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御神木を植える

278. 望んでいない再開

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「ええい、建物がじゃまじゃ! 高いところへとでてくれんか?」
「高いところ…」

 響子を腰に抱え今いる場所の一番近い屋根へとジャンプで上がる。それほど屋根は高くないが視界を遮る邪魔な建物は無くなった。

「これなら少しはましかな?」

 俺の言葉に返事も返さず御神木様は辺りを見回している。まあ近くまで来たから落ち着かないものわかるが、何か反応を返してくれるとありがたい。

「おいおまえらーー! この間はよくもやってくれたな~」
「ん?」

 建物の足元にいる人がこちらに向かって埴谷ら怒鳴り声をあげていた。

「…誰?」
「ほらっ これなら見覚えがあるだろが!」

 …あ、下でどなっている男が手に持っていたもは確かに見おぼえがあるわ。

「うわ…まだ根に持ってたの」

 どうやら響子は覚えていたらしい。そう以前響子が投げた腕輪が運悪くぶつかった相手だ。というかもう何日も日が経っているのにまだ覚えていたんだ…そのことに軽く驚く。

「あっちじゃ…!!」
「ん? ああ植える場所か。えーと…」
「いいからさっさと降りてきやがれ!!」

 なんか下がうるさいがどうやら向かう方向がわかったらしい。

「そっちか…行くぞ響子」
「うん、じゃありょーちゃん?」

 響子が両手を伸ばし俺の肩に手をかけた。あー…なるほど。最近肩に担いだり腰に抱えたりしたのがきにいらなかったらしい。ちゃんとお姫様抱っこで運べということを言っているんだと思う。まあそのほうが御神木様をしっかりと抱えられるというなら何でもいいが。

 俺は響子をお姫様抱っこで抱え、以前と同じように屋根の上をジャンプで渡り向かっていく。そしてやっぱり追いかけてきているな…さっきまで2人だったのが5人に増えている。

「見えてきた!」
「あれ? りょーちゃんあそこって…」
「そうだな…」

 えぐられた地面と炭になった木片が散らばっている場所が見えてくる。まさかそこなのか?

「これは…一体何があったのじゃっ このままじゃ根を張ることができぬ!!」

 その地面の様子を見て御神木様が悲しそうな顔をした。言われてみればそうかもしれない。ここは草が生えていないくらいなんだ。木なんて育つ地ではないだろう。

「りょーちゃんっ」

 そんな御神木様の様子を眺めていると響子が俺を呼んだ。顔をあげるといつの間にかたくさんの男たちに囲まれている。女のいるかもしれないが…ぱっとみわからんからな。

「今度は逃がさないぜ…というか逃げられねぇ~んだってなっ」

 男たちがニヤニヤとわらっていて気味が悪い。というかなんで逃げられないって知ってるんだ? たしかに俺たちは以前この状況でテレポートで逃げたが今回はここが目的地である。逃げたとしてもこいつらがまた来るだろうからそれじゃあ意味がない。

「誰がそんなことを…」
「そんなことどうだっていいだろう? おい、女の方は傷つけるなよ、それとその植木もだ。男は生きてさえいればいいらしいからな」
「りょーちゃんっ」

 あ、響子が男に捕まってしまった…まあ響子に危害は加えないらしいから今はいいや。それよりもこの状況をどうするかだよな。今の俺のステータスだと対人は危険後思うんだ、主に相手を怪我させそうで怖い。いや怪我で済めばいいのか、簡単に殺せてしまいそうなんだ。
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