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逃げてきた聖女
236. この先の予定
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まあヨルさんはいいとして、フィリールが来たんだから聞いておこうか。
「御神木様の情報って何かある?」
「場所を特定するような情報はありませんね。ただ…御神木様の気配を感じたと言っているものがいましたよ」
気配?? つまりそれは姿を見たわけじゃないけど御神木様がいるってことかっ
「どこで!」
「たしか北の方とか…」
北というと王都の方角か…ちょうどいいかもな。たけ達がどうしてるのか気になるし、響子連れていくのは危険な気もするが王都周辺では箱庭にいてもらえばいいから大丈夫かな。御神木様についてはまずはその確認をするとして、なんというかやることや考えないといけないことが多い。ダルシア男爵、ネコルー、響子、ガチャ…そしてたけ達。従属は一体誰につけられたんだ? 普通に考えたら召喚した人になるのだが。
「リョータ…お前の周りの子達なんか俺に冷たいな」
「…は?」
考え事をしていたので状況はわからないが、ヨルさんが来てから気のせいかみんな会話していない。
「気のせいじゃないか?」
「そうなのか?」
多分だけどね。それよりも次の目的地も決まったことだし動かないとな。
「んじゃみんな北の建物で適当に扉を登録しておいてくれよ」
「わかりました」
ヨルさんと子供達を残してぞろぞろと部屋から出ていった。まあ登録向かうんだし残るのは登録しない人だけになるから当たり前か。というかいつの間にかフィリールがいないじゃん。ほんと神出鬼没だな。
「あの…」
「…のっ」
「どうした?」
「お礼したい、ですっ」
「です~」
「お礼?」
「はい、怪我治してもらっただけじゃなくこうやっておいしいものまで貰いましたから」
「から~」
別にいいのにな。目の前に怪我をしている人がいて治す手段があったんだ。本当にそれだけのこと。食べ物はまあ…ついでみたいなものだな。俺みたいなスキル持ちだと独り占めしていると罰が当たりそうだし。すべての人にとかは無理だし、公開しちゃうと厄介ごとに巻き込まれそうだからこうやって困った人とか、知り合いとかに使う程度。
「それに仕事がないと困ります」
「ます~」
まだ小さいのに偉いな~ というかさっきから小さいほうはまねしているだけだな。でも仕事か…だったら丁度いいかも。この間考えたたことが役に立ちそうだ。
「そうだよな生活していくのには仕事もいるよな。じゃあまずは2人の名前を教えてくれ」
「エルナ」
「…ミイ」
「ちゃんと名前言えて偉いな」
2人の頭をわしゃわしゃと撫でてやる。嬉しそうににこにことしていてなごむ。獣人特融のしっぽが左右に揺れているところを見ると嬉しいのだろう。まあ2人が犬っぽい獣人だからそう思えるだけなのかもね。ちなみにシズクは猫っぽい。聞いたことがないからみんなベースが何なのかは知らない。
「実はちょっとした知り合いに向けたお店を作ろうと思っているんだ」
「お店?」
「?」
「ケーキ屋さん…いやお菓子屋さんかな? おやつを売るお店だよ」
おやつという言葉を聞いたら2人とも目をキラキラと輝かせた。やっぱり女の子はケーキ屋さんとか好きだよね~
「よし、じゃあまずはそのお店を用意しようか」
2人を連れ家の外へ。一人になるのが嫌なのかなぜか後ろからヨルさんがついてくるけど気にしない。というかかえって仕事しないでいいのか?
「この辺でいいかな~」
選んだ場所は家のすぐ後ろ。木造校舎との間だ。扉を繋いでやってきた知り合いがすぐに店に行けるようにその配置にした。カード状態だったケーキ屋を破って現物にする。子供たちは現れた建物を見てはしゃいでいる。まあこじんまりした可愛らしい店だからね。
「さあここが今日から2人の仕事場になるんだよ」
「頑張りますっ」
「ます~」
「じゃあまずは建物に入ってみようか」
俺は2人…エルナとミィと手を繋ぎ店の中へと入っていった。
「御神木様の情報って何かある?」
「場所を特定するような情報はありませんね。ただ…御神木様の気配を感じたと言っているものがいましたよ」
気配?? つまりそれは姿を見たわけじゃないけど御神木様がいるってことかっ
「どこで!」
「たしか北の方とか…」
北というと王都の方角か…ちょうどいいかもな。たけ達がどうしてるのか気になるし、響子連れていくのは危険な気もするが王都周辺では箱庭にいてもらえばいいから大丈夫かな。御神木様についてはまずはその確認をするとして、なんというかやることや考えないといけないことが多い。ダルシア男爵、ネコルー、響子、ガチャ…そしてたけ達。従属は一体誰につけられたんだ? 普通に考えたら召喚した人になるのだが。
「リョータ…お前の周りの子達なんか俺に冷たいな」
「…は?」
考え事をしていたので状況はわからないが、ヨルさんが来てから気のせいかみんな会話していない。
「気のせいじゃないか?」
「そうなのか?」
多分だけどね。それよりも次の目的地も決まったことだし動かないとな。
「んじゃみんな北の建物で適当に扉を登録しておいてくれよ」
「わかりました」
ヨルさんと子供達を残してぞろぞろと部屋から出ていった。まあ登録向かうんだし残るのは登録しない人だけになるから当たり前か。というかいつの間にかフィリールがいないじゃん。ほんと神出鬼没だな。
「あの…」
「…のっ」
「どうした?」
「お礼したい、ですっ」
「です~」
「お礼?」
「はい、怪我治してもらっただけじゃなくこうやっておいしいものまで貰いましたから」
「から~」
別にいいのにな。目の前に怪我をしている人がいて治す手段があったんだ。本当にそれだけのこと。食べ物はまあ…ついでみたいなものだな。俺みたいなスキル持ちだと独り占めしていると罰が当たりそうだし。すべての人にとかは無理だし、公開しちゃうと厄介ごとに巻き込まれそうだからこうやって困った人とか、知り合いとかに使う程度。
「それに仕事がないと困ります」
「ます~」
まだ小さいのに偉いな~ というかさっきから小さいほうはまねしているだけだな。でも仕事か…だったら丁度いいかも。この間考えたたことが役に立ちそうだ。
「そうだよな生活していくのには仕事もいるよな。じゃあまずは2人の名前を教えてくれ」
「エルナ」
「…ミイ」
「ちゃんと名前言えて偉いな」
2人の頭をわしゃわしゃと撫でてやる。嬉しそうににこにことしていてなごむ。獣人特融のしっぽが左右に揺れているところを見ると嬉しいのだろう。まあ2人が犬っぽい獣人だからそう思えるだけなのかもね。ちなみにシズクは猫っぽい。聞いたことがないからみんなベースが何なのかは知らない。
「実はちょっとした知り合いに向けたお店を作ろうと思っているんだ」
「お店?」
「?」
「ケーキ屋さん…いやお菓子屋さんかな? おやつを売るお店だよ」
おやつという言葉を聞いたら2人とも目をキラキラと輝かせた。やっぱり女の子はケーキ屋さんとか好きだよね~
「よし、じゃあまずはそのお店を用意しようか」
2人を連れ家の外へ。一人になるのが嫌なのかなぜか後ろからヨルさんがついてくるけど気にしない。というかかえって仕事しないでいいのか?
「この辺でいいかな~」
選んだ場所は家のすぐ後ろ。木造校舎との間だ。扉を繋いでやってきた知り合いがすぐに店に行けるようにその配置にした。カード状態だったケーキ屋を破って現物にする。子供たちは現れた建物を見てはしゃいでいる。まあこじんまりした可愛らしい店だからね。
「さあここが今日から2人の仕事場になるんだよ」
「頑張りますっ」
「ます~」
「じゃあまずは建物に入ってみようか」
俺は2人…エルナとミィと手を繋ぎ店の中へと入っていった。
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