追放されたゴミスキル持ち自由になって人生を楽しむ

れのひと

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6.味気ないスープ

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 昼間俺たちは拠点を作るのに精を出した。【アイテムボックス】も便利なもので、俺のは容量の底が見えない。それをいいことに周辺の大木を片っ端からしまい込みある程度の広さを確保した。もちろん木の根が張っていたものをどけたのだから足元はぼこぼこで歩きにくいが、これは徐々に慣らしていけばいいだろう。で、その大木を横に寝かせるように置き、この周囲を囲む。簡易塀の出来上がりだ。ある程度の本数を使えば高さも割とあって、それを乗り越えるか破壊しないと中には入れないだろう。まあ俺たちも出られないわけだが。

「はい、どうぞ」
「ん…サンキュ」
「さん…?」
「気にするな」

 プチコが入れてくれた紅茶を飲むと体が温まり疲れた体に染みわたる。すっかり忘れていたが俺はまだ10歳だったんだな。自分の体力のことを考えるのを忘れていたわけで、今はもうかなり眠い。

「アルムさま、今日はもう休まれますか?」
「そうだな…取り合えず塀は出来たし、魔獣達が来たとしても音でわかるだろ。だからプチコも寝ろよ?」

 俺は眠たくてふらつくが、何とか【アイテムボックス】から自分のベッドを取り出し倒れこむように横になった。

「ベッドを持ってきていたんですか?」

 なんかプチコが言っているがよく聞こえなかった。

 どこか懐かしい昔の夢を見た。ぼんやりとそれを思い出していると視界が開けてきた。それと同時に鼻にいい香りが届く。

「あ、おはようございます。スープ作ってみたんですが食べられますか?」
「スープ?」

 そういえば昨日の【ガチャ】から出た物に鍋があったな。それと生野菜とか家を追い出される前に渡された黒パンや干し肉を少しプチコに渡しておいたんだ。

「はい…ですが取り分ける器が無くて困っています」

 いや…器もないけどそもそもどうやって作ったかも気になるが? 確かに鍋の中にスープが出来上がっているのだが…刃物はないし混ぜたりするためのレードルもない。はっきり言ってないないずくしなんだ。それでも完成しているスープの不思議。

「器があればいいのか?」
「はい、零れたりしなければどのような物でも大丈夫です」

 俺はその辺に落ちている小石を拾った後【アイテムボックス】の中を漁る。一気にものが増えてしまったからまだちゃんと見てなかったんだよね。すると中々カオスな状況になっていて顔が引きつった。いくつか【ガチャ】に放り込んだ大木がありえないものを引き当てていた。

「ありますか?」
「あ、ああ…これでいいか?」

 それから視線をそらし、取り出したのは抹茶とかを飲むのに使う器。複雑なおうとつがあり、詳しくないのでわからないが大木1本と交換したのならそれなりにするんじゃなかろうか。それをまったく構いもせずプチコは器に【クリーン】をかけるとそのまま直に鍋へと差し込んだ。まあそうだよな…お玉とかないんだから。

「どうぞ。ちょっと野菜などがあまり掬えませんでしたが」
「いいよ。うん…味は薄いがよく出来ているよ」

 受け取った器に早速口を付け食べる。調味料もないのに普通に食べられるレベルで驚いた。どうやら干し肉を利用しているみたいだ。確かにこれなら塩気があるからね。入っていた野菜は人参だった。

 それぞれ食事を済ませ食後に紅茶をもらい、今日も快適に暮らすための努力を始めようか。本日の作業は同じことを繰り返す単純作業。このぼこぼこな地面をある程度平らにすることだ。土に関するスキルがあればいいんだろうが、俺たちは持っていないので手作業になる。いくつも回収した大木の細めの枝を束ねるように持ち箒のように扱い、大木が無くなったことで出来てしまった穴を埋めていく。穴の深さはそれなりにあり、それがいつくもあるのだから多分今日中には終わらない。まあ穴に落ちたら危ないので、埋めておいた方がいいことは確かだ。

 途中休憩をはさみながら進め、中央から始めてやっと3分の1くらいが終わる。10歳の体はエネルギー切れだと先ほどから訴えていた。そんな俺はプチコが食事を作る様子をじっと眺める。すると朝疑問に思っていたことが解決され、俺は1人納得する。どうやら野菜はスキルを使って切っていたらしい。刃物を持っていないのに気がつくとプチコが手に持っていた野菜がバラバラになって鍋へと落ちていくのだ。
 そういえばスキルと言えば俺のスキル【ガチャ】も少しだけわかってきたことがある。やっぱり名前からしてわかるように結構当たり外れが大きくて、対価の質が悪いとハズレが出やすいみたいだ。その辺の石ころとかほとんどがたわしになることからもよくわかる。というか俺の中ではたわしがハズレという感覚が染みついてしまったようだ。家を追放された原因でもあるし、大人の記憶の中でもハズレと言えばたわしみたいな何かがあったような…なかったような? きっとどうでもいい記憶なんだろう。はっきりとは思い出せなかった。

「アルムさまどうぞ」

 完成したスープとパンをプチコが差し出した。それを受け取り器に口を付ける。器がこれしかないのでさっさと食べないとプチコが食べられないのだ。こういっては何だけど、プチコがいてくれてほんと助かった。多分俺一人だったら全部そのままかじっていただけだったからね。味気ないけど温かいスープに顔が緩んだ。
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