D.D.D

れのひと

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1章 柚木と柚果

待ち伏せ

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 母さんには帰りが遅くなると言っておいたから問題はない。日も落ちてだいぶ暗くなってきているが柚果はまだダンジョンから出てこない…

「中へ入ったほうが早い…か?」
「ダンジョンに狩りに来たのならそれが普通よね~」

 そうか…たしかにそのほうが不自然じゃないか。俺がダイバー登録しているのは知っているんだしな。今日たまたま俺がダンジョンの中にいたっておかしくはない。そうと決まればさっさと中へ入ろう。

「…登録証見せて」
「ほいっ」
「入っていいよ」

 拍子抜けだ…今日はあっさりと中へ入れた。というかこいつらも仕事なんだからこれくらいで普通なんだよっ あのおっさんがおかしいんだって!

「…っと、流石に夜は暗さが増すな」

 数メートル先が見えないくらいダンジョンの中が暗い。念のために持ってきた懐中電灯が役に立つな。2つの懐中電灯の明かりをつけると両腰に縛り付けた。手が塞がると戦えねぇし、一つだと明かりの範囲が足りないからな。とりあえず目の前の階段を一つ降りて1階層を探索するか。流石に登録したばかりで奥へと降りていないはずだろうしな。

「あ…」
「あ…っ は? おまっ こんなとこで何してんだよ!!」
「ゆー君こそ夜に来るなんて初めてじゃない??」
「……」

 まさかこんな簡単に会えるなんて俺の待ち時間はなんだったんだよ! おいっ 階段降りてすぐいるなんて誰もわからんって言うのもわかるが、それでも声を大にして言いたいっ

「お前こそこんな時間になにしてんだーーーっ!?」
「声が大きいよゆー君っ ここ洞窟だから響くんだよ?」
「い・い・か・ら、キリキリとはくっ」
「ええっ? 何って見たままだよ…ダイバー登録したからダンジョン来てるの」

 ぐ…っ 聞きたいのはそんな回答じゃないんだ! 

「さて、休憩終わり~ 私はもう少し狩りをするからまたねっ」
「あ、こらっ」

 立ち上がった柚果はさっさと走って奥へと消えてしまった。懐中電灯の明かりだけでは姿が見えないぞ…くそっ どうせ途中までは1本道だそれならば俺も向かうまで! …と意気込んで勢いよく歩き出した俺。数秒で再び柚果に遭遇…

「……」
「…何してんだほんと」
「さ、先行っていいよ?」

 …とりあえず通り過ぎて少し先に行った角から様子見するか。見えるかわからんが。と、少し先にしゃくとりむしがいるのが見えるな。とりあえずこいつを倒してから先へ…

「いやああああああっ」
「なんだっ?」
「ぐちゃって…びちゃってっ うねうねうね!!」
「もしかして虫が無理なのか…?」
「あんさんからも言ってやってくださいよっ」

 どこからともなく変な声が聞こえるな…

「ここやここっ どこ見とんねん! 耳につけるイヤリングやでぇ~」
「イヤリングがしゃべって…ああっ サポーターかこれ!!」
「ぴんぽんぴんぽん~ 大正解やっ」

 またこれは濃ゆいサポーターだな…だってよ、妖精の形をしたイヤリングが変な言葉しゃべるんだぜ? 俺のぬいぐるみよりやばい奴だ。
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