D.D.D

れのひと

文字の大きさ
12 / 20
1章 柚木と柚果

サポーターの能力

しおりを挟む
 その場で立ち話もなんだからと俺達は階段のところへ戻って来た。なぜかダンジョンは階段のところにモンスターがわかないらしいのだ。休憩するにはもってこいだな。

「で、どういう状況なんだ?」
「このお嬢さんな~ 虫が気持ち悪くて倒せないというんよ。そんなこと言ってたらこのダンジョン何にも狩れやしませんやろう?」

 …ん? ちょっと変なこと言わなかったかこのサポーター…

「ちょっと待ってくれ…えーと、このダンジョンは虫系しか出ないのか?」
「そんなことも知らんかったんか?」
「こっちのサポーターはそんなこと言わんかったぞっ」
「ああ~なるほどなぁっ あれやわ、わいはダンジョンの種族が感知出来る能力。そっちは何がわかるん?」
「階層数だよ~」
「まあそういうことやね」

 サポーターで能力にそんな差があるなんて聞いてないわっ 

「それでな、元から虫系だってわかっていたはずやのにこのお嬢さんはいまだに1匹も狩れずにいるってわけ」
「1匹も…?」
「1匹もや」
「ゆずか…ダイバー無理なんじゃないか? …って、お、おいっ」

 困った…いきなり泣き出したぞこいつ。泣いたって狩れないなら仕方ないんじゃないか?

「だって…だってぇ~」

 ぽろぽろぽろぽろと子供みたいに大粒の何だをこぼしながら柚果が泣いている…

「ぐすっ お金、稼がないと……おかっ お母さんが…ひっく…」
「いくらだ? いつまでにいくら稼げればいいんだ?」
「半年弱…で、5億くらい…?」

 ……いやダンジョンの通常の稼ぎじゃ間に合わないだろう。レベルが上がって稼ぎが変わったらまだわからないが、だけど今俺の時給でも多くて3000円だぞ? それになんでそんな高額が必要なんだ?

「なあゆずか、さすがにその病院ぼったくりすぎなんじゃないか?」
「ちがっ 手術代じゃないの…手術じゃ助かるかわからないから…だからっ」

───チリ~ン…

「話は聞かせてもらったわぁ~」
「げ、母さんっ?」

 ちょ…なんでこの人ここに来てんのっ しかもサポーターの猫の首には鈴付けてるしモンスターにみつかりやすいじゃねぇかっ

「ねぇ、あなたたちこんなとこで話していないでいったんお家へ帰りましょう? ご飯もまだなんだからまずは食べてから。ね?」
「母さ…」
「ゆーちゃんはちょっと黙って。ゆずちゃん一緒にご飯食べましょう?」
「ぐず…っ はい…」
「うん、いいこね~」

 まるで小さな子供をあやすみたいに母さんは柚果を撫でている。大人しくなでられている柚果の顔は涙でくちゃくちゃだ。

「ほらゆーちゃんも帰るわよ~」
「ああ」

しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...

MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。 ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。 さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか? そのほかに外伝も綴りました。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

あべこべな世界

廣瀬純七
ファンタジー
男女の立場が入れ替わったあべこべな世界で想像を越える不思議な日常を体験した健太の話

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

部屋で寝てたら知らない内に転生ここどこだよぉぉぉ

ケンティ
ファンタジー
うぁー よく寝た さー会社行くかー あ? ここどこだよーぉぉ

性別交換ノート

廣瀬純七
ファンタジー
性別を交換できるノートを手に入れた高校生の山本渚の物語

最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。

MP
ファンタジー
高校2年の夏。 高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。 地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。 しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。

あるフィギュアスケーターの性事情

蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。 しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。 何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。 この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。 そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。 この物語はフィクションです。 実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。

処理中です...