298 / 356
御神木を植える
282. デール商会
しおりを挟む
ローレンスさんからもらった情報を頼りにマリジアナへやってきた。この町で土をよくしてくれるものが売っているらしいというざっくりとした情報だ。まあ無いよりはましって程度だけどな。
「初めて来る街だねぇ~」
「そういえば響子はここ来るの初めてだったな」
前響子を御神木様に会わせに向った時はずっと箱庭の中にいたので響子は町に入っていなかった。俺たちは門のところでちゃんと滞在許可証を発行してから入る。この町はこの辺の手続きをちゃんとしておかないと後で怖そうなんでな。
さて、まずは露天が出ている通りにまずいってみようか。確か前店を出して何も売れなかった場所だ…思い出すとちょっと悲しくなるね。
露天を見て歩きながら響子と情報収集を始めた。時々御神木様を見て目の前で祈られることがあったりしたが、まあ欲しい情報は手に入った。この町で一番大きな商会で扱っているらしい。場所も教えてもらえたので俺と響子は商会へと足を運ぶ。
「ここかな?」
建物の看板には相変わらず読めない文字が書かれているが鑑定で読み取ると、デール商会と書かれている。この町の中で町長さんの家よりも大きな建物だった。色んな商品を扱いかなり稼いでいるらしい。
商会の中に入るとどうやら1階部分は普通に商品を扱う店のようだ。ざっくりと販売系統別に分かれて商品だと思われるものが棚などを利用して並べられ、それを手に取り眺めている客だと思われる人たちもいる。系統別に店員が張り付いていて説明と販売をしているみたいだね。
で、俺たちが目的としているものはどこなんだろうか? 種類がありすぎてよくわからないんだが…
「あっ りょーちゃんあそこで聞けばいいんじゃない? ほら多分案内所だよ」
「案内所か、そうだな聞いてみるか」
奥の方にある案内所だと思われる場所に向かい話を聞いてみることにした。
「すみません、土がよくなる?? 植物が育ちやすくなる?? そんな物ってありませんか」
「ああ、土の復活剤ですね。それでしたら…あー今日入荷したばかりなのでまだ店内に並んでいないかも…少しお待ちください」
話しかけた女性が何か書類のようなものを見た後俺たちに待つように言った。どうやら誰かに確認してくるみたいだ。少し待つとその女性はもう一人連れて戻って来た。
「あ…」
「ん…客ってこいつか? なんか見覚えが…」
「この間しつこいほど追いかけてきたカルガモじゃないか」
「あ、リョータだっけか! ってか俺の名前はそんなんじゃねぇっ カルガードだ!!」
「そうだカルガードだ!」
「なるほどここがカルガードの店なのか」
「いや…正確にはまだ親父の店だ。まあ一応後を継ぐ予定だがな」
あーいろいろ勉強中ってところなのか。
「それで、土の復活剤だっけ? どんだけいるんだ」
「えーと…使い方もわからないからその辺も含めて教えて欲しいんだが」
「ちなみに何に使うつもりだ…?」
そう言いながらカルガードはチラリと響子が抱えている御神木に視線を向けた。
「まさか…それに使うんじゃないよな?」
「いやそのつもりだが…まずいのか?」
「…大丈夫だとは思うけどよ、それ大木になるだろう? どんだけ量がいると思ってんだよ…まあいい現物見せながら説明するからこっちへこい」
やっぱりカルガードも御神木様がわかるらしい。言葉は悪いがちゃんと気にかけてくれていた。
「初めて来る街だねぇ~」
「そういえば響子はここ来るの初めてだったな」
前響子を御神木様に会わせに向った時はずっと箱庭の中にいたので響子は町に入っていなかった。俺たちは門のところでちゃんと滞在許可証を発行してから入る。この町はこの辺の手続きをちゃんとしておかないと後で怖そうなんでな。
さて、まずは露天が出ている通りにまずいってみようか。確か前店を出して何も売れなかった場所だ…思い出すとちょっと悲しくなるね。
露天を見て歩きながら響子と情報収集を始めた。時々御神木様を見て目の前で祈られることがあったりしたが、まあ欲しい情報は手に入った。この町で一番大きな商会で扱っているらしい。場所も教えてもらえたので俺と響子は商会へと足を運ぶ。
「ここかな?」
建物の看板には相変わらず読めない文字が書かれているが鑑定で読み取ると、デール商会と書かれている。この町の中で町長さんの家よりも大きな建物だった。色んな商品を扱いかなり稼いでいるらしい。
商会の中に入るとどうやら1階部分は普通に商品を扱う店のようだ。ざっくりと販売系統別に分かれて商品だと思われるものが棚などを利用して並べられ、それを手に取り眺めている客だと思われる人たちもいる。系統別に店員が張り付いていて説明と販売をしているみたいだね。
で、俺たちが目的としているものはどこなんだろうか? 種類がありすぎてよくわからないんだが…
「あっ りょーちゃんあそこで聞けばいいんじゃない? ほら多分案内所だよ」
「案内所か、そうだな聞いてみるか」
奥の方にある案内所だと思われる場所に向かい話を聞いてみることにした。
「すみません、土がよくなる?? 植物が育ちやすくなる?? そんな物ってありませんか」
「ああ、土の復活剤ですね。それでしたら…あー今日入荷したばかりなのでまだ店内に並んでいないかも…少しお待ちください」
話しかけた女性が何か書類のようなものを見た後俺たちに待つように言った。どうやら誰かに確認してくるみたいだ。少し待つとその女性はもう一人連れて戻って来た。
「あ…」
「ん…客ってこいつか? なんか見覚えが…」
「この間しつこいほど追いかけてきたカルガモじゃないか」
「あ、リョータだっけか! ってか俺の名前はそんなんじゃねぇっ カルガードだ!!」
「そうだカルガードだ!」
「なるほどここがカルガードの店なのか」
「いや…正確にはまだ親父の店だ。まあ一応後を継ぐ予定だがな」
あーいろいろ勉強中ってところなのか。
「それで、土の復活剤だっけ? どんだけいるんだ」
「えーと…使い方もわからないからその辺も含めて教えて欲しいんだが」
「ちなみに何に使うつもりだ…?」
そう言いながらカルガードはチラリと響子が抱えている御神木に視線を向けた。
「まさか…それに使うんじゃないよな?」
「いやそのつもりだが…まずいのか?」
「…大丈夫だとは思うけどよ、それ大木になるだろう? どんだけ量がいると思ってんだよ…まあいい現物見せながら説明するからこっちへこい」
やっぱりカルガードも御神木様がわかるらしい。言葉は悪いがちゃんと気にかけてくれていた。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
296
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる