異世界とか魔法とか魔物とかいわれてもこまる

れのひと

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10.蜘蛛のがヤツよりましだけど糸がベタベタして困る

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「ところでナナミ。」
「ん?」

 地下11階を急いで走りぬけ12階へついたころルシアさんが話しかけてきた。もちろんそこにつくまでもあいつらがいたからもう我慢するのが大変だったんだけどね!

「さっきの奴らの口ちゃんと塞いでおいたか?」
「……塞ぐ?」

 ってなにさ。物理的に抑えるって意味じゃないわよね…つまり黙らせるってこと??何を?
 何を言われているのかわからない私はただ首を傾げるばかりだ。

 通路を塞ぐようにたまに現れる蜘蛛…ケイブタランチュラ(というらしい)をリックが足止めしてルシアさんが切りかかる。そのすきに横から沸いた蜘蛛をアーシャさんが弓で射抜く。はっきり言ってリックのやってる足止めって何しているのかみてもよくわからない。

「その様子だと何も対策してないな…」

 ルシアさんが何を言いたいのかまったくわからないんだけど…とりあえず身長というかが膝くらいまである大きな蜘蛛を狩りながら雑談とか余裕だなと思う。私はその後に落ちているアイテムを拾うお仕事をするだけ。ブライトというヤツに似たのに比べれば蜘蛛のほうがまだかわいいもの。まあサイズはおかしいけどねっ

 さっきから拾ってる物は糸とブライトより少しだけ大きな魔石。拾ってぽいぽいっと鞄に放り込む簡単な作業。すると横から大きなため息が聞こえてくる。

「…はっきり言って無駄だと思うぞ?こいつ全然わかってなさそうじゃん。」
「やっぱりリックもそう思うか?」
「もー2人ともそんなこと言ってないで教えてあげればいいでしょうが。」

 なんだかわからないけどアーシャさんは金髪美人なだけじゃなく親切な人なのかもしれない。そして謎なのはこの人…パメラさん。ダンジョンに入ってから一度もしゃべらない。ただずっとニコニコしているだけでちょっと不気味だ。

「あれだナナミ…ダンジョンはいる前とさっき変わったもん食ってただろう?」
「変わったもの…なんて私食べてました?」

 はっきり言ってそんな記憶はないんだけど…パンと飴しか食べてないし。あーというかルシアさん余所見とかあぶないよ!目の前に蜘蛛が…はい。アーシャさんが処理するから問題ないのね。それにしてもダンジョンでの仕事っていうのはあれだね…害虫駆除か何か?よくみると天井に蝙蝠っぽいのもいるし…

「今日ナナミが俺達の前で出した食べ物は全部普通じゃなかったぞっ」
「……?」

 普通じゃないの?ますます首が傾いちゃうよ?よくみるとパメラさんがすごい勢いで頷いている。あー話を聞いていないわけじゃないのね。

「えーと…だとするとどうなるので??」
「変わったものを持っているのをいろんな人に知られると、まあ…人にもよるだろうが商談を持ち込まれたり、酷いやつだと全部奪われるぞ。」

 なにそれこわいっ
 商談くらいならよさそうな来もするけど、そもそも私商人じゃないしめんどくさい事したくない。

「じゃあルシアさん達は…?」

 これ重要。もしそんな人達と同じ考えだとすると私危険じゃない!

「そうだな…今のところ俺は興味ないかな。」
「俺は興味はあるが奪ってまではいらないかな。甘い解毒剤とか使いやすいし。」
「そうね…他にどんなものがあるか気になるところだけど、自分で目にしてない物を気にしても仕方ないわよね。」

 ルシアさん、リック、アーシャさん最後にパメラさんが頷いた。ちょっと安心した。でもリックあれは解毒剤じゃないからそんな効果は期待できないよ!

「とりあえず…っと。」

 会話しながらもルシアさんは蜘蛛を仕留めている。私もアイテムを拾うだけだけどちゃんと仕事はやらないとね!

「次の休憩のときにでもまた話すってことで今は先進もうか。」

 そうよね害虫駆除はしっかりやらないと後が大変だもんね。…ん?と言うことは私はその後に出るゴミを拾ってるってところかしら。

 それにしても…さっきからたまーに蜘蛛の攻撃が届くのか糸に絡まる私。動けなくなるほどじゃないから問題ないんだけど、べたべたして気持ち悪いよ!

「お…宝箱はっけーん。罠は…なさそうだな。」

 行き止まりの通路に1つちょっとだけ装飾のついた蓋付きの箱が転がっている。どうやらそれが宝箱らしい。こんな洞窟みたいなところにある箱とか何のために置かれてるんだろう?

「ナナミ開けてみるか?」
「えーと…何が入ってるの?」
「開けてみないとわかるわけないだろう…」

 それもそうか。私が開けてみてもいいらしいのでとりあえず開けてみることにする。ぱかりと…ん?中から出てきたのはなんか平らなもの。お皿のような…フリスビーのような?触った感じ割れ物ではなさそうだけど…少しだけ反っていてへこんだ側にでっぱりがついてる。

「なにこれ?」
「盾じゃないか?」
「たて?」

 立て…縦?違うか。

「鑑定すればはっきりわかるぞ。」

 鑑定…あー魔石見たときのやつか。腕輪を前に出し鑑定を試みる。やっぱりなんかへんな半透明の板が出た。

「レザーシールドって出てますね。なるほど、皮で出来た盾なんですね。……どうかしましたか?」

 私が鑑定するとリックとアーシャさんが驚いた顔をした。パメラさんはあわてて口を塞ぐ。そんな3人と違ってルシアさんはじっとこっちを見て何か考えているみたい。

「あれ…違いました?」
「たぶんあってるよ。リックいったんセーフゾーンへ行って早いが休憩にしよう。で、その盾はとりあえずナナミが使って。」
「他の人は使わないんですか?」
「盾はパメラが使うがすでに同じの持ってるからな。」

 チラリとパメラさんのほうを見れば手に持っている盾をぶんぶんと振っている。ほんとだ、私が今持ってるのと同じだ。それならそれなら私が使っててもいいのかな。





 それから蜘蛛を狩りつつセーフゾーンと呼ばれる魔物とか入ってこれない場所に向かう。もちろん私は相変わらずアイテムを拾うだけ。たまに盾を通り越して糸に絡まる。盾の使い方がいけないのかな…あーお風呂に入りたいっ

「あれ…ここって…」

 たどり着いたセーフゾーンと呼ばれる場所は11階で合流した場所によく似ていた。見た目が同じというのははっきりとわからないのだけど、なんというか…空気?が同じ気がする。

「早速だがナナミ、ダンジョンに入る前に買った鑑定石を見せてくれ。」

 そういえばそんなもの買ったね~普通に腕輪で使えたから忘れてたよ。
 ルシアさんの言うままにマジックバックから鑑定石を取り出す。それを手渡すとルシアさんの眉間にしわがよった。

「やっぱりな…」
「…?」

 なんか1人で納得しちゃってるんだけど…なに?
 私が渡した鑑定石と別にもう1つ手にして比べている。私が渡したほうは真っ白でもう1つは少し黒っぽい。

「わ~~ほんとだーっやっばいもしかしなくてもナナミン優秀?」

 目をキラキラさせながらパメラさんが鑑定石を覗きこんでいる。この人普通に話せるじゃない…というかむしろしゃべり方が騒がしいくらい。そしていつのまにか私のことはナナミンと呼ぶことに決めたんだ…

「もうこれは決めちゃうしかないでしょっと言うか私は大賛成!」

 話が見えないけどさっきからずっとパメラさんが話をしている。

「ねぇ~リックいいでしょ?というかだめだっていうならむしろ私がナナミンについてくし!」
「あーもう、おまえはちょっと落ち着けって。」
「落ち着けるわけないじゃんっそれに今狩り中じゃないんだから私がどれだけしゃべったって問題ないじゃないっ」

 あー…これは理解できた。パメラさんは話し出すと止まらなくなるんだね…だから狩り中はしゃべっちゃだめってことになっているんだ。

「はーい、2人とも落ち着いて~ナナミが1人で困っているわよ。」

 ありがとうアーシャさん。何を揉めているのかわからないからもちろん説明してくれるんだよね?期待しちゃうよっ

「この2つの違いわかるか?」

 私の目の前に鑑定石を2つ並べてルシアさんが差し出してきた。色が違うことははっきりとわかるけど…後は見てるだけじゃわからないね。なんか変かもしれないけど鑑定石を鑑定してみる。

「あ…鑑定して説明みると違いますね。」


 鑑定石:スキル石の1つで『鑑定』が使用できる。(8/10)

 スキル石:空のスキル石。スキルを入れることができる。


 最初のが黒いほう後のが白いほう。私が持っていた石はスキルが入っていない。でもちゃんと鑑定石として買ったはずなんだけどな…

「えーと…私買うときに騙されたのかな??」
「…そうだとするとナナミが鑑定を元から使えたことになるんだが、持ってたのかスキル?」
「うーん…スキルってどうやったら確認できますか?」
「自分のステータスを見れば出てくるが…今見たらたぶんすでにあるんじゃないか?」
「あーそれなら大丈夫です。この依頼受ける前に一度ステータス?見てます。」

 それにしてもすごいわよね…自分の情報がこの腕輪で見れるんだもの。スマホとかに入力してあるものなら見ることは出来たけど、ここではどうやっていろんな情報が見れるんだろう。私が住んでたとこよりよっぽど色々出来るみたい。…とそうだステータスステータス。

《ステータスヲヒョウジシマス》


      名前:ナナミ
      年齢:17
      種族:人間族
      職業:テイマー
  冒険者ランク:10級

      体力:E
      魔力:F

      筋力:F
     防御力:F
     生命力:B
     俊敏性:F
     器用さ:F
      知力:F
       運:C

    【スキル】『鑑定』

【ユニークスキル】『神通信』


 …あれ?うん、増えてるね鑑定が。

「どうだ?」
「…増えてますね。なんで?」

 アイテムを拾っているだけでスキルが増えるとも思えないんだけど… と不思議に思っているとルシアさんが説明してくれた。それによるとスキルの相性がいいものはスキル石から覚えることが出来るんだって。だから店とかで売ってるスキル石はむやみに触れないようになってるらしい。言われてみれば買ったときお金払うまで触ってなかったね。ということは…その時にもう私は覚えちゃったってことなんだね。スキル石はむやみにさわらない…と。 

「ナナミンすごいね~鑑定とか覚えられる人初めてみたよ~覚えられる人がいないから鑑定は基本スキル石だったし、スキルが成長すればもっと詳細は鑑定が出来るようになるんだよ!」

 パメラさんの話によると鑑定石で鑑定できないものや出来ない内容があるってことみたい。

「まじで覚えたのか…」
「ねえリックナナミすごいよ?だからいいでしょ?」
「うーん…荷物が持てて、鑑定持ち。でも自分では戦えないんだよな…」
「それこそ問題ないでしょうがっテイマーだよ?自分で戦わなくてもこの子達がずっと処理してたじゃないっ」

 銀太が『なに?』と首を傾け、ライムはマイペースにフルフルと動いている。自分達のことが話に出てちょっと気になってるみたい。とりあえず…銀太でももふもふしておくか。
 首のところをもふもふすると銀太は気持ちよさそうに目を細めた。結局のところ鑑定のことはわかったけど、リックとパメラさんは何をもめてるのかさっぱりだわ。

『おねーちゃんあまいの~』

 あーはいはい、ライムは飴好きだね~

「あーそうだルシアさん。ダンジョンから帰ったらお風呂入りたいんですけど、どこ行けば入れますか?」

 リックとパメラさんがまだ揉めていて、それを何とかしようとアーシャさんが間に入っているので会話に入ってないルシアさんに尋ねてみる。蜘蛛の糸でべたべたして気持ち悪いのだ。

「風呂か…貴族様とか豪商くらいじゃないか風呂持ってるの。」
「え…じゃあ汚れたりしたらどうしてるの??」

 まさか入ってないとか…言わないよね?

「水浴びしたり体拭く程度かな。そもそも宿に風呂とかないだろう?」

 宿にお風呂ないんだ!利用したことがないから知らなかったんだけど…これは困ったな。

「ナナミは風呂入ったことあるのか?」
「普通にお風呂あったし…ないほうが驚きなんだけど。」
「ナナミもしかして貴族なのか?王子と顔見知りみたいだったし…」
「う~ん…平民?だけど私の住んでたところは普通にどの家にもお風呂あったわよ?」
「まあ風呂くらいなくても問題ないだろう?」

 いやいやいや…問題はありありだよー!それにしてもお風呂ないのか…これはダンジョンから戻ったら自称神の人にお願いしてみなければ…

 そんなことを考えていたら話がまとまったのか機嫌のよさそうなパメラさんと疲れた顔をしたリック。それと困った顔をしたアーシャさんがこちらに視線を向けていた。
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