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「よし、これで全部だよな?」
「はい大丈夫だね」
夜も遅かった昨日は宿も毎回ユニ父たちが利用しているところにどうにか泊めてもらうことが出来て一晩過ごすことが出来た。そして今は俺の召喚魔法で取り出した店舗から荷馬車を外へと出したところだ。ユニたちは今日ちゃんと村に帰ることが出来る。それにしてもほんと俺のせいで迷惑をかけてしまったもんだ。この世界にないような食べ物はもう少し気を付けて扱わないといけないと思った出来事だった。まあ…そんなに作れるものがあるわけじゃないから大丈夫だと思うが。
「そうだこれを」
「これは…いいのかい?」
「はい、ぜひみなさんで食べてくださいね」
俺は保管庫にしまってあったパンケーキを取り出した。昨夜寝る前に焼いておいたものだ。本当は焼いていたものがあったんだけど、あれはユニ父が商人ギルドで話をスムーズに進めるための道具となったので作りなおすことになったんだよね。
「天使さまぁ~…ぐすっ」
「ユニ何度も言うけどだめだからね」
ユニが涙目になりながらその先の言葉を我慢している。これについて昨夜少しもめた。俺についていくんだとユニは言った。それが守り人の役目なんだとかなんだとか。だけど父親から許可が出るわけがない。ユニはまだ親元を離れられない年齢の子供なのだ。それにこう見えて女の子でもある。ずっと自分のことを僕と言っていたので俺は勝手に男の子だと思っていたが違った。
「また顔出しに行くからいい子でいろよ?」
「本当ですか?」
「ああ、それにしばらくはこの港町にいるつもりだし、ユニもまた父親と一緒に来ればいい」
「よし、準備できたよ」
荷馬車に馬の取り付けが終わったユニ父がこちらに声をかけた。
「ほら馬車に乗らないと」
「う~ わかりました」
しぶしぶといった感じでユニは荷馬車に乗り込む。
「ここまでありがとうございました」
「いやいやこちらこそこれありがとう」
「早く無事な顔を見せてあげてくださいね。多分かなり心配していると思うので」
「あーそうだったな。ユニ覚悟しておきなよ?」
「ひぇっ 母さん…容赦ないから」
馬車が動き出す。俺はそれを見送っているとユニが身を乗りだして手を振っていた。
「天使様ーー いつか僕も……に!」
遠ざかっていく馬車は声を一部かき消し、ユニが何を言っているのかはわからなかったが半日もかからない場所に住んでいるんだからまた会えると俺も手を振り返した。
「さて、俺も動かないとね」
荷馬車が見えなくなってから俺は町の中へと戻った。これから俺はここで自分で稼いでいかなければならない。手持ちは露店で売った600リラ。まずは冒険者ギルドへ向かって登録するところから始めようか。
というわけでやってきた冒険者ギルド。一人で中へ入るのは初めてだがそんなことを言ってたら始まらない。むしろ一度ユニと入っているんだからとさっさと入るのがいいだろう。
「うわっ」
朝の冒険者ギルドは人が多くて驚いた。たくさんの人がカウンターに並んでいたり、掲示板? みたいなところに張られている紙を眺めている。まずは登録をしないといけないので受付の列へ並ぶことにした。
30分ほど待つと俺の番がやって来て受付で登録することを言った。俺はそれと同時に500リラをカウンターに乗せる。
「はい登録料500リラ確かに。では説明しますね。この代金は今からお渡ししますカードの貸し出し料という扱いになります」
…ん? 貸出??
「つまりまずは仮登録ということですね。本登録をするためにまずあそこに張られています依頼書から5つ仕事をこなしていただきます。もちろんちゃんと報酬は出ますので安心してくださいね」
報酬が出るのなら問題ない…かな?
「問題なく依頼を完了できましたら本登録へと移ります。もし依頼を連続で3件失敗しますと本登録へは移れずカードの返却と登録料の返金をしたしますのでご了承ください」
なるほど…自分で出来る仕事の見極めが肝心ってことかな。
「まずはここまでの説明になりますがよろしいでしょうか? 本登録へ移りましたらもう少し詳しく説明をいたしますので」
「わかりました。じゃあ一つだけ…依頼というのは書かれている内容に合っていればどんなやり方でもいいですか?」
「かまいません。例えば納品依頼ですが、どこかで購入した物であろうとも数がそろっていればそれで完了ですね。一つだけ気を付けることとしましては討伐依頼でしょうか。こちらはカードの持ち主が魔物を倒しますとその情報が登録されます。ですので自分で倒さなければ証明が出来ません」
謎システムだな…どうやって本人が倒したってカードが認識してるんだろうか? まあ聞いたところで俺にわかるとも思えないから聞かないけど。
「じゃあ仮登録お願いします」
「はい、それではこちらのカードのここに血を一滴お願いします」
カードと針を差し出されちょっと驚いた。血か~…というかこの針綺麗だよな? それが気になるところ。
「ええと…針は洗ってありますので大丈夫ですよ?」
汚れはないけどそういったことじゃないんだよね。やっぱ気になるっ 俺は召喚魔法で消毒用のアルコールを呼び出し吹き付けてから針を使用した。受付のお姉さんは俺の行動に目を丸くしていたけど余分なことは一切口にしなかったな。
「はい大丈夫だね」
夜も遅かった昨日は宿も毎回ユニ父たちが利用しているところにどうにか泊めてもらうことが出来て一晩過ごすことが出来た。そして今は俺の召喚魔法で取り出した店舗から荷馬車を外へと出したところだ。ユニたちは今日ちゃんと村に帰ることが出来る。それにしてもほんと俺のせいで迷惑をかけてしまったもんだ。この世界にないような食べ物はもう少し気を付けて扱わないといけないと思った出来事だった。まあ…そんなに作れるものがあるわけじゃないから大丈夫だと思うが。
「そうだこれを」
「これは…いいのかい?」
「はい、ぜひみなさんで食べてくださいね」
俺は保管庫にしまってあったパンケーキを取り出した。昨夜寝る前に焼いておいたものだ。本当は焼いていたものがあったんだけど、あれはユニ父が商人ギルドで話をスムーズに進めるための道具となったので作りなおすことになったんだよね。
「天使さまぁ~…ぐすっ」
「ユニ何度も言うけどだめだからね」
ユニが涙目になりながらその先の言葉を我慢している。これについて昨夜少しもめた。俺についていくんだとユニは言った。それが守り人の役目なんだとかなんだとか。だけど父親から許可が出るわけがない。ユニはまだ親元を離れられない年齢の子供なのだ。それにこう見えて女の子でもある。ずっと自分のことを僕と言っていたので俺は勝手に男の子だと思っていたが違った。
「また顔出しに行くからいい子でいろよ?」
「本当ですか?」
「ああ、それにしばらくはこの港町にいるつもりだし、ユニもまた父親と一緒に来ればいい」
「よし、準備できたよ」
荷馬車に馬の取り付けが終わったユニ父がこちらに声をかけた。
「ほら馬車に乗らないと」
「う~ わかりました」
しぶしぶといった感じでユニは荷馬車に乗り込む。
「ここまでありがとうございました」
「いやいやこちらこそこれありがとう」
「早く無事な顔を見せてあげてくださいね。多分かなり心配していると思うので」
「あーそうだったな。ユニ覚悟しておきなよ?」
「ひぇっ 母さん…容赦ないから」
馬車が動き出す。俺はそれを見送っているとユニが身を乗りだして手を振っていた。
「天使様ーー いつか僕も……に!」
遠ざかっていく馬車は声を一部かき消し、ユニが何を言っているのかはわからなかったが半日もかからない場所に住んでいるんだからまた会えると俺も手を振り返した。
「さて、俺も動かないとね」
荷馬車が見えなくなってから俺は町の中へと戻った。これから俺はここで自分で稼いでいかなければならない。手持ちは露店で売った600リラ。まずは冒険者ギルドへ向かって登録するところから始めようか。
というわけでやってきた冒険者ギルド。一人で中へ入るのは初めてだがそんなことを言ってたら始まらない。むしろ一度ユニと入っているんだからとさっさと入るのがいいだろう。
「うわっ」
朝の冒険者ギルドは人が多くて驚いた。たくさんの人がカウンターに並んでいたり、掲示板? みたいなところに張られている紙を眺めている。まずは登録をしないといけないので受付の列へ並ぶことにした。
30分ほど待つと俺の番がやって来て受付で登録することを言った。俺はそれと同時に500リラをカウンターに乗せる。
「はい登録料500リラ確かに。では説明しますね。この代金は今からお渡ししますカードの貸し出し料という扱いになります」
…ん? 貸出??
「つまりまずは仮登録ということですね。本登録をするためにまずあそこに張られています依頼書から5つ仕事をこなしていただきます。もちろんちゃんと報酬は出ますので安心してくださいね」
報酬が出るのなら問題ない…かな?
「問題なく依頼を完了できましたら本登録へと移ります。もし依頼を連続で3件失敗しますと本登録へは移れずカードの返却と登録料の返金をしたしますのでご了承ください」
なるほど…自分で出来る仕事の見極めが肝心ってことかな。
「まずはここまでの説明になりますがよろしいでしょうか? 本登録へ移りましたらもう少し詳しく説明をいたしますので」
「わかりました。じゃあ一つだけ…依頼というのは書かれている内容に合っていればどんなやり方でもいいですか?」
「かまいません。例えば納品依頼ですが、どこかで購入した物であろうとも数がそろっていればそれで完了ですね。一つだけ気を付けることとしましては討伐依頼でしょうか。こちらはカードの持ち主が魔物を倒しますとその情報が登録されます。ですので自分で倒さなければ証明が出来ません」
謎システムだな…どうやって本人が倒したってカードが認識してるんだろうか? まあ聞いたところで俺にわかるとも思えないから聞かないけど。
「じゃあ仮登録お願いします」
「はい、それではこちらのカードのここに血を一滴お願いします」
カードと針を差し出されちょっと驚いた。血か~…というかこの針綺麗だよな? それが気になるところ。
「ええと…針は洗ってありますので大丈夫ですよ?」
汚れはないけどそういったことじゃないんだよね。やっぱ気になるっ 俺は召喚魔法で消毒用のアルコールを呼び出し吹き付けてから針を使用した。受付のお姉さんは俺の行動に目を丸くしていたけど余分なことは一切口にしなかったな。
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