プラネット・アース 〜地球を守るために小学生に巻き戻った僕と、その仲間たちの記録〜

ガトー

文字の大きさ
256 / 264
6年生 1学期 4月

大槌の戦士

しおりを挟む
「惑星ウォルナミスを救うだと? フン!」

 〝蘇毬そまりの戦士〟が眠るお墓の前で、その子孫、里久雄りくおさんは、仁王立ちしている。
 こんなに〝仁王立ち〟が似合う人は、なかなか居ないと思うよ。

「ワシを倒す事が出来たら、好きにするがいい」 

「……だそうだ、戦士ユーリ」

 美土里みどりさんは私をチラリと見て、ヤレヤレと、両手を上げる。
 
「私は一応、忠告したからな? どうなっても責任は取らないぞ?」 

 そう言いつつ、少し口角を上げている時点で、美土里みどりさんが〝計画通り〟とか思っているのは間違い無い。
 私としては、出来れば穏便に済ませたかったんだけど。

「いい加減にしなよ里久雄りくお!」

帰里江きりえは黙ってろ」

 帰里江きりえさんの言葉も、里久雄りくおさんには届かない。

「本当に強情だね、アンタは……」

 帰里江きりえさんも困り顔だよー。

「どうした小娘。どこからでも掛かって来い」

 里久雄りくおさんは、こちらの気も知らないで、腕を組んだまま、ガハハと豪快に笑う。
 まったく。しょうがないなあ。
 私は里久雄りくおさんの前に歩み出た。

「……ん? どうした。早く武装せんか!」

 あれれ?
 そっか、待ってくれてたんだ!
 なんか〝問答無用〟っぽいのに、そういうトコは律儀なんだね。でも……

「やー。要らないよ。このままで十分」

「なっ?! 何を言っているんだ?」 

「だから! 武装しなくても 平気だよ。私がガジェットを身に着けたら、きっと〝ズルした〟みたいになっちゃうから」 

 里久雄りくおさんが、ワナワナと怒りに打ち震える。

「フン! まあいい。お前も戦士の端くれなら、そう簡単には死なんだろう」

 端くれっていうか、一応私、戦士の頂点なんだけどなあ。

「偉大なる〝蘇毬そまりの戦士〟の怒りを思い知るがいい! 〝 魔神のつち!〟 」

 里久雄りくおさんは、背中に背負っていた巨大なハンマーを両手に握り締めた。

「おー? ガジェットの装備は〝剣〟だけじゃないんだなー!」 

 ありゃ? 大ちゃんは〝魔神の剣〟だけしか見た事が無かったんだっけ。

「師匠。ガジェットの標準装備は、剣以外にもあるんですよ。〝蘇毬そまり〟の戦士は、あの大きなつちを使っていたので、この地方のレプリカ・ガジェットにも多く採用されています」

 そう言えば、最近の人たちは、みんな剣を使ってるような気がするよ。
 ……おっと、戦闘時は集中集中。

「喰らえい! 〝竜滅りゅうめつ鉄槌てっつい〟っ!」

 私の頭上から〝 魔神のつち〟が、真っ直ぐに振り下ろされる。
 さらに、その側面から4つの噴射口が飛び出して、ジェット噴射が始まった。
 ゴウッ! という風切り音と共に加速し、ズシン! という鈍い音が辺りに響いた。

「ちょっと里久雄りくお! アンタ何て事を?!」

 帰里江きりえさんの叫び声がこだまする。

「むう……けられなんだか。殺すつもりは無かったんだがな……」

 里久雄りくおさんは、少し残念そうにつぶやいた。

「にゃー。いやいや、強いね里久雄りくおさん。思わず耳が出ちったよ」 

 腰まで、地面にメリ込んじゃったし。
 あと、受け止めた左手が痺れてる。伊達だてに〝戦士候補〟だったってワケじゃにゃいみたい。

「な、何だと?!」

 こりゃユーリちゃん、ちょっと反省だにゃあ。

「よいしょ、と」

 埋まった両足を……わわ。ズボンが汚れちったよ。
 ボコボコと、足を引っこ抜く。

「し、信じられん……ワシの攻撃を、か、片手で……?!」

里久雄りくおさん。手加減してくれてありがと! あと、ちょっと見くびってゴメンにゃさい」

 今の一撃、本気じゃにゃかった。
 本当は、優しくて強い人にゃんだね。よっし! それじゃ……

「私、本気出すよ。だから里久雄りくおさんも、本気で来て!」

 この人も、地球を守るために〝戦士〟を目指した、同志だもんね。
 そして今は、自分の信じる〝誇り〟を守ろうとしている。

「にゃー! ここで本気出さなきゃ、ダメだよにゃあ」

 ホッペを両手でパン! と叩き、ポケットからガジェットを取り出した。

「ガジェット? 師匠。武装しなくても、戦士ユーリは負けないでしょう」

「ああ。多分な。だがユーリは里久雄りくおさんを〝戦士〟と認めたんだ。だから、全力でその〝想い〟と向き合うつもりだぜー」

 さっすが大ちゃん。分かってくれてる!

「武装!」

 まばゆい光が辺りを照らす。
 一瞬で、視界がガジェットしの物に変わり、右上に、いつものアナウンス……ガジェットのコンディション、周囲の気温、気圧、風向きと風速、体温、血圧、心拍、今日の運勢が流れていく。
 最後に一言〝お前は独りじゃない〟の赤文字が表示されて消えた。
 にゃはは。愛があふれてるにゃあ!

「な、何だ? そのガジェットは?!」

 里久雄りくおさんは、数歩後退あとずさってつちを構え、戦闘態勢を取り直した。
  そりゃ驚くよにゃー。このガジェット、原型とどめてにゃいもん。

「これが、私の戦装束いくさしょうぞく。大ちゃんの愛の証にゃのさー!」

「いやいやいや、ヤメろユーリ! そういう事を外で叫ぶんじゃない!」

 もー! 大ちゃんったら……

「……照れてるんじゃないからな? 恥ずかしがってるんだぜー?」

 むむむ。さすが大ちゃん。読心術と先読みがスゴい。
 っていうか、照れるのと恥ずかしがるのは、ドコが違うんかにゃー?
 ……ま、いいか。

里久雄りくおさん。私も手加減にゃしで行くよ! 〝魔神の爪〟」 

 私の両腕から爪が飛び出した。
 あっと、いっけねぇ。右手を使うと、ノームの〝追加効果〟が発動しちゃうから左だけで。
 ……あれ? それって〝手加減〟かにゃ?

「ぬう……その威圧感。伊達だてに戦士を名乗っては居ないという事か」

 里久雄りくおさんは、つちを頭上でグルリと回してから、両手で中段に構え直す。

「だが、ワシは負けん! 負ける訳にはいかんのだ!」

 ゴウッ! という音が響き、土煙が舞った。
 スゴいにゃあ! あの重そうなつちを振り被りながら、あのスピードで間合いを詰めて来るにゃんて。
 でもね。私も、負けられにゃいんだ。惑星ウォルナミスを……みんにゃを助けるって約束したから!

「砕け散れ! 〝終末しゅうまつ打鐘だしょう〟っ!!」

 ロケット噴射で勢いを増したつちが、里久雄りくおさんを軸にクルリと回転して真横から迫る。
 これが里久雄りくおさんの、本気!

「にゃああああああっ!」
 
 私の爪が、つちを起点に里久雄りくおさんのガジェットを切り刻んだ。

「な、何ぃいいいいいい?! う、うがああああああっ!!」

  里久雄りくおさんの体が宙を舞い、ズタズタに引き裂かれたガジェットの破片が周囲に転がっては、粒子となって消えてゆく。

「く、クソッ……! 無念だ。ワシは戦士の墓を……誇りを、守れなかった……!」

 大の字に寝そべって、里久雄りくおさんは悔しそうな顔をしている。

「にゃー。〝蘇毬そまりの戦士〟を尊敬しているのは分かるよ? けど、過去に縛られて未来を見ないのはダメだよ」

「過去に……縛られて?」

  里久雄りくおさんが、ハッと目を見開く。

「私たちが守らなきゃならないのは〝今まで〟じゃなくて〝これから〟だから。ね?」

「なるほど……そうか。お前は、本物の〝ウォルナミスの戦士〟だったのだな」

 そう言った後、 里久雄りくおさんは静かに目を閉じて、もう一言だけ続けた。

「敵うはずが無い」

 悔しそうな声。だけど、その表情は、とても晴れやかだった。

「あーあ。大破ってもんじゃ無いな。これはもう直せないぞ」

 美土里みどりさんが、大きなため息をついたあと、粉々になった 里久雄りくおさんのガジェットの欠片かけらを拾い上げて、苦笑いしている。

「あー。そのレプリカ・ガジェットは、もう必要無いと思うぜー?」

「え? 師匠、どういう意味ですか?」

 大ちゃんの言葉を聞いて、美土里みどりさんは不思議そうな顔をしている。
 やー、大ちゃんの言う通りだよ。きっと里久雄りくおさんには、もうは要らないと思う。





 >>>





 墓石を退けると、そこには小さな〝つぼ〟が置かれていた。
 これが〝蘇毬そまりの戦士〟の遺骨か。 

「戦士よ……」

 てのひらの土をはたく私の隣には、里久雄りくおさんは神妙な顔をして立っている。
 全員で手を合わせた後、そっと〝壺〟を持ち上げると、その下の窪みに、ガジェットが置かれていた。

「大ちゃん。どうかな?」

 もしこのガジェットを、過去に誰かが分解しようとしていれば〝トラップ〟が発動して、修復不可能になっているかも知れない。

「ああ。大丈夫だ。直せそうだぜ!」

 やった! 良かったよー! これでまた一歩、惑星ウォルナミスの解放に近付いたんだ!

「よし。それでは早速持って帰って、修理を……」

「待て」

 美土里みどりさんの言葉の直後に、墓石を元に戻し終えた里久雄りくおさんがボソリと言った。 

「願わくばワシにも、そのガジェットが生まれ変わるさまを、見せてもらいたい」

「やれやれ。機材も何もないこんな田舎で、修理など出来るワケ無いだろう」 

 里久雄りくおさんの言葉を聞いた美土里みどりさんは、呆れ顔で首を横に振った。
 けど、大ちゃんは里久雄りくおさんに向き直ると、ニッと笑って言ったんだよ。

「いいぜー! 今すぐ直すからなー!」

「師匠っ?!」

 美土里みどりさんが驚いている。
 やはは。大ちゃんなら、そう言うと思ったよー。 

「今ここで修理するのですか?! 危険です師匠! こんな屋外で精密なガジェットの修理など……クリーンルームとは言わないまでも、せめて室内で……」

「あー、全然大丈夫だ。チャッチャッとやっちまうぜー」

 大ちゃんはリュックサックから、工具といくつかの小箱を取り出すと、ガジェットの分解を始めた。 
 相変わらずスゴい手の動き。
 私の動体視力でも、何をやってるのかさっぱり分からない。 

「なんと見事な……!」

「あんた、スゴいんだね」

 里久雄りくおさんと帰里江きりえさんは、目を見開いて驚いている。

「おー、でっかいハンマーだなー! こりゃスゴいぜ!」

 分解されたガジェットを、大ちゃんが目を細めて見ながら言う。
 武装前で展開されていないのに、どうして大槌おおつちが見えるんかな?

「折角だから、強度を上げて、取り回しを良くしておくぜ。あとは、自己修復機能もあった方がいいな」

「スゴいです、師匠! 何回見ても惚れ惚れします! ああっ?! あハァアアン! そこを……そんな風にイジって?!」 

 美土里みどりさん、よだれ! よだれ!

「よーし。出来たぜ! あとは……ユーリ、任せた!」 

「やー、任せて!」

 いつの間にかふたが戻されたガジェットを受け取る。
 ふっふっふ。これは、美土里みどりさんだって絶対に邪魔できない。
 私と大ちゃんだけの共同作業なのさ!

「目覚めて。ウォルナミスの欠片かけら!」

 大ちゃんのてのひらに乗ったウォルナミス・ガジェットが、オレンジ色に輝く。

「やー! これでガジェットは、間違いなく復活したよー!」

 ガジェットから、ウォルナミスの欠片の、温かい躍動が伝わって来る。

「…………そのガジェット、ワシに寄越よこして貰おう」

 突然、里久雄りくおさんが右手を差し出して言った。
 そっか……やっぱりそうなんだね。

「な、何なんだ?! しつこいぞ! まだそんな事を言ってるのか?!」

 美土里みどりさんが、焦った口調で里久雄りくおさんに詰め寄る。

里久雄りくお! それを墓に戻して蘇毬そまりの戦士が喜ぶと、本気で思っているのかい?!」

 帰里江きりえさんも、怒鳴るような口調でまくし立てる。
 でもね? きっと、さっきまでの里久雄りくおさんとは違うんじゃないかな。

「そうではない」

「なに? では、何のつもりだ?! このガジェットは、惑星ウォルナミスを守る戦士に渡す物だ。長老命令は聞いたのだろう!」

 食って掛かる美土里みどりさんに、里久雄りくおさんが穏やかな表情のまま続ける。

「ワシが行く」

「……は?」

 美土里みどりさんが、口を開けたままフリーズしてしまった。

「人手不足なのだろう? だから、惑星ウォルナミスにはワシが行ってやる」

しおりを挟む
感想 142

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

むっつり金持ち高校生、巨乳美少女たちに囲まれて学園ハーレム

ピコサイクス
青春
顔は普通、性格も地味。 けれど実は金持ちな高校一年生――俺、朝倉健斗。 学校では埋もれキャラのはずなのに、なぜか周りは巨乳美女ばかり!? 大学生の家庭教師、年上メイド、同級生ギャルに清楚系美少女……。 真面目な御曹司を演じつつ、内心はむっつりスケベ。

ヤンデレ美少女転校生と共に体育倉庫に閉じ込められ、大問題になりましたが『結婚しています!』で乗り切った嘘のような本当の話

桜井正宗
青春
 ――結婚しています!  それは二人だけの秘密。  高校二年の遙と遥は結婚した。  近年法律が変わり、高校生(十六歳)からでも結婚できるようになっていた。だから、問題はなかった。  キッカケは、体育倉庫に閉じ込められた事件から始まった。校長先生に問い詰められ、とっさに誤魔化した。二人は退学の危機を乗り越える為に本当に結婚することにした。  ワケありヤンデレ美少女転校生の『小桜 遥』と”新婚生活”を開始する――。 *結婚要素あり *ヤンデレ要素あり

旧校舎の地下室

守 秀斗
恋愛
高校のクラスでハブられている俺。この高校に友人はいない。そして、俺はクラスの美人女子高生の京野弘美に興味を持っていた。と言うか好きなんだけどな。でも、京野は美人なのに人気が無く、俺と同様ハブられていた。そして、ある日の放課後、京野に俺の恥ずかしい行為を見られてしまった。すると、京野はその事をバラさないかわりに、俺を旧校舎の地下室へ連れて行く。そこで、おかしなことを始めるのだったのだが……。

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

ギャルい女神と超絶チート同盟〜女神に贔屓されまくった結果、主人公クラスなチート持ち達の同盟リーダーとなってしまったんだが〜

平明神
ファンタジー
 ユーゴ・タカトー。  それは、女神の「推し」になった男。  見た目ギャルな女神ユーラウリアの色仕掛けに負け、何度も異世界を救ってきた彼に新たに下った女神のお願いは、転生や転移した者達を探すこと。  彼が出会っていく者たちは、アニメやラノベの主人公を張れるほど強くて魅力的。だけど、みんなチート的な能力や武器を持つ濃いキャラで、なかなか一筋縄ではいかない者ばかり。  彼らと仲間になって同盟を組んだユーゴは、やがて彼らと共に様々な異世界を巻き込む大きな事件に関わっていく。  その過程で、彼はリーダーシップを発揮し、新たな力を開花させていくのだった!  女神から貰ったバラエティー豊かなチート能力とチートアイテムを駆使するユーゴは、どこへ行ってもみんなの度肝を抜きまくる!  さらに、彼にはもともと特殊な能力があるようで……?  英雄、聖女、魔王、人魚、侍、巫女、お嬢様、変身ヒーロー、巨大ロボット、歌姫、メイド、追放、ざまあ───  なんでもありの異世界アベンジャーズ!  女神の使徒と異世界チートな英雄たちとの絆が紡ぐ、運命の物語、ここに開幕! ※不定期更新。 ※感想やお気に入り登録をして頂けますと、作者のモチベーションがあがり、エタることなくもっと面白い話が作れます。

戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件

さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。 数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、 今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、 わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。 彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。 それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。 今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。   「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」 「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」 「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」 「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」   命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!? 順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場―― ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。   これは―― 【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と 【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、 “甘くて逃げ場のない生活”の物語。   ――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。 ※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。

最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。

MP
ファンタジー
高校2年の夏。 高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。 地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。 しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。

処理中です...