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配膳
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「いやなに、やっぱりレシピを教えてくれた本人がいたほうが確実に回せるんじゃないかと思ってな」
俺が不思議に思ってみているとそんな理由だった。何かトラブルとかがあったわけではないみたいだ。まあそりゃそうなんだろうけどさ、昨日教えて今日すぐに新商品出すとか普通に早すぎだわ。料理人の負担が一番やばいんじゃないか?
「まだメニューは何も聞いていないんですが結局どんな形になったんですか?」
「えーとカツは…」
「ちょっとルゼル!! 何勝手に教えてるのよ。その子は今日こっちの担当なんだから勝手なことしないでっ」
「おっと怖いのに見つかった。持ち場戻るわ」
「こらっ 待ちなさい!」
ルゼルさんは逃げるように厨房へと戻ってき、その後をこの怒鳴っている人が追いかけていく。最初この店に来た時ちょっとつんけんした人だなーとは思ったけど…知り合いにはさらに厳しそうだな。怒らせないようにはしておこうか。
「はぁ~・・ったく。で? 君名前は??」
「カイです」
「そう、私はここの配膳リーダーでコルネーア。さっき話していたことは本当? あなたが今日から入れる新メニューのレシピ提供者って」
「一応そうだけど…」
「ふぅ~ん…ちょっと嘘くさいけどまあいいわ。今回の仕事は配膳ですからね。そのことを間違わないようにっ」
うん、当たり前だ。俺はその仕事を受けてきたんだから。むしろなんで違う仕事をやろうとしたと思ったんだか。
少しすると人数がそろったのか説明が始まる。食べ物を無駄にすることは出来ないので、実物は注文があってから名前との一致を各自行うことと言われた。難しい対応は配膳リーダーが行うので何か客に聞かれた場合などは配膳リーダーに話を回すらしい。
「最後に一つ! お客様には丁寧な言葉遣いを心がけてくださいね。難しい言葉が苦手な人がいるのはわかっていますが、怒鳴るような行為、馬鹿にした言い回し、自分の方が偉い発言などはしないように」
「「「「「はいっ」」」」」
その後軽く移動についてのレクチャーがあり、同じ通路でかち合ったらどうするかってやつね? 夜の開店時間となった。
「マリネーぜ、8番へ!!」
「オークのおろし煮、2番っ」
出来上がったものから順次名前とテーブル番号が伝えられる。俺が受け取ったのはオークのおろし煮。オークって…あのオークだよな?? 見たことないけどファンタジーの定番だから名前くらいは知っている。どうやらこのオークがカツの肉となって何かおろされたものと一緒に煮られている…いわゆるみぞれ煮ってやつだな。
「お待たせしましたオークのおろし煮です」
俺は2番テーブルへ運びそっと置いた。後でルゼルさんにこのおろし煮に使った野菜が何なのか聞いてみようかな。
順調に何度も運び、戻り掛けに空いたお皿を下げることを繰り返し調理場の受け渡し口へ戻ると、コルネーアが腰に付けた袋に料理を入れようとしていた。どう考えても袋の口は狭いし、サイズ的にも入るわけがない。さらに汁気もあるんだからありえない行動に見える。だけどそれは何事もなかったように袋の中に納まり、あろうことか次々と料理をしまい込む。
「あら、なにかしら?」
「その袋はなんですか?」
「マジックバックよ。個室へ一度に運ぶのに使っているの。あ…うーん、流石に全部は入らないか。ちょっとカイ手伝いなさい」
「はあ…」
どうやら全部袋に入らなかったらしい。というかマジックバック初めて見たな。自分で似たようなことが出来るから探してみようとも思わなかったし。
俺はいくつか空の食器を持たされ料理を手に持つコルネーアの後についていった。
「料理をお持ちしました」
中から反応があるのを待ち、コルネーアが扉を開けるとその中には4人ほど人がいた。特に名前とかも言わずコルネーアがどんどん料理を取り出しテーブルに並べていく。
「ほらそれ貸して」
俺が持っていた食器も取り上げテーブルに置く。
「あれ…? カイさんじゃないですか。それにその服装…またギルドの仕事ですか」
「トーアルさんは食事ですか?」
4人のうち1人はトーアルさんだった。奥にいたので顔が見えなかったんだよね。
「まあそうですね。それと新商品の試食会でもあります」
試食会か、なるほどね~
軽く挨拶を済ませ扉を閉めた後再び調理場の受け渡し口へ戻ろうとすると、襟首をつかまれ転びそうになった。
「ぐえっ 何するんですか」
「カイ、あんた本当にレシピ渡した人だったみたいね。トーアル様と知り合いだなんて…」
どうでもいいが首が閉まるからやめて欲しい。
「ねえちょっと後で少し話をしない?」
「話…?」
「んーちょっとここではあれだから仕事終わってからねっ」
そういうとコルネーアは仕事へと戻っていった。後で話がしたいって何だろう? まさか俺がトーアルさんと知り合いだとわかり見直したとか? だから俺に取り入っておこうと…いや、ないなない。ちょっとあほくさい考えだった。言葉はきついがコルネーアは見た目は綺麗系。だから変なことを考えてしまっただけ。俺も仕事に戻ろ。
俺が不思議に思ってみているとそんな理由だった。何かトラブルとかがあったわけではないみたいだ。まあそりゃそうなんだろうけどさ、昨日教えて今日すぐに新商品出すとか普通に早すぎだわ。料理人の負担が一番やばいんじゃないか?
「まだメニューは何も聞いていないんですが結局どんな形になったんですか?」
「えーとカツは…」
「ちょっとルゼル!! 何勝手に教えてるのよ。その子は今日こっちの担当なんだから勝手なことしないでっ」
「おっと怖いのに見つかった。持ち場戻るわ」
「こらっ 待ちなさい!」
ルゼルさんは逃げるように厨房へと戻ってき、その後をこの怒鳴っている人が追いかけていく。最初この店に来た時ちょっとつんけんした人だなーとは思ったけど…知り合いにはさらに厳しそうだな。怒らせないようにはしておこうか。
「はぁ~・・ったく。で? 君名前は??」
「カイです」
「そう、私はここの配膳リーダーでコルネーア。さっき話していたことは本当? あなたが今日から入れる新メニューのレシピ提供者って」
「一応そうだけど…」
「ふぅ~ん…ちょっと嘘くさいけどまあいいわ。今回の仕事は配膳ですからね。そのことを間違わないようにっ」
うん、当たり前だ。俺はその仕事を受けてきたんだから。むしろなんで違う仕事をやろうとしたと思ったんだか。
少しすると人数がそろったのか説明が始まる。食べ物を無駄にすることは出来ないので、実物は注文があってから名前との一致を各自行うことと言われた。難しい対応は配膳リーダーが行うので何か客に聞かれた場合などは配膳リーダーに話を回すらしい。
「最後に一つ! お客様には丁寧な言葉遣いを心がけてくださいね。難しい言葉が苦手な人がいるのはわかっていますが、怒鳴るような行為、馬鹿にした言い回し、自分の方が偉い発言などはしないように」
「「「「「はいっ」」」」」
その後軽く移動についてのレクチャーがあり、同じ通路でかち合ったらどうするかってやつね? 夜の開店時間となった。
「マリネーぜ、8番へ!!」
「オークのおろし煮、2番っ」
出来上がったものから順次名前とテーブル番号が伝えられる。俺が受け取ったのはオークのおろし煮。オークって…あのオークだよな?? 見たことないけどファンタジーの定番だから名前くらいは知っている。どうやらこのオークがカツの肉となって何かおろされたものと一緒に煮られている…いわゆるみぞれ煮ってやつだな。
「お待たせしましたオークのおろし煮です」
俺は2番テーブルへ運びそっと置いた。後でルゼルさんにこのおろし煮に使った野菜が何なのか聞いてみようかな。
順調に何度も運び、戻り掛けに空いたお皿を下げることを繰り返し調理場の受け渡し口へ戻ると、コルネーアが腰に付けた袋に料理を入れようとしていた。どう考えても袋の口は狭いし、サイズ的にも入るわけがない。さらに汁気もあるんだからありえない行動に見える。だけどそれは何事もなかったように袋の中に納まり、あろうことか次々と料理をしまい込む。
「あら、なにかしら?」
「その袋はなんですか?」
「マジックバックよ。個室へ一度に運ぶのに使っているの。あ…うーん、流石に全部は入らないか。ちょっとカイ手伝いなさい」
「はあ…」
どうやら全部袋に入らなかったらしい。というかマジックバック初めて見たな。自分で似たようなことが出来るから探してみようとも思わなかったし。
俺はいくつか空の食器を持たされ料理を手に持つコルネーアの後についていった。
「料理をお持ちしました」
中から反応があるのを待ち、コルネーアが扉を開けるとその中には4人ほど人がいた。特に名前とかも言わずコルネーアがどんどん料理を取り出しテーブルに並べていく。
「ほらそれ貸して」
俺が持っていた食器も取り上げテーブルに置く。
「あれ…? カイさんじゃないですか。それにその服装…またギルドの仕事ですか」
「トーアルさんは食事ですか?」
4人のうち1人はトーアルさんだった。奥にいたので顔が見えなかったんだよね。
「まあそうですね。それと新商品の試食会でもあります」
試食会か、なるほどね~
軽く挨拶を済ませ扉を閉めた後再び調理場の受け渡し口へ戻ろうとすると、襟首をつかまれ転びそうになった。
「ぐえっ 何するんですか」
「カイ、あんた本当にレシピ渡した人だったみたいね。トーアル様と知り合いだなんて…」
どうでもいいが首が閉まるからやめて欲しい。
「ねえちょっと後で少し話をしない?」
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「んーちょっとここではあれだから仕事終わってからねっ」
そういうとコルネーアは仕事へと戻っていった。後で話がしたいって何だろう? まさか俺がトーアルさんと知り合いだとわかり見直したとか? だから俺に取り入っておこうと…いや、ないなない。ちょっとあほくさい考えだった。言葉はきついがコルネーアは見た目は綺麗系。だから変なことを考えてしまっただけ。俺も仕事に戻ろ。
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