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西側の大陸
178. 妖精の王
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これが妖精の王? 妖精はクッキーの袋の中に入るくらいの大きさだと思ったが…王といわれるだけありそれなりの大きさなのだな。というか姿が見えるとは思わなかった。
ちらりと周りを見るとシズクは驚いたまま動きが止まっていた。ルーに至ってはその場で膝をつき頭を下げている。え、何これって俺も頭を下げるべきなのか?
「まああ~ まさかお会いできるとはっ」
幼女はそういうと俺の傍に駆け寄ってきた。どういうこと? あったことはなかったはずなんだが。目をキラキラと輝かせ俺を見上げているんだ。
「えーと君は?」
「はい、わたくしはこの世界で妖精たちをまとめているものでフィリールと申します。元は他の世界に住んでいましたのですが、この居心地のよさそうな世界を見つけまして移住したのです。主様の許可も取らず勝手に移住をしましたことをお詫び申し上げます」
あーやっぱり扉の向こうからやってきた妖精たちだったのか…でも移住したってことはあっち側の妖精はどうなったんだろうか?
「移住の件は問題ないが、元の世界の妖精はまさか全員来ているってことはないよな?」
「はい、問題ありません。この世界がとても安全ですので一部のものが移住しただけで、あちらとの行き来もしております」
よかった…妖精の役割はわからないが種族絶滅みたいなことになると何が起こるかわからないからな。
「主様はお優しいのですね」
「…そういえばその主様っていうのは?」
「この世界をおつくりになられた方ですから間違いないと思うのですけども…」
あーそういう意味の主、ね。だよね妖精と契約した覚えはなかったからちょっと驚いた。
「な、なあ…妖精の王って見えるもんなのか? 初めてあったからわからんのだが」
「あら、会話をするために姿を見えるようにしたのですわ。声だけが聞こえたら不気味でしょうし」
へー見えるようにも出来るのか。
「まあ他の子たちはそんな力はないのですけれども」
「お、おう…納得した。で妖精の王さんよ、この先に勇者を匿っていたりしないのか?」
「なぜそのようなことをわたしくしがしなくてはならないのですか? この森にいる人はあなたたちだけです」
「そうか…ならもう探すところはなさそうだな」
どうやらシズクは納得したみたいだ。バツの悪そうな顔をしてこっちに視線を向ける。
「えーと…リョータ、疑って悪かったな。こんなスキルがあれば隠しておけるだろうと思ってよ、一応隅々まで歩いてみた…いなかったよ」
隅々って…まさか寝ないで一晩中歩いていたのか?
「首、大丈夫か?」
「ん、ああ絞められたときにちょっと苦しかったくらいだな」
「わりぃ…」
そういいながらシズクは俺の首をなでる。いや…ちょっとこれは新手の拷問か何かか? くすぐったいし恥ずかしいんだがっ それにさっきまで頭を下げていたルーが顔をあげてこっちを睨んでいる!
「なにがなにやらよくわかりませんけれども、もめ事がなくなったのならよいことでしょうね」
「…くないです」
ルーは立ち上がり俺とシズクを引き離す。
「何をしているんですか…いやらしい」
「はぁ? 何って絞めちまった首をなでただけだぞ」
「むやみに異性の肌に触れる行為に注意しているんです! それにリョータさんは私の友達なんですからねっ」
「なんなんだよっ」
それは俺も同意だ。何やらよくわからんがルーがシズクに対して怒っている。
「それではわたくしは戻りますので、森ではもう少しお静かにしていただけることをお願いいたします」
「ああわかった」
そんな口喧嘩? をしている2人を無視して妖精の王フィリールは挨拶をして去っていった。まさか俺の箱庭に妖精の王までいるとは思わなかった。妖精だけだと思ってたからな。というか2人は早く落ち着いてくれんかね。このままじゃ出発できない。
ちらりと周りを見るとシズクは驚いたまま動きが止まっていた。ルーに至ってはその場で膝をつき頭を下げている。え、何これって俺も頭を下げるべきなのか?
「まああ~ まさかお会いできるとはっ」
幼女はそういうと俺の傍に駆け寄ってきた。どういうこと? あったことはなかったはずなんだが。目をキラキラと輝かせ俺を見上げているんだ。
「えーと君は?」
「はい、わたくしはこの世界で妖精たちをまとめているものでフィリールと申します。元は他の世界に住んでいましたのですが、この居心地のよさそうな世界を見つけまして移住したのです。主様の許可も取らず勝手に移住をしましたことをお詫び申し上げます」
あーやっぱり扉の向こうからやってきた妖精たちだったのか…でも移住したってことはあっち側の妖精はどうなったんだろうか?
「移住の件は問題ないが、元の世界の妖精はまさか全員来ているってことはないよな?」
「はい、問題ありません。この世界がとても安全ですので一部のものが移住しただけで、あちらとの行き来もしております」
よかった…妖精の役割はわからないが種族絶滅みたいなことになると何が起こるかわからないからな。
「主様はお優しいのですね」
「…そういえばその主様っていうのは?」
「この世界をおつくりになられた方ですから間違いないと思うのですけども…」
あーそういう意味の主、ね。だよね妖精と契約した覚えはなかったからちょっと驚いた。
「な、なあ…妖精の王って見えるもんなのか? 初めてあったからわからんのだが」
「あら、会話をするために姿を見えるようにしたのですわ。声だけが聞こえたら不気味でしょうし」
へー見えるようにも出来るのか。
「まあ他の子たちはそんな力はないのですけれども」
「お、おう…納得した。で妖精の王さんよ、この先に勇者を匿っていたりしないのか?」
「なぜそのようなことをわたしくしがしなくてはならないのですか? この森にいる人はあなたたちだけです」
「そうか…ならもう探すところはなさそうだな」
どうやらシズクは納得したみたいだ。バツの悪そうな顔をしてこっちに視線を向ける。
「えーと…リョータ、疑って悪かったな。こんなスキルがあれば隠しておけるだろうと思ってよ、一応隅々まで歩いてみた…いなかったよ」
隅々って…まさか寝ないで一晩中歩いていたのか?
「首、大丈夫か?」
「ん、ああ絞められたときにちょっと苦しかったくらいだな」
「わりぃ…」
そういいながらシズクは俺の首をなでる。いや…ちょっとこれは新手の拷問か何かか? くすぐったいし恥ずかしいんだがっ それにさっきまで頭を下げていたルーが顔をあげてこっちを睨んでいる!
「なにがなにやらよくわかりませんけれども、もめ事がなくなったのならよいことでしょうね」
「…くないです」
ルーは立ち上がり俺とシズクを引き離す。
「何をしているんですか…いやらしい」
「はぁ? 何って絞めちまった首をなでただけだぞ」
「むやみに異性の肌に触れる行為に注意しているんです! それにリョータさんは私の友達なんですからねっ」
「なんなんだよっ」
それは俺も同意だ。何やらよくわからんがルーがシズクに対して怒っている。
「それではわたくしは戻りますので、森ではもう少しお静かにしていただけることをお願いいたします」
「ああわかった」
そんな口喧嘩? をしている2人を無視して妖精の王フィリールは挨拶をして去っていった。まさか俺の箱庭に妖精の王までいるとは思わなかった。妖精だけだと思ってたからな。というか2人は早く落ち着いてくれんかね。このままじゃ出発できない。
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