【本編完結】異世界に召喚されわがまま言ったらガチャのスキルをもらった

れのひと

文字の大きさ
210 / 356
フランモネで仕事をする

194. オーク狩り2

しおりを挟む
 拘束している魔物達を次々とナイフで突き刺した。そのたびにいやな感触がして顔をしかめてしまうが、町からそう遠くない場所にいるしもし町に来たら危ないしと自分に言い聞かせた。

「ふ~ん…魔法も使うがそのナイフの威力もあるな。ちょっとそのナイフ後で見せてくれよ」
「ただのナイフだぞ?」

 そういって俺は今使っていたナイフをシズクに渡し再び別のカード状のナイフを散り出し、実物に変えて討伐を再開する。

「なんじゃこりゃ…普通に店で売ってる一番やっすいやつじゃねぇかっ」
「だからただのナイフだって言っただろう?」
「…返す」
「いらないし…」

 まだもう1個あるから折れても大丈夫なくらいだ。

「ふぅ…こんなところか?」

 周辺にいた魔物を倒し終えひといき。ひとまず全部インベントリにしまう。数を確認してみるとウサギが多い感じだった。オークは…2匹。あと3匹探さないと仕事が終わらない。

「うーん…仕事としてこれ効率わるくないか?」
「いうなよ…肉うまいだろう?」

 まあそうなんだろうけど、今は現金が欲しいんだ。索敵でさっき倒したオークと同じくらいの強さを探してみることにした。

「あ…なあシズクこの奥に魔物がたくさんいるみたいなんだが」
「そっちか…たしか以前ゴブリンが集落をつくっていた場所だぞ。他パーティが殲滅したはずなんだがな…」
「だったらそこをオークが使っているってことは?」
「ありえるけど、もしそなら2人じゃちょと厳しいんじゃないかな」
「まあそうかもだけど本当かどうか見に行った方がいいと思うんだが? やばかったら即逃げればいいし」
「あーあのスキルか。確かにあれでなら町まで連れていくってことはないか。じゃあ確認だけでもして一度戻ったほうがいいな」

 木々の間を縫って魔物がたくさんいる反応を示したほうへとシズクと2人向かう。途中ちらほらといるゴブリンを声をあげられる前にシズクがしとめて。あまり騒がれると見つかってしまうからとのこと。だったらと俺はダークネスで目に入る魔物を片っ端から声を出せないように、暴れられないように拘束をした。それを次々と仕留めるシズク。ついでに魔物の回収もその拘束した状態で次々と俺の前で持ってきてインベントリへ。ちょっとこの狩りは楽すぎていけない気がしてきた。ちなみに自分が狩らなくていいのが一番いいところだな。

「しっ」

 くいっとシズクが指で先を示す。そっと木の影から奥を覗くと確かに集落っぽい…木々をなぎ倒して家みたいにしているものがちらほらと見える。それにオークだけじゃなくてゴブリンも混ざっているな。流石にそこまでは索敵でわからなかったからやっぱり目で見るのは必要なことなんだなーと再確認。

「目に見えるだけでも50はいるだろうこれ…」
「ってことはちゃんと数えたらもっといるかもだな」
「さあ確認したし報告に戻ろうぜ」
「んー…どうせすぐ逃げれるし、ちょっとスキル試していいか?」
「いいけどよ…こっちいるの気がつかれないものだけにしてくれよ? 向かってこられたらすぐ逃げてもあいつらこっちの方へ探しに来ちまう」

 なるほど。そう言ったこともあるのか。だったら気がつかれない範囲で試せるものだけにしようか。

「じゃあ…成長促進」

 ゴブリンやオークたちがいる足元の草とかを成長させてみた。使う機会がなくて試せなかったんだよね。お…オークたちのひざ下くらいまで草が伸びたな。それによって周りが少し混乱しているみたいだ。まあいきなり草が伸びたら普通驚くわな。

「なんか騒がしくなってるぞ?」
「うん、草が伸びて驚いたみたいだな。続けて…土壌改革」

 さらに足元の土を畑として使えるように柔らかいふかふかの土に変える。それによってさっきまで硬かった地面が柔らかくなり足元が不安定で転び始めるオークとゴブリンが多数現れる。ぶつかり合いお互いのせいにしあい、少しもめ始めている。

「おいおい仲間で争い始めたぞ」
「思ったより使えそうなスキルだな」
「いや今のこんなとこで使うスキルじゃねぇだろう?」

 何言ってんだ? 使えるなら何でも使うもんだろう。

「ほらそんなことよりよく見ろよ」
「ん? あっ お互いを疑い始めて数が少しづつ減ってきている!」
「うん、このまましばらく待てば結構は数がへるんじゃないか?」
「だったらもう少し離れて様子を見ようぜ」

 俺とシズクはもう少し集落から離れ木に登り様子を眺めることにした。
しおりを挟む
感想 3

あなたにおすすめの小説

明日を信じて生きていきます~異世界に転生した俺はのんびり暮らします~

みなと劉
ファンタジー
異世界に転生した主人公は、新たな冒険が待っていることを知りながらも、のんびりとした暮らしを選ぶことに決めました。 彼は明日を信じて、異世界での新しい生活を楽しむ決意を固めました。 最初の仲間たちと共に、未知の地での平穏な冒険が繰り広げられます。 一種の童話感覚で物語は語られます。 童話小説を読む感じで一読頂けると幸いです

備蓄スキルで異世界転移もナンノソノ

ちかず
ファンタジー
久しぶりの早帰りの金曜日の夜(但し、矢作基準)ラッキーの連続に浮かれた矢作の行った先は。 見た事のない空き地に1人。異世界だと気づかない矢作のした事は? 異世界アニメも見た事のない矢作が、自分のスキルに気づく日はいつ来るのだろうか。スキル【備蓄】で異世界に騒動を起こすもちょっぴりズレた矢作はそれに気づかずマイペースに頑張るお話。 鈍感な主人公が降り注ぐ困難もナンノソノとクリアしながら仲間を増やして居場所を作るまで。

貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。

黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。 この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。

神様、ちょっとチートがすぎませんか?

ななくさ ゆう
ファンタジー
【大きすぎるチートは呪いと紙一重だよっ!】 未熟な神さまの手違いで『常人の“200倍”』の力と魔力を持って産まれてしまった少年パド。 本当は『常人の“2倍”』くらいの力と魔力をもらって転生したはずなのにっ!!  おかげで、産まれたその日に家を壊しかけるわ、謎の『闇』が襲いかかってくるわ、教会に命を狙われるわ、王女様に勇者候補としてスカウトされるわ、もう大変!!  僕は『家族と楽しく平和に暮らせる普通の幸せ』を望んだだけなのに、どうしてこうなるの!?  ◇◆◇◆◇◆◇◆◇  ――前世で大人になれなかった少年は、新たな世界で幸せを求める。  しかし、『幸せになりたい』という夢をかなえるの難しさを、彼はまだ知らない。  自分自身の幸せを追い求める少年は、やがて世界に幸せをもたらす『勇者』となる――  ◇◆◇◆◇◆◇◆◇ 本文中&表紙のイラストはへるにゃー様よりご提供戴いたものです(掲載許可済)。 へるにゃー様のHP:http://syakewokuwaeta.bake-neko.net/ --------------- ※カクヨムとなろうにも投稿しています

スーパーの店長・結城偉介 〜異世界でスーパーの売れ残りを在庫処分〜

かの
ファンタジー
 世界一周旅行を夢見てコツコツ貯金してきたスーパーの店長、結城偉介32歳。  スーパーのバックヤードで、うたた寝をしていた偉介は、何故か異世界に転移してしまう。  偉介が転移したのは、スーパーでバイトするハル君こと、青柳ハル26歳が書いたファンタジー小説の世界の中。  スーパーの過剰商品(売れ残り)を捌きながら、微妙にズレた世界線で、偉介の異世界一周旅行が始まる!  冒険者じゃない! 勇者じゃない! 俺は商人だーーー! だからハル君、お願い! 俺を戦わせないでください!

『ミッドナイトマート 〜異世界コンビニ、ただいま営業中〜』

KAORUwithAI
ファンタジー
深夜0時——街角の小さなコンビニ「ミッドナイトマート」は、異世界と繋がる扉を開く。 日中は普通の客でにぎわう店も、深夜を回ると鎧を着た騎士、魔族の姫、ドラゴンの化身、空飛ぶ商人など、“この世界の住人ではない者たち”が静かにレジへと並び始める。 アルバイト店員・斉藤レンは、バイト先が異世界と繋がっていることに戸惑いながらも、今日もレジに立つ。 「袋いりますか?」「ポイントカードお持ちですか?」——そう、それは異世界相手でも変わらない日常業務。 貯まるのは「ミッドナイトポイントカード(通称ナイポ)」。 集まるのは、どこか訳ありで、ちょっと不器用な異世界の住人たち。 そして、商品一つひとつに込められる、ささやかで温かな物語。 これは、世界の境界を越えて心を繋ぐ、コンビニ接客ファンタジー。 今夜は、どんなお客様が来店されるのでしょう? ※異世界食堂や異世界居酒屋「のぶ」とは 似て非なる物として見て下さい

異世界転生したおっさんが普通に生きる

カジキカジキ
ファンタジー
 第18回 ファンタジー小説大賞 読者投票93位 応援頂きありがとうございました!  異世界転生したおっさんが唯一のチートだけで生き抜く世界  主人公のゴウは異世界転生した元冒険者  引退して狩をして過ごしていたが、ある日、ギルドで雇った子どもに出会い思い出す。  知識チートで町の食と環境を改善します!! ユルくのんびり過ごしたいのに、何故にこんなに忙しい!?

異世界に転生したけど、頭打って記憶が・・・え?これってチート?

よっしぃ
ファンタジー
よう!俺の名はルドメロ・ララインサルって言うんだぜ! こう見えて高名な冒険者・・・・・になりたいんだが、何故か何やっても俺様の思うようにはいかないんだ! これもみんな小さい時に頭打って、記憶を無くしちまったからだぜ、きっと・・・・ どうやら俺は、転生?って言うので、神によって異世界に送られてきたらしいんだが、俺様にはその記憶がねえんだ。 周りの奴に聞くと、俺と一緒にやってきた連中もいるって話だし、スキルやらステータスたら、アイテムやら、色んなものをポイントと交換して、15の時にその、特別なポイントを取得し、冒険者として成功してるらしい。ポイントって何だ? 俺もあるのか?取得の仕方がわかんねえから、何にもないぜ?あ、そう言えば、消えないナイフとか持ってるが、あれがそうなのか?おい、記憶をなくす前の俺、何取得してたんだ? それに、俺様いつの間にかペット(フェンリルとドラゴン)2匹がいるんだぜ! よく分からんが何時の間にやら婚約者ができたんだよな・・・・ え?俺様チート持ちだって?チートって何だ? @@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@ 話を進めるうちに、少し内容を変えさせて頂きました。

処理中です...