260 / 264
6年生 1学期 4月
侵入
しおりを挟む
少し錆びた鍵を差し込んで、グイグイと右に左に回すと、ガチャリと錠前が外れた。
旧校舎の入り口は、もともと木製だった扉を、厚い金属で補強した特別製。
校舎内で怨霊と化した〝生徒の霊〟は、今も校則を律儀に守る。だから、この入口だけを封印しておけば、とりあえず安全らしい。
「……待てよ? それって変じゃないか? それならここだけ補強したのは誰なんだ?」
入口だけ封印して〝よし、これで安全だ!〟とはならないだろう。
旧校舎で心霊現象が頻発した。
それならばと建物自体を壊そうとすれば、今度はその関係者に何らかの不幸な事故が起きてしまう。
「で、仕方が無いから完全に閉鎖してしまおう……となれば、普通なら〝全ての出入り口と窓〟を封印するんじゃないか?」
現に〝玄関だけを補強すれば怨霊は外に出られない〟と僕が知ったのも、つい今しがた。
目の前の栗栖和也君が居なければ、知り得なかった事だ。
「えへへ。きっと〝分かってる先生〟が、ここを開けられないようにしたんだね」
……分かってる先生?
「えっと。中の子が〝生徒〟だって分かる先生が居たんだと思うよ」
そう言った栗栖君は、相変わらずニコニコと笑顔を浮かべている。
こんな状況なのに余裕だな、この子は。
「先生も余裕だよね!」
いやいや、僕のは〝カラ元気〟ってヤツだ。
今も……ほら、扉に巻き付けられた鎖を解く手が、若干震えてるぞ?
「つまり、霊感が強い教職員が、この扉を補強したのか」
「うーん。霊が見えたり聞こえたりするだけじゃ、こんなに上手には出来なかったかも。死んだ人たちと〝よく関わる〟お仕事をした事があるんじゃないかな」
〝死者とよく関わる〟って。そんな特殊な仕事、あったっけ?
「〝生まれる事〟と〝死ぬ事〟に関わるお仕事は、いっぱいあるよ? 人間は、絶対に一度ずつ〝生〟まれて〝死〟んじゃうから」
死に関わる……そうか、分かったぞ。
なるほど、お寺の住職さんが、副業で教職員をしているパターンは多い。
「うん。たぶん、仏教系だよね」
栗栖くんが、僕がほどいた鎖を掴んで、えへへと笑う。
よく見ると、鎖には小さい字で〝南無阿弥陀仏〟という文字が無数に刻まれていた。
「うわぁ……」
霊的な危険を察知して、この扉を補強した〝お坊さん先生〟か。
な……なかなか面白い設定だなあ。
「こういうの、旅館とか、病院とかにもあるよね! 怖いよね!」
聞いた事があるぞ。額縁とか、押入れの目立たない所とかに、御札が貼ってあったり、お経が書かれてたりとかだろう?
それにしても、キミは本当に怖がっているのか? パッと見、随分と嬉しそうに見えるんだが……
まあ〝凶獣〟を倒せるほど強いなら、幽霊の10体や20体くらい、怖くもなんともないんだろうけど。
「ううん。そんなことないよ? 〝悲しい魂〟が、悪い事を考えたり、みんなに危害を加えるのは、とっても怖い事だよね」
彼が言ってる〝怖い〟は、きっと僕のような〝普通の人間〟の視点じゃないんだろう。
全てを知った上で、遥かな高みから述べたセリフのような気がする。
「えへへ。それじゃ、入ろうよ!」
「あ、ちょっと待った。もうひとつ鍵があるんだ」
あと付けの頑丈な鍵じゃなくて、もともとの扉にも鍵が掛かっている。
「あ。それはもう開けちゃった。ごめんね?」
「開けたって? 鍵は、僕が預かってポケットに……」
職員室に備え付けのキーボックスじゃなくて、厳重に施錠された戸棚の中の金庫に入ってた鍵だ。
錠前のと合わせて、取り出すのに苦労したんだよ。
「ううん。内側から開けたから大丈夫。ほら!」
……内側から?
栗栖くんが、錆びついた古めかしいドアノブを回して、軽く引くと、施錠されている筈の扉はギィっと開いてしまった。
「ね? 僕、内側から開けられるんだよ?」
「ああ! 念動力か!」
研修ビデオで、魔道士が〝念動魔法〟を使うのを見た事はある。
けど、生で見たのは初めてだし、彼のは魔法じゃなくて、超能力だ。
「先生、僕はあの子たちを止めるから〝七不思議〟をお願い!」
廊下の突き当りの角から、2つの顔が、こちらをジッと見つめている。
ヒソヒソと何かを話し合っているようだけど、アレが栗栖君の言っていた〝悪くて怖い霊体〟なのか?
「……よし、分かった!」
僕は、懐から銃を取り出す。
「うわあ! 先生! それ、カッコいいねえ!」
「……そうかな?」
〝六極共振拳銃〟
銃口に向けて斜めに突き出した6本のアンテナから、電磁的な信号に置き換えられた〝経文〟〝呪文〟〝九字〟〝真言〟〝聖歌〟〝祝詞〟を、疑似エーテル弾に纏わせて撃ち出す対霊銃だ。
「なんか、昔のアニメに出てくる光線銃みたいでダサくないか?」
「ううん。ちゃんと悪い霊を倒せそうな銃だよ! スゴいよね!」
……はい。キッチリと〝性能〟を見抜いた上での発言でした。
この子、本当にスゴいな。
「先生。僕があの子たちと話している間に、全部の七不思議に会ってほしいんだ」
いやはや。まさか小学校勤務になった途端に、最も有名な超常現象と対決する事になるとは思わなかった。
さてと。僕の力がどこまで通用するか……
「了解した。つまり僕は〝7体の悪霊〟を倒せばいいんだな?」
確か、一番近いのは理科室だ。
ん? という事は……うわあ。〝動く人体模型〟かよ。定番中の定番じゃないか。
「ううん。倒さなくて大丈夫だよ?」
まあ、人体模型は例外なく不気味だし、怪談にするには持って来い感あるよな。
むしろ動かない人体模型を探す方が難しいくらいじゃないのか? 絶対動くだろ人体模型……
「……って、はあ?! 倒さなくていいってどういう事なんだ?」
「えっとね。戦う事には、なるかもしれないんだけど……とにかく〝七不思議〟に会えば分かるよ」
うーん。神様の仰ってる事が、さっぱり分からないぞ。
……戦うけど倒さない?
「ああっ、先生! 倒して! 早く!」
突然、栗栖くんが慌て始めた。
今度は倒せだって? まったく。どっちなんだよ……?
「先生、違うよ! 窓から!」
違うって何だ? 窓って……?
「うわっ!」
数メートル先の廊下の窓から、ボロボロの服を着た女性が、ズルリと入り込んで来た。
窓は閉まっているから、霊体なのは間違い無い。
「ゲージは……やっぱ真っ赤か」
〝赤外線外線兼紫外線外線スコープ〟が、かなり強い〝負のエネルギー〟を検知している。つまり、この霊体は〝生者〟に対して害意を持つ〝怨霊〟の可能性が極めて高い。
ここまで強いマイナスだと、触れられただけでも、かなりの霊障を受けるだろう。
「先生、ごめんね。僕、いまちょっとお手伝いできないよ」
栗栖くんは真剣な顔で、廊下の奥を見つめている。
きっと、そこまで集中しなければならないほどの、危険な霊なんだろう。
「オッケー。大丈夫だ!」
音もなく近付いてくる女性の霊に銃口を向けて安全装置を外すと、6本のアンテナから〝キィン〟という共振音が響く。
……普通の銃で人間を撃つなら、狙うのは〝足〟だ。いきなり〝腹〟や〝頭〟を狙う警官は居ない。
だが霊体相手の場合は、絶対に〝腹〟を撃つ。なぜなら、死にたくないから。
霊体の足を撃っても、大した足止めにならないし、そもそも足が無い場合だってある。
余計な時間や気を使っている内に、取り殺されてしまっては目も当てられない。
「食らえ!」
だから、狙うは腹部だ。
引き金を引くと、パウン! という独特の発射音が鳴り響く。
銃口から6色の光の帯が霊体へと伸びて弾けた。
「アぎゃアぁあああアあアアあアッ!」
霊体は、腹に響くような低く野太い悲鳴をあげながら、苦悶の表情を浮かべる。
「……意外とダンディな声だな」
命中したのは狙い通り腹部。そこから光が全身に広がって、霊体は瞬く間に消滅した。
スコープのゲージが安全値まで下がった事を確認して、銃を下ろす。
「よし、除霊完了! ……それで栗栖君。僕は結局〝七不思議〟をどうすればい……」
「先生……! こっちを見ちゃダメだよ。そのまま真っ直ぐ、理科室まで行って」
低く、焦ったような口調。
さっきまでと声色が違い過ぎて、栗栖君の声だと気付くのが一瞬だけ遅れた。
「……栗栖君?」
次の瞬間。スコープが、ビービーと警告音を発して、ゲージの値がビクンビクンと、見た事のない動きを始める。
「なっ?! 栗栖君、いったい何が……」
「見ちゃダメ!」
視界の端に黒い物がチラリと映ると同時に、スコープに、ピシッと亀裂が入った。
右半身に怖気が走り、肌が粟立つ。膝と顎が、ガクガクと震え始める。
「ま、まさか……廊下の奥に居た霊体?!」
もう隣に居るのかよ?! いつの間に?!
怖気と震えが止まらない。肌がチクチクする。
「早く行って! 大丈夫。先生ならきっと、うまくやれるから。ね?」
「わ、分かった。栗栖君も……」
「うん、頑張る!」
僕は顔を正面に向けたまま、逃げるように、理科室へと歩き始めた。
普段とは違って、真剣な表情で余裕の無さそうな口調の栗栖君を置き去りにして。
「……で? 僕はこれから、何をうまくやればいいんだ?」
旧校舎の入り口は、もともと木製だった扉を、厚い金属で補強した特別製。
校舎内で怨霊と化した〝生徒の霊〟は、今も校則を律儀に守る。だから、この入口だけを封印しておけば、とりあえず安全らしい。
「……待てよ? それって変じゃないか? それならここだけ補強したのは誰なんだ?」
入口だけ封印して〝よし、これで安全だ!〟とはならないだろう。
旧校舎で心霊現象が頻発した。
それならばと建物自体を壊そうとすれば、今度はその関係者に何らかの不幸な事故が起きてしまう。
「で、仕方が無いから完全に閉鎖してしまおう……となれば、普通なら〝全ての出入り口と窓〟を封印するんじゃないか?」
現に〝玄関だけを補強すれば怨霊は外に出られない〟と僕が知ったのも、つい今しがた。
目の前の栗栖和也君が居なければ、知り得なかった事だ。
「えへへ。きっと〝分かってる先生〟が、ここを開けられないようにしたんだね」
……分かってる先生?
「えっと。中の子が〝生徒〟だって分かる先生が居たんだと思うよ」
そう言った栗栖君は、相変わらずニコニコと笑顔を浮かべている。
こんな状況なのに余裕だな、この子は。
「先生も余裕だよね!」
いやいや、僕のは〝カラ元気〟ってヤツだ。
今も……ほら、扉に巻き付けられた鎖を解く手が、若干震えてるぞ?
「つまり、霊感が強い教職員が、この扉を補強したのか」
「うーん。霊が見えたり聞こえたりするだけじゃ、こんなに上手には出来なかったかも。死んだ人たちと〝よく関わる〟お仕事をした事があるんじゃないかな」
〝死者とよく関わる〟って。そんな特殊な仕事、あったっけ?
「〝生まれる事〟と〝死ぬ事〟に関わるお仕事は、いっぱいあるよ? 人間は、絶対に一度ずつ〝生〟まれて〝死〟んじゃうから」
死に関わる……そうか、分かったぞ。
なるほど、お寺の住職さんが、副業で教職員をしているパターンは多い。
「うん。たぶん、仏教系だよね」
栗栖くんが、僕がほどいた鎖を掴んで、えへへと笑う。
よく見ると、鎖には小さい字で〝南無阿弥陀仏〟という文字が無数に刻まれていた。
「うわぁ……」
霊的な危険を察知して、この扉を補強した〝お坊さん先生〟か。
な……なかなか面白い設定だなあ。
「こういうの、旅館とか、病院とかにもあるよね! 怖いよね!」
聞いた事があるぞ。額縁とか、押入れの目立たない所とかに、御札が貼ってあったり、お経が書かれてたりとかだろう?
それにしても、キミは本当に怖がっているのか? パッと見、随分と嬉しそうに見えるんだが……
まあ〝凶獣〟を倒せるほど強いなら、幽霊の10体や20体くらい、怖くもなんともないんだろうけど。
「ううん。そんなことないよ? 〝悲しい魂〟が、悪い事を考えたり、みんなに危害を加えるのは、とっても怖い事だよね」
彼が言ってる〝怖い〟は、きっと僕のような〝普通の人間〟の視点じゃないんだろう。
全てを知った上で、遥かな高みから述べたセリフのような気がする。
「えへへ。それじゃ、入ろうよ!」
「あ、ちょっと待った。もうひとつ鍵があるんだ」
あと付けの頑丈な鍵じゃなくて、もともとの扉にも鍵が掛かっている。
「あ。それはもう開けちゃった。ごめんね?」
「開けたって? 鍵は、僕が預かってポケットに……」
職員室に備え付けのキーボックスじゃなくて、厳重に施錠された戸棚の中の金庫に入ってた鍵だ。
錠前のと合わせて、取り出すのに苦労したんだよ。
「ううん。内側から開けたから大丈夫。ほら!」
……内側から?
栗栖くんが、錆びついた古めかしいドアノブを回して、軽く引くと、施錠されている筈の扉はギィっと開いてしまった。
「ね? 僕、内側から開けられるんだよ?」
「ああ! 念動力か!」
研修ビデオで、魔道士が〝念動魔法〟を使うのを見た事はある。
けど、生で見たのは初めてだし、彼のは魔法じゃなくて、超能力だ。
「先生、僕はあの子たちを止めるから〝七不思議〟をお願い!」
廊下の突き当りの角から、2つの顔が、こちらをジッと見つめている。
ヒソヒソと何かを話し合っているようだけど、アレが栗栖君の言っていた〝悪くて怖い霊体〟なのか?
「……よし、分かった!」
僕は、懐から銃を取り出す。
「うわあ! 先生! それ、カッコいいねえ!」
「……そうかな?」
〝六極共振拳銃〟
銃口に向けて斜めに突き出した6本のアンテナから、電磁的な信号に置き換えられた〝経文〟〝呪文〟〝九字〟〝真言〟〝聖歌〟〝祝詞〟を、疑似エーテル弾に纏わせて撃ち出す対霊銃だ。
「なんか、昔のアニメに出てくる光線銃みたいでダサくないか?」
「ううん。ちゃんと悪い霊を倒せそうな銃だよ! スゴいよね!」
……はい。キッチリと〝性能〟を見抜いた上での発言でした。
この子、本当にスゴいな。
「先生。僕があの子たちと話している間に、全部の七不思議に会ってほしいんだ」
いやはや。まさか小学校勤務になった途端に、最も有名な超常現象と対決する事になるとは思わなかった。
さてと。僕の力がどこまで通用するか……
「了解した。つまり僕は〝7体の悪霊〟を倒せばいいんだな?」
確か、一番近いのは理科室だ。
ん? という事は……うわあ。〝動く人体模型〟かよ。定番中の定番じゃないか。
「ううん。倒さなくて大丈夫だよ?」
まあ、人体模型は例外なく不気味だし、怪談にするには持って来い感あるよな。
むしろ動かない人体模型を探す方が難しいくらいじゃないのか? 絶対動くだろ人体模型……
「……って、はあ?! 倒さなくていいってどういう事なんだ?」
「えっとね。戦う事には、なるかもしれないんだけど……とにかく〝七不思議〟に会えば分かるよ」
うーん。神様の仰ってる事が、さっぱり分からないぞ。
……戦うけど倒さない?
「ああっ、先生! 倒して! 早く!」
突然、栗栖くんが慌て始めた。
今度は倒せだって? まったく。どっちなんだよ……?
「先生、違うよ! 窓から!」
違うって何だ? 窓って……?
「うわっ!」
数メートル先の廊下の窓から、ボロボロの服を着た女性が、ズルリと入り込んで来た。
窓は閉まっているから、霊体なのは間違い無い。
「ゲージは……やっぱ真っ赤か」
〝赤外線外線兼紫外線外線スコープ〟が、かなり強い〝負のエネルギー〟を検知している。つまり、この霊体は〝生者〟に対して害意を持つ〝怨霊〟の可能性が極めて高い。
ここまで強いマイナスだと、触れられただけでも、かなりの霊障を受けるだろう。
「先生、ごめんね。僕、いまちょっとお手伝いできないよ」
栗栖くんは真剣な顔で、廊下の奥を見つめている。
きっと、そこまで集中しなければならないほどの、危険な霊なんだろう。
「オッケー。大丈夫だ!」
音もなく近付いてくる女性の霊に銃口を向けて安全装置を外すと、6本のアンテナから〝キィン〟という共振音が響く。
……普通の銃で人間を撃つなら、狙うのは〝足〟だ。いきなり〝腹〟や〝頭〟を狙う警官は居ない。
だが霊体相手の場合は、絶対に〝腹〟を撃つ。なぜなら、死にたくないから。
霊体の足を撃っても、大した足止めにならないし、そもそも足が無い場合だってある。
余計な時間や気を使っている内に、取り殺されてしまっては目も当てられない。
「食らえ!」
だから、狙うは腹部だ。
引き金を引くと、パウン! という独特の発射音が鳴り響く。
銃口から6色の光の帯が霊体へと伸びて弾けた。
「アぎゃアぁあああアあアアあアッ!」
霊体は、腹に響くような低く野太い悲鳴をあげながら、苦悶の表情を浮かべる。
「……意外とダンディな声だな」
命中したのは狙い通り腹部。そこから光が全身に広がって、霊体は瞬く間に消滅した。
スコープのゲージが安全値まで下がった事を確認して、銃を下ろす。
「よし、除霊完了! ……それで栗栖君。僕は結局〝七不思議〟をどうすればい……」
「先生……! こっちを見ちゃダメだよ。そのまま真っ直ぐ、理科室まで行って」
低く、焦ったような口調。
さっきまでと声色が違い過ぎて、栗栖君の声だと気付くのが一瞬だけ遅れた。
「……栗栖君?」
次の瞬間。スコープが、ビービーと警告音を発して、ゲージの値がビクンビクンと、見た事のない動きを始める。
「なっ?! 栗栖君、いったい何が……」
「見ちゃダメ!」
視界の端に黒い物がチラリと映ると同時に、スコープに、ピシッと亀裂が入った。
右半身に怖気が走り、肌が粟立つ。膝と顎が、ガクガクと震え始める。
「ま、まさか……廊下の奥に居た霊体?!」
もう隣に居るのかよ?! いつの間に?!
怖気と震えが止まらない。肌がチクチクする。
「早く行って! 大丈夫。先生ならきっと、うまくやれるから。ね?」
「わ、分かった。栗栖君も……」
「うん、頑張る!」
僕は顔を正面に向けたまま、逃げるように、理科室へと歩き始めた。
普段とは違って、真剣な表情で余裕の無さそうな口調の栗栖君を置き去りにして。
「……で? 僕はこれから、何をうまくやればいいんだ?」
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
むっつり金持ち高校生、巨乳美少女たちに囲まれて学園ハーレム
ピコサイクス
青春
顔は普通、性格も地味。
けれど実は金持ちな高校一年生――俺、朝倉健斗。
学校では埋もれキャラのはずなのに、なぜか周りは巨乳美女ばかり!?
大学生の家庭教師、年上メイド、同級生ギャルに清楚系美少女……。
真面目な御曹司を演じつつ、内心はむっつりスケベ。
ヤンデレ美少女転校生と共に体育倉庫に閉じ込められ、大問題になりましたが『結婚しています!』で乗り切った嘘のような本当の話
桜井正宗
青春
――結婚しています!
それは二人だけの秘密。
高校二年の遙と遥は結婚した。
近年法律が変わり、高校生(十六歳)からでも結婚できるようになっていた。だから、問題はなかった。
キッカケは、体育倉庫に閉じ込められた事件から始まった。校長先生に問い詰められ、とっさに誤魔化した。二人は退学の危機を乗り越える為に本当に結婚することにした。
ワケありヤンデレ美少女転校生の『小桜 遥』と”新婚生活”を開始する――。
*結婚要素あり
*ヤンデレ要素あり
旧校舎の地下室
守 秀斗
恋愛
高校のクラスでハブられている俺。この高校に友人はいない。そして、俺はクラスの美人女子高生の京野弘美に興味を持っていた。と言うか好きなんだけどな。でも、京野は美人なのに人気が無く、俺と同様ハブられていた。そして、ある日の放課後、京野に俺の恥ずかしい行為を見られてしまった。すると、京野はその事をバラさないかわりに、俺を旧校舎の地下室へ連れて行く。そこで、おかしなことを始めるのだったのだが……。
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
ギャルい女神と超絶チート同盟〜女神に贔屓されまくった結果、主人公クラスなチート持ち達の同盟リーダーとなってしまったんだが〜
平明神
ファンタジー
ユーゴ・タカトー。
それは、女神の「推し」になった男。
見た目ギャルな女神ユーラウリアの色仕掛けに負け、何度も異世界を救ってきた彼に新たに下った女神のお願いは、転生や転移した者達を探すこと。
彼が出会っていく者たちは、アニメやラノベの主人公を張れるほど強くて魅力的。だけど、みんなチート的な能力や武器を持つ濃いキャラで、なかなか一筋縄ではいかない者ばかり。
彼らと仲間になって同盟を組んだユーゴは、やがて彼らと共に様々な異世界を巻き込む大きな事件に関わっていく。
その過程で、彼はリーダーシップを発揮し、新たな力を開花させていくのだった!
女神から貰ったバラエティー豊かなチート能力とチートアイテムを駆使するユーゴは、どこへ行ってもみんなの度肝を抜きまくる!
さらに、彼にはもともと特殊な能力があるようで……?
英雄、聖女、魔王、人魚、侍、巫女、お嬢様、変身ヒーロー、巨大ロボット、歌姫、メイド、追放、ざまあ───
なんでもありの異世界アベンジャーズ!
女神の使徒と異世界チートな英雄たちとの絆が紡ぐ、運命の物語、ここに開幕!
※不定期更新。
※感想やお気に入り登録をして頂けますと、作者のモチベーションがあがり、エタることなくもっと面白い話が作れます。
戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件
さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。
数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、
今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、
わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。
彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。
それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。
今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。
「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」
「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」
「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」
「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」
命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!?
順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場――
ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。
これは――
【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と
【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、
“甘くて逃げ場のない生活”の物語。
――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。
※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。
最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。
MP
ファンタジー
高校2年の夏。
高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。
地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。
しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
