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10.怖がるんじゃない
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ぐるぐる…ぐるぐる…視界が回る。いや、回っているのは自分自身なのかもしれない。あいまいでよくわからない感覚に身をゆだねていると、不意に聞きなれた声が耳へと入る。
「…アルムさまっ」
「ん?」
どうやらプチコが俺の体を揺すっていたせいで夢なのか現実なのかよくわからない感覚になっていたらしい。ぼんやりとする目を無理やり開くと部屋はまだ薄暗く、窓から差し込む柔らかな月と星の明かりがあるだけだった。
「アルムさま、外が騒がしいんです…」
「騒がしい…は?」
プチコは声を潜めそんなことを言い出した。ここ数日この大森林で過ごしているが、昼間鳥の声くらいなら聞こえているが他には特に聞こえてはいない。夜だって同じく鳥と何かの虫の鳴き声くらいなら聞こえていたが、うるさいほど泣いていたのは聞いた事がなかった。
目を閉じ耳へと意識を集中すると、確かにいつもと違う騒がしさがあるようにも感じた。俺はそっと窓から外を見て見ることに。視界に入ったのはたくさんの2足歩行の動物だった。
「あれは猿か?」
「動物でしょうか、魔獣何でしょうか…それによっては危険度が変わってきますけど」
俺はさらに反対側の小窓の方も大岩を取り出してよじ登り外を見て見た。いやいや…危険度がどうとかいう問題じゃない。こっち側にもいるってことはぐるっと囲まれているってことだ。
「まいったな…」
ちらりとプチコを見ると不安そうな顔をしている。そりゃそうだよな~ 俺と違って剣術の稽古とかしてたわけじゃない。はっきり言ってただの一般女性なんだ。まあ俺だって稽古しかやってないから実戦は初めてだ。
「渋ってる場合じゃないよな」
俺はどうすれば2人とも生き残れるか考える。自分自身は安全が確保されているので問題はプチコの方だ。出来るだけやつらの視界に入れないようにしないといけないだろう。となると隠れてもらうのが一番いい。
「プチコ、そこの床に収納スペースがあるから中にに入ってくれ」
「アルムさまはどうするんですか?」
「知っているだろう? 俺は怪我をしないんだ。時間をかければあいつらを倒すことも追い払うことも出来るさ」
「…無理だけはしないでくださいね?」
「ああ」
プチコが床収納に入るのを見届けると、俺はその上から毛布をかぶせ、さらに一度ベッドを【アイテムボックス】にしまってからその上へと出しなおす。少しでも見つかることをこれで遅らせることが出来るだろうか。
次に高い位置にある窓を開け、外側についている雨戸を閉め、反対側にある窓の雨戸も閉めた。俺が窓を開けた時に猿達が一斉にこっちを見たのはちょっとビビったが。一応これでログハウスの中への侵入の時間も稼げただろう。最後に俺は玄関から外へと出て扉の鍵を閉めた。俺が背中を向けた瞬間、猿達が一斉に声をあげ走り出す…
「だよな~…よし! 怖がるんじゃない俺っ 死ぬことはない! 怪我もしない!! これは模擬戦の延長だっ」
頬を叩き気合を入れる。【アイテムボックス】からほどほどの太さと長さの枝を取り出し、俺は猿達へと向かっていくのだった。
枝を振り、猿達を殴りつける。やっぱり刃が無いから10歳の力じゃ仕留めきれなくて、どうにか意識を奪うことしか出来ない。それも数匹転がしたところで猿達が警戒し始め、俺を襲うだけじゃなくログハウスを壊そうとするやつらも出始める。そうだよな~ 中にまだ獲物がいるかもしれないと確認はするよな~ あっさりと壊されると流石に困る。窓とかは金属のシャッターで閉じられているからしばらくは持つ。一番危険なのはやっぱり玄関か…いやっ しまった!! このログハウスには暖炉があって、煙突がある! そこを塞いでいないっ 気がつかれたらまずいじゃないか。
「どうする?」
流石に屋根の上に登るのは無理がある。俺が視線を屋根の上へ向けると、まるでそれを待っていたかのように周りの猿達が俺へと飛び掛かってきた。
「くそっ」
群がってきた猿達に押しつぶされ身動きが取れなくなる。早くプチコの所へ向かいたいのに、それが出来なくてもどかしい。
「どきやがれ~~~っ」
こんなことをしている場合じゃないんだ! 1人の方が動きやすいし、プチコが危険にさらされることがないと思たんだ! 俺に張り付いていればある程度安全ではあるが、それも完璧じゃない。だから連れてこなかった!
「邪魔だ~~~!!」
こいつらまとめて【アイテムボックス】にしまえたらどんなに助かるか。【アイテムボックス】は生きているままではしまうことが出来ないらしい。試してみて初めて知った。
「…ならっ」
俺はすぐ近くの猿に手を伸ばし、もう1つのスキルを使用した。すると手で触れていた猿の姿が消える。
「まじかよ」
【ガチャ】はその逆で生きていようが、スキルを使用するための対象に出来てしまったようだ。少しだけ気が乗らないが、こうでもしないとこいつらは俺を解放してくれないんだ。そう自分に言い聞かせ俺は次々と猿達を【ガチャ】の対価として扱うのだった。
「…アルムさまっ」
「ん?」
どうやらプチコが俺の体を揺すっていたせいで夢なのか現実なのかよくわからない感覚になっていたらしい。ぼんやりとする目を無理やり開くと部屋はまだ薄暗く、窓から差し込む柔らかな月と星の明かりがあるだけだった。
「アルムさま、外が騒がしいんです…」
「騒がしい…は?」
プチコは声を潜めそんなことを言い出した。ここ数日この大森林で過ごしているが、昼間鳥の声くらいなら聞こえているが他には特に聞こえてはいない。夜だって同じく鳥と何かの虫の鳴き声くらいなら聞こえていたが、うるさいほど泣いていたのは聞いた事がなかった。
目を閉じ耳へと意識を集中すると、確かにいつもと違う騒がしさがあるようにも感じた。俺はそっと窓から外を見て見ることに。視界に入ったのはたくさんの2足歩行の動物だった。
「あれは猿か?」
「動物でしょうか、魔獣何でしょうか…それによっては危険度が変わってきますけど」
俺はさらに反対側の小窓の方も大岩を取り出してよじ登り外を見て見た。いやいや…危険度がどうとかいう問題じゃない。こっち側にもいるってことはぐるっと囲まれているってことだ。
「まいったな…」
ちらりとプチコを見ると不安そうな顔をしている。そりゃそうだよな~ 俺と違って剣術の稽古とかしてたわけじゃない。はっきり言ってただの一般女性なんだ。まあ俺だって稽古しかやってないから実戦は初めてだ。
「渋ってる場合じゃないよな」
俺はどうすれば2人とも生き残れるか考える。自分自身は安全が確保されているので問題はプチコの方だ。出来るだけやつらの視界に入れないようにしないといけないだろう。となると隠れてもらうのが一番いい。
「プチコ、そこの床に収納スペースがあるから中にに入ってくれ」
「アルムさまはどうするんですか?」
「知っているだろう? 俺は怪我をしないんだ。時間をかければあいつらを倒すことも追い払うことも出来るさ」
「…無理だけはしないでくださいね?」
「ああ」
プチコが床収納に入るのを見届けると、俺はその上から毛布をかぶせ、さらに一度ベッドを【アイテムボックス】にしまってからその上へと出しなおす。少しでも見つかることをこれで遅らせることが出来るだろうか。
次に高い位置にある窓を開け、外側についている雨戸を閉め、反対側にある窓の雨戸も閉めた。俺が窓を開けた時に猿達が一斉にこっちを見たのはちょっとビビったが。一応これでログハウスの中への侵入の時間も稼げただろう。最後に俺は玄関から外へと出て扉の鍵を閉めた。俺が背中を向けた瞬間、猿達が一斉に声をあげ走り出す…
「だよな~…よし! 怖がるんじゃない俺っ 死ぬことはない! 怪我もしない!! これは模擬戦の延長だっ」
頬を叩き気合を入れる。【アイテムボックス】からほどほどの太さと長さの枝を取り出し、俺は猿達へと向かっていくのだった。
枝を振り、猿達を殴りつける。やっぱり刃が無いから10歳の力じゃ仕留めきれなくて、どうにか意識を奪うことしか出来ない。それも数匹転がしたところで猿達が警戒し始め、俺を襲うだけじゃなくログハウスを壊そうとするやつらも出始める。そうだよな~ 中にまだ獲物がいるかもしれないと確認はするよな~ あっさりと壊されると流石に困る。窓とかは金属のシャッターで閉じられているからしばらくは持つ。一番危険なのはやっぱり玄関か…いやっ しまった!! このログハウスには暖炉があって、煙突がある! そこを塞いでいないっ 気がつかれたらまずいじゃないか。
「どうする?」
流石に屋根の上に登るのは無理がある。俺が視線を屋根の上へ向けると、まるでそれを待っていたかのように周りの猿達が俺へと飛び掛かってきた。
「くそっ」
群がってきた猿達に押しつぶされ身動きが取れなくなる。早くプチコの所へ向かいたいのに、それが出来なくてもどかしい。
「どきやがれ~~~っ」
こんなことをしている場合じゃないんだ! 1人の方が動きやすいし、プチコが危険にさらされることがないと思たんだ! 俺に張り付いていればある程度安全ではあるが、それも完璧じゃない。だから連れてこなかった!
「邪魔だ~~~!!」
こいつらまとめて【アイテムボックス】にしまえたらどんなに助かるか。【アイテムボックス】は生きているままではしまうことが出来ないらしい。試してみて初めて知った。
「…ならっ」
俺はすぐ近くの猿に手を伸ばし、もう1つのスキルを使用した。すると手で触れていた猿の姿が消える。
「まじかよ」
【ガチャ】はその逆で生きていようが、スキルを使用するための対象に出来てしまったようだ。少しだけ気が乗らないが、こうでもしないとこいつらは俺を解放してくれないんだ。そう自分に言い聞かせ俺は次々と猿達を【ガチャ】の対価として扱うのだった。
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