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お披露目会

82. 荷物整理

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「やっぱり知り合いだったか…これは都合がいいね」

 3人と別れた後宿に戻った俺達はジルベスターさんに勇者に会ったことを伝えた。もちろん俺の知り合いだったことも。それとダンジョンに同行したいことも言っておいた。

「都合ですか?」
「ああこちらの目的は話しただろう? 君が知り合いというのであればスムーズに頼めそうではないか」
「え、違ってた場合はどうやって頼むつもりだったのですか?」
「ん、もちろん国王様に頼むしかないな。まあ友人だし多少は融通もきくからね」

 国王が友人ってすごいな。

「それでダンジョンだったか…もちろん行ってくるといい。となると帰りは一緒にはならないだろうから少しあの食べ物が出るカードを分けてもらえると助かる」
「わかりました。ところでノノさんはどうすれば?」
「もちろん同行してもらう。こちらの町によった時にでも連れてきてもらえばいいだろう。というかある程度君が自己防衛できるようになるまで戻さなくても大丈夫だが」

 つまりそれって俺が強くなるまでノノさんを返すなってことだよね…ちらりとノノさんの顔を見るととてもにこにこしている。目的は食べ物かっ いやいいんだけど…

 となるとまず俺がやることは荷物整理か。使いかけの食材とかがかさばっていてちょっと探しにくくなっているしな。

「ノノさんちょっと手伝ってくれるかな」
「なにをしましょうか?」
「よっと…このケースにって思ったよりデカいな、俺が出すものを整頓して詰めてくれ」
「わかりました」

 取り出したのは収納ケース。カードのままだったので破って現物に。あれだ押し入れとかに使う引き出しのついた奥に長いプラスチックケース。これに使いかけの食材を詰めてしまおう。俺は次々とインベントリから出していく。ここに入っているのは使いかけの肉や野菜が中心だ。あとは水と昆布だしかそういえば作っただけで飲んでいない麦茶もある。水は入れてしまうとすぐに飲めなくなるからケースからは出しておくか。

「リョータ様。まだ半分以上空いていますよ」
「そうだね…明日買い物して肉とか補充しておこうかな」

 今回は王都という大きなところだし野菜もしっかりと手に入るかもしれないしね。インベントリの中に入れておけば腐らないしある程度買っておけばいいだろう。まあお金が足りる範囲でね。今後の宿代とかも考えないとだからさ。

「買い物ですか…そうですね。では私が店を案内しますね」
「ノノさん王都に詳しいんだ?」
「ええまあ仕事柄足を運んだことのある所ならその時にすべて確認済みですね」

 仕事柄…メイドとして? 護衛として?? これは多分護衛としてってことなんだろうな。メイドとしてだとちょっと意味が分からないし。

「ここでしたら食事処も割とおいしい店も多いんですよ~」

 …ただの食べ歩きかよ!

 この日の夜は宿で食事をした。ちょっと久々にこの世界の料理を食べたが、まあ…以前食べたパンより少しはましってくらいだったな。おいしいわけじゃないけどまずいわけでもないってところだ。やっぱりパンも自分で作らないとだめかな~ 作り方がわからんのだが。

 あ…そうそう今日は風の日だったらしい。というか無料ガチャを寝る前に慌てて引いた。出たのは携帯型のゲーム機…充電も出来ないしそもそもゲームソフトもないから遊べない。これは明日魔道具店でいろんなものを見てくるべきだな。そしたらきっとこのガチャの中身も使えるものが増えるに違いない。
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