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御神木様の気配とケーキ屋

245. 次の場所へ

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「なあ魔王ってなんだ?」
「さあな~ 俺の考えだけど、魔族の王、魔物の王、魔法が一番強い奴ってイメージかな」
「言われてみれば魔王としか聞いてないよぉ~?」
「ふぅ~ん…ところで魔族ってなんだ??」

 …あれ? もしかしてこの世界に魔族って種族はいないのか?

「シズク、この世界に住んでいる種族って何がいる」
「んーと、人間、獣人、エルフ、ドワーフが一般的な種族ってやつだな。あとは動物、植物、魔物、妖精、精霊…なあ御神木様はなにになるんだ?」
「知るわけないだろう…」
「まあいいか」

 うーん…シズクの話からすると魔族の王ってのが消えるわけだが。となると魔物の王や魔法が一番強い奴が魔王ななのか? よくわからんな。

「で、結局どうするのりょーちゃん」

 そうだった。魔王のことは今はいいや。まずは御神木様のことをなんとかしないといけないよな。これ以上たけが召喚されないようにまずはしないといけない。魔王のことはその後でも大丈夫なはず…

「北…だな」
「北…」
「北か」
「ああ、その境界門を目的地にして北の方にある町と村を回ってみよう」
「そうだな、となると馬車での移動になるわけなんだが…誰がやるんだ?」

 あ…言われてみればもしかしなくても誰も馭者って出来ない。

「えーと…またルーに頼んでみるか?」
「仕事があるんじゃねぇか?」
「どうだろうちょっと聞いてみようか」

『ルーちょっといいか?』
『はいなんでしょうか?』
『実は王都の北の方へ向かいたいんだが、馭者をたのめないかなーと』
『北へ向かうのは御神木様関係ですよね? 母に確認を取ってきますのでお待ちください』

 ああそうか、ちゃんとした理由があれば手伝ってくれるってことかな。北に遊びに行きたいから馬車動かしてくれよって言っても許可は出ないってことか。

『お待たせしました。許可が下りましたので手伝わせていただきます。ただ…』
『うん?』
『朝のお祈りの時間だけはジエルの元へと戻りますのでその辺はお願いします』
『ありがとう助かるよ』
『それとなんですが…母もそちらに顔を出せるようにしたいみたいなんですが…』
『…スキルか』
『はい』

 スキルはルーに渡してもらえばいいが、箱庭へ招待するのは俺が一度エルフの里に戻って箱庭に招待しないといけない。つまりまた海を渡らないといけないわけだ。

『スキルは渡せるけど箱庭への招待がそっちまで戻らないと出来ないから、北側の用事が終わってからになるけどいいかな?』
『はい、そのくらいは我慢してもらいますのでよろしくお願いします、あ、それでいつから私はそちらにむかえばいいでしょうか?』
『そうだな…明日の朝のお祈りが終わったら来てくれると助かる』
『わかりましたではそのように言っておきますね』

 よかった~ これで自分たちのペースで移動出来るな。寄り合い馬車とかでもよかったんだが俺一人だけ乗っているのも変だからな。となれば午後からは出かけるための準備をするかね。

「どうだ?」
「ああルーが馭者やってくれるって」
「んじゃ俺たちはここで留守番だな。まあ手伝いがいるときには呼んでくれよ」
「そうだな」

 明日は王都よりさらに北の方へと向かうことになった。御神木様が見つかるといいんだがな。
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