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王都までの旅路
66. 襲撃?
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馬車が走り出し最初と同じ隊列で移動を始めた。相変わらず俺の横で馬に乗っているアルバトロスは無言でひたすら前を向いている。ちょっとくらい会話とかあってもいいと思うんだが…まあなぜか嫌われているっぽいので仕方がない。
先のほうが少し明るくなってきた。どうやらそろそろ森を抜けるみたいだ。森を抜けたがまだまばらに木が生えている。もともとそのあたりまで昔は森があったのかもしれない。
「ん?」
気のせいか馬車の進行速度が少し落ちた気がする。それに伴い馬車が左へとコースをずらす。
「こちらによってください。どうやら前方で馬車が止まっていますね」
び…びっくりしたわ。内容じゃなくて突然アルバトロスが喋ったから! 視線は前を見たままだがその言葉はどうやら俺に向けて言ったもののようだ。
「え、あっ 本当だ」
「聞こえなかったんですか? 早くこちらに。これだからバカは…」
「……」
…いやまあうん。ちゃんと教えてくれたし悪い人じゃないんだよ…うん。それにしてもどうしたんだろうか? 森を抜けてすぐのところで馬車を止めるだなんて…少し前に俺たちと同じところで休憩をしたはずだよね。だから馬車の点検もしただろうから故障とかではないと思うが。
「ルッ」
バキンッ
え、何! ちょっとネコルーさんや君は何を咥えているんだね? 今なんか音がしたよね?? その音の原因がそれですか?
「警戒!! 索敵をっ プロテクト」
ちらりとやっとこっちを向いたアルバトロスがネコルーを見て叫んだ。プロテクトって…え? 馬車が2台ともすっぽりと透明なドームに包まれている。そして馬に乗っている人たちが武器を手に持ち戦闘態勢にに入った。その状態のまま動きを止めている馬車へと近づいていく。外に出て馬車の点検をしている人やただ立っていただけの人などが、武器を持って進んでくる俺達を見てぎょっとした顔をしているが…通過するとほっと胸をなでおろす。まあそうね…普通襲われると思うよね。
「あれ?」
馬車の扉が開いていて中がちらりと見えたんだが、なんか見たことある人が乗っていたような…? そしてなぜかその人は俺を睨みつけていた。誰だっけ…
バキンッ
…またネコルーが何かを咥えている。手を伸ばしそれを取り上げると折れた矢だった。
「どうやら狙われているのはあなたのようですね」
「は…? なんで俺が??」
「そんなこと知るわけないじゃないですか…まあそのネコ目立ちますし狙いやすいのかもしれませんね」
まじでそんな理由なの? 確かに他の馬は茶色いし白いネコは目立つ。
「ネコルーと俺にもプロテクトしてくれよ…」
「いやですよ。馬車2台でも結構魔力消費しますし、攻撃にも必要かもしれないんですから」
「ぐ…っ しかたない自分でやるか。えーとたしか…結界」
パリンッ
バキンッ
「うをっ すぐ割られた!」
「強度がたりないんじゃないですが? 結界はプロテクトより扱いが難しい分消費魔力も控えめですが、しっかりとイメージを固めればとてもいい盾になりますよ。というかそんな魔法を持っているのなら初めから自分で使ってください」
イメージか…っていうか一言多いわ! えーと…どの程度を防ぐかを決めないといけないんだな? 矢ってどんな強さなんだ? 鋭く1点集中に力が加わるから結構強度がいるんじゃないか? それに矢だけじゃなくて魔法も飛んで来たらどうすれば…
「警戒解除ー 解除!」
「もう結界はいらないですよ?」
「あ、はい…」
悩んでいる間にどうやら攻撃範囲外まで移動が終わったようだ。ちょっとこれはいろいろ考えておかないといけないみたいだな。
先のほうが少し明るくなってきた。どうやらそろそろ森を抜けるみたいだ。森を抜けたがまだまばらに木が生えている。もともとそのあたりまで昔は森があったのかもしれない。
「ん?」
気のせいか馬車の進行速度が少し落ちた気がする。それに伴い馬車が左へとコースをずらす。
「こちらによってください。どうやら前方で馬車が止まっていますね」
び…びっくりしたわ。内容じゃなくて突然アルバトロスが喋ったから! 視線は前を見たままだがその言葉はどうやら俺に向けて言ったもののようだ。
「え、あっ 本当だ」
「聞こえなかったんですか? 早くこちらに。これだからバカは…」
「……」
…いやまあうん。ちゃんと教えてくれたし悪い人じゃないんだよ…うん。それにしてもどうしたんだろうか? 森を抜けてすぐのところで馬車を止めるだなんて…少し前に俺たちと同じところで休憩をしたはずだよね。だから馬車の点検もしただろうから故障とかではないと思うが。
「ルッ」
バキンッ
え、何! ちょっとネコルーさんや君は何を咥えているんだね? 今なんか音がしたよね?? その音の原因がそれですか?
「警戒!! 索敵をっ プロテクト」
ちらりとやっとこっちを向いたアルバトロスがネコルーを見て叫んだ。プロテクトって…え? 馬車が2台ともすっぽりと透明なドームに包まれている。そして馬に乗っている人たちが武器を手に持ち戦闘態勢にに入った。その状態のまま動きを止めている馬車へと近づいていく。外に出て馬車の点検をしている人やただ立っていただけの人などが、武器を持って進んでくる俺達を見てぎょっとした顔をしているが…通過するとほっと胸をなでおろす。まあそうね…普通襲われると思うよね。
「あれ?」
馬車の扉が開いていて中がちらりと見えたんだが、なんか見たことある人が乗っていたような…? そしてなぜかその人は俺を睨みつけていた。誰だっけ…
バキンッ
…またネコルーが何かを咥えている。手を伸ばしそれを取り上げると折れた矢だった。
「どうやら狙われているのはあなたのようですね」
「は…? なんで俺が??」
「そんなこと知るわけないじゃないですか…まあそのネコ目立ちますし狙いやすいのかもしれませんね」
まじでそんな理由なの? 確かに他の馬は茶色いし白いネコは目立つ。
「ネコルーと俺にもプロテクトしてくれよ…」
「いやですよ。馬車2台でも結構魔力消費しますし、攻撃にも必要かもしれないんですから」
「ぐ…っ しかたない自分でやるか。えーとたしか…結界」
パリンッ
バキンッ
「うをっ すぐ割られた!」
「強度がたりないんじゃないですが? 結界はプロテクトより扱いが難しい分消費魔力も控えめですが、しっかりとイメージを固めればとてもいい盾になりますよ。というかそんな魔法を持っているのなら初めから自分で使ってください」
イメージか…っていうか一言多いわ! えーと…どの程度を防ぐかを決めないといけないんだな? 矢ってどんな強さなんだ? 鋭く1点集中に力が加わるから結構強度がいるんじゃないか? それに矢だけじゃなくて魔法も飛んで来たらどうすれば…
「警戒解除ー 解除!」
「もう結界はいらないですよ?」
「あ、はい…」
悩んでいる間にどうやら攻撃範囲外まで移動が終わったようだ。ちょっとこれはいろいろ考えておかないといけないみたいだな。
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