【本編完結】異世界に召喚されわがまま言ったらガチャのスキルをもらった

れのひと

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これが異世界の日常?

127. ガルシアさんの頼み事

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 ジルベスターさんへの報告をした後冒険者ギルドへ帰るまでの間、ミリエルさんはずっと俺のことを眺めていた。足元がおろそかになって躓いてもじっと見続けうっとおしいったらありゃしない。

「おーいリョータ!」

 ギルドの中に入ると酒場の方からガルシアさんが声をかけてきた。まあ呼ばれたのだからとりあえず向かうが…俺としてはとりあえず朝食を食べたいんだがな。そんな俺の後をまだついて歩いているミリエルさんは途中ギルドの職員だと思われる人に昨日の俺のように引きずられて連れていかれた。昨日の俺もあんな感じだったのか…? まあ助かった。

「なんですか?」
「お前これからの予定どうなってる?」
「これから…? とりあえず朝食食べるけど」
「そんな直近のはなしじゃねぇ。仕事の話だ」

 ん? ああこれからの仕事の予定を聞かれてるのか。

「当分の間は西平原で草取りのつもりだけど」
「実はさ、今回の騒ぎのせいで俺んとこの回復要員が怪我しちまってよ。3日後に出発する護衛依頼がやばいんだわ。で、リョータ昨日回復魔法使ってただろう? よかったら代わりに参加しないかっ」
「護衛依頼か…どこへ行くんだ?」
「ここから東へ3日ほど行ったところにある町で、ブンナーってところだ」

 へー そこへ行けばまたテレポートで行ける範囲が広がるな。

「いいよ、行ったことない町だし見てみたいかも」
「そうこないとな! んじゃ3日後にまた声かけるわ」

 今度は3日とちょっと日数が少ないがそれでもちゃんと旅だからね。準備だけはやっておかないとな。まずは朝食を済ませネコルーと合流しょう。


マッサージチェアー


 今日の無料ガチャは惨敗。電気が通せないこの椅子はただの歪なぼこぼこがついた椅子だ! 無の日だったらしいよ…そして朝食はハムサンドに。

 さっき帰って来たばかりなのに再びヨルさんの家へ。門番さんにいってネコルーを連れてきてもらう。それと預かってもらうのはこれで終わりでよいということと、また明日にでも話に来ることを伝言してもらった。

 ネコルーを連れて西門の外へ。今日は実は仕事を引き受けてきていない。こっち側に来たのは別の目的があってのことだ。西門は他の門と違って人の出入りが少ないのがいい。森に用がある人か山を越えたい人くらいなんだよね。まあ俺みたいに草取りする場合もあるかもだが…この広い場所をやれと言われて続けてやる人は多分いないだろう。誰もが一度受けたらお腹いっぱいで、だから現状こんなに草がはえているわけなんだし。

 門をくぐった後少し南下。こっちの方は草取りが進んでいる方向だ。そして外壁に向かって…

「箱庭」

 スキルを使用。壁に沿って黄色く光る扉が目の前に現れる。これなら門番さんからもわかりにくいだろうしね。

「さあネコルー今日からこの中で自由に走り回れるよ」

 扉を開けネコルーと一緒に中へと入る。そしてすぐに扉を閉じた。これで勝手に誰かが入ってくることは出来ない。

「へぇ…」

 中はかなり広そうだ。見渡す限り草原が広がっている。それと無造作に転がっている大きなたまご。そうだったこれテイムしないとな。

「ご飯の時に呼び出すから好きに遊んできていいよ」

 ネコルーには自由にしてもらって俺はたまごと向き合った。まずはたまごに契約を使用する…が魔方陣が出てこない。ある程度懐かないと契約出来ないのかな…だけどたまごと仲良くなるってどうすればいいんだよ。

「んーごめんな? こんなとこに連れてきちゃって。でもさ人間たちがいるところで暴れると殺されちゃうからさ」

 まあ強かったからそんなすぐに倒されることはないと思うがな。でもたけが強くなったら確実にやられただろうし…魔力だまりから生み出されてしまっただけの命だけど、どうせなら楽しく生きたいんじゃないかなーなんて。まあ聞こえているかわからないし、聞こえてても人の言葉がわかるのかも知らんけどね。まずは出来ることから、会話…というか一方的な独り言か。それを聞かせることから始めようか。

「おっとそうだ」

 たまごに話しかけてばかりじゃいかん。荷物整理をしようか。追加で買っておいた方がいい物とかわからないと買い物も出来ないからね。今回はほとんど知らない人達との行動だから一緒にご飯作って食べることはないだろう。テントだって完全に個人設置になるだろうしね。
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