魔王様は退屈過ぎて勇者へと転職する

れのひと

文字の大きさ
11 / 23

第11話 わらわが勇者じゃ

しおりを挟む
たくさんの人々とざわめく様々な声が辺りには満ちています。そんな中ひときわ大きな声があたりへと響き渡りました。

「説明を聞きたったら静かにしろよーーーー!!」

1人の厳つい男性が前方のほうで大きな声を張り上げ腕を振っています。それが気が付いた人々の声がだんだんと静まり、最後には誰も口を開くものはいなくなりました。ただ一人を除いては…

「でっかいおっさんだな」

ぎろりと周りからにらまれ私はすぐに彼女の口を塞ぎます。それを見た人たちは視線を前の男性へと向けました。本当に彼女の状況のよめなさには困ったものです。

「まずは森の状況なっ 魔物は確かに確認された! いいか…つまり確実に魔王は現存するってことだっ」

この言葉に辺りはざわざわとまた騒がしくなり始めました。

「ってーとこはだ…魔王がせめて来る前にこっちは勇者を育て上げないといかんわけだ!!」
「質問いいですか?」
「おうっ そこの!」
「たしか勇者も魔王も一人しか付くことが出来ない職業だったと思われるのですが、誰か勇者になれるかためされてますか??」
「それについて今から話すぞーっ まず職業をすでに極めている俺が魔王も勇者もどっちも試してきた!! …がどちらにも転職不可能だったっ これからわかるようにすでに魔王はいるし、さらに勇者も存在していることになるわけだ…ここまではいいかー??」

男性が辺りを見回し状況を確認しています。誰もが頷き反論などはありません。

「まあそんなわけだから誰か勇者の情報があったら提供を頼む!!」

周りからいろんな会話が聞こえてきます。誰もが勇者や魔王について話をしているみたいです。そんな中一人の女性の手が上がりました。

「あの~ギルドマスターちょっといいですか?」
「なんだ?」

たしかあの女性は私達が最初ここで登録をするときに受付をしてくれる女性だった気がします。

「本当かはわかりませんけども、昨日勇者だって言ってギルドに登録した人がいますけど」
「な…っ それを早く言えーーーー!! で、一体それは誰だ?」
「あ、はい…たしか12歳の女の子でした」

やはり昨日の女性でしたか…先ほどから近くに人達の視線が私というか彼女へと向けられ始めています。たしかに小さな女の子はこの中に彼女しかおりませんがそれだけで勇者だと決めつけるのはどうかと思われますよ? あまりにも集まる視線に彼女も私の手を振りほどこうとはせずむしろ大人しくしています。

「で…その勇者だと名乗った少女は本当に勇者か確認はしたのか?」
「いえ…どうせ仮登録だからと、確認はしておりません」
「あー…じゃあ何かい。まずはその少女を捕まえて本物かどうか調べないといかんな」
「そうですね…あっ あそこです! あの子がその女の子ですよっ」

女性が私達に向かって指をさしています。すると人混みが割れ、その間をギルドマスターと呼ばれた男性が向かってやってきます。目の前に来ますとやはりとても大きな人物なのがよくわかりますね…私が横に二人並んだくらいの大きさです。

「ちょーっといいかいお嬢ちゃん? 君が勇者かどうか確認させて欲しいんで、ギルドの奥の部屋へ来てほしいんだわ」

男性の言葉が気に入らなかったのか彼女は私の手を払いのけると男性のことをギッと睨め付けました。

「そんなもの確認するまでないわ…わらわが勇者だと最初に言ったとあの者が言っておるだろうがっ」

偉そうにふんぞり返りながらそんなことをいう彼女の足がわずかに震えております。きっと目の前の男性の強さに怯えているのでしょう。それでも勇者としての威厳というかなんといいますか…態度だけは偉そうですね。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...

MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。 ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。 さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか? そのほかに外伝も綴りました。

同じアパートに住む年上未亡人美女は甘すぎる。

ピコサイクス
青春
大学生の翔太は、一人暮らしを始めたばかり。 真下の階に住むのは、落ち着いた色気と優しさを併せ持つ大人の女性・水無瀬紗夜。 引っ越しの挨拶で出会った瞬間、翔太は心を奪われてしまう。 偶然にもアルバイト先のスーパーで再会した彼女は、翔太をすぐに採用し、温かく仕事を教えてくれる存在だった。 ある日の仕事帰り、ふたりで過ごす時間が増えていき――そして気づけば紗夜の部屋でご飯をご馳走になるほど親密に。 優しくて穏やかで――その色気に触れるたび、翔太の心は揺れていく。 大人の女性と大学生、甘くちょっぴり刺激的な同居生活(?)がはじまる。

夫婦交換

山田森湖
恋愛
好奇心から始まった一週間の“夫婦交換”。そこで出会った新鮮なときめき

性別交換ノート

廣瀬純七
ファンタジー
性別を交換できるノートを手に入れた高校生の山本渚の物語

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

冤罪で辺境に幽閉された第4王子

satomi
ファンタジー
主人公・アンドリュート=ラルラは冤罪で辺境に幽閉されることになったわけだが…。 「辺境に幽閉とは、辺境で生きている人間を何だと思っているんだ!辺境は不要な人間を送る場所じゃない!」と、辺境伯は怒っているし当然のことだろう。元から辺境で暮している方々は決して不要な方ではないし、‘辺境に幽閉’というのはなんとも辺境に暮らしている方々にしてみれば、喧嘩売ってんの?となる。 辺境伯の娘さんと婚約という話だから辺境伯の主人公へのあたりも結構なものだけど、娘さんは美人だから万事OK。

サレ妻の娘なので、母の敵にざまぁします

二階堂まりい
大衆娯楽
大衆娯楽部門最高記録1位! ※この物語はフィクションです 流行のサレ妻ものを眺めていて、私ならどうする? と思ったので、短編でしたためてみました。 当方未婚なので、妻目線ではなく娘目線で失礼します。

処理中です...