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御神木を植える

277. 目的地?

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 港町トリィについた。時間はだいたい昼過ぎくらいだったので、俺たちはまず昼食を済ませる。そのあと御神木様と響子を連れ俺は町の中を歩き出した。ちょっと問題を起こしてしまったので俺もフードを被ることになって一人は植木を抱えている状態なので結構じろじろみられて動きにくいが仕方がない。

「このあたりは違うのじゃ…もっと……向こうじゃの」

 御神木様が言うにはこのあたりが植える場所ではないらしい。示された方向は東の方、フィレーネの方だな。となればいつまでもここにいる意味はない。

「じゃあ移動するぞ」
「うむ。そのスキルは中々便利でよいものじゃな」

 まあ俺もそう思うよ。ただ今は全く気にならない魔力量だが最初のころはポーションがぶ飲みで結構つらかったんだよね。

「…ん?」
「どうしたのりょーちゃん?」

 俺の腕にしがみついている響子が横手から顔を覗き込んだ。今俺は軽くショックを受けている最中なんだ…だってテレポートのレベルが上がっていやがりやがった!! え…何、もしかして船を渡る前に上っていた?? 港町についてからテレポートを使ったのは今が初めてだから…そういうこと…だ。

「テレポートのレベルが上がってた…」
「おーおめでと~?」
「ありがとう…」

 響子が不思議そうな顔をしている。あまりにも俺が嬉しくなさそうだからな。気づかなかった自分が悪いのはわかるがなんか悔しいっ いや、いい方に考えよう。これでもう船に乗らなくていいと!

「移動しないのか?」
「あ、わるい」

 俺はテレポートを使用し、山を無視して一気にフィレーネまで飛んだ。他の人に見られても困るのでヨルさんの家の庭へ。

「うわっ リョータが湧いた!!」

 そこへ丁度外から戻って来たヨルさんと遭遇。湧いたって…虫みたいに言わんでも。

「あれ…? まだそれ植えてないのか」
「ちょっと色々あってね今まさに探しているところだよ」
「へ~結構大変そうだな」
「ここも違う。まだ東じゃ」
「…どうやらまだここらも違うみたいだけど」
「ふ~ん…あーそうだ。父がリョータに用事があるみたいだぞ」

 ジルベスターさんが? あれ…だけどまだ2日? くらいしか経っていないから戻っていないよな。それに王都に護送してからだからさらに日数がかかるはず…

「えーと…どうすれば?」
「出来たらここで待っててくれって言ってたが、どのくらいで戻ってくるかわからんからな~」
「だよね。じゃあまだ出かけててもいいよな」
「ああ、どこへ行くんだ?」
「そうだな…テレポートで行けるのがブンナーまでだからまずはそこまでだな。その後はまだわからんが」
「わかった。そう言っておくよ」

 ヨルさんと別れ俺たちはブンナーへとテレポートをした。一気に飛べるのは素晴らしいね。

 俺たちが飛んできたのはブンナーの路地裏、響子のブレスレットを捨てたあたりだな。ブンナーはあまり歩き回っていないので行動範囲が狭い。

「このあたりはどうかな? …御神木様??」
「どうしたのかな…」

 ブンナーについて御神木様に話しかけたけど反応がない。姿は見えているんだが全く動かない。

「……近いっ」
「!!」

 そういうと御神木様は視線を周りへと向け始めた。
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