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王都までの旅路

65. 初めての魔法使用

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 食事を終え食器類はノノさんに洗ってもらい、その間自由に森の中へと遊びに行かせていたネコルーのことを気にかけていた。調理場を設置するときにネコルーのご飯をどうするかという話をしていたら森なんだから自分で狩りに生かせればいいんじゃないですか? とノノさんに言われ遊びに行かせたわけなんだが、ちゃんと出発までに戻ってくるか心配なんだよね。一応契約召喚というテイマーの魔法で呼び戻すことが出来るらしいんだがそもそも使ったことがないから少し不安。

 …ん? ジルベスターさんとヨルさんが他の護衛さんとこの先のことを地図を広げて確認しているみたいだ。街道を移動するらしいが警戒ポイントとかがあるのかもしれない。盗賊とかでないとは言えないからね。

「……」
「?」

 なんか知らんがレアナさんがこっちをじっと見ている。まあみんな何かしてて暇してるのは俺とレアナさんくらいだからなんだが…言いたいことがあるならなんか言ってくれればいいのに。まあ他にやることもないし退屈なのはたしかだ。あ、そうだ。

「レアナさんこれいる?」
「?」

 そう、使い道も何もあったもんじゃないアルパカのぬいぐるみだ。ただのぬいぐるみ…触るとか飾るとかめでる? くらいしか役割がない。

「…っ」

 おっ いい笑顔。やっぱり女の子はぬいぐるみとか好きだよな~

「リョータ、そろそろ出発だから撤収作業してくれ」
「ああわかった」

 ヨルさんがそういうとノノさんじゃないメイドが椅子をマジックバックにしまい始めたのでテーブルをしまう。調理場しまってこないとな。

 荷馬車の中へ入ったがノノさんはいなかった。まだ調理場の中なんだろう。

「ノノさん撤収だよ」
「はい、食器は乾かしておきました」

 食器を手に取ると確かに乾いていた。洗い流してさえあれば濡れてても構わなかったんだけどね。まあありがたい事だ。そのままマジックバックにしまい、ノノさんと外に出ると調理場もしまう。

「あとはネコルーだな」

 あたりを眺めてみるがそれっぽい姿は見えない。仕方がない魔法で呼び戻すか…

「契約召喚」

 その言葉を口にすると目の前に光りのラインが走り魔方陣が現れた。その光が薄まってくると中からネコルーが…げっ そりゃそうか…その辺で野生の生き物を狩ってくればこうなるか…初めて魔法使ったのに浸る間もないとは。

「ル~?」
「ウオッシュ」

 血だらけになっていたネコルーを洗い流し、水分を飛ばされる前に回収する。


ガチャポイント:20593→20594


 その様子を少し離れたところから眺めていたレアナさんが、手に持つぬいぐるみとネコルーを交互に眺めていた。うん…多分似てないよ? ネコルーは首長くないし羽が生えているからね。ちょっとほほえましいと思わなかったり思ったり…まあ出発の準備は問題ないかな。ちょっと他の人の手伝いでもしてこよう。
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