顔を見てビクッとなるお姉さん。
「た、大変失礼致しましたっ! 探検申請書と、身分証をお預かり致します!」
彩歌の知名度には本当に驚かされるな。
僕と彩歌は〝探検申請書〟と、それにくっついていた〝遺書〟、そして自分の〝身分証〟をお姉さんに渡し、かわりに、銀色の金属で出来た、身分証の半分ぐらいのサイズの〝探検者票〟を受け取った。長めの鎖が付いている。
「達也さん、それに名前を書いて、首に掛けて」
「ああ。昨日の講習で言ってたヤツか。確か帰ってきた時、身分証と引き換えって」
探検者票を首に掛けるのは、死体を見て名前が分かるようにするため。
兵士がつける〝ドッグ・タグ〟みたいなものだ。
身分証を預けるのは、悪魔や野盗に奪われるのを防ぐためだそうだ。
「身分証を欲しがる人や悪魔は、いっぱい居るわ。持っていると狙われやすくなるのよ」
「人間は分かるけど、悪魔が身分証を欲しがるの?」
「あいつら、どこから入ってくるのか、たまに城塞都市内に現れるわ。魔法で姿を変えている事もあるから……」
魔法で姿を変えて、堂々と城塞都市を闊歩する悪魔。
そいつらがもし身分証を持っていたら……確かにゾッとしないな。
「名前を書くんだな?」
僕はバックパックから、大ちゃんが入れてくれたであろう〝サインペン〟を取り出した。
……いっしょに〝サイン色紙〟が入っているのは、魔王のサインでも貰って来いって事かな?
探検者票に名前を書いて、首に下げる。
まあ僕の場合〝死体から名前を知るため〟という本来の使い方は、絶対にしないんだけどね。死なないから。
「それにね? 死体が無事な場合なんてほとんど無いから、飾りみたいな物なのよ」
やはり、城塞都市の外は〝魔界〟が存分に味わえる仕様のようだな。ドキドキしてきた。
「彩歌さんも、これ使う?」
サインペンを差し出すと、彩歌がクスクスと笑う。
「達也さん、そんなので書いちゃったの? ごめんなさい、説明が遅れて。手に魔力を込めて……こうすれば書けるのよ」
彩歌が小指で探検者票の表面をなぞると、その通りに文字が浮かび上がる。
「ええ? 参ったなあ。もう書いちゃったよ……」
「大丈夫よ。本当にそれ、飾りみたいなものだから」
笑いながら自分の首にも探検者票を掛ける彩歌。
周囲は随分明るくなり、少し離れた人の顔も、判別出来る位になってきた。知った顔がチラホラ。
……いや、バカップルはいいんだ。近づかないでおこう。
それより、あのビキニアーマーは……
「エーコ! あなたも外に?」
やっぱりね。そうじゃないかなと思っていたんだ。
「アヤ! 達也くん! そうか、もう出発するのか。忙しいな、あんた等は!」
魔法剣士のエーコさんだ。町の外に何の用だろう。
「とりあえず、試し斬りだよ。グアレティンも暴れたいみたいだし、半周コースだ」
「そっか! 私たちはね、〝落日と轟雷の塔〟まで行くのよ」
「砦超えか! ……おっと、声がデカかったな。まあ、あんた等にしてみれば、お散歩みたいな物だろう。手続きのほうが面倒だったんじゃないか?」
本当にその通り。遺書なんか書けって言われても、全くイメージわかなかったし。一応書いたけどさ。
「ふふ。初心者講習なんて、久し振りに受けたわ」
「うわあ、懐かしいな! 達也くん、アヤはね、講習の時に寝入っちまって、講師に怒られたんだぞ?」
「ちょ、ちょっとやめてよエーコ! もー!」
ニシシと笑うエーコ。彩歌の昔話を、いずれゆっくり聞きたいものだ。
「おっと、今日は護衛のアルバイトも兼ねてるんだ。依頼主がどこかに居ると思うから探して来る。2人とも、実りある探検と命ある帰還を!」
「エーコも頑張ってね。実りある探検と命ある帰還を」
探検前の挨拶かな? 初心者講習では教えてくれなかったな。
「気をつけて、エーコさん! ……あ、そうだ、これ」
僕はバックパックから、催眠カプセルをひとつ取り出した。
「〝アガルタ〟の科学が生んだアイテムだよ。投げつければ煙が出て、10分間、相手を眠らせることが出来る。お守りに持って行って」
「おお! それは凄いな! 有り難く貰っていくよ」
エーコは、手を振りながら去っていった。
さて、と。バカップルに見つからないようにちょっと離れておこうかな。
彩歌も同じ事を考えていたらしい。ブルーを介して話せばいいのに、2人ともアイ・コンタクトで、その場を離れようとした……
「ああ! お早うございます! 昨日はどうも!!」
聞いたことのある、元気な体育会系の挨拶。
……織田啓太郎さんがこちらを見てニコニコしている。
やっぱこの人、絶対初心者じゃないな。
〝これから探検に出掛けるぞ〟っていう、熟練の雰囲気がそこはかとなく漂っている。
「織田さん、おはようございます」
「いやあ、初めて外に出るとなると、ドキドキしますね! なかなか寝付けませんでしたよ! ハハハ!」
彩歌の挨拶に、爽やかな白い歯を見せて笑う織田さん。僕だって、一睡もしてないぞ?
『達也氏は、それがデフォルトじゃないか!』
ルナの声だ。昨日は随分と静かだったな、お前。
『だって、彩歌のお父さんとお母さんは、僕を見つけて彩歌の中に隠した人達だよ? 万が一、気付かれたら、また何かされちゃうかもしれないからね!』
いやいや。それは無いと思うけど。お前ってもう、彩歌の力の一部になったんだろ?
……って、あれ? 織田さん、なんかキョロキョロしてるな。あ、まさか?!
「……お! 居た居た! お2人とも!」
ちょいちょいちょい! やめてくれ! 気付かれずに済むように避けてたのに!
「あ、織田っちじゃーん!」
だから織田っち言うなって! マブダチかって!
「おーおー! ガキンチョ達も一緒か! 待ってたぞ?」
待っててとか全然言ってないし!
「達也さん。やっぱり彼らも、一緒に行く運命みたいね?」
ちょっと苦笑いの彩歌。
どうやらしばらくは、遠藤翔と辻村富美のペアも、同行することになりそうだ。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
旧校舎の地下室
守 秀斗
恋愛
高校のクラスでハブられている俺。この高校に友人はいない。そして、俺はクラスの美人女子高生の京野弘美に興味を持っていた。と言うか好きなんだけどな。でも、京野は美人なのに人気が無く、俺と同様ハブられていた。そして、ある日の放課後、京野に俺の恥ずかしい行為を見られてしまった。すると、京野はその事をバラさないかわりに、俺を旧校舎の地下室へ連れて行く。そこで、おかしなことを始めるのだったのだが……。
最強無敗の少年は影を従え全てを制す
ユースケ
ファンタジー
不慮の事故により死んでしまった大学生のカズトは、異世界に転生した。
産まれ落ちた家は田舎に位置する辺境伯。
カズトもといリュートはその家系の長男として、日々貴族としての教養と常識を身に付けていく。
しかし彼の力は生まれながらにして最強。
そんな彼が巻き起こす騒動は、常識を越えたものばかりで……。
異世界召喚でクラスの勇者達よりも強い俺は無能として追放処刑されたので自由に旅をします
Dakurai
ファンタジー
クラスで授業していた不動無限は突如と教室が光に包み込まれ気がつくと異世界に召喚されてしまった。神による儀式でとある神によってのスキルを得たがスキルが強すぎてスキル無しと勘違いされ更にはクラスメイトと王女による思惑で追放処刑に会ってしまうしかし最強スキルと聖獣のカワウソによって難を逃れと思ったらクラスの女子中野蒼花がついてきた。
相棒のカワウソとクラスの中野蒼花そして異世界の仲間と共にこの世界を自由に旅をします。
現在、第四章フェレスト王国ドワーフ編
おっさん武闘家、幼女の教え子達と十年後に再会、実はそれぞれ炎・氷・雷の精霊の王女だった彼女達に言い寄られつつ世界を救い英雄になってしまう
お餅ミトコンドリア
ファンタジー
パーチ、三十五歳。五歳の時から三十年間修行してきた武闘家。
だが、全くの無名。
彼は、とある村で武闘家の道場を経営しており、〝拳を使った戦い方〟を弟子たちに教えている。
若い時には「冒険者になって、有名になるんだ!」などと大きな夢を持っていたものだが、自分の道場に来る若者たちが全員〝天才〟で、自分との才能の差を感じて、もう諦めてしまった。
弟子たちとの、のんびりとした穏やかな日々。
独身の彼は、そんな彼ら彼女らのことを〝家族〟のように感じており、「こんな毎日も悪くない」と思っていた。
が、ある日。
「お久しぶりです、師匠!」
絶世の美少女が家を訪れた。
彼女は、十年前に、他の二人の幼い少女と一緒に山の中で獣(とパーチは思い込んでいるが、実はモンスター)に襲われていたところをパーチが助けて、その場で数時間ほど稽古をつけて、自分たちだけで戦える力をつけさせた、という女の子だった。
「私は今、アイスブラット王国の〝守護精霊〟をやっていまして」
精霊を自称する彼女は、「ちょ、ちょっと待ってくれ」と混乱するパーチに構わず、ニッコリ笑いながら畳み掛ける。
「そこで師匠には、私たちと一緒に〝魔王〟を倒して欲しいんです!」
これは、〝弟子たちがあっと言う間に強くなるのは、師匠である自分の特殊な力ゆえ〟であることに気付かず、〝実は最強の実力を持っている〟ことにも全く気付いていない男が、〝実は精霊だった美少女たち〟と再会し、言い寄られ、弟子たちに愛され、弟子以外の者たちからも尊敬され、世界を救って英雄になってしまう物語。
(※第18回ファンタジー小説大賞に参加しています。
もし宜しければ【お気に入り登録】で応援して頂けましたら嬉しいです!
何卒宜しくお願いいたします!)
チート魔力はお金のために使うもの~守銭奴転移を果たした俺にはチートな仲間が集まるらしい~
桜桃-サクランボ-
ファンタジー
金さえあれば人生はどうにでもなる――そう信じている二十八歳の守銭奴、鏡谷知里。
交通事故で意識が朦朧とする中、目を覚ますと見知らぬ異世界で、目の前には見たことがないドラゴン。
そして、なぜか“チート魔力持ち”になっていた。
その莫大な魔力は、もともと自分が持っていた付与魔力に、封印されていた冒険者の魔力が重なってしまった結果らしい。
だが、それが不幸の始まりだった。
世界を恐怖で支配する集団――「世界を束ねる管理者」。
彼らに目をつけられてしまった知里は、巻き込まれたくないのに狙われる羽目になってしまう。
さらに、人を疑うことを知らない純粋すぎる二人と行動を共にすることになり、望んでもいないのに“冒険者”として動くことになってしまった。
金を稼ごうとすれば邪魔が入り、巻き込まれたくないのに事件に引きずられる。
面倒ごとから逃げたい守銭奴と、世界の頂点に立つ管理者。
本来交わらないはずの二つが、過去の冒険者の残した魔力によってぶつかり合う、異世界ファンタジー。
※小説家になろう・カクヨムでも更新中
※表紙:あニキさん
※ ※がタイトルにある話に挿絵アリ
※月、水、金、更新予定!
最難関ダンジョンをクリアした成功報酬は勇者パーティーの裏切りでした
新緑あらた
ファンタジー
最難関であるS級ダンジョン最深部の隠し部屋。金銀財宝を前に告げられた言葉は労いでも喜びでもなく、解雇通告だった。
「もうオマエはいらん」
勇者アレクサンダー、癒し手エリーゼ、赤魔道士フェルノに、自身の黒髪黒目を忌避しないことから期待していた俺は大きなショックを受ける。
ヤツらは俺の外見を受け入れていたわけじゃない。ただ仲間と思っていなかっただけ、眼中になかっただけなのだ。
転生者は曾祖父だけどチートは隔世遺伝した「俺」にも受け継がれています。
勇者達は大富豪スタートで貧民窟の住人がゴールです(笑)
クラス全員で転移したけど俺のステータスは使役スキルが異常で出会った人全員を使役してしまいました
髙橋ルイ
ファンタジー
「クラス全員で転移したけど俺のステータスは使役スキルが異常で出会った人全員を使役してしまいました」
気がつけば、クラスごと異世界に転移していた――。
しかし俺のステータスは“雑魚”と判定され、クラスメイトからは置き去りにされる。
「どうせ役立たずだろ」と笑われ、迫害され、孤独になった俺。
だが……一人きりになったとき、俺は気づく。
唯一与えられた“使役スキル”が 異常すぎる力 を秘めていることに。
出会った人間も、魔物も、精霊すら――すべて俺の配下になってしまう。
雑魚と蔑まれたはずの俺は、気づけば誰よりも強大な軍勢を率いる存在へ。
これは、クラスで孤立していた少年が「異常な使役スキル」で異世界を歩む物語。
裏切ったクラスメイトを見返すのか、それとも新たな仲間とスローライフを選ぶのか――
運命を決めるのは、すべて“使役”の先にある。
毎朝7時更新中です。⭐お気に入りで応援いただけると励みになります!
期間限定で10時と17時と21時も投稿予定
※表紙のイラストはAIによるイメージです
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
