駆け落ち男女の気ままな異世界スローライフ

壬黎ハルキ

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第四章 現れた同郷者

第八十八話 三人の神様が集まるとき

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 フィリーネたちからの話を粗方聞き終えたミナヅキは、しばし無言で考える。そして小さく頷きながら問いかけた。

「……つまり、ベアトリスとランディが、甘酸っぱい青春を謳歌していたと?」
『違う、そこじゃない!!』

 ランディとベアトリスが声を合わせてツッコミを入れる。それに対して、今度はアヤメが苦笑気味に言った。

「そこじゃない、って……完全に否定はしないのね」
『――っ!?』

 そして二人の錬金術師は、揃って顔を真っ赤にして押し黙る。互いが互いをチラリと見た瞬間、視線がぶつかり合ってまた驚く。まさに青春ラブストーリーとはこのことかと言わんばかりであった。

「はぁ……一刻を争う事態じゃから、この際二人は放って、話を進めるぞ」

 フィリーネが深いため息をつきながらそう言った。それに反対する意見は誰も出さない。むしろ無言で頷くほどであった。
 それを確認したフィリーネは、心の中で満足な気持ちを味わいつつ、改めて本題を切り出す。

「とにかく妾たちが軽く話したとおり、王都はもはやメチャクチャな状態じゃ。妾たちもミナヅキのディスペルピュアがなければ、どうなっていたことか」
「前もって渡しといて正解だったか」

 ミナヅキの言葉にフィリーネは無言で頷く。そして彼に対してクスッと笑みを浮かべながら視線を向けた。

「ところであの薬、ちょいと気になって鑑定してみたのじゃが、なんと更なる効果が付与されておったぞ」
「へぇ、そりゃ全然気づかなかったなぁ。で、一体どんな効果なんだ?」
「魔法を浄化させるだけでなく、時間制限付きで、特殊な魔法の耐性を得るというモノじゃった。そのおかげで妾たちは、王都から出るまで魅了の餌食にならずに済んだということになるのう」

 フィリーネの語りに、ミナヅキは驚きを隠せない。そこに、顔を赤らめながらも話を聞いていたランディが、何かを思い出したような反応を見せる。

「もしかして……工房でベア姉に魅了が効かなかったのも、ディスペルピュアの効果が残っていたから?」
「えっ? あ、あれって、そういうことだったの?」

 ベアトリスもなんとか表情を整えつつ、その時のことを思い出した。

「確かにあの時は、アイツにジッと見つめられても、なんともならなかった……」
「うむ。恐らく耐性を得ていたから、助かったのじゃろうな」

 フィリーネが納得したと言わんばかりに頷く。そこにアヤメが、ミナヅキのほうを向きながら、思い立ったことを口に出す。

「知らない間に、アンタの調合のレベルも上がったってことじゃないかしら?」
「そういうことになるんかなぁ」

 腕を組みながら首を傾げるミナヅキ。しかし心の奥底では嬉しく思っており、思わず笑みを零してしまう。
 それを察したフィリーネも小さく笑いつつ、軽く咳払いをした。

「話を戻すぞ。タツノリが魅了をばら撒いたおかげで、王都の女どもは皆、ヤツにメロメロ状態となっておる」
「幸い、王宮のほうにまでは手が届いておらず、被害は今のところゼロです」

 ベティの表情が、笑みから神妙なそれに切り替わる。

「しかしながら、狙われていない保証はどこにもありません。王宮の女性たちが、いつどこでどう魅了されるかも分からない今、国王様や騎士の方たちもまた、警戒して王宮の警備を手堅くするのに必死となってしまっております」
「つまり、王宮側の助っ人は、殆ど期待できないということになるな」

 言い換えれば、町側――すなわちギルドと工房の冒険者たちを中心として、この事態に立ち向かわなければならないということだ。
 範囲が絞れているだけマシという見方もあるかもしれないが、いずれにしても早急になんとかしなければならない。

「ねぇ、ちょっと一つ気になったんだけど……」

 ここでアヤメが疑問を投げかけた。

「タツノリって、どうして王宮を乗っ取らなかったのかしら?」

 その疑問に他の四人が一斉に注目する。言われてみればと言わんばかりに、皆揃ってきょとんとしていた。
 これだけ大きなことをしでかしているというのに、王宮に対しては一切狙う様子を見せていない。狙おうと思えば十分に狙うこともできたハズである。
 なのに、それをしていないということは――

「……普通に考えたら、アイツの狙いがそれじゃなかったからだと思うが」

 悩ましげな表情でミナヅキがとりあえずの答えを出す。しかしここで、彼自身にも新たな疑問が浮かび出してきた。

「まぁ、そうなってくると、単純に王都を乗っ取るって考えが、自然と外れてくることになるんだけどな」
「そこなのよね。そもそも何でリトルバーン家を根城に選んだのかしら?」

 更なる疑問をアヤメが投げかける。それもまた、言われてみると妙であった。

「ふむ……確かにリトルバーン家の屋敷は敷地も広く、たくさんの女子を抱え込むには十分じゃろうな」

 フィリーネが腕を組みながら、自分なりの見解を語り出す。

「もっとも、答えとしてはちょいと足りなさすぎるじゃろうがの。王宮を狙わんという理由にも繋がらんし」
「だよなぁ」

 ミナヅキも同じように腕を組みながら、悩ましそうに首を傾げる。

「やっぱり単純な国の乗っ取りじゃないのか……」
「うむ。それに直接王宮を狙ってこそおらんとはいえ、王宮の動きを事実上封じておることも確かじゃ。いずれにせよ、何か裏があるように思えてならん」

 フィリーネの言葉に皆が小さく頷く。ここでランディが、はたと気づいたような反応を見せた。

「そもそも、あのタツノリって人は、自分の意志で動いてるんでしょうか?」
「どういうことよ? もしかして誰かに操られてるって言いたいの?」
「まぁ、なんとなく思いついたことだけど」

 ベアトリスの問いかけに、ランディは自信なさげな表情を浮かべる。しかしそれに対してフィリーネは、興味深そうに頷いていた。

「うむ。その線は十分あり得るじゃろう。ヤツが自分で暴走させた可能性もあるやもしれんが、そのレベルはたかが知れておる。少なくともあのタツノリに、王都を揺るがすほどの手堅い暴走が出来るとは全く思えんな」
「どっちにしても、タツノリを直接ふんじばって、確かめるしかないってことか」
「そーゆーことになるかの」

 ミナヅキの出した結論に、フィリーネは苦笑しながら頷いた。他の四人も同じような反応を示しており、反対の意見はない。

「して問題は、どーやってヤツを抑えるかということになるワケじゃが……」

 フィリーネがそう切り出すと、ミナヅキとアヤメは揃って顔をしかめる。

「……どーすりゃいいんだ?」
「倒すだけなら簡単でいいんだけど、今回はそうじゃないもんね」

 あくまでタツノリや周りの女たちの正気を戻すことが大前提であり、魔物みたく本体を倒し、素材を確保すればいいというモノではない。
 するとここで、ベアトリスがニヤッと笑った。

「アタシにいい考えがあるよ。ミナヅキの力を借りればね!」
「俺?」

 自分で自分を指さしながらきょとんとするミナヅキに、ベアトリスは強い笑みでコクリと頷いた。

「要は魅了の魔法にかけられてるってことでしょ? それを解く方法があるのを忘れちゃった?」
「――ディスペルピュアか!」
「正解!」

 ベアトリスはミナヅキの解答に人差し指を立てながらウィンクする。

「アタシが考えてる作戦のキーカードは、ミナヅキの調合したディスペルピュア。それを錬金術に組み込めば、皆を助けられるかもしれない」
「ふむ……なにやら大掛かりになりそうじゃな」
「大丈夫ですよ姫様。ランディと一緒になんとかしてみせますから!」
「えっ、僕も!?」

 急に名前を呼ばれて驚きを隠せないランディ。それに対してベアトリスは、不満そうに頬を膨らませる。

「ちょっと、何よその反応? アタシと一緒に王都を救いたくないての?」
「そ、そんなことは……いきなり過ぎてビックリしただけで……」
「じゃあ問題ないね。早速打ち合わせを始めましょ」

 ベアトリスが立ち上がり、早速持参してきた大きな紙と筆記具を取り出した。相変わらず準備の良いヤツだと思いつつ、未だ状況についてこれていないランディにミナヅキが声をかける。

「ランディ、この際だ。俺たちで思いっきりやってやろうぜ」
「ミナヅキさん……分かりました! 僕の錬金術を世に知らしめてやります!」
「あぁ、その意気だ!」

 二人で手を取り合いつつ、ニカッと笑う。職種は違えど、また一つ生産職の先輩と後輩の関係が、より良い方向に出来上がっていく。
 その姿を、アヤメたちも微笑ましそうに見ていたのだが――

「……ねぇ、何アタシをのけ者にして、二人でイチャイチャしてるワケ?」

 それを見過ごせない者が一人――ベアトリスが、半目で睨みつけてくる。ミナヅキは一瞬硬直するも、どこか呆れたような表情を浮かべた。

「いや、別にイチャイチャはしてないだろ。ただ励ましただけだっての」
「絶対ウソ! ランディすっごく嬉しそうだったもん! アタシにはそんな顔、全然見せてくれたことないってのに!!」

 ベアトリスは癇癪を起こす。まるで、自分の知らないモノを見せつけられて悔しがる子供のように。
 そこに、流石に見過ごせないと思ったランディが、慌て気味に声をかける。

「ベ、ベア姉! ミナヅキさんとはそんなんじゃないから! イチャイチャするんだったら間違いなくベア姉とだけしたいから!」
「いや、それならそれで……って! 何恥ずかしいこと言ってんの!?」

 顔を真っ赤にしたベアトリスが、ランディの頭に拳骨を落とす。

「いだっ! な、何も殴らなくてもいいじゃないか!」
「あーもーうっさいっ! 今はそれどころじゃないでしょ!」
「うぅ……横暴だ」

 無理やりベアトリスに話を打ち切られ、ランディは涙目で項垂れる。そんな二人の姿を、ミナヅキとアヤメは微笑ましそうに見守っていた。

「きっと本当の青春ってのは、あーゆーことを言うんだろうな」
「ホント、甘酸っぱくて初々しいわよね♪」
「……いやいや、お主らもヤツらと年齢殆ど変わらんじゃろ。何を枯れた老夫婦みたいなことを言っておるんじゃ?」

 二人を見守る若夫婦に、フィリーネが呆れた表情でツッコミを入れる。ベティは小さく微笑みながら、新しいミントの茶葉を用意するのだった。


 ◇ ◇ ◇


 その夜――人間も魔物も誰もいない、とても静かな森。とある大木の下にて、三人の人物が顔を合わせていた。

「まさかキミのほうから出向いてくれるとはね。正直予想していなかったよ」

 雲が流れて月が照らされ、ユリスの顔が浮かび上がる。

「隠し事を白状するまで帰さないですよ!」

 そしてユリスの隣にいるイヴリンの姿も露わとなる。二人の表情は厳しく、明らかに友好的なそれではなかった。
 そんな二人の前に立つ人物の姿も、月明かりによって明らかとなる。

「分かってますわ。ワタシの知っていることなら全て答えますから、どうぞ遠慮せずになんでも聞いてくださいまし」

 マジョレーヌの姿が浮かび上がった。どこまでも余裕ぶった笑顔は、自然と苛立ちをこみ上げさせる。
 しかし人よりも遥かに彼女と長く付き合ってきているユリスとイヴリンは、流石にそれしきのことで冷静さを欠くことはなかった。
 ユリスは厳しい表情のまま、マジョレーヌに対して率直に尋ねる。

「今、王都でタツノリが暴走している件、キミがけしかけたんじゃない?」
「あら、どうしてそう思いに――」
「とぼけるなです」

 はぐらかそうとするマジョレーヌに、イヴリンが言葉を挟む。

「神様であるイヴリンたちを甘く見ないでほしいです。ちょっと調べればすぐに分かることなのですよ」
「イヴリンの言うとおりだ。素直に観念したほうが良いと思うけど?」

 二人から睨まれるマジョレーヌは、やがて観念したように両手を上げた。

「参りましたわ。ここは潔く認めましょう」
「やっぱりキミが――」
「ただし!」
「ん?」

 急に強めの言葉で遮られ、ユリスは思わずきょとんとしてしまう。するとマジョレーヌは、どこかつまらなさそうな表情を浮かべ出した。

「あくまで半分だけ正解……と言ったところですわ。けしかけたところまでは確かにそのとおりですが、そこで暴走したワケではございませんので」
「……まるで他に真犯人がいると言いたそうだね?」
「えぇ、そう捉えていただければ」

 睨みつけるユリスだったが、やはりマジョレーヌはしれっと答えるばかり。もはやそれに対してツッコミを入れることはなかった。そんなことをしても時間のムダだと分かっているからだ。

「タツノリに何かをしたのは確かなんだよね?」
「えぇ。確かにそう言いましたわ」

 改めて確認するユリスに、マジョレーヌは再び堂々と頷く。やはり隠すことは何もないと言わんばかりの態度であった。

「面白そうな子だと思い、魅了にかかったフリをして旅に同行してましたけど、所詮は世間を知らない子供に過ぎませんでしたわ。能力に溺れて、自ら殻を破ろうともしない――その程度の男など、何の価値もございません」
「それでキミは、最後に手酷く彼を捨てたのか?」
「えぇ。大人のお姉さんであるワタシが、現実を見せてあげようと思いまして♪」

 冷たい声で問いかけるユリスに、マジョレーヌは悪びれもなく答えた。質の悪さは相変わらずだと、二人は心の中で同時に思う。

「よくバレませんでしたね? 何度も魅了をかけ直しているうちに、マジョレーヌさんには魅了が効かないことぐらい、なんとなく気づきそうなモノですよ?」

 イヴリンが素朴な疑問を投げかける。
 そもそも魅了は、神が作り上げた特殊な魔法であり、神であるマジョレーヌには絶対に効かない仕様であった。
 しかしタツノリは、最後までそれに気づくことはなかった。
 マジョレーヌもそこは思っていたらしく、軽く笑いながら肩をすくめる。

「そこはワタシの演技力――と、言いたいところですが、ちょっとそれっぽく演じただけで、コロッと信用してくれただけの話ですわ」
「あー、つまりそれだけ単純な人だったと?」

 イヴリンはなんとなく想像がつき、呆れたような表情を浮かべる。それに対して少し笑みを深めながら、マジョレーヌは続けた。

「まぁ、とにかく――私が彼に現実を知らしめた直後、彼はショックを受けて崩れ落ちる姿を確認はしましたわ。それからすぐに立ち去りましたから、何かがあったとすればその後ではございませんこと?」

 興味ないと言わんばかりに、マジョレーヌは投げなりな態度を取る。あまりにも自然過ぎるその姿は、ウソを言っているようには感じられない。

(恐らく、彼女の言っていることは本当だろうね。確かにこれまでも散々好き勝手やらかしてはきたけど、大きなトラブルを仕掛けたことは一度もなかった)

 マジョレーヌは常にグレーゾーンを渡り歩いてきた。そして上手いこと、それこそ悔しいほどレッドゾーンには絶対に足を踏み入れないのだ。
 それが神界における悩みの種の一つでもあった。
 ユリスもイヴリンも、上司のレイフェルに何度も抗議したことがあった。しかしその度に首を左右に振られたのだ。マジョレーヌの場合は、あくまで遊びの範囲を出ていないため、せいぜい叱ることしかできないと。

「もうよろしいかしら? あとは神界に帰って、ゆっくりと喋りますので」

 マジョレーヌがそう切り出すと、ユリスとイヴリンは目を点にする。

「……へ? 神界に帰ってくれるのですか?」

 そのイブリンの問いかけには、冗談ですよねという意味も込められていた。するとマジョレーヌが、どういう意味ですかと言わんばかりに苦笑する。

「流石に今回ばかりは、ワタシも少しやり過ぎたと思っていますわよ。レイフェル様からも帰って来いって言われてますし」
「あぁ、そゆこと」

 ユリスは素直に納得した。やはり上司の力は凄い――そう思いながら。

「それではワタシはこれで。王都が無事に救われることを祈っておりますわ♪」

 マジョレーヌは笑顔でそう告げつつ、姿を消した。そして残された二人は――

「だから……要因であるマジョレーヌが言うなって話なんだよ」
「ですよねぇ」

 揃って軽い脱力感を覚えながら、これ見よがしに深いため息をつくのだった。


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