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港町トリィ
149. なじむ
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休憩を終え再び馬車が出発した。緩やかな傾斜な山を登り特に何事もなく今度は下り、そして反対側の山のふもとへと到着。今日はここで一晩過ごし明日の昼くらいには港町につくそうだ。
またヨルさんが夕食を欲しそうにしていたが、はっきり言ってめんどくさい。食事を提供する約束は今回していないんだよね。まあ一人くらい増えても問題はないんだが…他の人達に悪いじゃん。なので我慢してもらうことに。今進めている作戦がうまくいったら打ち上げも兼ねてごちそうするってことで手を打った。それを聞いていたセブンシー、アルバトロス、ギルドマスターのミリエルはもちろん私達もでしょうね、とこっちをじっと見ていた。どうやらみんな打ち上げとかはやりたい派らしい。
まあそんなことは成功してからの話なので後で考えればいいとして、まずは今晩の警戒をしなくてはいけない。こちらとしては捕まえたいので襲って欲しいところなのだがやはり少数だけど護衛がいるので、相手も警戒をしているのだろう。来るとしたらジエル確保のためにこっそりと…なんだろうか?
と思っていたんだけど何事もなく朝を迎えた。人員確認したけど誰もいなくなってはいない。
朝食を済ませ馬車が出発。町に着くまでにもうそれほど距離がない。チャンスが少なくなってきている。より一層警戒をしよう。
「はい、確認しました通っていですよ」
問題も起こらず港町に到着。馬車の中を確認され門を通された。うーん…本当にダルシア男爵はやってくるのか? だんだん怪しくなってきたよね。
宿を取りここで護衛役の人たちとはいったんお別れだ。今からは船の予約と手回しをする行動を始める。まあ実際その予約する船は出ないが。こっそりとその時間に船が出るといううわさが俺たちのことを訊ねて来た人に流れるだけ。まずは2人を宿に残して俺は船の予約に向かう。もちろんこれも罠の一環で、あっさりとダルシア男爵に繋がる誰かが釣れるといいのだけど。
港へ向かい船着き場で船の予約の出来る場所を聞き、船の予約をした。もちろんこそこそと怪しげに…そして俺は適当に市場を覗き食料品を買いあさる。いかにもこれから船旅で必要な食糧を買い足してますというかのように。こんなことがなければゆっくりと見て周るのにと残念だ。でも実際さっきから寄っている店は今回の作戦の関係者なので買い物をしているわけではない。よるたびに俺のとこをつけている人がいないかどうかの確認をしてもらっている。どうやらいるらしい。
でもそいつらはついて歩いているだけで俺を襲うことなく宿に到着。
「…ん?」
「戻って来たか」
部屋に入るとセブンシ―とミリエルだけじゃなく、セブンシーの下敷きになっているのが2人ほど…
「返り討ちにしてやったわ」
「話は聞き出せたの?」
「それが…この子手加減が苦手なのかあっさりと気絶させちゃってまだ話をきいていないのよね」
なるほど。直接ジエルを狙いに来たらのされてしまったと。こいつらが弱いのかセブンシ―が強いのか…
「はあ…まあ報告しておこうか」
俺は右耳についているイヤリングに魔力を流してジルベスターさんと連絡を取った。この作戦のために借りていたんだよね。ジルベスターさんはさらにヨルさんとも連絡が取れるようにしてあって、しばらくするとヨルさんに連絡が行ったのか部屋の扉がノックされた。
「誰ですか?」
「俺だ」
「俺さんですか? そんな知り合いはいませんが」
「おい、ふざけてんのかリョータ」
おっとつい言いたくなって実行に移したら怒られた。セブンシ―が押さえつけていた2人をヨルさん達が別の部屋へと連れて行った。たたき起こして話をききだすんだそうだ。拷問…とかしないよね? 暴行程度で済ませて欲しいね…気のせいかだんだん俺もこの世界になじんできたものだ。暴行程度って…ちょっと考え方が怖くて震えた。
またヨルさんが夕食を欲しそうにしていたが、はっきり言ってめんどくさい。食事を提供する約束は今回していないんだよね。まあ一人くらい増えても問題はないんだが…他の人達に悪いじゃん。なので我慢してもらうことに。今進めている作戦がうまくいったら打ち上げも兼ねてごちそうするってことで手を打った。それを聞いていたセブンシー、アルバトロス、ギルドマスターのミリエルはもちろん私達もでしょうね、とこっちをじっと見ていた。どうやらみんな打ち上げとかはやりたい派らしい。
まあそんなことは成功してからの話なので後で考えればいいとして、まずは今晩の警戒をしなくてはいけない。こちらとしては捕まえたいので襲って欲しいところなのだがやはり少数だけど護衛がいるので、相手も警戒をしているのだろう。来るとしたらジエル確保のためにこっそりと…なんだろうか?
と思っていたんだけど何事もなく朝を迎えた。人員確認したけど誰もいなくなってはいない。
朝食を済ませ馬車が出発。町に着くまでにもうそれほど距離がない。チャンスが少なくなってきている。より一層警戒をしよう。
「はい、確認しました通っていですよ」
問題も起こらず港町に到着。馬車の中を確認され門を通された。うーん…本当にダルシア男爵はやってくるのか? だんだん怪しくなってきたよね。
宿を取りここで護衛役の人たちとはいったんお別れだ。今からは船の予約と手回しをする行動を始める。まあ実際その予約する船は出ないが。こっそりとその時間に船が出るといううわさが俺たちのことを訊ねて来た人に流れるだけ。まずは2人を宿に残して俺は船の予約に向かう。もちろんこれも罠の一環で、あっさりとダルシア男爵に繋がる誰かが釣れるといいのだけど。
港へ向かい船着き場で船の予約の出来る場所を聞き、船の予約をした。もちろんこそこそと怪しげに…そして俺は適当に市場を覗き食料品を買いあさる。いかにもこれから船旅で必要な食糧を買い足してますというかのように。こんなことがなければゆっくりと見て周るのにと残念だ。でも実際さっきから寄っている店は今回の作戦の関係者なので買い物をしているわけではない。よるたびに俺のとこをつけている人がいないかどうかの確認をしてもらっている。どうやらいるらしい。
でもそいつらはついて歩いているだけで俺を襲うことなく宿に到着。
「…ん?」
「戻って来たか」
部屋に入るとセブンシ―とミリエルだけじゃなく、セブンシーの下敷きになっているのが2人ほど…
「返り討ちにしてやったわ」
「話は聞き出せたの?」
「それが…この子手加減が苦手なのかあっさりと気絶させちゃってまだ話をきいていないのよね」
なるほど。直接ジエルを狙いに来たらのされてしまったと。こいつらが弱いのかセブンシ―が強いのか…
「はあ…まあ報告しておこうか」
俺は右耳についているイヤリングに魔力を流してジルベスターさんと連絡を取った。この作戦のために借りていたんだよね。ジルベスターさんはさらにヨルさんとも連絡が取れるようにしてあって、しばらくするとヨルさんに連絡が行ったのか部屋の扉がノックされた。
「誰ですか?」
「俺だ」
「俺さんですか? そんな知り合いはいませんが」
「おい、ふざけてんのかリョータ」
おっとつい言いたくなって実行に移したら怒られた。セブンシ―が押さえつけていた2人をヨルさん達が別の部屋へと連れて行った。たたき起こして話をききだすんだそうだ。拷問…とかしないよね? 暴行程度で済ませて欲しいね…気のせいかだんだん俺もこの世界になじんできたものだ。暴行程度って…ちょっと考え方が怖くて震えた。
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