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第2章 転移者
15話 翼竜
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テルースにお礼を言い、朝3人は兄のもとへ向かった。やはりまた林を抜けて行くようだ。今回は最初通ったときと違い、前を歩いている人がいた。そちらも3人のようだ。
「おや珍しい、こんなとこ歩いてどこ行くんだい?」
前を歩いていた1人が振り返り話掛けてきた。
「今からフラカンの畑に行くところですよ。」
「おやそうなのかい。我々の目的地と一緒だな。」
「一緒に行くかい?」
この人達はここの住人なんだよな。と言うことは地球からの転生者か。僕を見ても変化がないところを見ると、関係のない人なんだろうな。まあ、脇役的なやつか?
そんなことを思いながら一緒に歩き始めた。フラカンというのはテルースの上の兄の名前である。やはり畑を管理していた。
「俺たちはここの木々を管理してるんだが君たちはどんな関係なんだい?」
「どんなって……」
説明するのが難しいな。
「親子です。」
「「「!?」」」
テンタチィオネが即答した。どう見ても兄弟3人とかに見えるのに普通に答えたのでおじさんたちは困惑している。『まさか』とか『兄弟じゃないのか?』とか『男の子2人が?』とか話しているのが聞こえてきた。
おいおいおいおい!変なことになってるぞっ
『急用が出来たから』そう言って男たちは顔を見合わせた後走って行ってしまった。
「なんだなんだ?」
「どうしたにょかしら?」
不思議そうに2人は首を傾げた。
どう見ても父さんのせいです!!
少しアクシデントはあったが気にしても仕方ないということで、再びフラカンの畑へ向かう。しばらく歩いて行くと見慣れた扉があった。少し違うのは扉の横に小さめな小屋が建っている。
「なんか建物があるにぇ?」
「なんでこんなとこにあるんだろう?」
3人で小屋の前にたち、眺めていた。その声が聞こえていたらしく、小屋の扉が開き20代くらいの男の人がが出てきた。
「ん。許可かい?いいよ。」
そう一言言うと扉を閉めて中に戻ってしまった。
「え。ちょっと待ってくださーい。」
扉を叩くが出てくる気配もない。
「今のフラカンだったのかな?」
「たぶん~?」
これはしばらく時間置かないと出てこないかもしれないという事で、せっかく許可もらったと言うのもあるので、ダンジョンに入って見ることにした。
扉を開けるとまた大きな魔物が門番をしていた。今度は孔雀のような羽根を尾羽で垂らしている黒い鳥だった。
「今回は案内なしで何がでるかわからないのが不安だなー…」
「まあ、上いくしかないにぇ。」
サラキアは天井を指指した。
49階に上がり辺りを見回す。今まで見てきたダンジョンより天井が高いように思える。よく見ると蝙蝠みたいな魔物が天井にびっしりだ。
「うわー沢山だねぇ~」
「うへぇー、一度に来たら面倒だなー」
両親は呑気である。
「もしかしてこれ狩るの?」
「どうしようかー」
そんな話をしていると奥の方で蝙蝠達が騒ぐ声が聞こえてきた。風も流れこんできてるようだ。
「誰か他にもきてるのか?」
目を凝らして奥を見る。次第にその姿が見えてきた。大きな鳥のような外観をしているようだ。
バサッバサッバサッ……
羽ばたきながら目の前にやって来たそれは鋭い目つきでこちらを見つめている。
「これさ…翼竜というやつじゃない?」
「そのようだな。」
「ワイバーンかにゃ?」
いや、こんな狭いとこでありえないだろっ
「両羽落とせばいけりゅかも~」
「じゃあ右で!」
「左~」
2人は飛びかかった。あっという間に羽根を切り落としている。だが翼竜はまだ消えてはいない。
「ありゃ、首も落とさないとだめかにゃ?」
サラキアが笑顔で怖いことを言う。その言葉を聞いた翼竜は降参したかのように消えた。後にはドロップアイテムがあるだけだ。『レンジで簡単唐揚げ!』と書かれた袋が落ちている。
冷凍食品かよっ
「ここは肉なんだねぇー」
「もう少し狩るか。」
「奥行くけど直人はどうしゅる?」
いい加減慣れて来たと思ったけど翼竜とか唐揚げとか意味わからんわ…
「いや、ここで蝙蝠でも狩ってるわ。」
「じゃあまた後でね~」
そう言うと2人は奥に入って行った。
「…………」
『ファイアーアロー』
ぷすっと蝙蝠に刺さり落ちて来た。『あら挽かれてウィンナー』がでた。
「ほんとなんでだよ!?」
一人でつっこみをいれてしまう。
「帰りたい…」
座り込んで2人が戻るのを待つことにする。ふと気がついたんだが以前サラキアダンジョンの1Fで狩りした時、魔物がいなくなることがなかった。
ん…それって狩ると他のとこにまた出現するとかなのかも?じゃあそのうち目の前にも翼竜が出現することもあったりして……
バサッバサッ…
「…………」
やっぱりか――っ
驚いてまた加減せずに『ファイアーウォール』で対処する。あまりにも近くに来ていて目の前に出してしまった。
「あっつぅ~!」
熱量が凄い。少し服が焦げてしまった。
……この熱さ夢じゃないのか?もしこの世界で死んでしまったらどうなるんだろう…
この世界に来て初めて恐怖を感じた直人だった。
「おや珍しい、こんなとこ歩いてどこ行くんだい?」
前を歩いていた1人が振り返り話掛けてきた。
「今からフラカンの畑に行くところですよ。」
「おやそうなのかい。我々の目的地と一緒だな。」
「一緒に行くかい?」
この人達はここの住人なんだよな。と言うことは地球からの転生者か。僕を見ても変化がないところを見ると、関係のない人なんだろうな。まあ、脇役的なやつか?
そんなことを思いながら一緒に歩き始めた。フラカンというのはテルースの上の兄の名前である。やはり畑を管理していた。
「俺たちはここの木々を管理してるんだが君たちはどんな関係なんだい?」
「どんなって……」
説明するのが難しいな。
「親子です。」
「「「!?」」」
テンタチィオネが即答した。どう見ても兄弟3人とかに見えるのに普通に答えたのでおじさんたちは困惑している。『まさか』とか『兄弟じゃないのか?』とか『男の子2人が?』とか話しているのが聞こえてきた。
おいおいおいおい!変なことになってるぞっ
『急用が出来たから』そう言って男たちは顔を見合わせた後走って行ってしまった。
「なんだなんだ?」
「どうしたにょかしら?」
不思議そうに2人は首を傾げた。
どう見ても父さんのせいです!!
少しアクシデントはあったが気にしても仕方ないということで、再びフラカンの畑へ向かう。しばらく歩いて行くと見慣れた扉があった。少し違うのは扉の横に小さめな小屋が建っている。
「なんか建物があるにぇ?」
「なんでこんなとこにあるんだろう?」
3人で小屋の前にたち、眺めていた。その声が聞こえていたらしく、小屋の扉が開き20代くらいの男の人がが出てきた。
「ん。許可かい?いいよ。」
そう一言言うと扉を閉めて中に戻ってしまった。
「え。ちょっと待ってくださーい。」
扉を叩くが出てくる気配もない。
「今のフラカンだったのかな?」
「たぶん~?」
これはしばらく時間置かないと出てこないかもしれないという事で、せっかく許可もらったと言うのもあるので、ダンジョンに入って見ることにした。
扉を開けるとまた大きな魔物が門番をしていた。今度は孔雀のような羽根を尾羽で垂らしている黒い鳥だった。
「今回は案内なしで何がでるかわからないのが不安だなー…」
「まあ、上いくしかないにぇ。」
サラキアは天井を指指した。
49階に上がり辺りを見回す。今まで見てきたダンジョンより天井が高いように思える。よく見ると蝙蝠みたいな魔物が天井にびっしりだ。
「うわー沢山だねぇ~」
「うへぇー、一度に来たら面倒だなー」
両親は呑気である。
「もしかしてこれ狩るの?」
「どうしようかー」
そんな話をしていると奥の方で蝙蝠達が騒ぐ声が聞こえてきた。風も流れこんできてるようだ。
「誰か他にもきてるのか?」
目を凝らして奥を見る。次第にその姿が見えてきた。大きな鳥のような外観をしているようだ。
バサッバサッバサッ……
羽ばたきながら目の前にやって来たそれは鋭い目つきでこちらを見つめている。
「これさ…翼竜というやつじゃない?」
「そのようだな。」
「ワイバーンかにゃ?」
いや、こんな狭いとこでありえないだろっ
「両羽落とせばいけりゅかも~」
「じゃあ右で!」
「左~」
2人は飛びかかった。あっという間に羽根を切り落としている。だが翼竜はまだ消えてはいない。
「ありゃ、首も落とさないとだめかにゃ?」
サラキアが笑顔で怖いことを言う。その言葉を聞いた翼竜は降参したかのように消えた。後にはドロップアイテムがあるだけだ。『レンジで簡単唐揚げ!』と書かれた袋が落ちている。
冷凍食品かよっ
「ここは肉なんだねぇー」
「もう少し狩るか。」
「奥行くけど直人はどうしゅる?」
いい加減慣れて来たと思ったけど翼竜とか唐揚げとか意味わからんわ…
「いや、ここで蝙蝠でも狩ってるわ。」
「じゃあまた後でね~」
そう言うと2人は奥に入って行った。
「…………」
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「帰りたい…」
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