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いいことと悪いこと
289. 仲良く
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カルガードが人手の確保に走ってくれている間に俺は復活剤の複製と問題となる土そのものを用意しなければならない。土はインベントリに入れて持ち帰ってくればいいけれど、人が少なくなる夜になってからのほうがいい。なのでまずは土を混ぜる場所と復活剤の複製からを始めようか。箱庭の地図を取り出しどこにしようかと考えて見る。本当は箱庭にあまりかかわりのない人の出入りを増やすのは嫌なんだが、今はそうもいっていられないのが現状だ。それにジルベスターさんが何をしたいのかもよくわからない…
「おーいリョータ」
「──ヨルさん…」
「昨日はどうしたんだ、あれから反応が全くなかったが」
忘れていた。そういえばヨルさんはジルベスターさんの考えを知ったうえで俺に近づいて来ているんだろうか?
「…昨日ジルベスターさんにあったよ」
相手の反応を見るためにも情報はあまり与えずジルベスターさんに会ったことだけを伝えてみた。これでヨルさんがどんな反応を示すかによっては対応を考えなければいけない。
「昨日? どこで会ったんだ?? まだこっちには戻って来ていないが」
どうやらヨルさんは昨日のジルベスターさんの行動は知らないみたいだ。だからと言ってまだ油断は出来ない。
「ブンナーだよ」
「へ~ わざわざそっちに行ってまでなんの用だったんだ?」
「ムコン家の紋章入りの道具を渡されたよ。書面より効果があるようだね」
「…? 書面より効果がある道具…聞いたことがないな~」
俺の言葉にちょっと何やら考え込んでいるみたいだ。これはどういう反応なんだろうか。
「リョータ…何かあったのか?」
「…仲良くせよ」
「ん、あっ ジエル!」
俺とヨルさんの間に急にやってきたジエルが口をはさんだ。
「仲良く??」
「御神木様の伝言」
それってつまりヨルさんは無関係ってことなんじゃ…
「はぁ~~~~~~~~~よかった」
「いや何がいいんだかさっぱりわからんのだが」
色々世話になって仲良くなったヨルさんと敵対しなければならないなんてほんと冗談じゃない話だわ。だけど敵じゃないってことはヨルさんとジルベスターさんは…
「疑って悪かったな。じつは…」
昨日の出来事を順を追ってヨルさんに説明した。ヨルさんも無関係ではないから黙っておくわけにもいかない。話ことによってヨルさんがどんな行動をとるのかはわからないが、蚊帳の外にするわけにもいかないだろう。
「…すまんリョータちょっと王都いってくるわ」
「王都??」
「ああ、俺もしっかりと行動を起こさないといけないみたいだからな」
少しだけ悲しそうな顔を浮かべたヨルさんはそのまま扉の方へと向かっていった。何をする気かわからないが…今俺は自分がやるべきことをしなければならないのでついてはいけない。まあ今俺自身が王都へはあまり行くべきではないんだが。
「まあ場所を決めるかね。ジエルは今からどうするんだ?」
「おやつ」
そうですか…ジエルは通常営業だった。もう俺に用が無いのかケーキ屋へ向けて歩き出していた。いいんだけどね別に。場所を決めるくらい一人でだって問題ないし…
「じゃあこの辺かな」
地図を眺めながら俺は場所を決めた。今住んでいる中央から西側の川を渡った先ここで土を混ぜる作業をしてもらおう。色んなものが混ざっているせいか復活剤は若干匂いが気になるんだよね。なので折角場所も広がったことだしちょっと離れた場所で作業をやってもらうつもりだ。そうだ作業員の住居も用意しないといけないのか…出来るだけこの場所のことを広めてほしくないので、作業中は箱庭から出ないようにしてもらうつもりだからね。
「おーいリョータ」
「──ヨルさん…」
「昨日はどうしたんだ、あれから反応が全くなかったが」
忘れていた。そういえばヨルさんはジルベスターさんの考えを知ったうえで俺に近づいて来ているんだろうか?
「…昨日ジルベスターさんにあったよ」
相手の反応を見るためにも情報はあまり与えずジルベスターさんに会ったことだけを伝えてみた。これでヨルさんがどんな反応を示すかによっては対応を考えなければいけない。
「昨日? どこで会ったんだ?? まだこっちには戻って来ていないが」
どうやらヨルさんは昨日のジルベスターさんの行動は知らないみたいだ。だからと言ってまだ油断は出来ない。
「ブンナーだよ」
「へ~ わざわざそっちに行ってまでなんの用だったんだ?」
「ムコン家の紋章入りの道具を渡されたよ。書面より効果があるようだね」
「…? 書面より効果がある道具…聞いたことがないな~」
俺の言葉にちょっと何やら考え込んでいるみたいだ。これはどういう反応なんだろうか。
「リョータ…何かあったのか?」
「…仲良くせよ」
「ん、あっ ジエル!」
俺とヨルさんの間に急にやってきたジエルが口をはさんだ。
「仲良く??」
「御神木様の伝言」
それってつまりヨルさんは無関係ってことなんじゃ…
「はぁ~~~~~~~~~よかった」
「いや何がいいんだかさっぱりわからんのだが」
色々世話になって仲良くなったヨルさんと敵対しなければならないなんてほんと冗談じゃない話だわ。だけど敵じゃないってことはヨルさんとジルベスターさんは…
「疑って悪かったな。じつは…」
昨日の出来事を順を追ってヨルさんに説明した。ヨルさんも無関係ではないから黙っておくわけにもいかない。話ことによってヨルさんがどんな行動をとるのかはわからないが、蚊帳の外にするわけにもいかないだろう。
「…すまんリョータちょっと王都いってくるわ」
「王都??」
「ああ、俺もしっかりと行動を起こさないといけないみたいだからな」
少しだけ悲しそうな顔を浮かべたヨルさんはそのまま扉の方へと向かっていった。何をする気かわからないが…今俺は自分がやるべきことをしなければならないのでついてはいけない。まあ今俺自身が王都へはあまり行くべきではないんだが。
「まあ場所を決めるかね。ジエルは今からどうするんだ?」
「おやつ」
そうですか…ジエルは通常営業だった。もう俺に用が無いのかケーキ屋へ向けて歩き出していた。いいんだけどね別に。場所を決めるくらい一人でだって問題ないし…
「じゃあこの辺かな」
地図を眺めながら俺は場所を決めた。今住んでいる中央から西側の川を渡った先ここで土を混ぜる作業をしてもらおう。色んなものが混ざっているせいか復活剤は若干匂いが気になるんだよね。なので折角場所も広がったことだしちょっと離れた場所で作業をやってもらうつもりだ。そうだ作業員の住居も用意しないといけないのか…出来るだけこの場所のことを広めてほしくないので、作業中は箱庭から出ないようにしてもらうつもりだからね。
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