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11.このダンジョンは虫しかいないのかと思う今日この頃
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「というわけでよろしくねナナミン。」
なんだかよくわからないけどパメラさんによろしくされてしまった。今きっと私はすごい変な顔をしているにちがいない。そんな私に気がついたアーシャさんが言葉をたしてくれる。
「パメラ全然説明がないわよ…」
「…あれ?そうだっけ。んーとナナミンは私達のパーティメンバーに決定しました!」
「え…?いやあの…決定??」
「「違う!!」」
アーシャさんとリックの声がはもった。違うってどれを訂正してるのかもわからないよー!誰かもうちょっと詳しく教えて。そんなことを考えているとため息をついたルシアさんが話をまとめてくれた。
「あーつまり3人で話し合った結果ナナミをパーティメンバーに入れてもいいんじゃないかってところか?まあなんにせよ本人に確認取らなければ決定じゃないだろう…だよなパメラ?」
「そうだったっつい先走って…えへ?」
どうやら私をパーティのメンバーとして誘ってくれているらしい。確かに誘われるのは嬉しいのだけど1つ問題があるんだよね。私は家に帰りたいだけだしそれに付き合ってくれるのかどうか…それとそのための資金稼ぎ。こうやって依頼を受けるのとパーティに入るのどっちのが稼げるのかわからない。
「誘ってもらえるのはうれしいんだけど、家に帰る方法とその資金稼ぎをしたいのでパーティに入ると行動が制限されそうで困るんです。ですのでお断り…」
「あーそういえばナナミは情報が欲しいんだったな。だったらなおさらパーティに入ったほうがいい。資金も情報もそのほうが手に入るだろう。」
なんと…そうだったの?それだったら断る理由はないじゃない…リックがニヤニヤをこっちを見てて相手の思い通りになるのがちょっといやだけど、欲しいものが手に入るのだからこれを利用しない手はない。
「う…そういうことならお願いします?」
「やった~~これで私の仕事が減るっ」
「おまえ本音はそれかっ」
「まあナナミよろしくな。」
ルシアさんの差し出してきた手をそっと握り握手をする。その時に一瞬だけルシアさんの顔が別人に見えた気がしたのだけどたぶんそれは気のせいだったんだろうと振り払った。
パーティに入ることが決まったことで私の役割分担が説明された。新しく入る場所、初めてみる魔物、アイテム…なんでも片っ端から鑑定をするらしい。ためしにこの部屋を鑑定すると地下12階セーフゾーンと表示された。魔物が入ってこれない部屋らしい。
とりあえず今はそれだけでいいらしいので先に進むことになった。もっと細かいことはダンジョンから戻ってから話し合うことになるらしい。
蜘蛛たちを蹴散らしながら13階を目指し先へ進む。いまさら鑑定は必要ないかもだけど一応調べてみる。
名前:ケイブタランチュラ
種族:タランチュラ族
ランク:F
体力:F
魔力:F
筋力:F
防御力:F
生命力:E
俊敏性:E
器用さ:D
知力:F
運:F
なるほど…魔物は名前とかどのくらいの強さなのかくらいしかわからないのか…そしてもしかしなくても蜘蛛は私よりも弱い。
「武器があれば私でも狩れないことないのか…」
まあやりませんけど!
「そうだなナナミは武器がいるな。」
「…え?」
ちょっと待って…っ無理だから!こんな大きな生き物を殺すとか無理だから!!
きっと今私の顔は真っ青になっている。自分で血の気が下がる感覚を感じたくらいだ。ほんとなんとなく思ったことを言っただけだったのに…うん、言葉には気をつけよう。
☆
☆
☆
13階に下りた。ここに蜘蛛はいないみたいだ。その代わり少ないけどたまにヤツを見かける。一番多く見かけるのは12階で見た蜘蛛よりも少しだけ小ぶりな蟷螂だ。あーちょっとだけ安心する…みた目だけならこっちのほうが幾分ましだからね。…とお仕事お仕事。
名前:ケイブマンティス
種族:マンティス族
ランク:F
体力:F
魔力:F
筋力:F
防御力:F
生命力:E
俊敏性:D
器用さ:E
知力:F
運:F
ぎゃー私より素早い。気をつけないと攻撃が避けられないかもしれない。盾重要。しっかりと構えておかないとね。そんなことを考えながらみんなの後をついていく。たまにヤツに会うのでちょっとビクビクだ。ちなみにヤツはオールFだった。私より全然弱いけど…苦手なものはどうしようもない。そしてみんなはさくさくと狩りをすすめていく。
「ナナミ仕事忘れてるわよ。」
アーシャさんがこちらを見ながら指摘してきた。仕事…あ。はい、アイテム拾うのも私の仕事だったよ!鑑定のことばかり気にしてて本来の仕事すっかり忘れてた。アイテムを回収していると視界の端に銀太ががんばって蟷螂を押さえつけているのが見えた。うん…がんばってるね。反対側にはライムが…えーと…気のせいかな。今蟷螂丸ごと取り込んでいたような…見間違いだよね?…ああっやっぱ丸ごとだーっ
「ライム食べちゃだめだよー!!」
『ん~~?たべてないよぉーこうすると、あいてむもついでにひろえるの~』
えー…食べているわけじゃなくても見た目的にちょっとだめでしょう…ああっまたやってるっ
「おーいナナミちょっとこっちきてくれ。」
ライムの行動を見ていたらリックに呼ばれた。なんだろう…わざわざ私を呼ぶくらいだから何か鑑定の仕事だろうか?前のほうにいるリックのところに向かうと通路を半分くらい埋めているものがあった。
「なにこれ…」
「不自然だろ?だからちょっと鑑定してくれ。」
通路の土壁と違って少し白っぽい。その部分をリックがぺしぺし叩いている。多分この部分だけ壁じゃないんだ。…気のせいかどっかで見たことがある形をしているんだけど、まさか…ね。
「リック…叩くのやめて?もしかすると…あっ」
リックが叩いていた場所に亀裂が入った。その隙間からもぞもぞと動くものが見える。
「なんだ思ったよりもろいな。これなら壊せばいいか。」
「だだだだめだよ!ひっ火はないの?」
「火~?残念ながら攻撃魔法がメインのヤツがいないからな~ところで鑑定結果は?」
「鑑定するまでもないよ!それケイブマンティスの卵っ」
教えるのが遅かったのを後悔した。卵は割れ中からわらわらと小ぶりな蟷螂が出てきた。サイズや色がそろって出てくる姿ははっきり言って気持ち悪い。
「うわっすごい量だな。」
「ひゃあああぁ~~無理無理っこれはだめでしょう!」
「…っとナナミはこっちな。」
あわててきた道へ引き返そうとした私をルシアさんが抱えあげた。
「またどっかに行かれたら面倒だから大人しくしててくれ。」
「ここここれは……っ」
私の今の状況を説明するとうわさには聞いたことがあるお姫様抱っこをされている状態で、かなり恥ずかしい!
「すまんがナナミ両手塞がると剣が使えないからしがみついてくれ。」
「いやーーーっ降ろして~~」
近い近い顔が近い!それにお姫様抱っこは恥ずかしくて死にたい!必死に抵抗してみるが流石にルシアさんの力にはかなわなかった。
「…この中に降ろしても逃げないか?」
「この中…」
足元には蟷螂の子供がうじゃうじゃとひしめき合っていた。うへぇ…降りるのも無理だよ……
「し…しがみつきます…」
「じゃあ落とされないように…なっ」
言い終わるとルシアさんは大きな剣を片手で振り回す。本当は両手で使うものなんだろうけど私を片手で支えているから、少しだけつらそうだ。もうほんとお荷物でごめんなさいっ…と心の中で誤っておこう。
リックが短剣で確実に仕留める。ルシアさんが剣を大きく振り大量になぎ払う。弓を使うアーシャさんも地道に矢を射ってるみたい。
「準備できたよっ」
そんなときに狩り中なのにパメラさんが口を開いた。気がつかなかったけど何か準備していたらしい。
「わかったリック、ナナミを頼む。」
「へ?」
リックがルシアさんの横を通り抜けつつ私を引き剥がす。今度は小脇に抱えられていて荷物みたいだ。どうやらルシアさん以外後ろへ下がるらしい。アーシャさんの後ろにいたパメラさんが何かをアーシャさんに渡している。私とリックはさらにその後ろへ下がるようだ。
チラリとこちらを見たルシアさんが剣を両手で構え大きく一振りすると、勢いよくこっちに向かって走り出した。それと同時にアーシャさんが矢に先ほど渡されたものをくくりりつけて射る。それは先ほど卵があった場所に突き刺さると爆発をした。
「ひゃう…っ」
洞窟の中とあって音が大きくて驚いた私はぎゅっと目を閉じた。音が収まった後、恐る恐る目を開けるとパメラさんの手前で爆発によって巻き上がった砂などが空中で巻き上がっている。まるでそこに見えない壁でもあるみたいで不思議だ。アーシャさんもルシアさんもいつの間にかパメラさんより裏のほうにいる。
「あいかわらずえげつない威力だな…」
「そう?自分のシールドに耐えられるだけの威力にしただけだもの、むしろすごいのは私の魔法のほうじゃないかな?」
「魔法…」
魔法ってたまに耳に入ってくるけどえーと…つまりその見えない壁がその魔法ってこと…?
「この国の人たちは魔法とか本当に使えるのね…リナだけじゃないんだ。」
「いやいやいや…ナナミも使えてるだろう?」
リックに不思議そうな顔をされたんだけど、そもそも私は魔法は生まれてこの方使ったことはない。
「ナナミお前…」
「はい、話はそこまでっ残りを処理するのが先だからね?」
そうだったまだ蟷螂たちは全部処理されていないのだった。そしてこの爆発で一気に処理した状態ということは…
「ナナミもどんどんアイテムを拾って!」
「うわ~ん…」
この大量のアイテムを回収するお仕事が待っていた。
アイテム回収はライムと手の空いていたパメラさんが手伝ってくれたので助かった。1人で全部拾うとかほんと無理な量だったからね?そんな文句は口にださずみんなの後ろをついて先へ進む。蟷螂の大群とかお姫様抱っことかでもうほんと私は疲れたよ…
そんな苦労はさておき、何とか13階のセーフゾーンに到達。今日はここで一晩休んでから明日一気に18階までは降りる予定らしい。
「じゃあまずは食事にするか。ナナミとりあえず干し肉2枚と黒パンあと水を各自の分だしてくれ。」
食べるものをリックが指示をだしたのでそれをマジックバックから取り出しみんなに配布する。ほんとうにそれだけで足りるのだろうかと心配になる量だ。まあ…食事は各自準備が基本らしいから仕方がないのかもだけど私だけ違うものを取り出すのが少しだけ申し訳なくなる。まあもちろんそれでも食べないとお腹すくので食べるんだけどね!
「…ナナミまた変なもん食ってるんだな。」
「変かな…ただのクリームパンだよ?」
ちなみに銀太にはハムサンド、ライムにはジャムパンをあげた。
『これもあま~い。』
『なんかかわった肉だな…まあおいしいからいいけどっ』
「パン…だと?」
「柔らかそうなパンね…」
「あ、あげませんよ?」
リックとパメラさんが私のパンをすっごい目で見てる…はっきり言って怖い。
「ナナミは見たことがないものばかり持っているんだな…ほんとあんまり見せないほうがいいぞ?」
「でも黒パンとか干し肉とか私には無理だからあきらめてください。」
あれかな…周りから見えないように食べられる状況ならルシアさんも文句言わなくなるんじゃないかな?お金増えたらテントとか考えてみようかな。
この後リックとパメラさんの視線を受けながら食事をすませ、寝るために寝袋を出したらますますルシアさんに困った顔をされた。
「…ん?」
寝袋に入ってからどのくらいたったかわからないけどなんか物音が聞こえた。耳を済ませてみるけど特に話し声とかは聞こえない。まだみんなは寝ているみたい。でも音は聞こえた気がするので周りを見るために体を起こすと、リックのところで何かが光った。
手の所に何か光るもの…なんだろう?あ…消えた。夢とかだったのかな…まあまだちょっと眠いしふわふわするからもう少し寝よう。
もう一度体を横にして私は眠ることにした。
なんだかよくわからないけどパメラさんによろしくされてしまった。今きっと私はすごい変な顔をしているにちがいない。そんな私に気がついたアーシャさんが言葉をたしてくれる。
「パメラ全然説明がないわよ…」
「…あれ?そうだっけ。んーとナナミンは私達のパーティメンバーに決定しました!」
「え…?いやあの…決定??」
「「違う!!」」
アーシャさんとリックの声がはもった。違うってどれを訂正してるのかもわからないよー!誰かもうちょっと詳しく教えて。そんなことを考えているとため息をついたルシアさんが話をまとめてくれた。
「あーつまり3人で話し合った結果ナナミをパーティメンバーに入れてもいいんじゃないかってところか?まあなんにせよ本人に確認取らなければ決定じゃないだろう…だよなパメラ?」
「そうだったっつい先走って…えへ?」
どうやら私をパーティのメンバーとして誘ってくれているらしい。確かに誘われるのは嬉しいのだけど1つ問題があるんだよね。私は家に帰りたいだけだしそれに付き合ってくれるのかどうか…それとそのための資金稼ぎ。こうやって依頼を受けるのとパーティに入るのどっちのが稼げるのかわからない。
「誘ってもらえるのはうれしいんだけど、家に帰る方法とその資金稼ぎをしたいのでパーティに入ると行動が制限されそうで困るんです。ですのでお断り…」
「あーそういえばナナミは情報が欲しいんだったな。だったらなおさらパーティに入ったほうがいい。資金も情報もそのほうが手に入るだろう。」
なんと…そうだったの?それだったら断る理由はないじゃない…リックがニヤニヤをこっちを見てて相手の思い通りになるのがちょっといやだけど、欲しいものが手に入るのだからこれを利用しない手はない。
「う…そういうことならお願いします?」
「やった~~これで私の仕事が減るっ」
「おまえ本音はそれかっ」
「まあナナミよろしくな。」
ルシアさんの差し出してきた手をそっと握り握手をする。その時に一瞬だけルシアさんの顔が別人に見えた気がしたのだけどたぶんそれは気のせいだったんだろうと振り払った。
パーティに入ることが決まったことで私の役割分担が説明された。新しく入る場所、初めてみる魔物、アイテム…なんでも片っ端から鑑定をするらしい。ためしにこの部屋を鑑定すると地下12階セーフゾーンと表示された。魔物が入ってこれない部屋らしい。
とりあえず今はそれだけでいいらしいので先に進むことになった。もっと細かいことはダンジョンから戻ってから話し合うことになるらしい。
蜘蛛たちを蹴散らしながら13階を目指し先へ進む。いまさら鑑定は必要ないかもだけど一応調べてみる。
名前:ケイブタランチュラ
種族:タランチュラ族
ランク:F
体力:F
魔力:F
筋力:F
防御力:F
生命力:E
俊敏性:E
器用さ:D
知力:F
運:F
なるほど…魔物は名前とかどのくらいの強さなのかくらいしかわからないのか…そしてもしかしなくても蜘蛛は私よりも弱い。
「武器があれば私でも狩れないことないのか…」
まあやりませんけど!
「そうだなナナミは武器がいるな。」
「…え?」
ちょっと待って…っ無理だから!こんな大きな生き物を殺すとか無理だから!!
きっと今私の顔は真っ青になっている。自分で血の気が下がる感覚を感じたくらいだ。ほんとなんとなく思ったことを言っただけだったのに…うん、言葉には気をつけよう。
☆
☆
☆
13階に下りた。ここに蜘蛛はいないみたいだ。その代わり少ないけどたまにヤツを見かける。一番多く見かけるのは12階で見た蜘蛛よりも少しだけ小ぶりな蟷螂だ。あーちょっとだけ安心する…みた目だけならこっちのほうが幾分ましだからね。…とお仕事お仕事。
名前:ケイブマンティス
種族:マンティス族
ランク:F
体力:F
魔力:F
筋力:F
防御力:F
生命力:E
俊敏性:D
器用さ:E
知力:F
運:F
ぎゃー私より素早い。気をつけないと攻撃が避けられないかもしれない。盾重要。しっかりと構えておかないとね。そんなことを考えながらみんなの後をついていく。たまにヤツに会うのでちょっとビクビクだ。ちなみにヤツはオールFだった。私より全然弱いけど…苦手なものはどうしようもない。そしてみんなはさくさくと狩りをすすめていく。
「ナナミ仕事忘れてるわよ。」
アーシャさんがこちらを見ながら指摘してきた。仕事…あ。はい、アイテム拾うのも私の仕事だったよ!鑑定のことばかり気にしてて本来の仕事すっかり忘れてた。アイテムを回収していると視界の端に銀太ががんばって蟷螂を押さえつけているのが見えた。うん…がんばってるね。反対側にはライムが…えーと…気のせいかな。今蟷螂丸ごと取り込んでいたような…見間違いだよね?…ああっやっぱ丸ごとだーっ
「ライム食べちゃだめだよー!!」
『ん~~?たべてないよぉーこうすると、あいてむもついでにひろえるの~』
えー…食べているわけじゃなくても見た目的にちょっとだめでしょう…ああっまたやってるっ
「おーいナナミちょっとこっちきてくれ。」
ライムの行動を見ていたらリックに呼ばれた。なんだろう…わざわざ私を呼ぶくらいだから何か鑑定の仕事だろうか?前のほうにいるリックのところに向かうと通路を半分くらい埋めているものがあった。
「なにこれ…」
「不自然だろ?だからちょっと鑑定してくれ。」
通路の土壁と違って少し白っぽい。その部分をリックがぺしぺし叩いている。多分この部分だけ壁じゃないんだ。…気のせいかどっかで見たことがある形をしているんだけど、まさか…ね。
「リック…叩くのやめて?もしかすると…あっ」
リックが叩いていた場所に亀裂が入った。その隙間からもぞもぞと動くものが見える。
「なんだ思ったよりもろいな。これなら壊せばいいか。」
「だだだだめだよ!ひっ火はないの?」
「火~?残念ながら攻撃魔法がメインのヤツがいないからな~ところで鑑定結果は?」
「鑑定するまでもないよ!それケイブマンティスの卵っ」
教えるのが遅かったのを後悔した。卵は割れ中からわらわらと小ぶりな蟷螂が出てきた。サイズや色がそろって出てくる姿ははっきり言って気持ち悪い。
「うわっすごい量だな。」
「ひゃあああぁ~~無理無理っこれはだめでしょう!」
「…っとナナミはこっちな。」
あわててきた道へ引き返そうとした私をルシアさんが抱えあげた。
「またどっかに行かれたら面倒だから大人しくしててくれ。」
「ここここれは……っ」
私の今の状況を説明するとうわさには聞いたことがあるお姫様抱っこをされている状態で、かなり恥ずかしい!
「すまんがナナミ両手塞がると剣が使えないからしがみついてくれ。」
「いやーーーっ降ろして~~」
近い近い顔が近い!それにお姫様抱っこは恥ずかしくて死にたい!必死に抵抗してみるが流石にルシアさんの力にはかなわなかった。
「…この中に降ろしても逃げないか?」
「この中…」
足元には蟷螂の子供がうじゃうじゃとひしめき合っていた。うへぇ…降りるのも無理だよ……
「し…しがみつきます…」
「じゃあ落とされないように…なっ」
言い終わるとルシアさんは大きな剣を片手で振り回す。本当は両手で使うものなんだろうけど私を片手で支えているから、少しだけつらそうだ。もうほんとお荷物でごめんなさいっ…と心の中で誤っておこう。
リックが短剣で確実に仕留める。ルシアさんが剣を大きく振り大量になぎ払う。弓を使うアーシャさんも地道に矢を射ってるみたい。
「準備できたよっ」
そんなときに狩り中なのにパメラさんが口を開いた。気がつかなかったけど何か準備していたらしい。
「わかったリック、ナナミを頼む。」
「へ?」
リックがルシアさんの横を通り抜けつつ私を引き剥がす。今度は小脇に抱えられていて荷物みたいだ。どうやらルシアさん以外後ろへ下がるらしい。アーシャさんの後ろにいたパメラさんが何かをアーシャさんに渡している。私とリックはさらにその後ろへ下がるようだ。
チラリとこちらを見たルシアさんが剣を両手で構え大きく一振りすると、勢いよくこっちに向かって走り出した。それと同時にアーシャさんが矢に先ほど渡されたものをくくりりつけて射る。それは先ほど卵があった場所に突き刺さると爆発をした。
「ひゃう…っ」
洞窟の中とあって音が大きくて驚いた私はぎゅっと目を閉じた。音が収まった後、恐る恐る目を開けるとパメラさんの手前で爆発によって巻き上がった砂などが空中で巻き上がっている。まるでそこに見えない壁でもあるみたいで不思議だ。アーシャさんもルシアさんもいつの間にかパメラさんより裏のほうにいる。
「あいかわらずえげつない威力だな…」
「そう?自分のシールドに耐えられるだけの威力にしただけだもの、むしろすごいのは私の魔法のほうじゃないかな?」
「魔法…」
魔法ってたまに耳に入ってくるけどえーと…つまりその見えない壁がその魔法ってこと…?
「この国の人たちは魔法とか本当に使えるのね…リナだけじゃないんだ。」
「いやいやいや…ナナミも使えてるだろう?」
リックに不思議そうな顔をされたんだけど、そもそも私は魔法は生まれてこの方使ったことはない。
「ナナミお前…」
「はい、話はそこまでっ残りを処理するのが先だからね?」
そうだったまだ蟷螂たちは全部処理されていないのだった。そしてこの爆発で一気に処理した状態ということは…
「ナナミもどんどんアイテムを拾って!」
「うわ~ん…」
この大量のアイテムを回収するお仕事が待っていた。
アイテム回収はライムと手の空いていたパメラさんが手伝ってくれたので助かった。1人で全部拾うとかほんと無理な量だったからね?そんな文句は口にださずみんなの後ろをついて先へ進む。蟷螂の大群とかお姫様抱っことかでもうほんと私は疲れたよ…
そんな苦労はさておき、何とか13階のセーフゾーンに到達。今日はここで一晩休んでから明日一気に18階までは降りる予定らしい。
「じゃあまずは食事にするか。ナナミとりあえず干し肉2枚と黒パンあと水を各自の分だしてくれ。」
食べるものをリックが指示をだしたのでそれをマジックバックから取り出しみんなに配布する。ほんとうにそれだけで足りるのだろうかと心配になる量だ。まあ…食事は各自準備が基本らしいから仕方がないのかもだけど私だけ違うものを取り出すのが少しだけ申し訳なくなる。まあもちろんそれでも食べないとお腹すくので食べるんだけどね!
「…ナナミまた変なもん食ってるんだな。」
「変かな…ただのクリームパンだよ?」
ちなみに銀太にはハムサンド、ライムにはジャムパンをあげた。
『これもあま~い。』
『なんかかわった肉だな…まあおいしいからいいけどっ』
「パン…だと?」
「柔らかそうなパンね…」
「あ、あげませんよ?」
リックとパメラさんが私のパンをすっごい目で見てる…はっきり言って怖い。
「ナナミは見たことがないものばかり持っているんだな…ほんとあんまり見せないほうがいいぞ?」
「でも黒パンとか干し肉とか私には無理だからあきらめてください。」
あれかな…周りから見えないように食べられる状況ならルシアさんも文句言わなくなるんじゃないかな?お金増えたらテントとか考えてみようかな。
この後リックとパメラさんの視線を受けながら食事をすませ、寝るために寝袋を出したらますますルシアさんに困った顔をされた。
「…ん?」
寝袋に入ってからどのくらいたったかわからないけどなんか物音が聞こえた。耳を済ませてみるけど特に話し声とかは聞こえない。まだみんなは寝ているみたい。でも音は聞こえた気がするので周りを見るために体を起こすと、リックのところで何かが光った。
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