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第6話 見学会2
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さっきスゥが来る前にチラリと見た部屋に先ず入った。やっぱり洗濯機が最初に目に入る。
「これは…何?」
「洗濯機…」
「せん…何?」
「…えーと、服とか…洗うもの」
スゥがすごい勢いで瞬きしながら何度も聞きなおし洗濯機を眺めている。見た目は一般的な洗濯機なのになんでそこまで驚いているのかわからない。
「服なんて揉んで洗うでしょ??」
「…え?」
「えっ?」
この言葉に僕は流石に驚いた。洗濯機がない世界…これはもしかして飛んでもない世界に来てしまったのでは…と。でもイメージで洗濯機もちゃんと出来ているし、生活するのに困ることはなさそうだ。でも構造とかは詳しく知らないので一度試しておかないといけないよね。
「えと…僕も試したいから…見る?」
「うんうんっ 見たい!」
そんなに目をキラキラさせてもただの洗濯機だよ…少しだけ申し訳ない気持ちがわいてくる。
履いていた靴下を脱ぎ洗濯機に入れると蓋を閉め、『スタート』と書かれているボタンを押した。水が流れ込んでくる音がし始めた。
「な…何の音?」
「洗濯機に…水が流れ込む音?」
スゥには簡単に応えておき僕は洗濯機の後ろを覗き込む。ホースみたいなものはついていないのに水が注入されているから気になったんだ。どこかからか水がきているらしい…不思議だ。
水の流れる音が止まるとグウォングウォンと中で回転する音が始まる。その音にスゥが洗濯機から飛びのいた。
「また別の音がっ」
驚くスゥは放置して僕はまた首を傾げる。よく考えたら電気とかもどうなっているんだろう…よくわからないけど洗濯機は動いているから今は気にしないことにした。
「あの…次はこっちの部屋」
洗濯機がある部屋にもう1つある扉を僕は指した。こっちにあるのは多分お風呂だろう。
「え、でもこれまだ動いてるけど!」
「終わるまで時間…かかるから…その間に他…見ませんか?」
「そうなのね。眺めていたいきもするけど…時間かかるなら仕方ないか」
スゥが納得してくれたので今度はお風呂場を見ることになった。
「ところでその部屋は何があるのかな」
「お風呂…だよ」
「…えっ 風呂? 本当に?」
「う、多分…」
あんまり強く言われると自身がなくなってくる。位置関係的にお風呂であっていると思うんだけど、違ったらどうしようか…
「あはっ 風呂つきとは参ったね…ここに住んでる人達ね誰も風呂作らなかったんだよ」
「え…じゃあ汗とか流せない…けど…え?」
どういうことなんだろうか…お風呂はいらないと汚いじゃないか。もしかして体を拭くだけとかなのかな。
「そうね、風呂とか貴族くらいしか持ってないレベルだから、みんな家を作るときに考えなかったのよね~だから相変わらず体を拭くだけの人もいるし、あとは魔法でとかもいるかな~ちなみに私は魔法で毎日綺麗にしているよ?」
「ま…魔法…? 魔法あるんだ…」
「ん? 簡単な魔法くらいなら誰でも使えるでしょう?」
そういわれても…よくわからないし、使えるかも知らないんだけどね。そんな気持ちが顔に出ていたのかスゥが首をかしげて僕を見ている。
「ほら…」
スゥが両手を器の形にするとその中に小さな炎が揺らめいている。すごい…本当に魔法があるんだ…と僕はその炎をじっと眺めた。
「どう…やれば……」
「使えないのっ? うそ、それじゃあ料理とか作るのに困るでしょ!」
「えーと…困らない…けど…?」
もちろん調理だって問題ないようにコンロとか用意してあるから使えるはず…洗濯機でそれが証明されたんだから火も使えるはずなんだ。
「えと…後で、わかる…よ?」
「そうなの? …まあ今はそれよりお風呂だよね」
「うん」
ここも横開きだ。開けると洗い場と浴槽がある。窓はなく換気扇がついている。換気扇で送られた空気がどこへ行くのかは謎だけども…あとは、石鹸関係も充実していた。消耗品なのでなくなるだろうと思うが、実はここに最初から決めていたことがあるんだ。たとえば固形石鹸だとケースに乗せてあるんだけど、ここに乗っている石鹸がある程度軽くなると補充されるようになっているんだ。中々便利だよね。もちろん本当に補充されるかはその時までわからないんだけど、これは食材関係のところで確認できると思う。
今いるこの場所が見た感じものが全然なかったのでこういう手段をとっておいたんだ。これで僕はここで一生暮らしていけると思う。
「た…高そうな石鹸ね」
「そう…かな?」
高いかどうかは僕にはわからない。何と比べれば良いのかわからないからね。
「でも狭いのねお風呂」
「狭い…の?」
「ええ、だってこれだと1人しか入れないでしょ?」
「…え?」
「え?」
お互い顔を見合わせ瞬きをした。僕が1人で入るのだからそんなに広いお風呂とかいらないと思うんだけど…あれ?
「ま、まあいいわさあ次行きましょうかっ」
まるで逃げるかのようにスゥは廊下に出て行った。あわてて僕もその後ろを追いかけ廊下へと出ることにした。
「これは…何?」
「洗濯機…」
「せん…何?」
「…えーと、服とか…洗うもの」
スゥがすごい勢いで瞬きしながら何度も聞きなおし洗濯機を眺めている。見た目は一般的な洗濯機なのになんでそこまで驚いているのかわからない。
「服なんて揉んで洗うでしょ??」
「…え?」
「えっ?」
この言葉に僕は流石に驚いた。洗濯機がない世界…これはもしかして飛んでもない世界に来てしまったのでは…と。でもイメージで洗濯機もちゃんと出来ているし、生活するのに困ることはなさそうだ。でも構造とかは詳しく知らないので一度試しておかないといけないよね。
「えと…僕も試したいから…見る?」
「うんうんっ 見たい!」
そんなに目をキラキラさせてもただの洗濯機だよ…少しだけ申し訳ない気持ちがわいてくる。
履いていた靴下を脱ぎ洗濯機に入れると蓋を閉め、『スタート』と書かれているボタンを押した。水が流れ込んでくる音がし始めた。
「な…何の音?」
「洗濯機に…水が流れ込む音?」
スゥには簡単に応えておき僕は洗濯機の後ろを覗き込む。ホースみたいなものはついていないのに水が注入されているから気になったんだ。どこかからか水がきているらしい…不思議だ。
水の流れる音が止まるとグウォングウォンと中で回転する音が始まる。その音にスゥが洗濯機から飛びのいた。
「また別の音がっ」
驚くスゥは放置して僕はまた首を傾げる。よく考えたら電気とかもどうなっているんだろう…よくわからないけど洗濯機は動いているから今は気にしないことにした。
「あの…次はこっちの部屋」
洗濯機がある部屋にもう1つある扉を僕は指した。こっちにあるのは多分お風呂だろう。
「え、でもこれまだ動いてるけど!」
「終わるまで時間…かかるから…その間に他…見ませんか?」
「そうなのね。眺めていたいきもするけど…時間かかるなら仕方ないか」
スゥが納得してくれたので今度はお風呂場を見ることになった。
「ところでその部屋は何があるのかな」
「お風呂…だよ」
「…えっ 風呂? 本当に?」
「う、多分…」
あんまり強く言われると自身がなくなってくる。位置関係的にお風呂であっていると思うんだけど、違ったらどうしようか…
「あはっ 風呂つきとは参ったね…ここに住んでる人達ね誰も風呂作らなかったんだよ」
「え…じゃあ汗とか流せない…けど…え?」
どういうことなんだろうか…お風呂はいらないと汚いじゃないか。もしかして体を拭くだけとかなのかな。
「そうね、風呂とか貴族くらいしか持ってないレベルだから、みんな家を作るときに考えなかったのよね~だから相変わらず体を拭くだけの人もいるし、あとは魔法でとかもいるかな~ちなみに私は魔法で毎日綺麗にしているよ?」
「ま…魔法…? 魔法あるんだ…」
「ん? 簡単な魔法くらいなら誰でも使えるでしょう?」
そういわれても…よくわからないし、使えるかも知らないんだけどね。そんな気持ちが顔に出ていたのかスゥが首をかしげて僕を見ている。
「ほら…」
スゥが両手を器の形にするとその中に小さな炎が揺らめいている。すごい…本当に魔法があるんだ…と僕はその炎をじっと眺めた。
「どう…やれば……」
「使えないのっ? うそ、それじゃあ料理とか作るのに困るでしょ!」
「えーと…困らない…けど…?」
もちろん調理だって問題ないようにコンロとか用意してあるから使えるはず…洗濯機でそれが証明されたんだから火も使えるはずなんだ。
「えと…後で、わかる…よ?」
「そうなの? …まあ今はそれよりお風呂だよね」
「うん」
ここも横開きだ。開けると洗い場と浴槽がある。窓はなく換気扇がついている。換気扇で送られた空気がどこへ行くのかは謎だけども…あとは、石鹸関係も充実していた。消耗品なのでなくなるだろうと思うが、実はここに最初から決めていたことがあるんだ。たとえば固形石鹸だとケースに乗せてあるんだけど、ここに乗っている石鹸がある程度軽くなると補充されるようになっているんだ。中々便利だよね。もちろん本当に補充されるかはその時までわからないんだけど、これは食材関係のところで確認できると思う。
今いるこの場所が見た感じものが全然なかったのでこういう手段をとっておいたんだ。これで僕はここで一生暮らしていけると思う。
「た…高そうな石鹸ね」
「そう…かな?」
高いかどうかは僕にはわからない。何と比べれば良いのかわからないからね。
「でも狭いのねお風呂」
「狭い…の?」
「ええ、だってこれだと1人しか入れないでしょ?」
「…え?」
「え?」
お互い顔を見合わせ瞬きをした。僕が1人で入るのだからそんなに広いお風呂とかいらないと思うんだけど…あれ?
「ま、まあいいわさあ次行きましょうかっ」
まるで逃げるかのようにスゥは廊下に出て行った。あわてて僕もその後ろを追いかけ廊下へと出ることにした。
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