天使様女神様歌姫様…? いいえただのコスプレイヤー(男)です

れのひと

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王立学院ですか?

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 一月ほど僕はシエル・ブランジットの屋敷で過ごす。それはとても過酷なもので、この短期間にこの世界の常識を教え込まれたのだ。言葉の読み書きから始まり一般常識やマナーなども教え込まれる。食事や入浴、睡眠時間を除いたすべての時間がこれに費やされたのだ。もちろんこれには理由があって…

「王立学院…ですか?」
「そうだ。流石にここでずっとというわけにもいかないのでね。学院へ行き一人立ち出来るようになってもらうよ」

 たしかに僕みたいな得体のしれない人間がいつまでもここにいては周りがいい顔をしないだろう。それに独り立ち出来ればこの恩を返すこともできるかもしれない。

「もともと僕がここへ来たのは学院の入学試験を受けるためだったんだよ」
「えーと…つまり僕もそれを受ける…と?」
「わ・た・し」
「…私もそれを受けるのですか?」

 そうだったこの姿で僕と言っていると周りから変な目で見られてしまうのだ。別のウィッグや髪の色を染めるものが存在していない以上僕はこの姿で過ごさなければいけない。平和に過ごすための手段だというのだから仕方がないのだろう。

「もしかしたら元の世界へ帰る方法とかも見つかるかもだよ?」
「受けますっ」

 そう、言葉を覚えてからは空いた時間を使って色んな本を読んで元の世界へ帰る方法やそのヒントがないか探していたのだ。最悪見つからなくてこの世界で生きていくのに必要な知識は教えてもらったから問題はないのかもだけど、やはり帰って姉に文句の一つでも言わないと気が済まない。

「そういうと思ったよ」
「あの…入学試験はいつでしょう?」
「ん? もちろん明日」
「…聞き間違いでしょうか…明日、と言いました??」
「そうだよ」
「あ…あふぉシエル~~~っ」
「おっと貴族に対してその言い方はだめだぞ?」

 そんなことを言っている場合ではない。試験について今聞いたばかりなのだ。全く試験内容がわからないのに落ち着けるわけがない。

「だって試験…何するの」
「問題ない。一般常識と魔力があって入学金が払えれば誰でも入れる」
「私お金ないよ…」
「僕が払っておくから大丈夫だ」

 ああ…借りが増えていく。

「ユウの魔力なら十分合格出来るだろう?」
「そんなのわかりません…」

 きっと魔力の基準値とか合格人数が決まっていて、その枠から外れてしまったら入学出来ないとかなんだろう。受からなかったら…どうしよう? もしかしてここから追い出されるのかな??

「もし受からなかったら…僕どうしたら」
「わ・た・し。そうだな…僕の読みが甘かったってことで謝罪しようか」
「謝られても困りますよ…」
「じゃあ応援しているよ」

 応援しているじゃないよ…言いたいこと言って自分の部屋へ戻ってしまうし…それにしても魔力か~困ったな。魔力の扱いについても教えてもらっているのだが僕は魔力の放出は問題ないのだけど、その魔力を使って何かをするというのが今まで一度も出来ていないのだ。シエル・ブランジットのように攻撃魔法が使えたことがないということなんだけど…ああもうどうしたらいいんだ。
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