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西側の大陸
177. シズクと合流
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そういえば…この状態で妖精の囁きを使ったらどうなるんだろう? ちょっと試してみるか。
「妖精の囁き」
(…ツマリワタシタチノオウガイルバショ)
(オカシオイシイ…)
(モットタベタイ…)
(コノモリハヘイワネ)
(マリョクガオイシイ)
(アノシロイイキモノイツモイルワ)
(サソワレテキタケド…イイバショネ)
おっと効果時間切れ。どうもこの近辺の会話しかしていないような感じだな。外へ通じる扉を閉じているからとかかな?
「リョータさんわかりましたよ」
「この先に妖精の王がいるんだろう?」
「…! 知っていたんですか?」
「妖精の会話の聞くだけのスキルでさっき聞いた」
「そんなスキルもあるのですね。それでどうやらシズクさんはその王がいる方向へと向かっているみたいですけど、彼女自身妖精が見えているとは思えないんですよね」
なんだつまりなんとなく気になるところがあるから向かっているってところなのか? 人探しをしているのならそう言った感に従って動くこともあるってことか。何か問題を起こす前に合流したほうがいいかもだな。
「ルーちょっと急ぐぞ」
「あ、はいっ」
俺たちは出来るだけ急いで森の中を走り抜けた。途中何度かヒールをかけながら…
「い、いました!」
「シズク!!」
「ん?」
よかったまだ妖精の王には遭遇していないみたいだ。
「そろそろ出発するつもりなんだが戻ってこないから迎えに来たぞ」
「ああそうなのか。というかよく俺の場所がわかったな」
「まあ一応このスキルの持ち主だからな」
「ふぅ~ん…あのさ、出発もう少しだけ待ってもらっていいか? この先にちょっと気になるところがあるもんでよっ」
なるほどやっぱり感なのか。
「それとも俺にこの先に行かれたらまずいのか?」
「その先にいるのは妖精の王だぞ。なんか用事でもあるのか?」
「妖精の王~? あーそういえばエルフも一緒にいたんだっけな」
「ああだから用事がないなら行く必要はないだろう?」
「そういわれればそうだけどさ、それが本当かはみてみないとわかんね~だろう? 嘘だったらバカを見るのは俺だし、やっぱりこういうのは直接見ておかないと気が済まないんだよ」
やっぱり昨日もめた後だから全然話聞いてくれないな。
「結界!」
「!!」
シズクの目の前に結界をだし行く手を阻む。まあ壁のように設置しただけだから横に移動していけば通れるところがあるんだけどな。一時的に塞ぐだけならこれでいい。
「…邪魔をするのか?」
「妖精の王にあって問題を起こされるほうが困るんだよっ」
「こんなもん壊してやる!!」
シズクはこぶしを握り締め結界に向かって大きく振りかぶった。結界は軽く振動を起こすだけで壊れない。それにいらだったのかシズクは更に連続で拳を叩きつける。
「くっそ…こわれねぇっ」
同じ強さで殴っても結界は壊れない。シズクはたぶんその特性を知らないのだろう。ガンガンと結界を殴りつける音が響いているだけでいつまでたっても壊れそうもない…そのはずだった。
パリィィィィィィーーーンッ と突然結界が壊れた。初めて結界が壊れるところを見た俺は驚いて目を見開く。
「お? なんだなんだ?」
結界を壊したかったはずのシズクも何が起こったのかわからず驚いていた。
「騒がしいのです…」
結界のあった場所の反対側…そこに一人の少女がいた。銀髪の長い髪の毛は地面を這い、シンプルな白いワンピースを着た5歳くらいの少女というか幼女だ。
「もめ事は感心いたしません…あら? どちら様でしょう??」
幼女は左手を頬に当て首をこてりと傾けた。
「妖精の囁き」
(…ツマリワタシタチノオウガイルバショ)
(オカシオイシイ…)
(モットタベタイ…)
(コノモリハヘイワネ)
(マリョクガオイシイ)
(アノシロイイキモノイツモイルワ)
(サソワレテキタケド…イイバショネ)
おっと効果時間切れ。どうもこの近辺の会話しかしていないような感じだな。外へ通じる扉を閉じているからとかかな?
「リョータさんわかりましたよ」
「この先に妖精の王がいるんだろう?」
「…! 知っていたんですか?」
「妖精の会話の聞くだけのスキルでさっき聞いた」
「そんなスキルもあるのですね。それでどうやらシズクさんはその王がいる方向へと向かっているみたいですけど、彼女自身妖精が見えているとは思えないんですよね」
なんだつまりなんとなく気になるところがあるから向かっているってところなのか? 人探しをしているのならそう言った感に従って動くこともあるってことか。何か問題を起こす前に合流したほうがいいかもだな。
「ルーちょっと急ぐぞ」
「あ、はいっ」
俺たちは出来るだけ急いで森の中を走り抜けた。途中何度かヒールをかけながら…
「い、いました!」
「シズク!!」
「ん?」
よかったまだ妖精の王には遭遇していないみたいだ。
「そろそろ出発するつもりなんだが戻ってこないから迎えに来たぞ」
「ああそうなのか。というかよく俺の場所がわかったな」
「まあ一応このスキルの持ち主だからな」
「ふぅ~ん…あのさ、出発もう少しだけ待ってもらっていいか? この先にちょっと気になるところがあるもんでよっ」
なるほどやっぱり感なのか。
「それとも俺にこの先に行かれたらまずいのか?」
「その先にいるのは妖精の王だぞ。なんか用事でもあるのか?」
「妖精の王~? あーそういえばエルフも一緒にいたんだっけな」
「ああだから用事がないなら行く必要はないだろう?」
「そういわれればそうだけどさ、それが本当かはみてみないとわかんね~だろう? 嘘だったらバカを見るのは俺だし、やっぱりこういうのは直接見ておかないと気が済まないんだよ」
やっぱり昨日もめた後だから全然話聞いてくれないな。
「結界!」
「!!」
シズクの目の前に結界をだし行く手を阻む。まあ壁のように設置しただけだから横に移動していけば通れるところがあるんだけどな。一時的に塞ぐだけならこれでいい。
「…邪魔をするのか?」
「妖精の王にあって問題を起こされるほうが困るんだよっ」
「こんなもん壊してやる!!」
シズクはこぶしを握り締め結界に向かって大きく振りかぶった。結界は軽く振動を起こすだけで壊れない。それにいらだったのかシズクは更に連続で拳を叩きつける。
「くっそ…こわれねぇっ」
同じ強さで殴っても結界は壊れない。シズクはたぶんその特性を知らないのだろう。ガンガンと結界を殴りつける音が響いているだけでいつまでたっても壊れそうもない…そのはずだった。
パリィィィィィィーーーンッ と突然結界が壊れた。初めて結界が壊れるところを見た俺は驚いて目を見開く。
「お? なんだなんだ?」
結界を壊したかったはずのシズクも何が起こったのかわからず驚いていた。
「騒がしいのです…」
結界のあった場所の反対側…そこに一人の少女がいた。銀髪の長い髪の毛は地面を這い、シンプルな白いワンピースを着た5歳くらいの少女というか幼女だ。
「もめ事は感心いたしません…あら? どちら様でしょう??」
幼女は左手を頬に当て首をこてりと傾けた。
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