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5年生 3学期 3月
赤い部屋
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「でも織田さん、最下層まで潜るって、かなりの時間が掛かるんじゃ……」
「いえ、大丈夫なんですよ! ……えっと、その角を曲がってすぐです」
城塞都市のほぼ中央にある食堂。
今は緊急事態のため、閉店しているようだ。
「この店の地下に〝地下都市シェオール〟への出入り口があります」
迷宮への正しい入り口は〝落日と轟雷の塔〟で、1階の中央〝見つめる者〟が出現した、あの階段だ。
しかしその入り口は、完全に破壊され、埋められ、封印されてしまっている。
「ここにあるのは、私の家系に伝えられている〝秘密の出入り口〟……言わば裏口ですね」
迷宮を封印した当時の王は、こちらの入り口を塞がず残した。
地下に眠る、財宝や資源が惜しかったのか。
それとも、いつか現れるかもしれない、魔王を滅ぼせる者を送り込むためか……真意は定かではない。
「非常時ですので失礼します!」
織田さんが体当たりすると、店の扉は大きな音をたてて、粉々に砕け散った。
……やっぱり織田さんには、魔法より〝肉弾戦〟のほうが似合ってる気がするんだけどなあ。
「どうされました? さあ、急ぎましょう!」
店の奥、厨房の脇から、従業員用の通路を通り、奥の階段を下へ。
……地下倉庫か。
「ここから私が現れた時は、それはそれは、皆さん驚いておられました」
「それは、そうでしょうね……」
誰も居ないはずの地下から、筋骨隆々の大男が現れるんだもん。
僕なら悲鳴を上げるだろう。
「そう言う私も、かなり驚いたんですよ」
……地上には〝街〟があった。
迷宮で生まれ、迷宮しか知らない織田さんは、伝承の通り、この場所は〝何もない荒野〟だと思っていたし、頭をちょっと出しただけで、見張りの兵隊に首をはねられると思っていたのだ。
「兄の凶行を、地上の誰かに伝える事が出来れば、それだけで良いと思っていました。ですが、城塞都市の管理局は、私の話を聞いてくれ、一緒に対策を検討してくれたのです」
そして見つけたのが〝落日と轟雷の塔〟だ。
生まれ育った〝地下都市シェオール〟と全く同じ構造の迷宮が存在する……!
はるか西にあるその迷宮に、きっと下層へ降りるためのキーアイテム〝赤い水〟があるはずだ。
「出来るなら、私の手で兄を止めたい。その一念で、私は西を目指すことにしました……」
地下都市は魔界の深層と同じクラスの魔物が闊歩する危険な場所だ。そこで生まれ育った織田さんの実力は凄まじかった。
城塞都市の危機を知らせた功労もあり〝第五階級魔道士〟の階級をもらった織田さんは、探検者講習を受け〝落日と轟雷の塔〟を目指したのだ。
「……さあ、この階段です」
床に、綺麗に切り取られたような四角い穴。きっと織田さんが、得意の〝風魔法〟でスパッとやったのだろう。
織田さんは見た目のゴツさとは裏腹に、繊細で緻密な魔法の使い方ができる人だ。
「地下は狭いですからね。窮屈な場所で魔法を使い慣れてしまっただけですよ」
と、織田さんは微笑む。
なるほど。僕の〝使役:土〟みたいな雑な使い方じゃ、迷宮をブッ潰しちゃうもんね。
……延々と、階段を降り続ける。
途中には、驚くほど沢山の扉があり、それぞれが魔法的な何かで封印されているようだ。
織田さんはそれらの扉に何かを囁いて、開いてゆく。
「扉は108あります。この通路は〝後付け〟なんですよ」
伝承では、迷宮が封印される前日に108人の魔道士によって、一晩で掘り抜かれたという秘密の地下通路。
……たしかに〝落日と轟雷の塔〟に、こんな通路は無かった。
あれば、間違いなくこっちを使っただろう。
「最後の扉です。念のため、お静かにおねがいします」
織田さんが、今までよりもはるかに長い言葉を囁く。
鈍い音を立てて開いた扉の向こうには……
『パズズ、ここってもしかして……』
『はい、玉座の間の入り口です』
スゴいな! こんな抜け道があったのか……!
〝落日と轟雷の塔〟では2日もかけてたどり着いた場所に、たった1時間足らずで到着してしまった。
「驚かれましたか。この階層までは、土魔法で掘り抜けるのです。でも、この下へはこれ無しでは下りられません……」
織田さんは、例の赤い液体が入った小瓶を、懐から取り出す。
「さあ、先に進みましょう」
足早に、パズズが封印された扉の前を通り過ぎる織田さん。
『パズズ、ごめん……』
『主よ、お心遣い、感謝の至りで御座います。どうぞお気になさらず、お進み下さい』
『必ず、もう一度来るからな!』
悪いけど、パズズの封印を解くのは全てが片付いた後だ。
織田さんの後を追い、通路を進む。
「〝落日と轟雷の塔〟と構造は一緒なのですが、やはり知っている場所だと思うと楽ですね」
慣れた様子で隠し扉を開け、現れた魔物を倒してゆく。確かに、織田さんの動きがスムーズだ。
「内海さん、アレです」
織田さんが指を指した先には、行き止まりの壁。
……しかしよく見ると、山羊の頭の形をした〝ノッカー〟がくっついている。
これって、海外で大きなお屋敷の扉についているやつだよな。輪っかを持って、トントンってノックするヤツだ。
僕の思った通り、織田さんは山羊の口に付いている輪っかを持って、何もない壁をノックした。
「マケソベ、グエナエテ、マケソベッサベ?」
……壁の向こうから、高く細い、子供のような声が聞こえる。何語なんだろう。
『主よ、これは古代語です。今のは……〝お母さん? お母さんなの?〟です』
「マケソベ、オプネ、フレアネ」
織田さんも同じように、よく解らない言葉で返す。
『〝お母さんよ、開けてちょうだい〟』
「ネノ、マケソベ! ネノマケソベナスメレ! ジョメネ、ガロガロラ!」
壁からの子どもの声が、若干の怒気を孕む。
『〝お母さんじゃない! お母さんのにおいがしないもの! おまえ、オオカミだろ!〟』
織田さんは、赤い液体の入った小瓶を取り出して右手にベットリと塗り、それを壁に押し付けた。
「マケソネ、オプネ、フレアネ」
『〝お母さんよ、開けてちょうだい〟』
「ヤホ! ユ、マケソネ! マケソネスメレ!」
『〝わーい! お母さんだ! お母さんのにおいだ!〟』
ガコン! という音と共に、大勢の子どもの悲鳴と、逃げ惑うバタバタという音が響き渡る。
6回の断末魔と共に、壁が扉のように開いた。
「さあ、参りましょう」
織田さんは扉の中へと入っていく……なんだろう、このモヤモヤした気分は。
扉をくぐると、そこは、壁も床も天井も、真っ赤に塗り尽くされた部屋。
「うわぁ……何だ、ここ?」
左右に3つずつ、小さな首のない動物の像。そして、一番奥の壁には、とても大きな振り子時計があった。
……なんとなく、わかった気がする。
「織田さん、あの時計の中に、もうひとつ〝動物の像〟がありますよね」
「内海さん、すごいですね! なぜご存知なのですか?」
織田さんは部屋の奥に進み、無造作に振り子部分のフタを開ける。
「ここに隠れているんですよ」
振り子部分の箱のスミ、ちょうど死角になった所に、山羊の形をした小さい像があった。
「これを……こうします」
頭の部分をグイッと捻って引っ張ると、先程の断末魔と同じ音が部屋中に響き、柱時計がキリキリと音を立てて左にスライドしてゆく。
……徹底しているなあ。
「参りましょう。ここから下の階は、魔物の質が変わります。一応、気をつけて下さいね」
「いえ、大丈夫なんですよ! ……えっと、その角を曲がってすぐです」
城塞都市のほぼ中央にある食堂。
今は緊急事態のため、閉店しているようだ。
「この店の地下に〝地下都市シェオール〟への出入り口があります」
迷宮への正しい入り口は〝落日と轟雷の塔〟で、1階の中央〝見つめる者〟が出現した、あの階段だ。
しかしその入り口は、完全に破壊され、埋められ、封印されてしまっている。
「ここにあるのは、私の家系に伝えられている〝秘密の出入り口〟……言わば裏口ですね」
迷宮を封印した当時の王は、こちらの入り口を塞がず残した。
地下に眠る、財宝や資源が惜しかったのか。
それとも、いつか現れるかもしれない、魔王を滅ぼせる者を送り込むためか……真意は定かではない。
「非常時ですので失礼します!」
織田さんが体当たりすると、店の扉は大きな音をたてて、粉々に砕け散った。
……やっぱり織田さんには、魔法より〝肉弾戦〟のほうが似合ってる気がするんだけどなあ。
「どうされました? さあ、急ぎましょう!」
店の奥、厨房の脇から、従業員用の通路を通り、奥の階段を下へ。
……地下倉庫か。
「ここから私が現れた時は、それはそれは、皆さん驚いておられました」
「それは、そうでしょうね……」
誰も居ないはずの地下から、筋骨隆々の大男が現れるんだもん。
僕なら悲鳴を上げるだろう。
「そう言う私も、かなり驚いたんですよ」
……地上には〝街〟があった。
迷宮で生まれ、迷宮しか知らない織田さんは、伝承の通り、この場所は〝何もない荒野〟だと思っていたし、頭をちょっと出しただけで、見張りの兵隊に首をはねられると思っていたのだ。
「兄の凶行を、地上の誰かに伝える事が出来れば、それだけで良いと思っていました。ですが、城塞都市の管理局は、私の話を聞いてくれ、一緒に対策を検討してくれたのです」
そして見つけたのが〝落日と轟雷の塔〟だ。
生まれ育った〝地下都市シェオール〟と全く同じ構造の迷宮が存在する……!
はるか西にあるその迷宮に、きっと下層へ降りるためのキーアイテム〝赤い水〟があるはずだ。
「出来るなら、私の手で兄を止めたい。その一念で、私は西を目指すことにしました……」
地下都市は魔界の深層と同じクラスの魔物が闊歩する危険な場所だ。そこで生まれ育った織田さんの実力は凄まじかった。
城塞都市の危機を知らせた功労もあり〝第五階級魔道士〟の階級をもらった織田さんは、探検者講習を受け〝落日と轟雷の塔〟を目指したのだ。
「……さあ、この階段です」
床に、綺麗に切り取られたような四角い穴。きっと織田さんが、得意の〝風魔法〟でスパッとやったのだろう。
織田さんは見た目のゴツさとは裏腹に、繊細で緻密な魔法の使い方ができる人だ。
「地下は狭いですからね。窮屈な場所で魔法を使い慣れてしまっただけですよ」
と、織田さんは微笑む。
なるほど。僕の〝使役:土〟みたいな雑な使い方じゃ、迷宮をブッ潰しちゃうもんね。
……延々と、階段を降り続ける。
途中には、驚くほど沢山の扉があり、それぞれが魔法的な何かで封印されているようだ。
織田さんはそれらの扉に何かを囁いて、開いてゆく。
「扉は108あります。この通路は〝後付け〟なんですよ」
伝承では、迷宮が封印される前日に108人の魔道士によって、一晩で掘り抜かれたという秘密の地下通路。
……たしかに〝落日と轟雷の塔〟に、こんな通路は無かった。
あれば、間違いなくこっちを使っただろう。
「最後の扉です。念のため、お静かにおねがいします」
織田さんが、今までよりもはるかに長い言葉を囁く。
鈍い音を立てて開いた扉の向こうには……
『パズズ、ここってもしかして……』
『はい、玉座の間の入り口です』
スゴいな! こんな抜け道があったのか……!
〝落日と轟雷の塔〟では2日もかけてたどり着いた場所に、たった1時間足らずで到着してしまった。
「驚かれましたか。この階層までは、土魔法で掘り抜けるのです。でも、この下へはこれ無しでは下りられません……」
織田さんは、例の赤い液体が入った小瓶を、懐から取り出す。
「さあ、先に進みましょう」
足早に、パズズが封印された扉の前を通り過ぎる織田さん。
『パズズ、ごめん……』
『主よ、お心遣い、感謝の至りで御座います。どうぞお気になさらず、お進み下さい』
『必ず、もう一度来るからな!』
悪いけど、パズズの封印を解くのは全てが片付いた後だ。
織田さんの後を追い、通路を進む。
「〝落日と轟雷の塔〟と構造は一緒なのですが、やはり知っている場所だと思うと楽ですね」
慣れた様子で隠し扉を開け、現れた魔物を倒してゆく。確かに、織田さんの動きがスムーズだ。
「内海さん、アレです」
織田さんが指を指した先には、行き止まりの壁。
……しかしよく見ると、山羊の頭の形をした〝ノッカー〟がくっついている。
これって、海外で大きなお屋敷の扉についているやつだよな。輪っかを持って、トントンってノックするヤツだ。
僕の思った通り、織田さんは山羊の口に付いている輪っかを持って、何もない壁をノックした。
「マケソベ、グエナエテ、マケソベッサベ?」
……壁の向こうから、高く細い、子供のような声が聞こえる。何語なんだろう。
『主よ、これは古代語です。今のは……〝お母さん? お母さんなの?〟です』
「マケソベ、オプネ、フレアネ」
織田さんも同じように、よく解らない言葉で返す。
『〝お母さんよ、開けてちょうだい〟』
「ネノ、マケソベ! ネノマケソベナスメレ! ジョメネ、ガロガロラ!」
壁からの子どもの声が、若干の怒気を孕む。
『〝お母さんじゃない! お母さんのにおいがしないもの! おまえ、オオカミだろ!〟』
織田さんは、赤い液体の入った小瓶を取り出して右手にベットリと塗り、それを壁に押し付けた。
「マケソネ、オプネ、フレアネ」
『〝お母さんよ、開けてちょうだい〟』
「ヤホ! ユ、マケソネ! マケソネスメレ!」
『〝わーい! お母さんだ! お母さんのにおいだ!〟』
ガコン! という音と共に、大勢の子どもの悲鳴と、逃げ惑うバタバタという音が響き渡る。
6回の断末魔と共に、壁が扉のように開いた。
「さあ、参りましょう」
織田さんは扉の中へと入っていく……なんだろう、このモヤモヤした気分は。
扉をくぐると、そこは、壁も床も天井も、真っ赤に塗り尽くされた部屋。
「うわぁ……何だ、ここ?」
左右に3つずつ、小さな首のない動物の像。そして、一番奥の壁には、とても大きな振り子時計があった。
……なんとなく、わかった気がする。
「織田さん、あの時計の中に、もうひとつ〝動物の像〟がありますよね」
「内海さん、すごいですね! なぜご存知なのですか?」
織田さんは部屋の奥に進み、無造作に振り子部分のフタを開ける。
「ここに隠れているんですよ」
振り子部分の箱のスミ、ちょうど死角になった所に、山羊の形をした小さい像があった。
「これを……こうします」
頭の部分をグイッと捻って引っ張ると、先程の断末魔と同じ音が部屋中に響き、柱時計がキリキリと音を立てて左にスライドしてゆく。
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