312 / 356
いいことと悪いこと
296. 嬉しいことと悲しいこと
しおりを挟む
箱庭に戻り、ガチャの続きをやろうとケーキ屋へと足を運ぶ。自分の部屋でやるほうがいいんだけど、今俺の部屋ではノノさんが眠っている。そうなると自然とここに足を向けてしまうってわけだ。
「あ、リョータさん。戻られましたか」
「ルーどうかしたのか?」
ルーがここに来るのは結構珍しいことだ。ジエルと違ってお菓子を買うためだけに来たりはしない。ということは何か俺に用事があるってことなんだろう。
「はい、覚えていますか? 以前ポイントのために私が髪の毛を切ろうとしたことを」
そういえばそんなことがあったな…それでゴミとかでいいって話をして、エルフの里にはゴミが少ないって言っていたっけね。
「覚えているけど…まさかわざわざ切ったのか!?」
俺は慌ててルーの髪の毛へと視線を向けた。髪の毛は…多分変わっていない?? 流石に細かく長さを覚えていたわけじゃないけど、ぱっとみ変わっていない感じだ。
「違いますよ。あれからみんなの家を回って、肥料に出来ず燃やすことになるゴミを回収したんです。たくさんとはいきませんが少しでもお役に立てればと」
「ルー…」
なんていい子なんだ。笑顔が眩しくて直視できないっ というか今までの自分の行動をかえりみて恥ずかしくなってくる。
「仲良し、ね?」
そんなルーの後ろからひょっこりと顔を出すジエル。お菓子を口に運びもぐもぐとしている。
「ジエルッ ちゃんと座って食べなさいっ」
「味は変らない…のに」
「そうじゃないでしょう、もうっ」
まるで幼い子をあやすようにルーはジエルの背中を押してテーブルの方へと行ってしまった。俺もその後をついていき近くの椅子を引き座る。
「そうだルー集めたゴミを受けとるよ」
「あ、はい。どこに出しましょうか」
「…ここでは、やめて。ね」
もぐもぐと口を動かすのは止めずジエルがこちらを睨んでくる。まあ食べてる傍でゴミとか出されたくないか。
「じゃあ外にしようか」
「わかりました」
座ったばかりだが立ち上がり俺とルーは店の外へ。そこに取り出されたものを片っ端からポイントに変える。
ガチャポイント:163276→164481
手に入ったポイントはスキルガチャ11連分もないが、俺はこの気持ちが嬉しかった。店の中に戻るとジエルはまだ食べていた。食べすぎると太るぞと言いたいが行ったところでやめるとも思えないので黙っておく。椅子に座り俺はガチャを再開しようとスキルを発動する。
「いらっしゃいませー」
「ませー」
おっと誰か客がやって来たみたいだ。というか知り合いしか来れないから気にすることはないんだが。あーあと作業員か。
「あら、めずらしくいらしたのですね」
「……」
やってきたのはヨルさんの母親と妹のレアナさん。そういえばこの人たちはジルベスターさんの行動を知っているんだろうか。
「…何か言いたそうな顔をしていますが、おっしゃってよいのですよ?」
「あの…ジルベスターさんの行動は知っていますか?」
「…知りません。といいますか、私が知っているのは領主であることと私の夫だということのみ。普段の仕事の内容に関しては口を出すことは許されません」
「そうなんですか…ジルベスターさんは俺と敵対することに決めたようですよ」
「まあ…っ なんと無謀なことを。異世界の方にかなうはずなどないというのに…では、私がここへ顔を出すのはあまりよろしくないのですね?」
「俺としては構わないのですが、ジルベスターさんが知ると利用されるかもしれませんよ。現にノノさんがやってきましたし」
「…そうですか。では内密にレアナだけは許可をいただけますか? 折角出来た友達ですもの」
ちらりとその隣を見ると不安そうな顔をしたレアナさんがいた。もともと喋れないとされているレアナさんなら本人からばれることはないだろう。
「わかりました。ではすみませんが今日戻られましたら扉の撤去を物理的にさせてもらいます」
「そうね、それがいいわ。スキルは消せないものね。では今日は最後だものしっかりと楽しんでいきましょうか」
ヨルさんの母親はそういうとショーケースの方へと向かっていった。あまり話をしたことはなかったけど、こうやって知り合いと決別するというのは結構くるものがあるな。
「あ、リョータさん。戻られましたか」
「ルーどうかしたのか?」
ルーがここに来るのは結構珍しいことだ。ジエルと違ってお菓子を買うためだけに来たりはしない。ということは何か俺に用事があるってことなんだろう。
「はい、覚えていますか? 以前ポイントのために私が髪の毛を切ろうとしたことを」
そういえばそんなことがあったな…それでゴミとかでいいって話をして、エルフの里にはゴミが少ないって言っていたっけね。
「覚えているけど…まさかわざわざ切ったのか!?」
俺は慌ててルーの髪の毛へと視線を向けた。髪の毛は…多分変わっていない?? 流石に細かく長さを覚えていたわけじゃないけど、ぱっとみ変わっていない感じだ。
「違いますよ。あれからみんなの家を回って、肥料に出来ず燃やすことになるゴミを回収したんです。たくさんとはいきませんが少しでもお役に立てればと」
「ルー…」
なんていい子なんだ。笑顔が眩しくて直視できないっ というか今までの自分の行動をかえりみて恥ずかしくなってくる。
「仲良し、ね?」
そんなルーの後ろからひょっこりと顔を出すジエル。お菓子を口に運びもぐもぐとしている。
「ジエルッ ちゃんと座って食べなさいっ」
「味は変らない…のに」
「そうじゃないでしょう、もうっ」
まるで幼い子をあやすようにルーはジエルの背中を押してテーブルの方へと行ってしまった。俺もその後をついていき近くの椅子を引き座る。
「そうだルー集めたゴミを受けとるよ」
「あ、はい。どこに出しましょうか」
「…ここでは、やめて。ね」
もぐもぐと口を動かすのは止めずジエルがこちらを睨んでくる。まあ食べてる傍でゴミとか出されたくないか。
「じゃあ外にしようか」
「わかりました」
座ったばかりだが立ち上がり俺とルーは店の外へ。そこに取り出されたものを片っ端からポイントに変える。
ガチャポイント:163276→164481
手に入ったポイントはスキルガチャ11連分もないが、俺はこの気持ちが嬉しかった。店の中に戻るとジエルはまだ食べていた。食べすぎると太るぞと言いたいが行ったところでやめるとも思えないので黙っておく。椅子に座り俺はガチャを再開しようとスキルを発動する。
「いらっしゃいませー」
「ませー」
おっと誰か客がやって来たみたいだ。というか知り合いしか来れないから気にすることはないんだが。あーあと作業員か。
「あら、めずらしくいらしたのですね」
「……」
やってきたのはヨルさんの母親と妹のレアナさん。そういえばこの人たちはジルベスターさんの行動を知っているんだろうか。
「…何か言いたそうな顔をしていますが、おっしゃってよいのですよ?」
「あの…ジルベスターさんの行動は知っていますか?」
「…知りません。といいますか、私が知っているのは領主であることと私の夫だということのみ。普段の仕事の内容に関しては口を出すことは許されません」
「そうなんですか…ジルベスターさんは俺と敵対することに決めたようですよ」
「まあ…っ なんと無謀なことを。異世界の方にかなうはずなどないというのに…では、私がここへ顔を出すのはあまりよろしくないのですね?」
「俺としては構わないのですが、ジルベスターさんが知ると利用されるかもしれませんよ。現にノノさんがやってきましたし」
「…そうですか。では内密にレアナだけは許可をいただけますか? 折角出来た友達ですもの」
ちらりとその隣を見ると不安そうな顔をしたレアナさんがいた。もともと喋れないとされているレアナさんなら本人からばれることはないだろう。
「わかりました。ではすみませんが今日戻られましたら扉の撤去を物理的にさせてもらいます」
「そうね、それがいいわ。スキルは消せないものね。では今日は最後だものしっかりと楽しんでいきましょうか」
ヨルさんの母親はそういうとショーケースの方へと向かっていった。あまり話をしたことはなかったけど、こうやって知り合いと決別するというのは結構くるものがあるな。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
296
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる