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入学試験を受ける日の朝。準備は万端、体調も万全だ。一つだけ不安があるとすれば俺が今まで教わったことだけで、今回の試験内容が突破できるかどうかだろうか?
「本当に門までついて行かなくていいの?」
「大丈夫道は完璧だし」
「そういえばシオンは一度も迷子になったことがなかったが、それももしかしてスキルなのか?」
「まあそんなところ。じゃあ行ってくるね」
「遠慮せずぶちかましてこいっ」
でかけにみんなに見送られ俺は学園へと向かった。そう、道を間違わないためのスキルを俺はもっている。森で過ごしていたころフェンリル母さんの元へと無事に帰るために手に入れたスキル。
「チェック:学園」
俺が今まで足を運んだことがある場所から選んでその場所が感覚でわかるようになるスキルだ。あくまでもなんとなくわかるだけなので、道を教えろって言われても説明は出来ない。だけど案内なら出来る。ただ…そこへたどり着くまでの道筋はスキルを使用した本人が選ぶので、必ず近道とか安全というわけではないのがちょっと問題かもしれない。
「さらに脚力強化」
遅刻をしたら流石にまずいからね。俺は一直線に障害物を避けて向かう道を選んだ。つまり建物の上を走っていく! 人混みも避けられてさらに早くなるのでこれで確実に間に合うね。
『なんだ、寝坊したのか?』
「遅刻するより早く着く方がいいでしょ?」
『そんなもんか?』
「そういうもんだよ」
この世界ではどうなのか知らないけど前の世界では5分前行動というのは当たり前だった。子供のころからそうやって誰もが教えられて育つ。もちろんすべての人がそれをこなせていたわけではなかったけれど。誰だってミスはあり、体調によっては朝起きられないこともある。だから時間を守れない人も結構いたね。けれど最初は肝心なので絶対に遅刻するわけにはいかない。むしろ街中を普通に歩いて何かトラブルにでも巻き込まれたら遅刻待ったなし! 冗談じゃない。
『お、見えてきたな』
「うん、早かったね」
『じゃ、俺はそこらで待ってるわ』
「また後で」
クロと別れ俺は屋根から飛び降りると学園の門の前へと向かった。結構早く来たと思ったのにすでに門の前にはぼちぼち人が並んでる。
「すみません。これって入学試験の受付ですか?」
「ん? そうだよ」
「ありがとう」
最後尾にいた人に声をかけ確かめるとどうやら合っていたみたいだ。俺もその人の後に続いて並ぶことにする。前の方を見るとひとりひとり2-3分ほどかかっているようなので、この待ち時間にもう一度荷物の確認をしようか。取り出したのは申し込みをした時に貰った紙。
◎動きやすい服装
◎自分が使っている武器
◎回復剤持ち込み可
◎昼食
◎ペンは不要
◎獣魔の持ち込み禁止
そこに書かれている持ち物やいらないもの。もちろんどれも問題はない。気になるのはペンがいらないことかな…筆記試験があるはずなんだけどいらないと書かれていた。まあいらないと書いてあるしいい…
「ねえっ」
「ん?」
突然後ろに並んでいた女の子に声をかけられた。
「ああ…これは入学試験の受付待ちの列ですよ」
「そんなこと聞いてないんだけど?」
さっき自分も聞いたようにこの子も知りたかったんだろうと思い答えたが違ったらしい。
「あんたさ、さっき上から落ちてこなかった?」
「上から…落ちる?」
「ん、もしかして違った?? 似てたと思ったんだけどな~ 違うならいいや」
「はあ…」
上からね~…確かに俺はさっき屋根の上から降りたけど、落ちてはいない。他にも同じように屋根の上を走ってきた人でもいたんだろうね。着地にでも失敗したのかな?
「次の人どうぞ」
「あ、はい」
どうやら俺の番がやって来たらしい。
受付で名前を言うと一枚の紙と番号の書かれているカードと、この間受付で使ったペンを渡された。たしか魔道具だって言ってたやつ。
「番号は受験者番号です。ペンは他の人に触れさせないようにして、筆記試験中以外はポケットに入れておいてください」
「わかりました」
「本日の日程はそちらに書かれていますので目を通しておいてくださいね。まずは筆記試験からです。あちらに案内が張られていますので、自分の番号の書いてある部屋へと向かってください」
あちらと刺された方を見ると1~99と書かれている案内があった。なるほど自分の番号を探してその案内に従って向かえばいいんだな。受付の人にお礼を言ってから俺はそこを離れてから自分の番号を確認した。
「528…あっちか」
番号を見つけ案内に従って進むとどうやら2階へと案内が進んでいた。俺の番号が含まれている部屋についたので扉を開けて中に入るとまだ数人しが人はいない。まあまだ時間はあるからこれからかな? よく見ると机にも番号が張られており、自分の場合の場所へ座ることになるみたいだね。
「あ…」
そして気がついてしまった。俺の後に番号が無いことに…つまりこの試験の参加人数がまさに俺の番号だったということだ。聞いておけばよかったかな? この試験で受かる人数。そんなことを考えつつも椅子へと座った。
「本当に門までついて行かなくていいの?」
「大丈夫道は完璧だし」
「そういえばシオンは一度も迷子になったことがなかったが、それももしかしてスキルなのか?」
「まあそんなところ。じゃあ行ってくるね」
「遠慮せずぶちかましてこいっ」
でかけにみんなに見送られ俺は学園へと向かった。そう、道を間違わないためのスキルを俺はもっている。森で過ごしていたころフェンリル母さんの元へと無事に帰るために手に入れたスキル。
「チェック:学園」
俺が今まで足を運んだことがある場所から選んでその場所が感覚でわかるようになるスキルだ。あくまでもなんとなくわかるだけなので、道を教えろって言われても説明は出来ない。だけど案内なら出来る。ただ…そこへたどり着くまでの道筋はスキルを使用した本人が選ぶので、必ず近道とか安全というわけではないのがちょっと問題かもしれない。
「さらに脚力強化」
遅刻をしたら流石にまずいからね。俺は一直線に障害物を避けて向かう道を選んだ。つまり建物の上を走っていく! 人混みも避けられてさらに早くなるのでこれで確実に間に合うね。
『なんだ、寝坊したのか?』
「遅刻するより早く着く方がいいでしょ?」
『そんなもんか?』
「そういうもんだよ」
この世界ではどうなのか知らないけど前の世界では5分前行動というのは当たり前だった。子供のころからそうやって誰もが教えられて育つ。もちろんすべての人がそれをこなせていたわけではなかったけれど。誰だってミスはあり、体調によっては朝起きられないこともある。だから時間を守れない人も結構いたね。けれど最初は肝心なので絶対に遅刻するわけにはいかない。むしろ街中を普通に歩いて何かトラブルにでも巻き込まれたら遅刻待ったなし! 冗談じゃない。
『お、見えてきたな』
「うん、早かったね」
『じゃ、俺はそこらで待ってるわ』
「また後で」
クロと別れ俺は屋根から飛び降りると学園の門の前へと向かった。結構早く来たと思ったのにすでに門の前にはぼちぼち人が並んでる。
「すみません。これって入学試験の受付ですか?」
「ん? そうだよ」
「ありがとう」
最後尾にいた人に声をかけ確かめるとどうやら合っていたみたいだ。俺もその人の後に続いて並ぶことにする。前の方を見るとひとりひとり2-3分ほどかかっているようなので、この待ち時間にもう一度荷物の確認をしようか。取り出したのは申し込みをした時に貰った紙。
◎動きやすい服装
◎自分が使っている武器
◎回復剤持ち込み可
◎昼食
◎ペンは不要
◎獣魔の持ち込み禁止
そこに書かれている持ち物やいらないもの。もちろんどれも問題はない。気になるのはペンがいらないことかな…筆記試験があるはずなんだけどいらないと書かれていた。まあいらないと書いてあるしいい…
「ねえっ」
「ん?」
突然後ろに並んでいた女の子に声をかけられた。
「ああ…これは入学試験の受付待ちの列ですよ」
「そんなこと聞いてないんだけど?」
さっき自分も聞いたようにこの子も知りたかったんだろうと思い答えたが違ったらしい。
「あんたさ、さっき上から落ちてこなかった?」
「上から…落ちる?」
「ん、もしかして違った?? 似てたと思ったんだけどな~ 違うならいいや」
「はあ…」
上からね~…確かに俺はさっき屋根の上から降りたけど、落ちてはいない。他にも同じように屋根の上を走ってきた人でもいたんだろうね。着地にでも失敗したのかな?
「次の人どうぞ」
「あ、はい」
どうやら俺の番がやって来たらしい。
受付で名前を言うと一枚の紙と番号の書かれているカードと、この間受付で使ったペンを渡された。たしか魔道具だって言ってたやつ。
「番号は受験者番号です。ペンは他の人に触れさせないようにして、筆記試験中以外はポケットに入れておいてください」
「わかりました」
「本日の日程はそちらに書かれていますので目を通しておいてくださいね。まずは筆記試験からです。あちらに案内が張られていますので、自分の番号の書いてある部屋へと向かってください」
あちらと刺された方を見ると1~99と書かれている案内があった。なるほど自分の番号を探してその案内に従って向かえばいいんだな。受付の人にお礼を言ってから俺はそこを離れてから自分の番号を確認した。
「528…あっちか」
番号を見つけ案内に従って進むとどうやら2階へと案内が進んでいた。俺の番号が含まれている部屋についたので扉を開けて中に入るとまだ数人しが人はいない。まあまだ時間はあるからこれからかな? よく見ると机にも番号が張られており、自分の場合の場所へ座ることになるみたいだね。
「あ…」
そして気がついてしまった。俺の後に番号が無いことに…つまりこの試験の参加人数がまさに俺の番号だったということだ。聞いておけばよかったかな? この試験で受かる人数。そんなことを考えつつも椅子へと座った。
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