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第3話 これからどうする?
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あまりの急展開に私の頭も彼女の頭も付いていけてないのだろう。先ほどから何もしゃべらずその場に座り込んでいる。
「な、な…なーーーーーーーーーーーー!!!」
突然彼女が立ち上がり叫び声をあげた。
「どういうことじゃアルクウェイよ! いくら転職したとはいえ実の娘じゃぞ? なぜ追い出されないかんっ」
「魔王様…」
「今は勇者じゃ」
「あそこは魔王城ですよ…」
「うむそうじゃな。そしてわらわの家じゃ」
「どこの世界に…」
「うむ?」
「どこの世界に魔王城に住む勇者がいるんですかぁーーーーーーっ」
「ふにゃあああああああああーーっ?!」
私の大きな声に驚いた彼女が震えながらペタンと座り込んだ。瞳には涙がたまり座り込んだ足元にはゆっくりと水たまりが広がりつつあった。
「あ…あ… アルクウェイが…怖いのじゃ…」
「はあ…」
確かに彼女は魔王としてはまだ若く12歳というお年だが…今までいくら私が叱ってもこんなことはなかった。私の声におびえ震える姿はまるでただの少女のように見える。もしかすると職業の影響でもあるのかもしれない。
「幸い日用品は持ち歩いていましたので、お風呂用意いたします」
「す、すまぬのじゃ…」
少しだけ恥ずかしそうに顔を赤らめている彼女を横目にしつつ、私は空間庫から彼女用の風呂桶を取り出すと水の魔石と火の魔石を中へと放り込んだ。この魔石らに魔力を込めると水がたまり温まるのだ。
「用意出来ましたよ」
「ん…」
彼女は少しだけ視線をそらしつつ私から着替えと洗面用具を受け取った。そしていつものように少しだけ距離を置き彼女に背中を向けると私はその場に座る。背後からはゴソゴソと衣擦れの音が聞こえ、服を脱ぐのがわかる。その後水音がしはじめ入浴が始まったようだ。もちろん相手は幼いとはいえ振り返ってその様子を見ることはしない。
しばらくすると水音がしなくなり再び衣擦れの音がしだす。どうやら入浴が終わったみたいです。
「終わったのじゃ…あの…」
「はい」
もじもじとしながら彼女はさっきまで着ていた服と私とを交互に見ている。
「ああ、洗いましょうか」
「でも…あのっ その…汚い…よ?」
「慣れていますから気になさらず」
私は彼女から洗濯物を受け取ると入浴に使われた残り湯でささっと洗濯をすませ、風の魔石と火の魔石を使い温風ですぐに乾かした。そして使われた道具類をすべて空間庫にしまうと彼女と向き合うことにした。
「さて、魔王様」
「ゆ、勇者じゃ…」
「これからのことについて話し合いましょうか」
「これからのこと…??」
こてんと首を傾げ彼女はよくわかっていない顔をこちらに向けている。
「はい、住む家もなければお金もありません」
「あ…っ そうなのじゃ! わらわはこれからどうすればいいのじゃっ?」
「そうですね…食料も持ち合わせていませんし、お金を稼ぐ…つまり働くしかないでしょうね」
「はぁ? それじゃあレベルが上げられないではないかっ」
「やはりレベルも上げたいのですか?」
「もちろんじゃ。今度は勇者を極めて魔王と対決するのじゃっ そしたら魔王に戻って家に帰ればよい」
「なるほど…」
どうやらこれが彼女の考えのようだ。まあ職を極めない限り新たな転職も出来ないのだから当然といえばそうなのだけど…
「そうですね…そうなりますとあれですね」
「あれ…とは?」
「せっかく勇者なんですから勇者らしく働きましょうか」
「勇者らしく働く?? ん?」
「はい、冒険者ギルドに登録をしてそこで仕事をするのですよ」
「冒険者ギルド…どんなところなんじゃろうか」
目を輝かせながら私の次の言葉を彼女は待っている。その様子が少しだけおかしくて笑いそうになるのをこらえながら、私は自分の知っている知識の範囲で冒険者ギルドについて彼女に説明をした。
「な、な…なーーーーーーーーーーーー!!!」
突然彼女が立ち上がり叫び声をあげた。
「どういうことじゃアルクウェイよ! いくら転職したとはいえ実の娘じゃぞ? なぜ追い出されないかんっ」
「魔王様…」
「今は勇者じゃ」
「あそこは魔王城ですよ…」
「うむそうじゃな。そしてわらわの家じゃ」
「どこの世界に…」
「うむ?」
「どこの世界に魔王城に住む勇者がいるんですかぁーーーーーーっ」
「ふにゃあああああああああーーっ?!」
私の大きな声に驚いた彼女が震えながらペタンと座り込んだ。瞳には涙がたまり座り込んだ足元にはゆっくりと水たまりが広がりつつあった。
「あ…あ… アルクウェイが…怖いのじゃ…」
「はあ…」
確かに彼女は魔王としてはまだ若く12歳というお年だが…今までいくら私が叱ってもこんなことはなかった。私の声におびえ震える姿はまるでただの少女のように見える。もしかすると職業の影響でもあるのかもしれない。
「幸い日用品は持ち歩いていましたので、お風呂用意いたします」
「す、すまぬのじゃ…」
少しだけ恥ずかしそうに顔を赤らめている彼女を横目にしつつ、私は空間庫から彼女用の風呂桶を取り出すと水の魔石と火の魔石を中へと放り込んだ。この魔石らに魔力を込めると水がたまり温まるのだ。
「用意出来ましたよ」
「ん…」
彼女は少しだけ視線をそらしつつ私から着替えと洗面用具を受け取った。そしていつものように少しだけ距離を置き彼女に背中を向けると私はその場に座る。背後からはゴソゴソと衣擦れの音が聞こえ、服を脱ぐのがわかる。その後水音がしはじめ入浴が始まったようだ。もちろん相手は幼いとはいえ振り返ってその様子を見ることはしない。
しばらくすると水音がしなくなり再び衣擦れの音がしだす。どうやら入浴が終わったみたいです。
「終わったのじゃ…あの…」
「はい」
もじもじとしながら彼女はさっきまで着ていた服と私とを交互に見ている。
「ああ、洗いましょうか」
「でも…あのっ その…汚い…よ?」
「慣れていますから気になさらず」
私は彼女から洗濯物を受け取ると入浴に使われた残り湯でささっと洗濯をすませ、風の魔石と火の魔石を使い温風ですぐに乾かした。そして使われた道具類をすべて空間庫にしまうと彼女と向き合うことにした。
「さて、魔王様」
「ゆ、勇者じゃ…」
「これからのことについて話し合いましょうか」
「これからのこと…??」
こてんと首を傾げ彼女はよくわかっていない顔をこちらに向けている。
「はい、住む家もなければお金もありません」
「あ…っ そうなのじゃ! わらわはこれからどうすればいいのじゃっ?」
「そうですね…食料も持ち合わせていませんし、お金を稼ぐ…つまり働くしかないでしょうね」
「はぁ? それじゃあレベルが上げられないではないかっ」
「やはりレベルも上げたいのですか?」
「もちろんじゃ。今度は勇者を極めて魔王と対決するのじゃっ そしたら魔王に戻って家に帰ればよい」
「なるほど…」
どうやらこれが彼女の考えのようだ。まあ職を極めない限り新たな転職も出来ないのだから当然といえばそうなのだけど…
「そうですね…そうなりますとあれですね」
「あれ…とは?」
「せっかく勇者なんですから勇者らしく働きましょうか」
「勇者らしく働く?? ん?」
「はい、冒険者ギルドに登録をしてそこで仕事をするのですよ」
「冒険者ギルド…どんなところなんじゃろうか」
目を輝かせながら私の次の言葉を彼女は待っている。その様子が少しだけおかしくて笑いそうになるのをこらえながら、私は自分の知っている知識の範囲で冒険者ギルドについて彼女に説明をした。
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