222 / 356
エルフの里
206. ルーとジエルの母親
しおりを挟む
食堂に通され俺たちは食事を楽しんだ。ちゃんとジエルもネコルーもアスも連れてきている。食事の内容はいたって普通。いやむしろ俺が普通だと感じているのがおかしいくらいだ。エルフだからと野菜ばかりということもなく、まあルーやジエルが普通に肉食べてたから当たり前なんだが…なんというか若干日本よりな食事内容。あれだ、日本で食べる外食みたいな感じ。和洋折衷なんでもござれってやつ。
若干俺たちの昼飯が遅かったためか食事をしたのは今言ったメンバーだけで気楽だったため、楽しめたのは嬉しい。もしかしたらある程度気にかけてくれたのかもしれないな。わざわざ呼びつけた相手なんだから。まあ…この後何を聞かされるのかが問題である。どんな気持ちでいたって結局聞かされるのならもう大人しく聞くしかない。どんな驚く内容だろうと来やがれって言う感じだな。
「ではそろそろ母と会ってもらいましょうか」
食後のお茶を楽しんでいるとルーがいだした。うん、大丈夫元からそのためにここまで来たんだしね。俺は頷きルーを方を見た。それが合図となったのかルーは立ち上がり移動を始める俺とシズクも慌てて立ち上がりその後をついていく。若干遅れてネコルーに乗ったジエルとアスがついてきた。というかジエルはそのままでいいんですかね? というのが気になったが誰も何も言わないので俺も口を閉めて置く。
広い家と行ってもあくまで建物という決められた範囲の中、数分歩くと目的地だと思われる扉の前についた。えーと…別段豪華な扉というわけでもなく普通の他の部屋とほとんど変わらない扉の前だ。本当にこの部屋なのかとルーに聞いてしまいたくなるくらい。まあこの家に住んでいるのに間違えるわけがないか。
コンコン
「客人を連れてきました」
「どうぞ」
「はい」
ルーと室内から聞こえてくる声のやり取りが終わりついて来ていたメイドが扉を開けてくれた。中は普通の洋室かな…壁に本棚があり本がたくさん並んでいる。執務室って言われるとしっくりきそうだ。向き合うように低めのテーブルをはさみソファーが2台。そして執務机の奥に大きな窓がありその前に一人の女性が立っていた。逆光で顔はよく見えないが室内に他に人がいないことからこの人がルーとジエルの母親であることは間違いないだろう。ゆっくりとソファーの方へと移動していくのでそれを目で追った。
「こちらにかけてくださいな」
優しく微笑む女性はたしかに顔はジエルにそっくりだった。ただエルフの特性かジエルの姉と言った方がいいくらい若く見える。まずはいわれるままソファーの方へと移動をした。ルーとジエルはその女性の方側へ。っておいネコルーとアスもそっちかよ! というかジエルが離してくれないから仕方ないか。俺とシズクは軽く頭を下げソファーに座った。
「遠路はるばるよくおいでくださいました。私はこの2人の母であり、エルフの里の長でルリアーナと申します」
「リョータです」
「シズク」
長…町並みを見てしまうとやっぱり似合わない。色々とエルフの里はちぐはぐな感じがする。
「えーとシズクさん? あなたのことは少し報告をいただいています」
「お、おうっ?」
「後程ジエルが直接御神木様からお話をお聞きしますのでそれに立ち会えば色々とわかることになるでしょう…ジエルの対話が問題なければですが」
「そうか…」
「問題は…あなたは後を継ぐことが決まっているのですか?」
…ん? 後を継ぐ?? ちょっと待ってくれシズクは一般人じゃなかったのか?
「それは…まだ決まってない」
「そうですか。でしたら今からここで行われる会話に参加する条件を満たしておりません」
「なっ!! 俺だって聞く権利くらいあるはずだっ」
「なぜですか?」
「だってあいつは…あいつが天辺についたら獣人族は終わってしまうっ」
「そうですか、つまりあなたが必ず後を継ぐと申されるのですね?」
「もちろんだ。決定はまだだが今回ここまで顔を出したのもそのためなんだ!」
「わかりました許可しましょう」
そういうとルリアーナさんはすっと目を細めた。
若干俺たちの昼飯が遅かったためか食事をしたのは今言ったメンバーだけで気楽だったため、楽しめたのは嬉しい。もしかしたらある程度気にかけてくれたのかもしれないな。わざわざ呼びつけた相手なんだから。まあ…この後何を聞かされるのかが問題である。どんな気持ちでいたって結局聞かされるのならもう大人しく聞くしかない。どんな驚く内容だろうと来やがれって言う感じだな。
「ではそろそろ母と会ってもらいましょうか」
食後のお茶を楽しんでいるとルーがいだした。うん、大丈夫元からそのためにここまで来たんだしね。俺は頷きルーを方を見た。それが合図となったのかルーは立ち上がり移動を始める俺とシズクも慌てて立ち上がりその後をついていく。若干遅れてネコルーに乗ったジエルとアスがついてきた。というかジエルはそのままでいいんですかね? というのが気になったが誰も何も言わないので俺も口を閉めて置く。
広い家と行ってもあくまで建物という決められた範囲の中、数分歩くと目的地だと思われる扉の前についた。えーと…別段豪華な扉というわけでもなく普通の他の部屋とほとんど変わらない扉の前だ。本当にこの部屋なのかとルーに聞いてしまいたくなるくらい。まあこの家に住んでいるのに間違えるわけがないか。
コンコン
「客人を連れてきました」
「どうぞ」
「はい」
ルーと室内から聞こえてくる声のやり取りが終わりついて来ていたメイドが扉を開けてくれた。中は普通の洋室かな…壁に本棚があり本がたくさん並んでいる。執務室って言われるとしっくりきそうだ。向き合うように低めのテーブルをはさみソファーが2台。そして執務机の奥に大きな窓がありその前に一人の女性が立っていた。逆光で顔はよく見えないが室内に他に人がいないことからこの人がルーとジエルの母親であることは間違いないだろう。ゆっくりとソファーの方へと移動していくのでそれを目で追った。
「こちらにかけてくださいな」
優しく微笑む女性はたしかに顔はジエルにそっくりだった。ただエルフの特性かジエルの姉と言った方がいいくらい若く見える。まずはいわれるままソファーの方へと移動をした。ルーとジエルはその女性の方側へ。っておいネコルーとアスもそっちかよ! というかジエルが離してくれないから仕方ないか。俺とシズクは軽く頭を下げソファーに座った。
「遠路はるばるよくおいでくださいました。私はこの2人の母であり、エルフの里の長でルリアーナと申します」
「リョータです」
「シズク」
長…町並みを見てしまうとやっぱり似合わない。色々とエルフの里はちぐはぐな感じがする。
「えーとシズクさん? あなたのことは少し報告をいただいています」
「お、おうっ?」
「後程ジエルが直接御神木様からお話をお聞きしますのでそれに立ち会えば色々とわかることになるでしょう…ジエルの対話が問題なければですが」
「そうか…」
「問題は…あなたは後を継ぐことが決まっているのですか?」
…ん? 後を継ぐ?? ちょっと待ってくれシズクは一般人じゃなかったのか?
「それは…まだ決まってない」
「そうですか。でしたら今からここで行われる会話に参加する条件を満たしておりません」
「なっ!! 俺だって聞く権利くらいあるはずだっ」
「なぜですか?」
「だってあいつは…あいつが天辺についたら獣人族は終わってしまうっ」
「そうですか、つまりあなたが必ず後を継ぐと申されるのですね?」
「もちろんだ。決定はまだだが今回ここまで顔を出したのもそのためなんだ!」
「わかりました許可しましょう」
そういうとルリアーナさんはすっと目を細めた。
3
あなたにおすすめの小説
明日を信じて生きていきます~異世界に転生した俺はのんびり暮らします~
みなと劉
ファンタジー
異世界に転生した主人公は、新たな冒険が待っていることを知りながらも、のんびりとした暮らしを選ぶことに決めました。
彼は明日を信じて、異世界での新しい生活を楽しむ決意を固めました。
最初の仲間たちと共に、未知の地での平穏な冒険が繰り広げられます。
一種の童話感覚で物語は語られます。
童話小説を読む感じで一読頂けると幸いです
【完結】前世の不幸は神様のミスでした?異世界転生、条件通りなうえチート能力で幸せです
yun.
ファンタジー
~タイトル変更しました~
旧タイトルに、もどしました。
日本に生まれ、直後に捨てられた。養護施設に暮らし、中学卒業後働く。
まともな職もなく、日雇いでしのぐ毎日。
劣悪な環境。上司にののしられ、仲のいい友人はいない。
日々の衣食住にも困る。
幸せ?生まれてこのかた一度もない。
ついに、死んだ。現場で鉄パイプの下敷きに・・・
目覚めると、真っ白な世界。
目の前には神々しい人。
地球の神がサボった?だから幸せが1度もなかったと・・・
短編→長編に変更しました。
R4.6.20 完結しました。
長らくお読みいただき、ありがとうございました。
ザコ魔法使いの僕がダンジョンで1人ぼっち!魔獣に襲われても石化した僕は無敵状態!経験値が溜まり続けて気づいた時には最強魔導士に!?
さかいおさむ
ファンタジー
戦士は【スキル】と呼ばれる能力を持っている。
僕はスキルレベル1のザコ魔法使いだ。
そんな僕がある日、ダンジョン攻略に向かう戦士団に入ることに……
パーティに置いていかれ僕は1人ダンジョンに取り残される。
全身ケガだらけでもう助からないだろう……
諦めたその時、手に入れた宝を装備すると無敵の石化状態に!?
頑張って攻撃してくる魔獣には申し訳ないがダメージは皆無。経験値だけが溜まっていく。
気づけば全魔法がレベル100!?
そろそろ反撃開始してもいいですか?
内気な最強魔法使いの僕が美女たちと冒険しながら人助け!
高校生の俺、異世界転移していきなり追放されるが、じつは最強魔法使い。可愛い看板娘がいる宿屋に拾われたのでもう戻りません
下昴しん
ファンタジー
高校生のタクトは部活帰りに突然異世界へ転移してしまう。
横柄な態度の王から、魔法使いはいらんわ、城から出ていけと言われ、いきなり無職になったタクト。
偶然会った宿屋の店長トロに仕事をもらい、看板娘のマロンと一緒に宿と食堂を手伝うことに。
すると突然、客の兵士が暴れだし宿はメチャクチャになる。
兵士に殴り飛ばされるトロとマロン。
この世界の魔法は、生活で利用する程度の威力しかなく、とても弱い。
しかし──タクトの魔法は人並み外れて、無法者も脳筋男もひれ伏すほど強かった。
『ミッドナイトマート 〜異世界コンビニ、ただいま営業中〜』
KAORUwithAI
ファンタジー
深夜0時——街角の小さなコンビニ「ミッドナイトマート」は、異世界と繋がる扉を開く。
日中は普通の客でにぎわう店も、深夜を回ると鎧を着た騎士、魔族の姫、ドラゴンの化身、空飛ぶ商人など、“この世界の住人ではない者たち”が静かにレジへと並び始める。
アルバイト店員・斉藤レンは、バイト先が異世界と繋がっていることに戸惑いながらも、今日もレジに立つ。
「袋いりますか?」「ポイントカードお持ちですか?」——そう、それは異世界相手でも変わらない日常業務。
貯まるのは「ミッドナイトポイントカード(通称ナイポ)」。
集まるのは、どこか訳ありで、ちょっと不器用な異世界の住人たち。
そして、商品一つひとつに込められる、ささやかで温かな物語。
これは、世界の境界を越えて心を繋ぐ、コンビニ接客ファンタジー。
今夜は、どんなお客様が来店されるのでしょう?
※異世界食堂や異世界居酒屋「のぶ」とは
似て非なる物として見て下さい
文字変換の勇者 ~ステータス改竄して生き残ります~
カタナヅキ
ファンタジー
高校の受験を間近に迫った少年「霧崎レア」彼は学校の帰宅の最中、車の衝突事故に巻き込まれそうになる。そんな彼を救い出そうと通りがかった4人の高校生が駆けつけるが、唐突に彼等の足元に「魔法陣」が誕生し、謎の光に飲み込まれてしまう。
気付いたときには5人は見知らぬ中世風の城の中に存在し、彼等の目の前には老人の集団が居た。老人達の話によると現在の彼等が存在する場所は「異世界」であり、元の世界に戻るためには自分達に協力し、世界征服を狙う「魔人族」と呼ばれる存在を倒すように協力を願われる。
だが、世界を救う勇者として召喚されたはずの人間には特別な能力が授かっているはずなのだが、伝承では勇者の人数は「4人」のはずであり、1人だけ他の人間と比べると能力が低かったレアは召喚に巻き込まれた一般人だと判断されて城から追放されてしまう――
――しかし、追い出されたレアの持っていた能力こそが彼等を上回る性能を誇り、彼は自分の力を利用してステータスを改竄し、名前を変化させる事で物体を変化させ、空想上の武器や物語のキャラクターを作り出せる事に気付く。
40歳のおじさん 旅行に行ったら異世界でした どうやら私はスキル習得が早いようです
カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
部長に傷つけられ続けた私
とうとうキレてしまいました
なんで旅行ということで大型連休を取ったのですが
飛行機に乗って寝て起きたら異世界でした……
スキルが簡単に得られるようなので頑張っていきます
異世界召喚に条件を付けたのに、女神様に呼ばれた
りゅう
ファンタジー
異世界召喚。サラリーマンだって、そんな空想をする。
いや、さすがに大人なので空想する内容も大人だ。少年の心が残っていても、現実社会でもまれた人間はまた別の空想をするのだ。
その日の神岡龍二も、日々の生活から離れ異世界を想像して遊んでいるだけのハズだった。そこには何の問題もないハズだった。だが、そんなお気楽な日々は、この日が最後となってしまった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる