魔王様は退屈過ぎて勇者へと転職する

れのひと

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第18話 武器を作りに戻りませんか?

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「見ておったかっ? すごいじゃろう??」
「…はい、素晴らしいですね」

本当は見ておりませんでしたがここは見ていたことにしておきましょう。太い幹ですら綺麗に斬られている切り口を見ればわかりますし、ここで彼女の機嫌を損ねてしまうと面倒なことになりそうですから。

「この材木でレベルが一気に2つ上がったぞっ …よし、もっと狩るのじゃっ」
「……」

これはいけませんね。私も狩りに参加しなくてはレベルがどんどんおいていかれてしまいます。ですが一匹の時は彼女に譲りましょうかね。二匹とかでしたら加勢して私もレベルを上げさせていただきましょうか。

私達はしばらくここでトレントを狩り続けました。彼女のレベルが18くらいになった時でしょうか…レベルの上りが悪くなり、彼女は少し不満そうな顔をしています。

「一度町に戻りまして僕の武器を作りに戻りませんか?」
「…ぬ? そうだのうアルクも武器は必要だしの」

どうやら彼女もその意見には賛成のようです。私達は一度町へと戻り冒険者ギルドで素材を売りつつ杖が作れる店を訪ねることにしました。

「杖ですか…残念ながらこの町にはないんですよ」

受付の女性は少しだけ困った顔をして頬に手を当てています。その間も手は私が手渡した素材の確認で忙しそうです。というかなかなか器用ですね?

「隣町のセカンタでなら木材を利用したものが売られていますで、杖も作ってもらえると思いますよ…はい全部で銀貨7枚ですね」

思ったよりもお金にならなかったですね。今回はトレントを中心に狩りましたので、そのせいかもしれません。

「セカンタに行くんでしたらこの木材もそっちで売ったほうがいいですよ」

なるほど…需要のあるところで売るほうがいいということですね。

「その町の行き方を教えてもらえますか?」
「教えるのはいいのだけど、二人でいくのですよね…」

受付の女性は少しだけ困った顔をして考え込みました。何か教えられない理由でもあるのでしょうか?

「聞いていいかな?」
「はい」
「その町までどうやっていくつもりでいるのかしら?」
「歩いて…ですかね?」

私の言葉に女性はため息を吐きだしました。歩かないと町には行けないと思うのですけれど、何か私はおかしなことでも言ったのでしょうか? それとも走っていくと言えばよかったのですかね…

「迷うことはないんだけど、子供の足だと三日はかかる距離があるのよ」

思ったより距離があるみたいですね。つまり心配してくださっているのですね魔王である私を…普通ならありえないでしょうが、隠してますから子供に対しての態度としては当然なのでしょう。

「うーん…よしっ ここはお姉さんに任せなさい」

よくわかりませんがなにやら女性は自身満々で胸を叩きました。

「少しだけ待ってね~…んー、あっ これがいいかな」

なにやら紙の束を見比べているみたいです。いったい何をしているんでしょうかね?あまり長くかかりますと彼女が騒ぎ出さないか心配なので早くしてほしいのですけれども。

「セカンタへ出発は明日の朝で大丈夫かな?」
「特に用事などはありませんのでいつでも構いませんが…」
「じゃあこの依頼を受けてね」

受付の女性が取り出したものは依頼用紙だったようです。そこに書かれていた内容は…

「早朝出発の馬車の雑用…ですか」
「ええそうよ。流石に登録仕立てて護衛依頼は無理だからね。雑用としてなら依頼さえ受ければ馬車に一緒に乗って行けるわよ」

なるほど…そのような利用方法もあったのですね。勉強になります。

「丁度戻りの馬車みたいだから帰りはまた別の依頼を探さないといけないけれど、このほうが早いし安全に行けるからね」
「わかりましたこの依頼を受けます」

女性に詳しく話を聞きお礼を言うと明日の準備のために私達は冒険者ギルドを後にしました。
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